JPH0545282A - 自動臨床分析システム - Google Patents

自動臨床分析システム

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JPH0545282A
JPH0545282A JP3200387A JP20038791A JPH0545282A JP H0545282 A JPH0545282 A JP H0545282A JP 3200387 A JP3200387 A JP 3200387A JP 20038791 A JP20038791 A JP 20038791A JP H0545282 A JPH0545282 A JP H0545282A
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JP3200387A
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English (en)
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Katsue Kotari
克衛 小足
Ryohei Yamamoto
良平 山本
Takahiro Tsukamoto
崇紘 塚本
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Kurabo Industries Ltd
Kurashiki Spinning Co Ltd
Original Assignee
Kurabo Industries Ltd
Kurashiki Spinning Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 抗原・抗体反応による微小粒子の凝集現象の
凝集パターンを光学的に測定し、パターンを判定する自
動臨床分析システムを提供する。 【構成】 試料中の分析すべき抗原または抗体を試薬と
反応させると、微小粒子は、抗原または抗体を介して凝
集する。反応後の凝集状態またはパターンは、成分濃度
と対応している。既知量の抗体又は抗原を試薬と反応さ
せたときに生じる凝集のフーリエ変換系におけるフラウ
ンホーファ回折像を光センサにより検出する。階層ネッ
トワーク型のニューラルネットによる学習により、この
検出パターン(入力)から望ましい出力(教師信号)を
得るように、ニューラルネットの各入力ユニットの重み
係数を誤差が小さくなるように求めておく。この出力
は、たとえば、凝集程度を表す4出力(陰性、半陽性、
中陽性、強陽性)であり、あるいは、濃度の連続量であ
る1出力である。未知の光センサ出力が、階層ネットワ
ークの入力層に入力されると、上記の重み係数を用い
て、パターンを自動的に判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、分光測定を用いた抗原
または抗体の濃度分析システムに関する。
【0002】
【従来の技術】試料中の分析すべき抗原または抗体の有
無を判定するために、微小粒子に抗体または抗原を感作
した試薬と反応させると、図1の(a),(b)に示す
ように、微小粒子3は、抗原1または抗体2を介して凝
集する。反応後の凝集状態またはパターンを判別する免
疫学的な分析法において、代表的な光学的な分析法に
は、 (1) 比濁法 (2) (比ろう法、または)光散乱法 がある。比濁法は、前者は、液中に浮遊した粒子の光散
乱に伴う前方透過光から減衰光量、すなわち濁り度を測
定する方法である。つまり、光の散乱の結果としての濁
り度を指標としている。濁度計または通常の分光器を用
いて測定することができる。臨床関係での代表的な先行
技術としては特開昭53−24015号公報がある。
【0003】比濁法を用いると、単一粒子径試料または
単分散試料の粒子数または濃度の定量実験では実用精度
で測定できたが、粒子径の異なる2種類の混合試料の場
合には、それぞれの粒子径の粒子数または濃度について
の分離定量は実用精度が得られなかった。この実験結果
から、比濁法では粒子径に関する正確な情報を得にくい
ことがわかる。
【0004】光散乱法は、粒子による散乱光を観測する
ことによって粒子径、粒子数(濃度)、あるいは分布に関
する情報を得る方法である。ネフェロメータまたは粒子
カウンタで測定できる。粒子カウンタによる粒子サイズ
とその分布を測定する方法は、すでに産業界でも広範に
利用されている。粒子カウンタを応用した先行技術に
は、たとえば特開昭60−111963号公報がある。
しかし、もともと個別の粒子を測定する手法であるため
に、試料をフローセルに流し測定視野の中で単一粒子と
なる状態にして測光し、粒子サイズを分類計数してい
く。したがって、信号は微弱でノイズに弱い。また粒子
径分布は統計的なものであるために、かなり多数の粒子
を調べなければならない。このために測定に時間がかか
る。サンプル量も計量しておかなければならない。さら
に、試料を細いノズルを流すためにごみなどにより詰ま
りやすいこと、また凝集物がノズルの通過の際に分解を
引き起こすことなどの欠点をもっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、粒子による
光散乱を利用してパターンを測定する方法に関するが、
ここで、粒子による光散乱現象について説明する。粒子
径dが入射光の波長λに比べて十分小さいときは(α=
πd/λ《1)、その散乱光強度の角度分布は、入射光と
直角方向の軸のまわりに対称的に分布する。この領域は
レーリー散乱領域とよばれており、この散乱領域では、
散乱強度Iは、入射光の強度Io、粒子の体積の2乗
2、粒子の数nに比例し、波長の4乗λ4に反比例す
る。また粒子の屈折率と粒子を分散している溶媒の屈折
率の差に比例する。散乱粒子径dが入射光波長λに対し
て大きくなってくると(α=πd/λ〜1)、前方散乱の
方向には後方散乱の方向に比べて多くの散乱光の分布が
見られるようになる。散乱光強度の角度分布の対称性が
くずれ、前方散乱光が後方散乱光に比べて強くなる。さ
らに強度分布に極大、極小が生じてくる。粒子径をさら
に大きくしていくと、何組かの極大と極小を示すように
なる。角度分布パターンはこのように複雑に変化する。
この領域はミー散乱領域とよばれている。本発明に関連
する試薬に用いられる微小粒子のサイズはこの領域に属
すものがほとんどである。
【0006】上述のように、散乱光強度は角度分布をも
っており、粒子径dと入射波長λの関係、粒子の屈折率
などの因子により複雑に変化する。したがって、光散乱
現象をパターンの分析法に応用するには、これらの因子
を前もって調整、制御しておかなければ、分析の再現性
と定量性はなかなか得られない。
【0007】一方、パターンの光散乱強度を直接測定す
る方法においては、既に説明したように、特定の散乱角
度の散乱強度を単一センサで測定する方法よりも、少な
くとも2つの角度以上、できれば角度走査して散乱強度
の角度分布パターンを測定して解析する方が精度がよ
い。しかし、パターン測定結果から粒度分布を計算する
ことはかなり困難である。
【0008】ところで、一般用途の場合と異なり、臨床
の分析への応用に限定すれば、粒度分布の数値そのもの
が最終目的に必要なわけではない。抗原・抗体反応に関
係して、血液中の目的とする成分濃度が測定され、診断
が正確にできればよいわけである。凝集の有無(成分濃
度)を目視観察により判定する方法がある。まず抗原ま
たは抗体を含む血清の希釈サンプルの系列をマイクロプ
レートのU型ウェルに作成する。その上から既定量の試
薬を添加し、均一に攪拌して所定時間静置すると、U型
ウェルの底に各種の反応パターン(沈澱)が形成され
る。このパターンから凝集の有無を判定する。目視観察
による凝集の有無の判定は次のような基準を用いてい
る。 ・陰性(−): 粒子が底面の中心に濃く集まり、外周
縁が均等で滑らかな円形のパターン ・半陽性(±): 粒子が底面の中心に小さなリングを形
成し、外周縁が均等で滑らかなパターン ・中陽性(+): 凝集粒子のリングが明らかに大きく
リング内に凝集粒子が膜状に広がったパターン ・強陽性(++):凝集が一様に起こり、凝集粒子が底面
全体に膜状に広がったパターン しかし、この方法においては、モデルサンプルによる凝
集パターンの系列写真が参考についているが、凝集パタ
ーンの判定基準は感覚的なものであり、目視判定のため
に個人差がある。また試料調整から判定までに時間がか
かる欠点がある。さらに分類を細かにすることが困難で
ある。
【0009】抗原・抗体反応による微小粒子の凝集現象
は、被検血清中の抗体量または抗原量に関係して、その
粒度分布は、図2に示すようなパターンを示す。抗原・
抗体反応にともなって、粒子は凝集し凝集塊は成長して
いき、粒子分布のピークは大きくなって行く。その結果
として未反応の粒子は減少していく。これにより、図2
に示すように、陰性、弱陽性、中陽性、強陽性へと変化
するにつれ、パターンが変化していく。したがって、粒
子径とその分布の変化を測定、分析、判定するのが、抗
原・抗体量の自動分析の最も本質的な手法といえる。最
近パターン認識に用いられている階層ネットワーク構造
のニューラルネットがこの目的に適していると期待され
る。
【0010】本発明の目的は、抗原・抗体反応による微
小粒子の凝集現象の凝集パターンを光学的に測定し、パ
ターンを判定する自動臨床分析システムを提供すること
である。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係る自動臨床分
析システムは、試料を試薬と反応させ凝集を起こさせる
セルと、このセルに単色の平行な光を透過して、上記の
凝集のフラウンホーファ回折像を発生させるフーリエ変
換光学系と、フーリエ変換光学系により発生されたフラ
ウンホーファ回折像を検出する多素子光センサと、1ま
たは複数の入力とこの入力に対して乗算される重み係数
とから積和を計算し、この積和を所定の伝達関数に変換
して出力する複数のユニットから構成される入力層、中
間層、および出力層からなるニューラルネットと、フラ
ウンホーファ回折像のパターンの学習用パターン情報を
入力層に入力し、上記の出力層からの出力の、上記の学
習用パターン情報の作成の際に得られる既知の出力デー
タである教師信号に対する誤差が最小になる方向に上記
のユニット間の結合の重み係数を決定する演算を行なう
学習手段と、上記の誤差が最小となったときの上記の重
み係数を記憶する記憶手段とを備え、上記の入力層に入
力される上記の光センサの出力と上記の記憶手段に記憶
される重み係数とから、上記の出力層より入力データに
対応するデータを出力することを特徴とする。
【0012】
【作用】試料中の分析すべき抗原または抗体の有無を判
定するために、微小粒子に抗体または抗原を感作した試
薬と反応させると、微小粒子は、抗原または抗体を介し
て凝集する。反応後の凝集状態またはパターンは、成分
濃度と対応している。既知量の抗体又は抗原を試薬と反
応させたときに生じる凝集粒子のフーリエ変換光学系に
おけるフラウンホーファ回折像を光センサにより検出す
る。ニューラルネットの学習のため、既知量の抗体又は
抗原を試薬と反応させたときに生じるパターンをあらか
じめ求めておき、階層ネットワーク型のニューラルネッ
トによる学習により、この検出パターン(入力)から正
解(教師信号)を得るように、ニューラルネットの各入
力ユニットの重み係数を誤差が小さくなるように求め、
記憶しておく。この出力は、たとえば、凝集程度を表す
4出力(陰性、半陽性、中陽性、強陽性)であり、ある
いは、濃度の連続量である1出力である。未知の光セン
サ出力が、ニューラルネットの階層ネットワークの入力
層に入力されるときは、上記の重み係数を用いて、出力
を得る。
【0013】
【実施例】以下、図面を参照して本発明による実施例に
ついて説明する。光散乱測定の原理は次のように説明さ
れる。本考案に係る試薬は、粒子径が数ミクロンのラテ
ックス粒子、あるいはゼラチン粒子、あるいは血球を主
に対象にしており、被体血清との凝集反応で最高100
ミクロン程度の凝集塊になる。この粒子径範囲(d》λ)
では、フラウンホーファ回折現象を利用した測定法が適
している。図3に示すフーリエ変換光学系において、単
色かつ平行な光11をセル12中の試料に照射すると、
集光レンズ13の焦点面(フーリエ変換面)14に散乱
光と入射光の干渉した光、いいかえれば回折した光の半
径方向への強度パターン14’(焦点面14の右に示
す)が形成される。なお、図中のfは、集光レンズ13
の焦点距離である。
【0014】単一粒子のときは、その回折パターンは次
のように表わされる。
【数1】 ここに、各種パラメータは、以下の量を表す。 I(0):回折パターンの中心における強度、 θ :光軸からの散乱角度、 I(θ):回折パターンの散乱角度θにおける強度、 a :粒子半径、 J1 :第1種ベッセル関数の1次、 α :2πa/λ、 λ :入射ビームの波長。 関数{2J1(αsinθ)/αsinθ}2は、図4に示すよう
なパターンである。図4ではαsinθをxで示してい
る。相対的な回折パターンの強度分布I(θ)/I(0)は
αsinθの関数である。粒子半径aが小さいときは回折
パターンは広がり、粒子半径aが大きいときは回折パタ
ーンはシャープになる。また粒子半径aが同じでランダ
ムに点在する場合は、その回折パターンは全く同じで単
純に加算されるだけなので、その強度から粒子数が求ま
る。
【0015】一方、試料が粒子径分布をもつ場合は、多
数の回折パターンが重複して合成された信号となってい
る。
【数2】 ここに、φ(a)daは粒子サイズa〜a+daの粒子数であ
る。
【0016】また、sinθ≒s/fを用いて、集光レンズ
の焦点面上の焦点位置からの距離sの関数として表現す
ると、次の式になる。
【数3】
【0017】粒度分布φ(a)は、数学的には、「数3」
を逆変換すれば求められる。このために逆問題といわれ
ている。しかし、粒子分布への変換は単純ではない。一
般的な解法としては、検出された回折パターンは、もと
もと個別の粒子の回折パターンが重畳、合成されたもの
であることから、個別の回折パターンに分解すればよ
い。あらかじめ粒子径の異なる標準粒子を用いて求めて
おいた個別の粒子径の回折パターンを重畳、合成して検
出パターンにフィッティングすることによって粒子分布
を求める。このフィッティング操作は繰り返し計算であ
る。サンプルの条件としては、多重散乱の起こらない粒
子分散状態であれば、一度に粒子分布を求めることがで
きる。この方法では、粒子カウンタの場合のようにフロ
ーセルで単一粒子状態で流す必要はない。またその流量
を測定する必要もない。回折像は粒子位置によって影響
を受けないので、視野内で粒子は動いていても測定でき
る利点がある。
【0018】しかし、本分析法では、粒度分布φ(a)を
求めることが最終目的ではないので、この解析法をとら
ない。一般用途の場合と異なり、臨床の分析への応用に
限定すれば、粒度分布の数値そのものが最終目的に必要
なわけではない。抗原・抗体反応に関係して、血液中の
目的とする成分濃度が測定され、診断が正確にできれば
よいわけである。
【0019】図5は、本実施例に用いた測定装置を示
す。He−Neレーザまたは半導体レーザ15の出射する
可干渉性の単色光をビームエキスパンダ(レンズ16、
スリット17およびレンズ18)でビームを拡大し、平
行光にして、セル12内の液中の浮遊微小粒子に照射す
る。粒子によって回折した光は集光レンズ13を通り、
その焦点面14に位置する同心円上のリングセンサまた
はリニアセンサ19上に集光する。この多素子センサ1
9で検出した回折光パターン信号は増幅器21で増幅し
た後、A/D変換器22によりA/D変換してディジタ
ル化して、コンピュータ23で処理する。まず初めに、
回折パターンを多素子センサ19で測光するために、
「数3」式を離散形の行列で表現する。
【数4】I(si)=M(si,a)φ(a) ここに、I(si)は、多素子センサ19のi番センサ素子
に入射する回折強度行列であり、φ(a)は、粒度分布で
あり、M(si,a)は、「数3」で定義された係数を含む行
列である。
【0020】まず多素子センサ19の暗電流信号Td(i)
と溶媒単独の一様照射信号Ib(i)の補正を行った後、回
折光パターン信号I(i)を測光し基準化する。
【数5】 I(i)=(Is(i)−Id(i))/(Ib(i)−Id(i)) 多素子センサ19としては、回折パターンは光軸に対し
て軸対称であるから、集光の観点からはリングセンサが
効果的であるが、特殊なセンサであるために入手とコス
トの問題がある。一方、リニアセンサは集光の面からは
効果的ではないが、一般に普及しており、高分解能、高
感度のものを使用する。焦点を中心に対称の回折パター
ンが得られるので、対称位置にあるセンサ素子どうしの
加算平均をとる。
【0021】粒度分布φ(a)を求めるには、「数5」に
示す回折強度を測定し、「数4」の左辺に代入して数値
解析をすればよいが、しかし、本分析法では、粒度分布
φ(a)を求めることが最終目的ではないので、この解析
法をとらない。
【0022】ここで粒子の凝集状態を粒度分布から見て
みる。抗原量あるいは抗体量のあらかじめわかった標準
用血清を希釈倍率を順次変化させることで、粒子の凝集
程度を調整、制御すると、血清の希釈倍率(抗原または
抗体濃度に比例する)とそれに対応する粒子分布パター
ンは、図2のようになっている。抗原・抗体反応にとも
なって、粒子は凝集し、凝集塊は成長する。その結果と
して未反応の粒子は減少する。従って、粒子径とその分
布の変化を測定、分析、判定するのが、臨床における濃
度分析の最も本質的な手法といえる。粒子の凝集状態の
違いは、試薬を調整した初期の段階で観測されている。
従って、時間も大幅に短縮できる長所がある。回折パタ
ーンにはもともと粒度分布情報が含まれており、試薬の
初期の粒度分布、およびその変化もほぼわかっているの
で、粒度分布に変換する数学操作を省略して、回折パタ
ーンとその直接的な対応関係でも何ら問題はない。この
場合は、粒子分布に変換するための複雑な数式解法の誤
差の紛れ込む危険性が少なくなる。プログラムも簡単に
なり、計算処理時間も短縮できるメリットがある。
【0023】一般的にいって、回析パターンを数式で表
現、処理することは単純ではない。また線形性の保証も
ない。そこで学習によって作成したモデルからパターン
を認識、判別する手法が好都合である。複雑な逆問題を
解くにはニューロモデルが適している。そこで、コンピ
ュータ23に3階層構造のニューロネットワークを備え
る。
【0024】最も基本的なニューロネットワークは、図
6に示すように、入力層32、出力層34、中間層33
の3層の階層構造から構成されている。各層内には、ニ
ューロンと類似の基本的なプロセッシング・ユニット3
1を構成要素にもつ。各ユニット31は入力層32から
出力層34の方向に結合している。中間層23のユニッ
ト数は、求める精度にもよるが、5〜10ユニット数を
用いた。各ユニット31は、図7に示すように、複数の
入力と1つの出力をもつ。各ユニット31の入力部は、
シナプスと類似の結合の強さを与える可変の重みwij
もつ。これらの積和が入力の総和netiとなる。すな
わち、
【数6】 そして、これが、線形または非線形の伝達関数に変換さ
れて出力される。非線形伝達関数としては、図8に示す
ような、シグモイド関数(「数7」)が一般に用いられ
る。
【数7】 ここに、θiはしきい値である。fiは、入力値が大きく
なるにつれ1に、小さくなるにつれ0に近づく。入力が
0のときは0.5となる。関数fiの出力は0〜1の範
囲である。
【0025】入力層32の各ユニット31に入力データ
iを与えると、入力ユニット31は重みつき信号を中
間層33のユニット31に伝達する。中間層33のユニ
ット31の出力は、そのユニット31の重みつき入力和
i=fi(neti)=f(Σwijij)のシグモイド
関数である。出力層34の各ユニット31からの出力
も、同様に、そのユニットの重みつき入力和のシグモイ
ド関数で出力する。目的によっては非線型のシグモイド
関数でなく線型伝達関数でよい。また各層のデータの0
でないオフセットを収容するために、各層に1バイアス
入力35を設け、バイアス入力は1に設定している(図
6参照)。
【0026】学習とは、シミュレーションデータを用い
て調整可能なネットワークのパラメータを最適化するこ
とである。すなわち、各段階の出力と所望の出力との誤
差を検出して、その差が最も小さくなるように重み係数
wを更新する作業である。学習ルールとしては、バック
プロパゲーション法(誤差逆伝播学習ルール)が知られて
いる。図9に示すように、学習アルゴリズムの逆伝播法
では、まず入力層32の各ユニット31に入力データを
与える。これらの信号は、各ユニットで変換され中間層
33に伝わり、最後に出力層34から出力される。その
出力値と望ましい出力値(教師信号)と比べてその差を減
らすようにコネクションの重みwを変える手順(以下で
説明する)を、出力層34から中間層33、中間層33
から入力層32に順次フィードバックして行う。そして
この手順を繰り返すことにより、入力でデータに対して
正しい出力データが得られるように重みwijを収束して
いく。学習過程は、望ましい出力と実際の出力との差が
所望の精度に達したときに終了する。
【0027】学習過程をさらに詳しく説明する。ある入
力パターンpを与えたとき、出力ユニットの誤差は、実
際の出力値と望ましい出力値の差で与えられる。
【数8】δpj=tpj−opj ここに、δpjはj番ユニット出力のp番入力パターンに
対する誤差であり、tpjはp番目の入力パターンに対す
る望ましい出力値であり、opjは実際のj番ユニットの
出力値である。
【0028】実際の出力値と望ましい出力値の差Ep
次式で評価する。
【数9】 学習においては、この差が小さくなるように重みwを変
化させる。入力pを与えたときのwjiの変化量は次式で
与えられる。
【数10】△pji=ηδpjpi ここで、opiはユニットiからユニットjへの入力値で
ある。δpiはユニットjが出力層34のユニットである
か中間層33のユニットであるかで異なる。出力ユニッ
トの場合は次式となる。
【数11】δpj=(tpj-opj)fj'(netpj) 「数11」は「数8」に類似しているが、シグモイド関
数の微分をかけたものになっている。
【0029】中間層33のユニットjの誤差項は、
【数12】 となる。△wの計算は出力層34のユニットからはじめ
て、中間層33に移り、最後に入力層32までさかのぼ
る。誤差項は、それらそれぞれの重みを調整してニュー
ロネットワークを通して逆伝播される。
【0030】ニューロモデル作成のために用いるデータ
は次のようなものである。抗原量または抗体量が既知の
標準血清を希釈倍率を順次変化させることで、粒子の凝
集程度を調整、制御し、学習用のサンプル集合とする。
この一連のサンプルを測定装置にセットし、その回折パ
ターンを多素子センサ19(リングセンサまたはリニア
センサ)で測光する。そして、「数5」で示す補正をし
た後、中心化とその分散を1に基準化して学習用の入力
データとする。入力データ数は多素子センサ19の素子
数に依存する。リングセンサを用いるときは、30素子
程度である。リニアセンサを用いるときは最高1024
素子である。
【0031】一方、臨床検査の目的、試薬のタイプ、特
性に応じて、標準参照法で、陰性、半陽性・中陽性・強
陽性の4段階判定、あるいは濃度(ここでいう濃度は、
抗原量または抗体量既知の標準血清を希釈して作成して
いるので希釈倍率でもよい)の多段階判定、さらには連
続量表現の値を得る。これをニューロモデル作成用の教
師データ(望ましい出力)とする。
【0032】最も単純な陰性・半陽性・中陽性・強陽性
の4段階判定の場合は、出力層24のユニット21に4
ユニットを用いて(図6において、出力層34の出力ユ
ニット31の数を4とする)、それぞれを割り付けても
よい。また、1ユニットでその出力値0.0〜0.3、
0.3〜0.5、0.5〜0.7、0.7〜1.0に、
それぞれ0.2、0.4、0.6、0.8を割り付けて
もよい。
【0033】成分の濃度を求めるときの出力層34のユ
ニット数は1つである(図6参照)。伝達関数にシグモ
イド関数を用いるときは、その出力範囲は0〜1である
ために、濃度はスケール化する。すなわち、オフセット
と乗数を用いて0.2〜0.8の範囲におさまるように
しておく。
【0034】このような条件のもとに、学習用データを
用いて調整可能なネットワークのパラメータを最適化す
る。すなわち、各段階の出力と所望の出力との誤差を検
出して、その差が最も小さくなるように重み係数を更新
する。
【0035】バックプロパゲーション法(誤差逆伝播学
習ルール)では、図1に示すように、まず入力層32の
各ユニット31に入力データを与える。これらの信号
は、各ユニットで変換され中間層33に伝わり、最後に
出力層34から出力されるが、その出力値と望ましい出
力値(教師データ)と比べてその差を減らすようにコネク
ションの重みwを変える。この手順を繰り返すことによ
り、入力データに対して正しい出力データが得られるよ
うに重みwを収束していく。トレーニング過程は望まし
い出力と実際の出力との差が所望の精度に達したときに
終了する。このようにして最適なニューロモデルが作成
されると、それをもとに未知試料を測定、分析する。
【0036】本手法は、粒子分布情報をもつ回折パター
ンから複雑な数式展開して粒度分布に変換することな
く、直接標準参照法、または従来法の試薬の判定基準に
適合することによって目的を達成する。複雑な数式展開
のプロセスがないので誤差が紛れ込まない。また臨床化
学分析でいう検量線作成問題が簡単化され、現場作業員
でも作成できる長所がある。微小粒子の凝集反応タイプ
の試薬であれば、ほとんど制限なく適用できる。測定、
判定の制限が少ないので、粒子サイズの調整、制御の品
質管理の許容範囲も比較的ゆるやかである。このため
に、試薬の製造コスト低減に寄与する。
【0036】実施例1 (陰性・陽性の判定) 甲状腺機能正常者5例、および自己免疫性甲状腺疾患患
者5例(いずれもサイログロブリン抗体陽性)についてサ
イログロブリン抗体を測定した。リン酸水素ナトリウム
−リン酸2水素カリウム緩衝液(日局)にて108倍希釈
した血清525μlとサイログロブリンで感作したゼラ
チン粒子を含む上記緩衝液(ゼラチン粒子1%含有)17
5μlを混合した後、この混合液を20倍希釈して本分
析装置にかけ、その回折パターンをニューロモデルで分
析した。その結果、甲状腺機能正常者の5血清において
は陰性を示した。確認のために、市販の粒度分析装置で
その粒度分布を調べてみた。甲状腺機能正常者の血清は
未反応の試薬粒子と同じ粒度分布であった。一方、患者
血清5検体の粒度分布は粒子の凝集を示す粒子径の大き
い分布が観測された。
【0037】実施例2 (濃度(希釈倍率)の判定) サイロイドテストにて802の値を示すバセドウ病疾患
者血清を希釈し実施例1に準じてサイログロブリン抗体
を測定した。108倍、432倍、1728倍希釈、お
よび無限大希釈(緩衝液のみ)について本装置で測定、分
析した。希釈倍率、すなわちサイログロブリン抗体量に
比例した判別ができた。確認のために、市販の粒度分析
装置でその粒度分布を調べてみた。サイログロブリン抗
体濃度の変化にともない粒度分布パターンも変化してい
た。
【0038】実施例3 市販キットに含まれる抗α−フェトプロテイン抗体を感
作したニワトリ赤血球と肝疾患患者血清30検体を反応
させ、実施例1に準じて本装置で測定、分析した。濃度
既知の血清希釈液の分析結果と比較して得られた各検体
のα−フェトプロテイン濃度は、同一検体についてRI
A法で測定した値とよい相関を示した。相関関数は0.
96であった。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、粒子カウンタの場合の
ようにフローセルで単一粒子状態で流す必要はない。ま
たその流量を測定する必要もない。回折像は粒子位置に
よって影響を受けないので、視野内で粒子は動いていて
も測定できる。粒子分布情報をもつ回折パターンから複
雑な数式展開して粒度分布に変換することなく、直接
に、標準参照法または従来法の試薬の判定基準に適合す
ることによって目的を達成するので、複雑な数式展開の
プロセスがないので誤差が紛れ込まない。また臨床化学
分析でいう検量線作成問題が簡単化され、現場作業員で
も作成できる長所がある。微小粒子の凝集反応タイプの
試薬であれば、ほとんど制限なく適用できる。測定、判
定の制限が少ないので、粒子サイズの調整、制御の品質
管理の許容範囲も比較的ゆるやかである。このために、
試薬の製造コスト低減に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 抗原・抗体反応による微小粒子の凝集現象の
モデル図である。
【図2】 抗原・抗体反応による微小粒子の凝集現象の
粒度分布のパターンの図である。
【図3】 フーリエ変換光学系の図である。
【図4】 関数2J1(αsinθ)/αsinθのグラフであ
る。
【図5】 測定系の図である。
【図6】 測定系に用いたニューラル・ネットワークの
図である。
【図7】 各ユニットでの演算を示す図である。
【図8】 シグモイド関数のグラフである。
【図9】 三層構造のニューラルネットワークの図であ
る。
【符号の説明】
11…平行光、 12…セル、 13…集光レンズ、1
4…焦点面、 14’…フラウンホーファ回折パター
ン、19…多素子センサ、 23…コンピュータ、31
…ユニット、 32…入力層、 33…中間層、 34
…出力層。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成3年12月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 自動臨床分析システム
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、分光測定を用いた抗原
または抗体の濃度分析システムに関する。
【0002】
【従来の技術】試料中の分析すべき抗原または抗体の有
無を判定するために、微小粒子に抗体または抗原を感作
した試薬と反応させると、図1の(a),(b)に示す
ように、微小粒子3は、抗原1または抗体2を介して凝
集する。反応後の凝集状態またはパターンを判別する免
疫学的な分析法において、代表的な光学的な分析法に
は、 (1) 比濁法 (2) (比ろう法、または)光散乱法 がある。比濁法は、前者は、液中に浮遊した粒子の光散
乱に伴う前方透過光から減衰光量、すなわち濁り度を測
定する方法である。つまり、光の散乱の結果としての濁
り度を指標としている。濁度計または通常の分光器を用
いて測定することができる。臨床関係での代表的な先行
技術としては特開昭53−24015号公報がある。
【0003】比濁法を用いると、単一粒子径試料または
単分散試料の粒子数または濃度の定量実験では実用精度
で測定できたが、粒子径の異なる2種類の混合試料の場
合には、それぞれの粒子径の粒子数または濃度について
の分離定量は実用精度が得られなかった。この実験結果
から、比濁法では粒子径に関する正確な情報を得にくい
ことがわかる。
【0004】光散乱法は、粒子による散乱光を観測する
ことによって粒子径、粒子数(濃度)、あるいは分布に関
する情報を得る方法である。ネフェロメータまたは粒子
カウンタで測定できる。粒子カウンタによる粒子サイズ
とその分布を測定する方法は、すでに産業界でも広範に
利用されている。粒子カウンタを応用した先行技術に
は、たとえば特開昭60−111963号公報がある。
しかし、もともと個別の粒子を測定する手法であるため
に、試料をフローセルに流し測定視野の中で単一粒子と
なる状態にして測光し、粒子サイズを分類計数してい
く。したがって、信号は微弱でノイズに弱い。また粒子
径分布は統計的なものであるために、かなり多数の粒子
を調べなければならない。このために測定に時間がかか
る。サンプル量も計量しておかなければならない。さら
に、試料を細いノズルを流すためにごみなどにより詰ま
りやすいこと、また凝集物がノズルの通過の際に分解を
引き起こすことなどの欠点をもっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、粒子による
光散乱を利用してパターンを測定する方法に関するが、
ここで、粒子による光散乱現象について説明する。粒子
径dが入射光の波長λに比べて十分小さいときは(α=
πd/λ《1)、その散乱光強度の角度分布は、入射光と
直角方向の軸のまわりに対称的に分布する。この領域は
レーリー散乱領域とよばれており、この散乱領域では、
散乱強度Iは、入射光の強度Io、粒子の体積の2乗
2、粒子の数nに比例し、波長の4乗λ4に反比例す
る。また粒子の屈折率と粒子を分散している溶媒の屈折
率の差に比例する。散乱粒子径dが入射光波長λに対し
て大きくなってくると(α=πd/λ〜1)、前方散乱の
方向には後方散乱の方向に比べて多くの散乱光の分布が
見られるようになる。散乱光強度の角度分布の対称性が
くずれ、前方散乱光が後方散乱光に比べて強くなる。さ
らに強度分布に極大、極小が生じてくる。粒子径をさら
に大きくしていくと、何組かの極大と極小を示すように
なる。角度分布パターンはこのように複雑に変化する。
この領域はミー散乱領域とよばれている。本発明に関連
する試薬に用いられる微小粒子のサイズはこの領域に属
すものがほとんどである。
【0006】上述のように、散乱光強度は角度分布をも
っており、粒子径dと入射波長λの関係、粒子の屈折率
などの因子により複雑に変化する。したがって、光散乱
現象をパターンの分析法に応用するには、これらの因子
を前もって調整、制御しておかなければ、分析の再現性
と定量性はなかなか得られない。
【0007】一方、パターンの光散乱強度を直接測定す
る方法においては、既に説明したように、特定の散乱角
度の散乱強度を単一センサで測定する方法よりも、少な
くとも2つの角度以上、できれば角度走査して散乱強度
の角度分布パターンを測定して解析する方が精度がよ
い。しかし、パターン測定結果から粒度分布を計算する
ことはかなり困難である。
【0008】ところで、一般用途の場合と異なり、臨床
の分析への応用に限定すれば、粒度分布の数値そのもの
が最終目的に必要なわけではない。抗原・抗体反応に関
係して、血液中の目的とする成分濃度が測定され、診断
が正確にできればよいわけである。凝集の有無(成分濃
度)を目視観察により判定する方法がある。まず抗原ま
たは抗体を含む血清の希釈サンプルの系列をマイクロプ
レートのU型ウェルに作成する。その上から既定量の試
薬を添加し、均一に攪拌して所定時間静置すると、U型
ウェルの底に各種の反応パターン(沈澱)が形成され
る。このパターンから凝集の有無を判定する。目視観察
による凝集の有無の判定は次のような基準を用いてい
る。 ・陰性(−): 粒子が底面の中心に濃く集まり、外周
縁が均等で滑らかな円形のパターン ・半陽性(±): 粒子が底面の中心に小さなリングを形
成し、外周縁が均等で滑らかなパターン ・中陽性(+): 凝集粒子のリングが明らかに大きく
リング内に凝集粒子が膜状に広がったパターン ・強陽性(++):凝集が一様に起こり、凝集粒子が底面
全体に膜状に広がったパターン しかし、この方法においては、モデルサンプルによる凝
集パターンの系列写真が参考についているが、凝集パタ
ーンの判定基準は感覚的なものであり、目視判定のため
に個人差がある。また試料調整から判定までに時間がか
かる欠点がある。さらに分類を細かにすることが困難で
ある。
【0009】抗原・抗体反応による微小粒子の凝集現象
は、被検血清中の抗体量または抗原量に関係して、その
粒度分布は、図2に示すようなパターンを示す。抗原・
抗体反応にともなって、粒子は凝集し凝集塊は成長して
いき、粒子分布のピークは大きくなって行く。その結果
として未反応の粒子は減少していく。これにより、図2
に示すように、陰性、弱陽性、中陽性、強陽性へと変化
するにつれ、パターンが変化していく。したがって、粒
子径とその分布の変化を測定、分析、判定するのが、抗
原・抗体量の自動分析の最も本質的な手法といえる。最
近パターン認識に用いられている階層ネットワーク構造
のニューラルネットがこの目的に適していると期待され
る。
【0010】本発明の目的は、抗原・抗体反応による微
小粒子の凝集現象の凝集パターンを光学的に測定し、パ
ターンを判定する自動臨床分析システムを提供すること
である。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係る自動臨床分
析システムは、試料を試薬と反応させ凝集を起こさせる
セルと、このセルに単色の平行な光を透過して、上記の
凝集のフラウンホーファ回折像を発生させるフーリエ変
換光学系と、フーリエ変換光学系により発生されたフラ
ウンホーファ回折像を検出する多素子光センサと、1ま
たは複数の入力とこの入力に対して乗算される重み係数
とから積和を計算し、この積和を所定の伝達関数に変換
して出力する複数のユニットから構成される入力層、中
間層、および出力層からなるニューラルネットと、フラ
ウンホーファ回折像のパターンの学習用パターン情報を
入力層に入力し、上記の出力層からの出力の、上記の学
習用パターン情報の作成の際に得られる既知の出力デー
タである教師信号に対する誤差が最小になる方向に上記
のユニット間の結合の重み係数を決定する演算を行なう
学習手段と、上記の誤差が最小となったときの上記の重
み係数を記憶する記憶手段とを備え、上記の入力層に入
力される上記の光センサの出力と上記の記憶手段に記憶
される重み係数とから、上記の出力層より入力データに
対応するデータを出力することを特徴とする。
【0012】
【作用】試料中の分析すべき抗原または抗体の有無を判
定するために、微小粒子に抗体または抗原を感作した試
薬と反応させると、微小粒子は、抗原または抗体を介し
て凝集する。反応後の凝集状態またはパターンは、成分
濃度と対応している。既知量の抗体又は抗原を試薬と反
応させたときに生じる凝集粒子のフーリエ変換光学系に
おけるフラウンホーファ回折像を光センサにより検出す
る。ニューラルネットの学習のため、既知量の抗体又は
抗原を試薬と反応させたときに生じるパターンをあらか
じめ求めておき、階層ネットワーク型のニューラルネッ
トによる学習により、この検出パターン(入力)から正
解(教師信号)を得るように、ニューラルネットの各入
力ユニットの重み係数を誤差が小さくなるように求め、
記憶しておく。この出力は、たとえば、凝集程度を表す
4出力(陰性、半陽性、中陽性、強陽性)であり、ある
いは、濃度の連続量である1出力である。未知の光セン
サ出力が、ニューラルネットの階層ネットワークの入力
層に入力されるときは、上記の重み係数を用いて、出力
を得る。
【0013】
【実施例】以下、図面を参照して本発明による実施例に
ついて説明する。光散乱測定の原理は次のように説明さ
れる。本考案に係る試薬は、粒子径が数ミクロンのラテ
ックス粒子、あるいはゼラチン粒子、あるいは血球を主
に対象にしており、被体血清との凝集反応で最高100
ミクロン程度の凝集塊になる。この粒子径範囲(d》λ)
では、フラウンホーファ回折現象を利用した測定法が適
している。図3に示すフーリエ変換光学系において、単
色かつ平行な光11をセル12中の試料に照射すると、
集光レンズ13の焦点面(フーリエ変換面)14に散乱
光と入射光の干渉した光、いいかえれば回折した光の半
径方向への強度パターン14’(焦点面14の右に示
す)が形成される。なお、図中のfは、集光レンズ13
の焦点距離である。
【0014】単一粒子のときは、その回折パターンは次
のように表わされる。
【数1】 ここに、各種パラメータは、以下の量を表す。 I(0):回折パターンの中心における強度、 θ :光軸からの散乱角度、 I(θ):回折パターンの散乱角度θにおける強度、 a :粒子半径、 J1 :第1種ベッセル関数の1次、 α :2πa/λ、 λ :入射ビームの波長。 関数{2J1(αsinθ)/αsinθ}2は、図4に示すよう
なパターンである。図4ではαsinθをxで示してい
る。相対的な回折パターンの強度分布I(θ)/I(0)は
αsinθの関数である。粒子半径aが小さいときは回折
パターンは広がり、粒子半径aが大きいときは回折パタ
ーンはシャープになる。また粒子半径aが同じでランダ
ムに点在する場合は、その回折パターンは全く同じで単
純に加算されるだけなので、その強度から粒子数が求ま
る。
【0015】一方、試料が粒子径分布をもつ場合は、多
数の回折パターンが重複して合成された信号となってい
る。
【数2】 ここに、φ(a)daは粒子サイズa〜a+daの粒子数であ
る。
【0016】また、sinθ≒s/fを用いて、集光レンズ
の焦点面上の焦点位置からの距離sの関数として表現す
ると、次の式になる。
【数3】
【0017】粒度分布φ(a)は、数学的には、「数3」
を逆変換すれば求められる。このために逆問題といわれ
ている。しかし、粒子分布への変換は単純ではない。一
般的な解法としては、検出された回折パターンは、もと
もと個別の粒子の回折パターンが重畳、合成されたもの
であることから、個別の回折パターンに分解すればよ
い。あらかじめ粒子径の異なる標準粒子を用いて求めて
おいた個別の粒子径の回折パターンを重畳、合成して検
出パターンにフィッティングすることによって粒子分布
を求める。このフィッティング操作は繰り返し計算であ
る。サンプルの条件としては、多重散乱の起こらない粒
子分散状態であれば、一度に粒子分布を求めることがで
きる。この方法では、粒子カウンタの場合のようにフロ
ーセルで単一粒子状態で流す必要はない。またその流量
を測定する必要もない。回折像は粒子位置によって影響
を受けないので、視野内で粒子は動いていても測定でき
る利点がある。
【0018】しかし、本分析法では、粒度分布φ(a)を
求めることが最終目的ではないので、この解析法をとら
ない。一般用途の場合と異なり、臨床の分析への応用に
限定すれば、粒度分布の数値そのものが最終目的に必要
なわけではない。抗原・抗体反応に関係して、血液中の
目的とする成分濃度が測定され、診断が正確にできれば
よいわけである。
【0019】図5は、本実施例に用いた測定装置を示
す。He−Neレーザまたは半導体レーザ15の出射する
可干渉性の単色光をビームエキスパンダ(レンズ16、
スリット17およびレンズ18)でビームを拡大し、平
行光にして、セル12内の液中の浮遊微小粒子に照射す
る。粒子によって回折した光は集光レンズ13を通り、
その焦点面14に位置する同心円上のリングセンサまた
はリニアセンサ19上に集光する。この多素子センサ1
9で検出した回折光パターン信号は増幅器21で増幅し
た後、A/D変換器22によりA/D変換してディジタ
ル化して、コンピュータ23で処理する。まず初めに、
回折パターンを多素子センサ19で測光するために、
「数3」式を離散形の行列で表現する。
【数4】I(si)=M(si,a)φ(a) ここに、I(si)は、多素子センサ19のi番センサ素子
に入射する回折強度行列であり、φ(a)は、粒度分布で
あり、M(si,a)は、「数3」で定義された係数を含む行
列である。
【0020】まず多素子センサ19の暗電流信号Td(i)
と溶媒単独の一様照射信号Ib(i)の補正を行った後、回
折光パターン信号I(i)を測光し基準化する。
【数5】 I(i)=(Is(i)−Id(i))/(Ib(i)−Id(i)) 多素子センサ19としては、回折パターンは光軸に対し
て軸対称であるから、集光の観点からはリングセンサが
効果的であるが、特殊なセンサであるために入手とコス
トの問題がある。一方、リニアセンサは集光の面からは
効果的ではないが、一般に普及しており、高分解能、高
感度のものを使用する。焦点を中心に対称の回折パター
ンが得られるので、対称位置にあるセンサ素子どうしの
加算平均をとる。
【0021】粒度分布φ(a)を求めるには、「数5」に
示す回折強度を測定し、「数4」の左辺に代入して数値
解析をすればよいが、しかし、本分析法では、粒度分布
φ(a)を求めることが最終目的ではないので、この解析
法をとらない。
【0022】ここで粒子の凝集状態を粒度分布から見て
みる。抗原量あるいは抗体量のあらかじめわかった標準
用血清を希釈倍率を順次変化させることで、粒子の凝集
程度を調整、制御すると、血清の希釈倍率(抗原または
抗体濃度に比例する)とそれに対応する粒子分布パター
ンは、図2のようになっている。抗原・抗体反応にとも
なって、粒子は凝集し、凝集塊は成長する。その結果と
して未反応の粒子は減少する。従って、粒子径とその分
布の変化を測定、分析、判定するのが、臨床における濃
度分析の最も本質的な手法といえる。粒子の凝集状態の
違いは、試薬を調整した初期の段階で観測されている。
従って、時間も大幅に短縮できる長所がある。回折パタ
ーンにはもともと粒度分布情報が含まれており、試薬の
初期の粒度分布、およびその変化もほぼわかっているの
で、粒度分布に変換する数学操作を省略して、回折パタ
ーンとその直接的な対応関係でも何ら問題はない。この
場合は、粒子分布に変換するための複雑な数式解法の誤
差の紛れ込む危険性が少なくなる。プログラムも簡単に
なり、計算処理時間も短縮できるメリットがある。
【0023】一般的にいって、回析パターンを数式で表
現、処理することは単純ではない。また線形性の保証も
ない。そこで学習によって作成したモデルからパターン
を認識、判別する手法が好都合である。複雑な逆問題を
解くにはニューロモデルが適している。そこで、コンピ
ュータ23に3階層構造のニューロネットワークを備え
る。
【0024】最も基本的なニューロネットワークは、図
6に示すように、入力層32、出力層34、中間層33
の3層の階層構造から構成されている。各層内には、ニ
ューロンと類似の基本的なプロセッシング・ユニット3
1を構成要素にもつ。各ユニット31は入力層32から
出力層34の方向に結合している。中間層23のユニッ
ト数は、求める精度にもよるが、5〜10ユニット数を
用いた。各ユニット31は、図7に示すように、複数の
入力と1つの出力をもつ。各ユニット31の入力部は、
シナプスと類似の結合の強さを与える可変の重みwij
もつ。これらの積和が入力の総和netiとなる。すな
わち、
【数6】 そして、これが、線形または非線形の伝達関数に変換さ
れて出力される。非線形伝達関数としては、図8に示す
ような、シグモイド関数(「数7」)が一般に用いられ
る。
【数7】 ここに、θiはしきい値である。fiは、入力値が大きく
なるにつれ1に、小さくなるにつれ0に近づく。入力が
0のときは0.5となる。関数fiの出力は0〜1の範
囲である。
【0025】入力層32の各ユニット31に入力データ
iを与えると、入力ユニット31は重みつき信号を中
間層33のユニット31に伝達する。中間層33のユニ
ット31の出力は、そのユニット31の重みつき入力和
i=fi(neti)=f(Σwijij)のシグモイド
関数である。出力層34の各ユニット31からの出力
も、同様に、そのユニットの重みつき入力和のシグモイ
ド関数で出力する。目的によっては非線型のシグモイド
関数でなく線型伝達関数でよい。また各層のデータの0
でないオフセットを収容するために、各層に1バイアス
入力35を設け、バイアス入力は1に設定している(図
6参照)。
【0026】学習とは、シミュレーションデータを用い
て調整可能なネットワークのパラメータを最適化するこ
とである。すなわち、各段階の出力と所望の出力との誤
差を検出して、その差が最も小さくなるように重み係数
wを更新する作業である。学習ルールとしては、バック
プロパゲーション法(誤差逆伝播学習ルール)が知られて
いる。図9に示すように、学習アルゴリズムの逆伝播法
では、まず入力層32の各ユニット31に入力データを
与える。これらの信号は、各ユニットで変換され中間層
33に伝わり、最後に出力層34から出力される。その
出力値と望ましい出力値(教師信号)と比べてその差を減
らすようにコネクションの重みwを変える手順(以下で
説明する)を、出力層34から中間層33、中間層33
から入力層32に順次フィードバックして行う。そして
この手順を繰り返すことにより、入力でデータに対して
正しい出力データが得られるように重みwijを収束して
いく。学習過程は、望ましい出力と実際の出力との差が
所望の精度に達したときに終了する。
【0027】学習過程をさらに詳しく説明する。ある入
力パターンpを与えたとき、出力ユニットの誤差は、実
際の出力値と望ましい出力値の差で与えられる。
【数8】δpj=tpj−opj ここに、δpjはj番ユニット出力のp番入力パターンに
対する誤差であり、tpjはp番目の入力パターンに対す
る望ましい出力値であり、opjは実際のj番ユニットの
出力値である。
【0028】実際の出力値と望ましい出力値の差Ep
次式で評価する。
【数9】 学習においては、この差が小さくなるように重みwを変
化させる。入力pを与えたときのwjiの変化量は次式で
与えられる。
【数10】△pji=ηδpjpi ここで、opiはユニットiからユニットjへの入力値で
ある。δpiはユニットjが出力層34のユニットである
か中間層33のユニットであるかで異なる。出力ユニッ
トの場合は次式となる。
【数11】δpj=(tpj-opj)fj'(netpj) 「数11」は「数8」に類似しているが、シグモイド関
数の微分をかけたものになっている。
【0029】中間層33のユニットjの誤差項は、
【数12】 となる。△wの計算は出力層34のユニットからはじめ
て、中間層33に移り、最後に入力層32までさかのぼ
る。誤差項は、それらそれぞれの重みを調整してニュー
ロネットワークを通して逆伝播される。
【0030】ニューロモデル作成のために用いるデータ
は次のようなものである。抗原量または抗体量が既知の
標準血清を希釈倍率を順次変化させることで、粒子の凝
集程度を調整、制御し、学習用のサンプル集合とする。
この一連のサンプルを測定装置にセットし、その回折パ
ターンを多素子センサ19(リングセンサまたはリニア
センサ)で測光する。そして、「数5」で示す補正をし
た後、中心化とその分散を1に基準化して学習用の入力
データとする。入力データ数は多素子センサ19の素子
数に依存する。リングセンサを用いるときは、30素子
程度である。リニアセンサを用いるときは最高1024
素子である。
【0031】一方、臨床検査の目的、試薬のタイプ、特
性に応じて、標準参照法で、陰性、半陽性・中陽性・強
陽性の4段階判定、あるいは濃度(ここでいう濃度は、
抗原量または抗体量既知の標準血清を希釈して作成して
いるので希釈倍率でもよい)の多段階判定、さらには連
続量表現の値を得る。これをニューロモデル作成用の教
師データ(望ましい出力)とする。
【0032】最も単純な陰性・半陽性・中陽性・強陽性
の4段階判定の場合は、出力層24のユニット21に4
ユニットを用いて(図6において、出力層34の出力ユ
ニット31の数を4とする)、それぞれを割り付けても
よい。また、1ユニットでその出力値0.0〜0.3、
0.3〜0.5、0.5〜0.7、0.7〜1.0に、
それぞれ0.2、0.4、0.6、0.8を割り付けて
もよい。
【0033】成分の濃度を求めるときの出力層34のユ
ニット数は1つである(図6参照)。伝達関数にシグモ
イド関数を用いるときは、その出力範囲は0〜1である
ために、濃度はスケール化する。すなわち、オフセット
と乗数を用いて0.2〜0.8の範囲におさまるように
しておく。
【0034】このような条件のもとに、学習用データを
用いて調整可能なネットワークのパラメータを最適化す
る。すなわち、各段階の出力と所望の出力との誤差を検
出して、その差が最も小さくなるように重み係数を更新
する。
【0035】バックプロパゲーション法(誤差逆伝播学
習ルール)では、図1に示すように、まず入力層32の
各ユニット31に入力データを与える。これらの信号
は、各ユニットで変換され中間層33に伝わり、最後に
出力層34から出力されるが、その出力値と望ましい出
力値(教師データ)と比べてその差を減らすようにコネク
ションの重みwを変える。この手順を繰り返すことによ
り、入力データに対して正しい出力データが得られるよ
うに重みwを収束していく。トレーニング過程は望まし
い出力と実際の出力との差が所望の精度に達したときに
終了する。このようにして最適なニューロモデルが作成
されると、それをもとに未知試料を測定、分析する。
【0036】本手法は、粒子分布情報をもつ回折パター
ンから複雑な数式展開して粒度分布に変換することな
く、直接標準参照法、または従来法の試薬の判定基準に
適合することによって目的を達成する。複雑な数式展開
のプロセスがないので誤差が紛れ込まない。また臨床化
学分析でいう検量線作成問題が簡単化され、現場作業員
でも作成できる長所がある。微小粒子の凝集反応タイプ
の試薬であれば、ほとんど制限なく適用できる。測定、
判定の制限が少ないので、粒子サイズの調整、制御の品
質管理の許容範囲も比較的ゆるやかである。このため
に、試薬の製造コスト低減に寄与する。
【0037】実施例1 (陰性・陽性の判定) 甲状腺機能正常者5例、および自己免疫性甲状腺疾患患
者5例(いずれもサイログロブリン抗体陽性)についてサ
イログロブリン抗体を測定した。リン酸水素ナトリウム
−リン酸2水素カリウム緩衝液(日局)にて108倍希釈
した血清525μlとサイログロブリンで感作したゼラ
チン粒子を含む上記緩衝液(ゼラチン粒子1%含有)17
5μlを混合した後、この混合液を20倍希釈して本分
析装置にかけ、その回折パターンをニューロモデルで分
析した。その結果、甲状腺機能正常者の5血清において
は陰性を示した。確認のために、市販の粒度分析装置で
その粒度分布を調べてみた。甲状腺機能正常者の血清は
未反応の試薬粒子と同じ粒度分布であった。一方、患者
血清5検体の粒度分布は粒子の凝集を示す粒子径の大き
い分布が観測された。
【0038】実施例2 (濃度(希釈倍率)の判定) サイロイドテストにて802の値を示すバセドウ病疾患
者血清を希釈し実施例1に準じてサイログロブリン抗体
を測定した。108倍、432倍、1728倍希釈、お
よび無限大希釈(緩衝液のみ)について本装置で測定、分
析した。希釈倍率、すなわちサイログロブリン抗体量に
比例した判別ができた。確認のために、市販の粒度分析
装置でその粒度分布を調べてみた。サイログロブリン抗
体濃度の変化にともない粒度分布パターンも変化してい
た。
【0039】実施例3 市販キットに含まれる抗α−フェトプロテイン抗体を感
作したニワトリ赤血球と肝疾患患者血清30検体を反応
させ、実施例1に準じて本装置で測定、分析した。濃度
既知の血清希釈液の分析結果と比較して得られた各検体
のα−フェトプロテイン濃度は、同一検体についてRI
A法で測定した値とよい相関を示した。相関関数は0.
96であった。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、粒子カウンタの場合の
ようにフローセルで単一粒子状態で流す必要はない。ま
たその流量を測定する必要もない。回折像は粒子位置に
よって影響を受けないので、視野内で粒子は動いていて
も測定できる。粒子分布情報をもつ回折パターンから複
雑な数式展開して粒度分布に変換することなく、直接
に、標準参照法または従来法の試薬の判定基準に適合す
ることによって目的を達成するので、複雑な数式展開の
プロセスがないので誤差が紛れ込まない。また臨床化学
分析でいう検量線作成問題が簡単化され、現場作業員で
も作成できる長所がある。微小粒子の凝集反応タイプの
試薬であれば、ほとんど制限なく適用できる。測定、判
定の制限が少ないので、粒子サイズの調整、制御の品質
管理の許容範囲も比較的ゆるやかである。このために、
試薬の製造コスト低減に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 抗原・抗体反応による微小粒子の凝集現象の
モデル図である。
【図2】 抗原・抗体反応による微小粒子の凝集現象の
粒度分布のパターンの図である。
【図3】 フーリエ変換光学系の図である。
【図4】 関数2J1(αsinθ)/αsinθのグラフであ
る。
【図5】 測定系の図である。
【図6】 測定系に用いたニューラル・ネットワークの
図である。
【図7】 各ユニットでの演算を示す図である。
【図8】 シグモイド関数のグラフである。
【図9】 三層構造のニューラルネットワークの図であ
る。
【符号の説明】 11…平行光、 12…セル、 13…集光レンズ、1
4…焦点面、 14’…フラウンホーファ回折パター
ン、19…多素子センサ、 23…コンピュータ、31
…ユニット、 32…入力層、 33…中間層、 34
…出力層。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料を試薬と反応させ凝集を起こさせる
    セルと、 このセルに単色の平行な光を透過して、上記の凝集のフ
    ラウンホーファ回折像を発生させるフーリエ変換光学系
    と、 フーリエ変換光学系により発生されたフラウンホーファ
    回折像を検出する多素子光センサと、 1または複数の入力とこの入力に対して乗算される重み
    係数とから積和を計算し、この積和を所定の伝達関数に
    変換して出力する複数のユニットから構成される入力
    層、中間層および出力層からなるニューラルネットと、 フラウンホーファ回折像の学習用パターン情報を入力層
    に入力し、上記の出力層からの出力の、上記の学習用パ
    ターン情報の作成の際に得られる既知の出力データであ
    る教師信号に対する誤差が最小になる方向に上記のユニ
    ット間の結合の重み係数を決定する演算を行なう学習手
    段と、 学習手段の演算において上記の誤差が最小となったとき
    の上記の重み係数を記憶する記憶手段と、 上記の光センサの出力を上記の入力層に入力する入力手
    段と、 上記の出力層からの出力信号を出力する出力手段とを備
    えたことを特徴とする自動臨床分析システム。
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