JPH0544860Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は薄片磁性粉体を可動自在に包含したマ
イクロカプセルを塗設してなる磁気情報表示体に
記録表示する為の磁気記録ヘツドに関するもので
ある。

［従来の技術］ 従来、薄片状磁性粉体を可動自在に包含したマ
イクロカプセルを塗設してなる磁気情報表示体へ
の記録ヘツドとしては、特公昭40−19226号公報
には永久磁石針、リング・タイプ磁気ヘツド及び
ダブル・ポール・ピース・タイプの磁気ヘツドが
示されている。又特公昭51−78303号公報にはマ
ルチトラツクの磁気ヘツドが示されている。

［考案が解決しようとする問題点］ これらの記録ヘツドはいずれも鉄等の金属磁気
材料であり、記録面と比べれば極めて硬いもので
ある。又磁力線はヘツド先端あるいは永久磁石針
（以下記録ヘツドと称す）の先端から出て広がつ
て行くから、記録面と記録ヘツド先端距離が大き
い程磁力線の広がりも大きくなり記録の解像度が
劣ることになる。従つて高記録密度と高解像度を
得る為には記録面と記録ヘツドを接触させて記録
することになる。

薄片状磁性粉体を磁界により可動自在に包含し
たマイクロカプセルを塗設した表示体に対し従来
の金属材料を使用した記録ヘツドを接触させて記
録を行うと、液状物を内包した有機薄膜からなる
マイクロカプセルは、接触時の衝撃力などで容易
に破壊されるという問題点がある。

これを避けるためにカプセル上に硬質の保護フ
イルムを設けたり、記録ヘツドを記録面から離せ
ば磁力線が広がり且つ弱くなるため解像度やコン
トラストが低下する。

更に、この表示体を構成する基材の厚さやマイ
クロカプセル塗布層の厚さが不均一な上、マイク
ロカプセル層表面も凹凸があるから、表示体の記
録面と記録ヘツドとの距離を常に一定に保つこと
は実際上不可能であり、これにより記録の濃淡ム
ラが生じるという問題点がある。

［問題点を解決するための手段］ これらの問題点は、薄片状磁性粉体を外部磁場
に感応して可動自在に包含したマイクロカプセル
を基材上に塗設してなる磁気情報表示体に磁気情
報を記録する磁気ヘツドとして、該磁気ヘツドの
記録面をゴム状磁性弾性体とすることで解決され
た。

ゴム状磁性弾性体は天然ゴム、ブチルゴムやス
チレンブタヂエンゴム等の合成ゴム及びポリアミ
ド等の合成合高子等のゴム状弾性体に磁性粉体を
始めゴム成形品を製造するに必要な薬品を配合混
練し成形して加硫した後着磁して得られる。着磁
の程度は薄片状磁性粉体の抗磁力より大きければ
良いが、大きすぎると磁化する必要のない部分へ
の磁化がおこり易くなるので、通常抗磁力より20
〜200％程度大きく磁化するのが適当である。

ゴム状弾性体の硬度はJIS Ｋ 6301に規定する
スプリング式Ａ型硬度計で40〜80の硬度が適当で
ある。40以下ではゴム状弾性体が柔すぎ、複雑な
字体などでは接触圧によつて像が変形して、解像
力が悪くなる傾向がある。硬度が80以上では接触
圧が大きいと薄片状磁性粉体を包含するカプセル
が破壊し易くなる。

しかし硬度80以上であつても接触圧が直接かか
らない構造とすれば使用可能である。

［作用］ 本考案の作用を第６図により説明する。

基材２上に、外部磁場に感応して自在に可動す
る薄片状磁性粉体を包含したマイクロカプセル５
をバインダー６により塗設し更にその上に保護層
７を塗設した表示体１の表面に対し平行な水平磁
場を与え、薄片状磁性粉体を表示面に対し平行４
ａとする。ついで垂直に磁化された記録パターン
１６および１７を有するゴム状磁性弾性体１２を
接触させれば、ゴム状磁性弾性体１２は表示体１
の厚さムラ凹凸等の不均一性に拘らず表面形状に
従つて変形密着して、マイクロカプセル５中の薄
片状磁性粉体を密着したパターン１６および１７
の垂直磁場により表示部の表示面に対し起立４ｂ
させ、入射光は起立した薄片状磁性粉体４ｂの面
間で反射し又、基材２上に設けた黒色着色部８の
存在により殆ど外部へ出ることなく黒色を呈し、
パターン１６，１７が密着しなかつた他の部分の
水平な薄片状磁性粉体４ａによる明るい反射部と
強いコントラストをなし記録像となる。

［実施例］ 以下に、本考案を図面に示す実施例により詳細
に説明する。

第１図及び第２図は本考案の１実施例であり、
記録すべき数字列を有するデージーホイール１１
の刻字面１３と同形に成形し着磁したゴム状弾性
体で覆つた磁気記録ヘツド１０である。又、第３
図は着磁したゴム状弾性体１２をホイール本体１
１に直接接着などによりとりつけたものである。
第４図及び第５図は記録ヘツドの記録部のみを拡
大して示した別の実施例に関わる断面図であり、
基材１１の上にスポンヂ等の極めて柔らかいクツ
シヨン材１５を設置し、その上に記録パターンを
成形し着磁したゴム状弾性体１２を設けたもので
あり、記録パターンは第５図に示すごとく記録す
べき印字体１６とともに模様１７を設けたもので
ある。クツシヨン材１５の存在により、比較的硬
いゴム状磁性弾性体を用いた場合でも表示部に対
する衝撃力が緩和される。又ゴム状弾性体に模様
１７を設けることにより記録面の偽造防止が可能
となる。

［考案の効果］ 上述のように、本考案に関る磁気記録ヘツド
は、その記録面がゴム状磁性弾性体であるから、
薄片状磁性粉体を可動自在に包含したマイクロカ
プセルを基材上に塗設してなる磁気情報表示体に
マイクロカプセルの破壊をもたらすことなく接触
させることが可能であり、又表示体を構成する各
材料の平行性や厚さの不均一性及び表示体表面の
凹凸に関らず表示体表面の形状に従つて密着する
ことができるから、表示体の各部における記録濃
度ムラがなく高解像度の記録像が得られるという
効果を有する。

更に、ゴム状磁性弾性体は複雑な記録パターン
を容易に形成することができるから、記録像の偽
造防止を施すことも容易であるという効果も有す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の１実施例を示すデージーホイ
ールの平面図、第２図は第１図の側面図、第３図
は本考案の第２の実施例を示すデージーホイール
の平面図、第４図は本考案の別の実施例を示す記
録ヘツドのヘツド部分の断面説明図であり、第５
図は第４図の平面図、第６図は表示体に対する本
考案の記録ヘツドによる記録原理を示す説明断面
図である。 １……表示体、２……基材、４ａ，４ｂ……水
平及び起立状態の薄片状磁性粉体、５……マイク
ロカプセル、１０……記録ヘツド、１１……基
材、１２……ゴム状磁性弾性体。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 薄片状磁性粉体を外部磁場に感応して可動自
   在に包含したマイクロカプセルを基材上に塗設
   してなる磁気情報表示体に、磁気情報を記録表
   示する磁気記録ヘツドに於て、該磁気記録ヘツ
   ドの記録面がゴム状磁性弾性体であることを特
   徴とする磁気記録ヘツド。 (2) ゴム状磁性弾性体がJIS Ｋ 6301で規定する
   スプリング式Ａ型硬度計で測定した硬度が40〜
   80であることを特徴とする実用新案登録請求の
   範囲第１項記載の磁気記録ヘツド。