JPH0544823Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案はカメラによりパノラマ写真を撮影す
るのに用いられるパノラマ撮影装置に関する。

〔従来の技術〕

パノラマ写真は広大な場面や情景を、一目で眺
められるようにした横長の超広角度の写真であ
る。通常のカメラでこのパノラマ写真を撮影する
には、三脚にカメラを固定し、例えば左から右
へ、水平に画面を25％ぐらいずつ重ねながら、複
数枚情景を撮影する。そして印画作製時に、画面
と画面の境目を重ね合わせながら継ぎ合わせる。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、従来このパノラマ写真の撮影を
行なうのに、撮影者が各撮影画面の境界付近を記
憶しておき、その都度フアインダから画面を確認
する操作を何回も繰り返すようにしていたため、
不便であるばかりでなく、最悪の場合、画面が途
切れてしまうことがあつた。

この考案はこのような状況に鑑みてなされたも
ので、通常のカメラでパノラマ写真の撮影を簡単
に行なうことができるようにするものである。

〔課題を解決するための手段〕

この考案のパノラマ撮影装置は、カメラ本体に
取り付けられる固定部と、固定部に対して回転自
在とされる回転部と、回転部に形成された、パノ
ラマ撮影のための方向を示す表示部と、カメラ本
体の向きに拘らず一定の方向を指すように、か
つ、その指す方向に、回転部を回転して、表示部
のいずれかを対向させることができるように配置
された方位磁石とを備える。

〔作用〕

上記構成のパノラマ撮影装置においては、例え
ばカメラを撮影する範囲の略中央に向ける。回転
部を回転して表示部の１つの表示を方位磁石が指
向する方向に合わせ、その方向で撮影を行なう。
以下、表示部の他の表示を方位磁石に合わせ、撮
影を行なう動作が繰り返される。

これにより、通常のカメラで簡単にパノラマ撮
影を行なうことができる。

〔実施例〕 第１図及び第２図はこの考案のパノラマ撮影装
置の一実施例の構成を表わしている。

これらの図において、１は全体が略円柱状のパ
ノラマ撮影装置であり、その下方には固定部２
が、その上方には、固定部２に対して回転自在な
回転部３が、各々配置されている。４は回転部３
の中央（回転中心）に、回転部３とは独立に回転
自在に設けられた、地磁気の方向に指向する方位
磁石である。５は回転部３の上面外周に設けられ
た表示部であり、この実施例の場合、１，２及び
３の３つの文字が３角のマークとともに、パノラ
マ撮影に適した一定の角度の間隔で配置されてい
る。

また、６は回転部３を回転し、方位磁石４が指
向する方向に表示部５の表示を合わせるための表
示部であり、回転部３の内周上面（方位磁石４の
回転面の下方の面）及び外周上面に、直線として
表示されている。

固定部２の下面には、断面が略Ｌ字状の取付部
７が形成されており、カメラ本体１１の上面に形
成されているシユー１２に取り付けることができ
るようになつている。シユー１２は、パノラマ撮
影装置１を取付けるための専用のものをカメラ本
体１１に設けることもできるが、例えばストロボ
等を取付けるためのものを兼用するようにしても
よい。

次に、その使用方法を説明する。

先ず、パノラマ撮影装置１の取付部７をカメラ
本体１１のシユー１２に取付ける。この取付の操
作は、ストロボ等を取付ける場合と同様である。

次に、カメラ本体１１を三脚（図示せず）に取
付け、第３図に示すように、カメラ本体１１の撮
影レンズ１３をパノラマ撮影を行なう範囲Ｄの略
中央に指向させる。さらに、第４図に示すよう
に、回転部３を回転し、表示部６の直線が方位磁
石４と平行になるように（方位磁石４のＮ極（又
はＳ極）が表示部５の１つの表示２を指向するよ
うに）調整する。これにより、表示部５の表示２
の方向が、撮影範囲Ｄの中央に対応することにな
る。

次に、三脚上でカメラ本体１１を水平に左方向
に回転し、第５図に示すように、表示部５の表示
１が方位磁石４のＮ極（又はＳ極）と対向する位
置にくるように調整する。この調整が完了したと
き、その方向の撮影を行なう。

同様に、今度は表示部５の表示２が方位磁石４
のＮ極（又はＳ極）と対向するように、カメラ本
体１１を三脚上で水平に右方向に回転させ、その
位置で撮影を行なう。さらに、カメラ本体１１を
右方向に回転させ、表示部５の表示３を方位磁石
４のＮ極（又はＳ極）に対向させ、その位置で撮
影を行なう。

上述したように、表示部５の表示１，２，３
は、各位置における撮影画面が一部重複するよう
に、予め設定してある。従つて、第６図に示すよ
うに、表示１，２，３に対応して、境界付近の一
部が相互に重複した画面Ａ，Ｂ，Ｃが撮影され
る。この画面Ａ，Ｂ，Ｃを適当な境界で継なぎ合
わせて印画を作成することにより、パノラマ写真
が得られる。

以上においては、３つの方向の撮影を行なうよ
うにしたが、２つ、又は４つ以上であつてもよ
い。

また、撮影位置間の角度を360°／ｎ（ｎは整数）
とした場合、カメラ本体１１を回す方向は左右ど
ちらであつてもよい。さらに、表示部５の表示は
数字に限らず、他の記号を用いることもできる。

第７図はこの考案のパノラマ撮影装置の他の実
施例を表わしている。

この実施例においては、回転部３に表示部５Ａ
と５Ｂの２種類の表示が設けられている。表示部
５Ａは第１の画角（焦点距離）の撮影レンズに、
また、表示部５Ｂは第２の画角（焦点距離）の撮
影レンズに、各々対応している。従つて、カメラ
本体１１に取付けた撮影レンズ１３の焦点距離に
対応して表示部５Ａ又は５Ｂを選択し、同様の操
作を行なうことにより、パノラマ撮影を行なうこ
とができる。

表示部５の種類の数は２つに限らず、３以上に
増加することができるのは勿論である。

また、パノラマ撮影装置１をカメラ本体１１に
対して着脱自在としたが、カメラ本体１１に内蔵
させることもできる。

〔考案の効果〕

以上のようにこの考案のパノラマ撮影装置によ
れば、方位磁石とそれに対向する表示部を設けた
ので、両者の位置を調整するだけの簡単な操作
で、通常のカメラにより確実にパノラマ撮影を行
なうことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のパノラマ撮影装置の一実施例
の構成を示す斜視図、第２図は本考案のパノラマ
撮影装置の一実施例をカメラ本体に取付けた状態
を表わす正面図、第３図乃至第５図は本考案のパ
ノラマ撮影装置の一実施例の操作を説明する平面
図、第６図は本考案のパノラマ撮影装置の一実施
例によるパノラマ写真の説明図、第７図は本考案
のパノラマ撮影装置の他の実施例の構成を示す部
分平面図である。 １……パノラマ撮影装置、２……固定部、３…
…回転部、４……方位磁石、５，６……表示部、
７……取付部、１１……カメラ本体、１２……シ
ユー、１３……撮影レンズ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 カメラ本体に取り付けられる固定部と、 前記固定部に対して回転自在とされる回転部
   と、 前記回転部に形成された、パノラマ撮影のため
   の方向を示す表示部と、 前記カメラ本体の向きに拘らず一定の方向を指
   すように、かつ、その指す方向に、前記回転部を
   回転して、前記表示部のいずれかを対向させるこ
   とができるように配置された方位磁石とを備える
   パノラマ撮影装置。