JPH0544285U - ミネラル供給装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ミネラル濃度の高い水を供給できるミネラル
供給装置を提供すること。 【構成】 入口１ａ及び出口１ｂを有する筒状の装置本
体１内に、ミネラル溶出物質５を充填配置し、該ミネラ
ル溶出物質５の上流側に、入口１ａから装置本体１内に
送り込まれた水を撹拌する撹拌板２を配置してミネラル
供給装置を構成し、入口１ａから装置本体１内に送り込
まれた水を撹拌板２によって撹拌して乱流を生成して、
乱流状態の水をミネラル溶出物質５に送り込むようにし
ているので、整流状態の水を送り込む場合と比べてミネ
ラル溶出物質５から多量のミネラル分を溶出させること
ができ、ミネラル濃度の高い水を得ることができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、飲料用水等にミネラル分を混合させるミネラル供給装置に関するも のである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種のミネラル供給装置を開示するものとして、特開昭５９−４２０ ９１号公報が知られている。このミネラル供給装置は、入口及び出口を有する槽 本体内にミネラル分を溶出可能なミネラル炉材を収容し、該ミネラル炉材の上面 に重りを配置して構成されており、槽本体内に送り込まれた炭酸水がミネラル炉 材を通過する過程で、該炭酸水にミネラル炉材から溶出されたミネラル分を混合 して出口から送り出せるようになっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来のミネラル供給装置では、ミネラル炉材の上面に配置した重りによっ てミネラル炉材が常に密になるように拘束して、ミネラル分の溶出効率を高める ようにしているが、重りの重量が大きいと水の流量が小さい場合にミネラル炉材 の密度が高まり過ぎてその流れが阻害され易く、逆に重りの重量が小さいと水の 流量が大きい場合に所期の拘束作用が全く得られない欠点があり、水の流量との 関係で重りの重量調整が極めて難しい。

【０００４】 本考案は上記問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、水流 量の大小に拘らず、ミネラル濃度の高い水を供給できるミネラル供給装置を提供 することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、請求項１では、入口及び出口を有する筒状の装置本 体内に、ミネラル溶出物質を充填配置し、該ミネラル溶出物質の上流側に、入口 から装置本体内に送り込まれた水を撹拌する撹拌板を配置して、ミネラル供給装 置を構成している。

【０００６】 請求項２では、請求項１記載のミネラル供給装置において、撹拌板を連通多孔 質材から形成すると共に、該撹拌板に、装置本体の外部から酸素または酸素含有 気体を供給する酸素供給管を接続している。

【０００７】

【作用】

請求項１記載のミネラル供給装置では、入口から装置本体内に水を送り込むと 該水は撹拌板によって撹拌されて乱流となる。この乱流状態の水はミネラル溶出 物質に送り込まれ、該ミネラル溶出物質から溶出したミネラル分が混合して出口 から送り出される。つまり、本装置ではミネラル溶出物質に乱流状態の水を送り 込むことで、ミネラル溶出物質から多量のミネラル分を溶出できる。

【０００８】 請求項２記載のミネラル供給装置では、酸素供給管から連通多孔質の撹拌板に 送り込まれた酸素等は該撹拌板の表面から微細気泡として吹き出され、上記の乱 流状態の水に混合する。つまり、本装置では装置本体内を流れる水に酸素供給管 から酸素を溶解できる共に、ミネラル溶出物質に微細気泡を含んだ乱流状態の水 を送り込むことで、ミネラル溶出物質から多量のミネラル分を溶出できる。

【０００９】

【実施例】

図１及び図２は本考案の一実施例を示すもので、図１はミネラル供給装置の断 面図、図２は撹拌板の上面図である。

【００１０】 同図において、１は筒状の装置本体であり、一端面中央に入口１ａを、また他 端面中央に出口１ｂを夫々有している。また、装置本体１の入口寄り位置には、 周縁部分に複数の小孔１ｃ1 を有する第１隔壁１ｃが、また出口寄り位置には、 多数の小孔１ｄ1 を有する第２隔壁１ｄが夫々設けられている。更に、装置本体 １のほぼ中間位置には、中心部を除く部分に複数の大孔１ｅ1 を有し、且つ中心 部に撹拌板軸支用の凹部１ｅ2 を有する第３隔壁１ｅが設けられている。

【００１１】 ２は装置本体１の内径よりも僅かに小さな円板状の撹拌板で、その入口側面に は、軸線方向及び軸心方向に同一角度をもって傾斜した複数（図中は６枚）の羽 ２ａが、また他側面の中央には、第３隔壁１ｅの凹部１ｅ2 に回転自在に係合保 持される軸支部２ｂが夫々一体に設けられている。また、撹拌板２には、軸支部 ２ｂの端面中央から円板部分の周縁部近傍に至る空洞２ｃが形成されている。こ の撹拌板２は、セラミック，樹脂フォ−ム，焼結金属等の連通多孔質材から形成 されており、空洞２ｃに送り込まれた気体をその表面から微細気泡として吹き出 せるようになっている。

【００１２】 ３は一端を図示省略の酸素供給機に接続された酸素供給管で、装置本体１の側 面を貫通して第３隔壁１ｅの凹部１ｅ2 中央に延設されており、その先端を撹拌 板２の軸支部２ｂ内に該軸支部２ｂと非接触状態で挿入されている。

【００１３】 ４は装置本体１の内径と一致する円板状の濾過フィルタで、第２隔壁１ｄと第 ３隔壁１ｅの対向面に夫々密着配置されている。この濾過フィルタ４は、水内の 塵埃，有機物質，重金属等の不純物を取り除くためのもので、分離能が１０μｍ 程度のものが使用されている。

【００１４】 ５はミネラル分を溶出可能なコ−ラルサンド等のミネラル溶出物質で、２つの 濾過フィルタ４で画成される装置本体１内の空間に充填されている。

【００１５】 上述のミネラル供給装置は、装置本体１の入口１ａを水道等の給水源に、また 出口１ｂを蛇口等の注水口に夫々接続するか、或いは他の浄水装置の上流または 下流位置に介装して使用される。

【００１６】 第１図に実線矢印で示すように、装置本体１の入口１ａに送り込まれた水は第 １隔壁１ｃの小孔１ｃ1 を通じて撹拌板２ａの周縁部から中央に向かって流れ、 該水流によって撹拌板２が羽根２ａの傾斜で規定される所定方向に回転する。こ の撹拌板２の回転によって水が撹拌されて乱流となり、撹拌板２自体及びその周 縁隙間を通じて第３隔壁１ｅ方向に送り出される。

【００１７】 また、入口１ａへの送水と同時に酸素供給管３を通じて撹拌板２の空洞２ｃに 酸素を送り込む。空洞２ｃに送り込まれた酸素は回転する撹拌板２の表面から微 細気泡として吹き出され、上記の乱流状態の水に混合される。つまり、第３隔壁 １ｅ方向に送り出される乱流状態の水には多数の酸素の微細気泡が含まれること になる。

【００１８】 この乱流状態の混合水は第３隔壁１ｅの大孔１ｅ1 及び前段の濾過フィルタ４ を通じてミネラル溶出物質５に送り込まれ、該ミネラル溶出物質５から溶出した ミネラル分をさらに混合され、後段の濾過フィルタ４及び第２隔壁１ｄの小孔１ ｄ1 を通じて出口１ｂから送り出される。上記の混合水は濾過フィルタ４を通過 する際に水内の塵埃，有機物質，重金属等の不純物を取り除かれ、第２隔壁１ｄ の小孔１ｄ1 で整流される。勿論、粒状活性炭等の脱臭材を含有したものを濾過 フィルタ４として用いれば、同時に臭気を取り除くこともできる。

【００１９】 このように上述のミネラル供給装置では、入口１ａから装置本体１内に送り込 まれた水を該水流によって回転する撹拌板２によって撹拌して乱流を生成し、乱 流状態の水をミネラル溶出物質５に送り込むようにしているので、整流状態の水 を送り込む場合と比べてミネラル溶出物質２から多量のミネラル分を溶出させる ことができ、ミネラル濃度の高い水を得ることができる。

【００２０】 しかも、回転する撹拌板２の表面から酸素を微細気泡として吹き出し、該微細 気泡を乱流状態の水に混合させているので、装置本体１内を流れる水に酸素を溶 解させてその濃度を高めることができる他、微細気泡の衝突及び振動によってミ ネラル溶出物質２からのミネラル分の溶出を効果的に行なうことができる。

【００２１】 また、装置本体１の入口１ａに送り込まれた水を第１隔壁１ｃの小孔１ｃ1 に よって撹拌板２ａの周縁部から中央に向かって流れるようにしているので、撹拌 板２を高速度で回転させて適切な乱流を得ることができる。

【００２２】 尚、上記実施例では撹拌板を水流によって回転させるようにしたものを示した が、入口から装置本体内に送り込まれた水を撹拌し乱流を生成できるものであれ ば、撹拌板として非回転のもの、例えば複数の傾斜羽根を放射状に固着したプロ ペラ状のものや、或いは複数の孔の下流側面に傾斜羽根を設けたもの等を使用し てもよい。また、撹拌板に送り込まれる酸素は酸素を含有する他の気体、例えば 空気等であってもよく、またミネラル濃度を高める目的だけの場合には、撹拌板 を非多孔質材から形成し、酸素供給管の構成を排除してもよい。

【００２３】

【考案の効果】

以上詳述したように、請求項１記載のミネラル供給装置によれば、入口から装 置本体内に送り込まれた水を撹拌板によって撹拌して乱流を生成し、乱流状態の 水をミネラル溶出物質に送り込むようにしているので、整流状態の水を送り込む 場合と比べてミネラル溶出物質から多量のミネラル分を溶出させることができ、 ミネラル濃度の高い水を得ることができる。

【００２４】 請求項２記載のミネラル供給装置によれば、撹拌板の表面から酸素または酸素 含有気体を微細気泡として吹き出し、該微細気泡を乱流状態の水に混合させてい るので、装置本体内を流れる水に酸素を溶解させてその濃度を高めることができ る他、微細気泡の衝突及び振動によってミネラル溶出物質からのミネラル分の溶 出を効果的に行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示すミネラル供給装置の断
面図

【図２】撹拌板の上面図

【符号の説明】

１…装置本体、１ａ…入口、１ｂ…出口、２…撹拌板、
３…酸素供給管、５…ミネラル溶出物質。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 入口及び出口を有する筒状の装置本体内
   に、ミネラル溶出物質を充填配置し、 該ミネラル溶出物質の上流側に、入口から装置本体内に
   送り込まれた水を撹拌する撹拌板を配置した、 ことを特徴とするミネラル供給装置。
2. 【請求項２】 撹拌板を連通多孔質材から形成すると共
   に、該撹拌板に、装置本体の外部から酸素または酸素含
   有気体を供給する酸素供給管を接続した、請求項１記載
   のミネラル供給装置。