JPH0544110Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は第３図に示すような複数の窓孔を有す
る成形品の射出成形装置に関するものである。

（従来の技術） 従来、窓孔を有する成形品の射出成形装置は、
第２図に示すように、予め押切ピン４′，５′がコ
ア１′とキヤビテイ２′で形成される成形型３′内
において、コア１′側に植設されたものであつて、
溶融樹脂を射出するランナー８′はゲート９′が成
形品の表面に対向する位置になるように穿設され
ている。

（考案が解決しようとする問題点） 一般に、射出成形による成形品において、筋む
らや凹凸はその商品価値を損なうものである。上
記の従来装置を使用した射出成形は、ランナー
８′から射出した溶融樹脂を、成形型３′内に植設
した押切ピン４′，５′が分流するから、押切ピン
４′，５′に続いてゲート９′の反対側にウエルド
ラインｗ，w′が発生する。

又、ゲート９′を成形品の表面に対向する位置
に設けているから、成形品の表面の該ゲート９′
に対向する部分に凹凸ｃを生じる。

さらに、これらのウエルドラインｗ，w′や凹
凸ｃが発生するために、外観及び機能的にも悪影
響をきたしやすかつた。

このような点を改良したものとしての技術が、
これまで公開されている。（特開昭54−162754号
公報、特開昭51−56865号公報参照）。

しかし、これらの改良されたものにあつても、
可動スプールブツシユに対するスリーブ、あるい
は固定側ポンチに対する可動側ポンチは、いずれ
のものにあつても１組であり、したがつて装置に
よつて射出成形された成形品は窓孔が１個にすぎ
ないものである。

本考案は、このような点に鑑みて案出されたも
ので、表面にウエルドラインや凹凸のない射出成
形品は複数の窓孔を有するもので、このような成
形品を、比較的簡単な装置で容易に成形すること
を目的とするものである。

（問題点を解決するための手段） 上記の目的を達成するために、本考案にあつて
は、コアとキヤビテイとで形成される成形型にあ
つて、パンチング兼用のコア入子とこれに対する
キヤビテイ入子との組を、１つの成形型に対し複
数組用いることによつて問題の解決を図つてい
る。

すなわち、本考案はコアとキヤビテイとで形成
される成形型に対して、複数のパンチング兼用の
コア入子とこれらに対向するキヤビテイ入子とを
成形型内部において突出自在にし、かつコア入子
とキヤビテイ入子とが接触しないような間隙をも
つて装設するとともに、少なくとも１つのコア入
子の端面には射出樹脂のゲートを設け、これらの
相対向するコア入子とキヤビテイ入子とが連結し
ている鍔部には、これらの入子を進退させる作動
装置を設けた構成をとつている。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

本考案は、第３図に示すような複数の窓孔ａ，
a′を有する板状体の成形品ｐを射出成形するため
の装置に関するものである。

第４図に示すものは、従来の射出成形装置Ｂに
よつて射出成形された窓孔ｂ，b′を有する成形品
ｑであつて、窓孔ｂ、b′に続いて表面にはウエル
ドラインｗ，w′が形成されており、又、凹凸ｃ
が形成されている。

第１図に示すものは、本考案に斯る射出成形装
置Ａである。この射出成形装置Ａは、図示しない
射出成形機に装着されるもので、コア１とキヤビ
テイ２とによつて成形型３が形成される。コア１
側には成形型３内に突出自在なコア入子４，５が
設けられており、このコア入子４，５は作動シリ
ンダー装置６の稼動によつて、コア１内を摺動す
るように鍔部７に連結されている。

コア入子４，５の端面４ａ，５ａは、その形状
が作動シリンダー装置６の稼動により成形型３内
においてパンチングができるようになつている。
コア入子４の端面４ａの略中央には、鍔部７及び
コア入子４内を挿通するように穿設された、溶融
樹脂を射出するためのランナー８のゲート９が設
けられている。

又、キヤビテイ２には、エア抜き通路１０が穿
設されており、キヤビテイ２側には、コア１と同
様に成形型３内に突出自在なキヤビテイ入子１
１，１２が設けられており、作動シリンダー装置
１３の稼動によつてキヤビテイ２内を摺動するよ
うに鍔部１４に連結されている。

このようにコア入子４，５及びこれに対するキ
ヤビテイ入子１１，１２は、本考案の装置にあつ
ては複数組あることが必要である。

次に、本考案の射出成形装置Ａを使用しての成
形品Ｐの成形方法について説明する。

まず、作動シリンダー装置６，１３を調節し
て、コア入子４，５の端面４ａ，５ａとキヤビ
テイ入子１１，１２の端面１１ａ，１２ａとを
接触しない程度の間隙１５，１６をもたせて、
成形型３内において突出させる。

溶融樹脂を、ランナー８を通してゲート９よ
り射出し、成形型３内に充填する。この場合、
ゲート９より射出された溶融樹脂がコア入子４
の端面４ａとキヤビテイ入子１１の端面１１ａ
との間隙１５から一様に外に向かつて放出さ
れ、コア入子５の端面５ａとキヤビテイ入子１
２の端面１２ａとの間隙１６においても流れ込
み、分流されることがないから、ウエルドライ
ンを生ずることはない。

射出成形が終わり、一定時間経過後に作動シ
リンダー装置６，１３を適宜稼動させ、コア入
子４，５の端面４ａ，５ａにより、間隙１５，
１６内の成形樹脂部にパンチングを施し、成形
品ｐに窓孔ａ，a′をそれぞれ設ける。この場
合、成形品ｐ表面におけるゲート９に対向する
部分がパンチングによつてカツトされるから、
成形品ｐに凹凸が残ることはない。

パンチングは、第５図のようにコア入子４，
５とキヤビテイ入子１１，１２とを同時に摺動
させて行うだき込み方式でも良いし、第６図の
ように予めキヤビテイ入子１１，１２を一段は
なしておいて、その後コア入子４，５の摺動に
より行う分離方式でもよい。

なお、本実施例では窓孔の数を２つとしたが、
コア入子及びキヤビテイ入子の数を増加すれば、
より多くの窓孔を有する成形品を得ることが可能
で、本考案は複数の窓孔を有する成形品を射出成
形する装置である。

（考案の効果） 本考案に係る射出成形装置によれば、溶融樹脂
を射出する際に、従来の押切ピンに代えて成形型
内に突出自在にして、接触しないコア入子とキヤ
ビテイ入子とで窓孔を形成するから、ウエルドラ
インのない外観上及び強度上、より優れた成形品
を得ることができる。

しかも１つの成形型内に複数組のコア入子とキ
ヤビテイ入子とが対設されているから、１回の作
動で負数の窓孔が設けられた成形品が得られる。

又、溶融樹脂を射出するゲートがコア入子の端
面上に設けてあつて、コア入子の摺動にて、窓孔
部分となる両入子間の成形樹脂部をパンチングす
るから、成形品にゲート跡を残さず、外観上はも
ちろん、成形品を用いて印刷、あるいは溶着する
等のときにも支障を来たすことがなく、有利なも
のである。

さらに、本考案の射出成形装置によつて得た成
形品には、複数の窓孔が設けられており、従来装
置によつて得た成形品に比べて外観上及び強度
的、機能的にも優れたものであり、このような成
形品を簡単な装置にて効率よく生産することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る射出成形装置の断面図、
第２図は従来の射出成形装置の断面図、第３図は
本考案に係る射出成形装置によつて成形された窓
孔を有する成形品の斜視図、第４図は従来の射出
成形装置によつて成形された窓孔を有する成形品
の斜視図、第５図及び第６図は本考案に係る射出
成形装置による成形品に窓孔を穿設するときのパ
ンチングの状態を示す断面図である。 符号、Ａ……本考案の射出成形装置、Ｂ……従
来の射出成形装置、ａ，a′，ｂ，b′……窓孔、ｃ
……凹凸、ｐ，ｑ……成形品、ｗ，w′……ウエ
ルドライン、１……コア、２……キヤビテイ、３
……成形型、４，５……コア入子、４ａ，５ａ…
…端面、６，１３……作動シリンダー装置、７，
１４……鍔部、８……ランナー、９……ゲート、
１０……エア抜き通路、１１，１２……キヤビテ
イ入子、１５，１６……間隙。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コアとキヤビテイとで形成される成形型に対し
   て、複数のパンチング兼用のコア入子とこれらに
   対向するキヤビテイ入子とを成形型内部において
   突出自在にし、かつコア入子とキヤビテイ入子と
   が接触しないような間隙をもつて装設するととも
   に、少なくとも１つのコア入子の端面には射出樹
   脂のゲートを設け、これらの相対向するコア入子
   とキヤビテイ入子とが連結している鍔部には、こ
   れらの入子を進退させる作動装置が設けられてい
   ることを特徴とする複数の窓孔を有する成形品の
   射出成形装置。