JPH0543966Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ 〈産業上の利用分野〉 本考案は、相対接離自在なる一対の金型取付板
と、これら金型取付板の互いに対向する内面にそ
れぞれ固着される合せ金型とを有する金型成形機
に関する。

〈従来の技術〉 鋳造機など金型を用いた成形機に於いは、固定
盤と可動盤とからなる金型取付板に対して一対の
合せ金型が交換可能なように構成されている。こ
の合せ金型同士の相互位置について極めて高い精
度が要求されるため、合せ金型同士を互いに一体
的に連結した上で金型取付板に固定する方法が一
般的にとられている。

一方、金型から成形品を離型するためのエジエ
クタ装置は、金型内に設けられる部分と金型取付
板内に設けられる部分とに分割形成されることが
通例であり、これらの部分の接合・離脱をも金型
交換時に同時に行なう必要がある。

〈考案が解決しようとする課題〉 しかるに、このエジエクタ装置の作動の円滑性
を確保する上には、金型取付板と金型との間の相
対位置精度も可及的に高めることが好ましく、そ
のため、金型取付板に金型を固定する作業が厄介
になりがちであり、生産性の向上を阻害する一因
ともなつていた。

本考案は、このような従来技術の不都合を改善
すべくなされたものであり、その主な目的は、金
型交換作業を高能率に行い得るように改良された
金型成形機を提供することにある。

［考案の構成］ 〈課題を解決するための手段〉 このような目的は、本考案によれば、相対接離
自在なる一対の金型取付板と、これら金型取付板
の互いに対向する内面にそれぞれ固着される合せ
金型とを有する金型成形機であつて、前記金型取
付板と前記金型との互いの接合面に於ける互いに
略直交する直線上に配設された複数組のキー及び
キー溝からなる位置決め手段と、前記金型取付板
に対して対応金型を固定するべく、当該金型取付
板の接離方向に沿う軸線回りに回動駆動可能なよ
うに前記金型取付板に設けられたロツク部材及び
該ロツク部材を受容可能なように前記金型に設け
られた長孔からなるクランプ手段とを有すること
を特徴とする金型成形機を提供することによつて
達成される。

〈作用〉 このようにすれば、金型取付板と金型との間の
相対位置をキーとキー溝の係合により容易に正し
く規定することができる。特にキーとキー溝とを
互いに直交する軸線上に配設することにより、金
型取付板と金型との間の熱膨張率の差に基因する
相対歪みを好適に吸収することができる。また、
金型取付板に設けられたロツク部材を金型に設け
られた長孔に挿通して回動することにより、長孔
の短径側にロツク部材が係合して金型取付板に対
して金型が極めて簡単にクランプされる。

〈実施例〉 以下、本考案の好適実施例を添付の図面につい
て詳しく説明する。

第１図は本考案が適用された鋳造装置を示して
いる。この鋳造装置の型締め装置１は、ベースＢ
上に固設された一対の固定盤２ａ，２ｂと、これ
ら固定盤２ａ，２ｂに固設され、水平方向に延在
する複数のタイバー３と、タイバー３に沿つて摺
動自在なように両固定盤２ａ，２ｂ間に設けられ
た可動盤４とを有している。

一方の固定盤２ａと可動盤４との互いに対向す
る内面には、油圧作動するクランプ装置５を介し
て一対の合せ金型６ａ，６ｂがそれぞれ締結され
ており、他方の固定盤２ｂに固設された油圧作動
する型締めシリンダ７を用いて一方の固定盤２ａ
に対して可動盤４を接離移動することにより、こ
れら金型６ａ，６ｂの型合せ及び型開きが行なえ
るようになされている。また合せ金型６ａ，６ｂ
の接合面には、溶湯を充填して製品を成形するた
めのキヤビデイ８ａ，８ｂがそれぞれ形成されて
いる。

ところで、上記したクランプ装置５は、第５図
に併せて示すように、ラツク−ピニオン機構を介
して回動駆動されるピストンロツド５ａを有する
油圧アクチユエータ５ｂと、ピストンロツド５ａ
先端に固設された長方形をなすロツク部材５ｃと
からなつており、また、金型６ａ，６ｂには、ロ
ツク部材５ｃの外形輪郭よりやや大きい内周寸法
の長方形孔Ｈが穿設されている。この長方形孔Ｈ
にロツク部材５ｃを通過させた後に、ピストンロ
ツド５ａを90度回動させた上で引き込むことによ
り、一方の固定盤２ａ及び可動盤４に金型６ａ，
６ｂが固定される。

可動盤４及びこれに対応する可動側金型６ｂの
互いの接合面には、凹部９，１０がそれぞれ凹設
されている。そしてこれら凹部９，１０内には、
可動側金型６ｂのキヤビテイ８ｂから成形品を離
型するためのエジエクタ装置１１が収容されてい
る。このエジエクタ装置１１は、互いに結合・分
離自在なように構成され、かつ可動盤４と金型６
ｂとの接合面に平行した平面を有する主・従エジ
エクタプレート１２，１３と、これら両エジエク
タプレート１２，１３を進退駆動すべく可動盤４
に固設されたエジエクタシリンダ１４とからなつ
ている。

主エジエクタプレート１２は、タイバー３に平
行して可動盤４に穿設されたガイド孔１５に摺合
するガイドロツド１６を介して可動盤４の摺動軸
線に沿つて進退移動自在なようにされると共に、
エジエクタシリンダ１４のピストンロツド１４ａ
端に連結されている。

主エジエクタプレート１２は、油圧作動するク
ランプ装置１７が設けられている。このクランプ
装置１７は、油圧シリンダ１８と、油圧シリンダ
１８のピストンロツド端に固着された端面コ字状
をなすクランプ部材１９とからなり、主エジエク
タプレート１２に従エジエクタプレート１３を密
接させた上でクランプ部材１９にて従エジエクタ
レート１３の端縁部を挟み込むことにより、主エ
ジエクタプレート１２と従エジエクタプレート１
３とを一体的に結合し得るようになされている。

従エジエクタプレート１３には、キヤビテイ８
ｂと金型内の凹部９とを貫通して設けられた複数
のエジエクタピン２０が植設されている。このエ
ジエクタピン２０の遊端は、注湯時にはキヤビテ
イ８ｂの内面に略等しい面となるようにされると
共に、エジエクタシリンダ１４の作動により、
主・従両エジエクタプレート１２，１３を介して
キヤビテイ８ｂの内面から突出し得るようにされ
ている。

尚、上記したエジエクタ装置１１は、一方の固
定盤２ａ及びこれに対応する固定側金型６ａの内
部にも同様に装着されている。また、前記した型
締めシリンダ７のピストンロツド７ａ端は、可動
盤４に固設されたエジエクタシリンダ１４のシリ
ンダボトムに直結されており、従つて型締めシリ
ンダ７の推力は、エジエクタシリンダ１４を介し
て可動盤４に伝達されるものとなつている。

一方の固定盤２ａ及び可動盤４の金型取付面の
上方には、水平面を有する肩部２１ａ，２１ｂが
それぞれ形成されている。そして金型６ａ，６ｂ
の上部には、この肩部２１ａ，２１ｂに係合して
金型６ａ，６ｂの高さ位置を定めるオーバーハン
グ部２２ａ，２２ｂがそれぞれ形成されている。

さて、上記した金型６ａ，６ｂ内には、金型温
度を制御するための冷却水の通路、加熱ヒータ、
及び金型各部の温度を検出する温度センサなどが
設けられており、一方の固定盤２ａ及び可動盤４
には、これら冷却水の供給口及び排出口、或い
は、電力源及び信号の入力端子等が設けられてい
る。そしてこれらの配管・配線を金型の交換時に
一括して断続し得るように、一方の固定盤入力ａ
及び可動盤４と両金型６ａ，６ｂとの間には、集
合カプラ装置２３がそれぞれ設けられている。

この集合カプラ装置２３は、所定の軸線に沿つ
て相対変位させることにより着脱と得るソケツト
とプラグとの対を金型内に形成された通路に対応
するように集中配置してなる２組の中継盤２４，
２５からなつている。

これら中継盤２４，２５は、第２図に併せて示
すように、一方の固定盤２ａ側及び可動盤４側共
にその両側部にそれぞれ設けられており、その一
方には油及び水の供給源に連通するコネクタ２７
と共に温度センサに接続される多ピンコネクタ２
８及び電熱ヒータに接続される電源コネクタ２９
が配設され、その他方には金型６ａ，６ｂ内を流
通した油及び水の排出通路に連通するコネクタ２
７′のみがそれぞれ配設されている。そして金型
６ａ，６ｂ側の中継盤２４は金型６ａ，６ｂに一
体的に固設されるのに対し、一方の固定盤２ａ及
び可動盤４側の中継盤２５は、ガイドレール３０
を介して摺動自在なように設けられると共に、一
方の固定盤２ａ及び可動盤４の側面にそれぞれ固
設された流体アクユチエータ２６にて強制移動し
得るようにされている。また、これら中継盤２
４，２５は、その接合面の要所に設けられた位置
決めピン３１とガイド孔３２との係合により正し
く接続し得るようにされている。

第２図及び第３図に示すように、一方の固定盤
２ａ及び可動盤４の内面には、その両側部中央及
び下部中央に位置決めキー３３ａ，３３ｂがそれ
ぞれ突設されており、両金型６ａ，６ｂには、こ
れらキー３３ａ，３３ｂを補完的に受容するキー
溝３４が凹設されている。これらのうちの両側部
のキー３３ａ及びこれに対応するキー溝３４は、
その軸線を水平方向に延在させ、下部のキー３３
ｂ及びこれに対応するキー溝３４は、その軸線を
垂直方向に延在させている。そして、これらキー
３３ａ，３３ｂとキー溝３４との係合により、一
方の固定盤２ａ及び可動盤４と、これらに対応す
る金型６ａ，６ｂとの間の相対位置が正確に規定
される。また、両側部と下部とのキー及びキー溝
の軸線を互いに直交させることにより、一方の固
定盤２ａ及び可動盤４と、これらに対応する金型
６ａ，６ｂとの間に、熱歪みによる相対変位が生
じた際にも悪影響の及ぶことのないようにされて
いる。

このように構成された型締め装置１に対して新
たな金型を取付けるに際しては、第４図に示すよ
うに、先ずアクチユエータ２６を引き込み各コネ
クタ２７〜２９が接続し得ない位置に一方の中継
盤２５を逃がしておく。この状態にて、キー３３
ａ，３３ｂとキー溝３４とを係合させることより
一方の固定盤２ａ及び可動盤４に対する金型６
ａ，６ｂの位置決めを行ない、その上でクランプ
装置５により一方の固定盤２ａ及び可動盤４に金
型６ａ，６ｂを固定する。この時、主・従両エジ
エクタプレート１２，１３同士も同時に結合させ
る。次いで、アクチユエータ２６を押し出すこと
により両中継盤２４，２５を接続させれば良い。

［考案の効果］ このように本考案によれば、例えば上記したよ
うな台形断面のキーと、該キーを受容するキー溝
との係合により、固定盤と可動盤とからなる金型
取付板に対する合せ金型の高精度な位置決めが容
易に達成し得る。従つて、エジエクタ装置などの
不付帯装置の連結作業性をも共に向上させること
が可能となることから、金型の交換作業能率を高
め、生産性を高める上に効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に基づき構成された型締め装置
を一部切除して示す側面図である。第２図は可動
盤側の端面図である。第３図は要部拡大断面図で
ある。第４図は本考案装置の動作説明図である。
第５図は第１図の−線に沿う部分的な断面図
である。 １……型締め装置、２ａ，２ｂ……固定盤、３
……タイバー、４……可動盤、５……クランプ装
置、６ａ，６ｂ……金型、７……型締めシリン
ダ、７ａ……ピストンロツド、８ａ，８ｂ……キ
ヤビテイ、９，１０……凹部、１１……エジエク
タ装置、１２……主エジエクタプレート、１３…
…従エジエクタプレート、１４……エジエクタシ
リンダ、１４ａ……ピストンロツド、１５……ガ
イド孔、１６……ガイドロツド、１７……クラン
プ装置、１８……油圧シリンダ、１９……クラン
プ部材、２０……エジエクタピン、２１ａ，２１
ｂ……肩部、２２ａ，２２ｂ……オーバーハング
部、２３……集合カプラ装置、２４，２５……中
継盤、２６……流体アクチユエータ、２７〜２９
……コネクター、３０……ガイドレール、３１…
…位置決めピン、３２……ガイド孔、３３ａ，３
３ｂ……キー、３４……キー溝。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 相対接離自在なる一対の金型取付板と、これら
   金型取付板の互いに対向する内面にそれぞれ固着
   される合せ金型とを有する金型成形機であつて、 前記金型取付板と前記金型との互いの接合面に
   於ける互いに略直交する直線上に配設された複数
   組のキー及びキー溝からなる位置決め手段と、 前記金型取付板に対して対応金型を固定するべ
   く、当該金型取付板の接離方向に沿う軸線回りに
   回動駆動可能なように前記金型取付板に設けられ
   たロツク部材及び該ロツク部材を受容可能なよう
   に前記金型に設けられた長孔からなるクランプ手
   段とを有することを特徴とする金型成形機。