JPH0543877A

JPH0543877A - ネマチツク液晶組成物

Info

Publication number: JPH0543877A
Application number: JP20174791A
Authority: JP
Inventors: Kiyobumi Takeuchi; 清文竹内; Haruyoshi Takatsu; 晴義高津
Original assignee: Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Current assignee: DIC Corp
Priority date: 1991-08-12
Filing date: 1991-08-12
Publication date: 1993-02-23

Abstract

(57)【要約】【構成】（１）一般式【化１】（Ｒ¹；アルキル基、ｎ；１〜６の整数、Ｘ¹；Ｈ、Ｆ）
で表わされる化合物及び（２）一般式【化２】（Ｒ²；アルキル基又はＲ³−Ｏ−（ＣＨ₂）_n−、Ｒ³；
アルキル基、ｍ；２〜６の整数、ｐ；０、１、Ａ環；シ
クロヘキサン−１，４−ジエン、１，４−フェニレン、
Ｘ₂；Ｈ、Ｆ）で表される化合物を含有するネマチック
液晶組成物。【効果】このネマチック液晶組成物は、大きな△ｎ、
高い電圧保持率、プレチルト角をより大きくする特性を
有し、アクティブ・マトリクス形液晶表示装置に用いる
と、フリッカやリバ−スチルトの発生を顕著に低減する
ことが可能な優れたものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は電気光学的表示材料とし
て有用なネマチック液晶組成物及びそれを用いた液晶表
示装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】アクティブ・マトリクス形液晶表示装置
は、その表示品質が優れていることから、大面積平面テ
レビやコンピュ−タのディスプレイ等の応用分野におい
て、将来最も有力なものとして注目されており、現在４
〜６インチの小型カラ−テレビとして上市されている。

【０００３】アクティブ・マトリクス形液晶表示装置
は、各画素ごとに、スイッチング素子を用いて駆動させ
ており、そのスイッチング素子には、ＴＦＴ（薄膜トラ
ンジスタ）あるいはＭＩＭ（メタル・インシュレ−タ・
メタル）等が使われている。表示品質の面から見ると、
特にＴＦＴをスイッチング素子として用いた液晶表示装
置（以下、ＴＦＴ−ＬＣＤという。）が優れている。

【０００４】ＴＦＴ−ＬＣＤにおいて、均一で高コント
ラストな高品位な表示を得るには、液晶部においてフレ
−ム周期間中の蓄積電荷を保持しなければならない。す
なわち、「もれ電流」の小さな、高い電圧保持特性を持
つことが重要である。この電圧保持特性に影響を与える
要因としては、液晶部を構成する（１）液晶材料（２）
配向膜（３）シ−ル材（４）スペ−サ−等が挙げられ
る。

【０００５】一方、ＴＦＴ素子の高精細化による基板表
面の凹凸や高い動作温度によるプレチルト角の低下が液
晶分子配向にリバ−スチルト等の乱れの発生の原因とな
り、高品位なＴＦＴ−ＬＣＤを得るにはこれを抑制する
必要があるとして、新しい問題が提起された（第１６回
液晶討論会予稿集第２１２頁）。基板表面の凹凸には、
信号電圧波形の補正による改良が、また、プレチルト角
の低下には配向膜技術の見直しによる改良が夫々提案さ
れているが、いずれにせよ、プレチルト角を２゜以上に
する必要があるとしている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、８０℃と高い温度で動作が可能でアクティ
ブ・マトリクス駆動に必要な２．０Ｖ以下のしきい値電
圧を有し、小さなセル厚でも使用可能な大きな屈折率の
異方性（△ｎ）を有し、かつ、充分に高い電圧保持率を
有するネマチック液晶組成物を提供し、これにより、速
い応答特性を有し、「もれ電流」によるフリッカが発生
しないＴＦＴ−ＬＣＤを提供することにある。

【０００７】更に本発明が解決しようとする課題は、例
えば、日立化成社製「ＰＩＸ−５４００」の如き有機膜
をラビンクすることによって成形可能なプレチルト角に
対し、液晶材料の側から、２゜以上のより高いプレチル
ト角を形成することにより、リバ−スチルトの発生を防
止し、従って高品位なＴＦＴ−ＬＣＤを得ることが可能
なネマチック液晶組成物を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、（１）一般式（Ｉ）

【０００９】

【化４】

【００１０】（Ｒ¹は炭素原子数が１〜５の直鎖状アル
キル基を表わし、ｎは１〜６の整数を表わし、Ｘ¹はＨ
又はＦを表わす。）で表される化合物及び（２）一般式
（II）

【００１１】

【化５】

【００１２】（Ｒ²は炭素原子数が１〜５の直鎖状アル
キル基又はＲ³−Ｏ−（ＣＨ₂）_m−を表わし、Ｒ³は炭素
原子数が１〜５の直鎖状アルキル基を表わし、ｍは２〜
６の整数を表わしｐは０又は１を表わし、

【００１３】

【化６】

【００１４】を表わし、Ｘ²はＨ又はＦを表わす。）で
表わされる化合物を含有することを特徴とするネマチッ
ク液晶組成物及び該ネマチック液晶組成物を用いたアク
ティブ・マトリクス形液晶表示装置を提供する。

【００１５】本発明で使用する各液晶化合物は、蒸留、
カラム精製、再結晶等の方法を用いて不純物を除去し、
充分精製したものを使用するものとする。

【００１６】本発明に係わる一般式（Ｉ）及び一般式
（II）で表わされる化合物の代表的なものとその誘電率
の異方性を第１表及び第２表に示す。

【００１７】

【表１】

【００１８】

【表２】

【００１９】本発明の液晶組成物において、一般式
（Ｉ）及び一般式（II）で表わされる化合物と共に混合
して使用することができる液晶化合物を以下に掲げる。

【００２０】

【化７】

【００２１】

【化８】

【００２２】（式中、Ｒは炭素原子数１〜７の直鎖状ア
ルキル基又はトランス−アルケニル基を表わし、ｎは１
又は２を表わし、ＸはＨ又はＦを表わす。）

【００２３】以下、本発明の有意性を説明する。

【００２４】

【化９】

【００２５】から成るネマチック液晶組成物No.11につ
いて、ネマチック相−等方性液体相転移温度（Ｎ−Ｉ
点）、屈折率の異方性（△ｎ）、公知の液晶組成物を封
入した際に、約５゜のプレチルト角を形成できることが
知られている液晶表示セルに封入した際に得られるプレ
チルト角を掲示し、更に、８μｍのＴＮモードでのしき
い値電圧及び立ち上がり時間（τr）と立ち下がり時間
（τd）が等しくなる応答時間（τr＝τd）及び電圧保
持率を以下に掲げた。

【００２６】Ｎ−Ｉ点 101.0℃ しきい値電圧 1.68Ｖ △ｎ 0.150 応答速度（τr＝τd） 19ミリ秒電圧保持率 99.5％

【００２７】一方、ネマチック液晶組成物No.11と同じ
混合比で、本発明に係わる式（II）の化合物のみから成
る液晶組成物であって、

【００２８】

【化１０】

【００２９】から成るネマチック液晶組成物（ａ）の物
性は次の通りである。

【００３０】Ｎ−Ｉ点 90.7℃ しきい値電圧 2.05Ｖ △ｎ 0.075 応答速度（τr＝τd） 27ミリ秒電圧保持率 99.5％

【００３１】ネマチック液晶組成物No.11とネマチック
液晶組成物（ａ）との比較から、本発明に係わるネマチ
ック液晶組成物No.11が、応答速度が速く、しきい値が
低く優れていることが明確である。

【００３２】日立化成社製「ＰＩＸ−５４００」を用い
て形成した配向膜を有するセルを作製し前述のネマチッ
ク液晶組成物No.11及び（ａ）のプレチルト角を測定し
たところ、ネマチック液晶組成物No.11のプレチルト角
は2.5゜であり、ネマチック液晶組成物（ａ）は1.8゜で
あった。この結果から、本発明のネマチック液晶組成物
は、リバ−スチルトの発生を防止することが可能なこと
が期待される。

【００３３】さらに、本発明に係わるネマチック液晶組
成物を含有するＴＦＴ−ＬＣＤを制作したところ、「も
れ電流」が小さく、フリッカの発生しない優れたもので
あることが確認できた。

【００３４】ネマチック液晶組成物No.11と同じ混合比
で、本発明に係わる一般式（Ｉ）の類似構造を有する一
般式（XIX）の化合物と一般式（II）の化合物から成る
液晶組成物であって、

【００３５】

【化１１】

【００３６】から成るネマチック液晶組成物（ｂ）の物
性と電圧保持率は次の通りである。

【００３７】Ｎ−Ｉ点 102.8℃ しきい値電圧 1.81Ｖ △ｎ 0.152 応答速度（τr＝τd） 19ミリ秒電圧保持率 99.5％プレチルト角 1.9゜

【００３８】これらの結果から、本発明のネマチック液
晶組成物は、低いしきい値電圧と高いプレチルト角を示
しており、従来の技術では容易に類推されない、優れた
特性を示すことが明確である。

【００３９】

【実施例】

（実施例１）

【００４０】

【化１２】

【００４１】から成るネマチック液晶組成物を作製し、
その物性と電圧保持率を測定したところ、次の通りであ
った。

【００４２】Ｎ−Ｉ点 101.0℃ しきい値電圧 1.68Ｖ △ｎ 0.150 応答速度（τr＝τd） 19ミリ秒電圧保持率 99.5％プレチルト角 2.5゜

【００４３】（実施例２）

【００４４】

【化１３】

【００４５】から成るネマチック液晶組成物を作製し、
その物性と電圧保持率を測定したところ、次の通りであ
った。

【００４６】Ｎ−Ｉ点 83.0℃ しきい値電圧 1.51Ｖ △ｎ 0.199 応答速度（τr＝τd） 19ミリ秒電圧保持率 99.1％プレチルト角 2.6゜

【００４７】（実施例３）

【００４８】

【化１４】

【００４９】とから成るネマチック液晶組成物を作製
し、その物性と電圧保持率を測定したところ、次の通り
であった。

【００５０】Ｎ−Ｉ点 94.2℃ しきい値電圧 1.72Ｖ △ｎ 0.187 応答速度（τr＝τd） 17ミリ秒電圧保持率 99.3％プレチルト角 2.7゜

【００５１】（実施例４）

【００５２】

【化１５】

【００５３】とから成るネマチック液晶組成物を作製
し、その物性と電圧保持率を測定したところ、次の通り
であった。

【００５４】Ｎ−Ｉ点 96.1℃ しきい値電圧 1.79Ｖ △ｎ 0.188 応答速度（τr＝τd） 17ミリ秒電圧保持率 99.5％プレチルト角 2.3゜

【００５５】

【発明の効果】本発明のネマチック液晶組成物は、一般
式（Ｉ）及び（II）で表わされる化合物を含有すること
により、小さなセル厚でも使用可能な大きな△ｎを有
し、８０℃と高い温度で動作が可能でアクティブ・マト
リクス駆動に必要な十分低いしきい値電圧を有し、十分
に高い電圧保持率を有する。

【００５６】本発明のネマチック液晶組成物を用いた本
発明に係わるアクティブ・マトリクス形液晶表示装置
は、速い応答性を有し、フリッカのないものであり、ま
た２゜以上の高いプレチルト角によりリバ−スチルトの
発生を抑制した高精細なＴＦＴ−ＬＣＤとして優れたも
のである。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】（１）一般式【化１】（Ｒ¹は炭素原子数が１〜５の直鎖状アルキル基を表わ
し、ｎは１〜６の整数を表わし、Ｘ¹はＨ又はＦを表わ
す。）で表される化合物及び（２）一般式【化２】（Ｒ²は炭素原子数が１〜５の直鎖状アルキル基又はＲ³
−Ｏ−（ＣＨ₂）_m−を表わし、Ｒ³は炭素原子数が１〜
５の直鎖状アルキル基を表わし、ｍは２〜６の整数を表
わしｐは０又は１を表わし、【化３】を表わし、Ｘ²はＨ又はＦを表わす。）で表わされる化
合物を含有することを特徴とするネマチック液晶組成
物。
【請求項２】請求項１記載のネマチック液晶組成物を
用いたアクティブ・マトリクス形液晶表示装置。