JPH0543801A - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

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JPH0543801A
JPH0543801A JP3201821A JP20182191A JPH0543801A JP H0543801 A JPH0543801 A JP H0543801A JP 3201821 A JP3201821 A JP 3201821A JP 20182191 A JP20182191 A JP 20182191A JP H0543801 A JPH0543801 A JP H0543801A
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carbon fiber
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Takao Iwata
孝夫 岩田
Masami Matsuoka
正己 松岡
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 成形性に優れ、耐熱性を有すると共に、ソリ
が小さいポリフェニレンスルフィド樹脂組成物を提供す
る。 【構成】 (A)ポリフェニレンスルフィド系樹脂50
〜90重量%、(B)繊維径0.05〜1μm、アスペ
クト比1〜2000の炭素繊維(気相成長法にて製造さ
れたものも含む)50〜10重量%及び、(A)+
(B)100重量部に対して(C)鎖状飽和モノカルボ
ン酸の金属塩0.3〜5重量部からなるポリフェニレン
スルフィド樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリフェニレンスルフィ
ド樹脂組成物に関し、さらに詳しくは、成形性に優れ、
耐熱性を有すると共に、ソリが小さいポリフェニレンス
ルフィド樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にポリフェニレンスルフィド樹脂
(以下PPS樹脂と略す)は耐熱性、耐薬品性、難燃
性、電気特性等に優れており、自動車部品、電気、電子
部品など種々の成形部品の素材として幅広く利用されて
いる。このようにPPS樹脂は、エンジニアリングプラ
スチックとして幅広く利用されており、PPS樹脂の最
大の欠点である耐衝撃性が低いことも、特公昭63−6
3591号公報、同63−63590号公報に記される
ように、ガラス繊維や炭素繊維等の強化剤、またはガラ
スビーズ、マイカ、炭酸カルシウム等を充填剤として、
単独または併用して配合させることにより克服されてき
た。この場合における炭素繊維はポリアクリロニトリル
系、ピッチ系等通常の炭素繊維で、繊維径も太く、か
つ、長いものである。また、これらの強化剤、充填剤の
配合物を形成した際に生じる、成形品の反り、収縮の異
方性は、特願平2−213704号等により改善された
が十分ではなく、成形流動性が低下する欠点が顕著にな
った。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者らは
PPS樹脂の本来の特性を損なうことなく、成形品の反
り、収縮の異方性の小さい、流動性の良い樹脂組成物を
開発すべく鋭意研究を重ねた。すなわち本発明の課題は
成形品の反り、収縮の異方性、成形流動性を改善した樹
脂組成物を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】その結果、特定の炭素繊
維を所定割合で配合したPPS樹脂に、鎖状飽和モノカ
ルボン酸の金属塩を所定割合配合することにより、前記
課題を解決できることを見いだした。本発明はかかる知
見に基いて完成したものである。すなわち本発明は (A)PPS系樹脂50〜90重量% (B)繊維径0.05〜1μm、アスペクト比1〜20
00の炭素繊維50〜10重量%および、(A)+
(B)100重量部に対して(C)鎖状飽和モノカルボ
ン酸の金属塩0.3〜5重量部からなる樹脂組成物を提
供するものである。
【0005】本発明で使用される(A)PPS系樹脂
は、特に制限はなく、得られる組成物の要求特性や用途
に応じて各種のものを用いることができる。分子量につ
いては一般に10,000〜40,000の範囲、好ま
しくは15,000〜25,000の範囲である。ま
た、このPPS樹脂には、単独重合体は勿論のこと、5
0重量%未満の範囲で他の単量体を重合させた共重合体
を用いることもできる。この共重合体に使用しうる他の
単量体の構造単位としては、
【0006】
【化1】
【0007】等がある。次に本発明において使用される
(B)炭素繊維は、繊維径0.05〜1μm、好ましく
は0.1〜0.5μm(特に好ましくは0.2〜0.3
μm)、アスペクト比1〜2000、好ましくは5〜2
00のものであれば、特に制限はなく様々な手法により
製造したものを充当することができる。しかし、その中
で所謂気相成長法にて製造したものが特に好適に使用さ
れる。この気相成長法によれば、例えば、炭化水素類と
特定の有機金属化合物触媒との混合液を、必要に応じて
キャリアガスと共に、加熱帯域に導入して炭化水素類を
熱分解し、触媒上で反応させることにより製造した炭素
繊維を、不活性ガス雰囲気下で加熱焼成処理して得られ
る。この製造法は既に公知の方法であり、例えば特開昭
50−64527号公報、同60−54998号公報、
同63−92726号公報等に開示されている。
【0008】また、本発明に用いる炭素繊維は、酸性官
能基を有していてもよく、酸素などの酸化性ガスや硝酸
などの酸化剤で酸化することも可能である。また、必要
に応じてハンドリング性を良好にするために、特公平1
−270543号公報等に記載の方法で炭素繊維を造粒
物としても良い。
【0009】なお、本発明に用いる炭素繊維は、従来の
炭素繊維よりも直径が小さく、三次元的なからみあいが
あるため、樹脂組成物の異方性が小さい。繊維径0.0
5μm未満、あるいはアスペクト比が1未満の場合は、
充分な補強効果が得られず、一方、繊維径が1μmより
も大きい場合、あるいはアスペクト比が2000を越え
る場合では、成形性が悪く、しかも寸法変化、異方性が
大きくなり好ましくない。
【0010】さらに、本発明における(C)鎖状飽和モ
ノカルボン酸の金属塩は特に制限はないが、C25〜C
35、好ましくはC27〜31の鎖状飽和モノカルボン
酸の金属塩で、一般にナトリウム、カリウム、マグネシ
ウム、カルシウム、アルミニウム、亜鉛の塩が用いら
れ、好ましくは亜鉛塩である。金属含有率は3〜10重
量%が好ましい。炭素数が25未満であると熱安定性が
悪く、35を越えると滑剤としての効果が弱まり、成形
流動性が低下する。ここでいう滑剤とは、成形材料を加
熱溶融して成形する際に、その流動性を良くする作用な
いし成形加工機や金型への粘着性を抑制しかつ成形品の
型離れを良くする作用を有する薬剤をいう。また、金属
塩はPPS系樹脂と金属塩との親和性を高める働きをし
ているものと思われるが、3%未満では親和性が悪く、
10%を越えると機械的物性が低下する。金属塩の中で
特に亜鉛塩はPPS系樹脂との親和性を高める働きをし
ているものと思われる。
【0011】本発明の樹脂組成物は、上述のごとく
(A)PPS系樹脂50〜90重量%、(B)炭素繊維
50〜10重量%、及び(A)+(B)100重量部に
対して、(C)鎖状飽和モノカルボン酸の金属塩0.3
〜5重量部を配合してなるものであるが、好ましくは
(A)PPS系樹脂60〜85重量%、(B)炭素繊維
40〜15重量%、及び(A)+(B)100重量部に
対し(C)鎖状飽和モノカルボン酸の金属塩0.5〜3
重量部の割合で配合するものである。
【0012】ここで、(B)炭素繊維が10重量%未満
では、充分な補強効果を与えることができず、一方、5
0重量%を越えると流動性が悪く、成形困難となり好ま
しくない。また、(C)鎖状飽和モノカルボン酸の金属
塩0.3重量部未満では滑剤効果がなく、5重量部を越
えると機械的物性が低下する。
【0013】本発明の樹脂組成物は、上述の(A)、
(B)、(C)三成分を所定の割合で配合してなるもの
であるが、さらに必要に応じて、一般に高分子加工業界
で用いられる添加剤を適宜配合することができる。添加
剤の例としては、金属を含む無機物質や高分子の接着性
を向上させるための各種カップリング剤、可塑剤、着色
剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、核剤等が挙げられる。
また、本発明の炭素繊維と共に、本発明の組成物中、1
〜40重量%のガラスビーズ、ガラスパウダー、ガラス
繊維、ガラスフレーク、マイカ、ワラストナイト、ケイ
酸塩、二硫化モリブデン、黒鉛、グラファイト、などの
公知無機質充填剤を併用する事ができる。
【0014】上記(A)PPS系樹脂、(B)炭素繊
維、(C)鎖状飽和モノカルボン酸の金属塩、さらに必
要に応じて用いられる各種の添加剤の混合は、種々の手
法で行うことができるが、一般には通常用いられている
混合機、例えばヘンシェルミキサー、タンブラー、リボ
ンブレンダー等で行われる。混練機としては、一般に単
軸または二軸の押出機が用いられ、このような押出機に
よりペレットが製造される。このペレットを、圧縮成
形、射出成形、押出成形等により任意の形状に成形して
所望の樹脂製品とすればよい。
【0015】
【実施例】次に実施例及び比較例により本発明をさらに
具体的に説明する。実施例及び比較例において用いられ
るソリ測定用試験片は、100×100×3mmの平板
をフィルムゲートにより射出成形し、図1に示すよう
に、e、f、g、h各コーナーのZ軸座標を測定し、反
りの大きさを比較した(矢印は射出方向を示す)。曲げ
強度、曲げ弾性率はASTM D790に準拠して測定
した。また、流動性の評価はShimadzu Flo
wtester CFT−500〔島津製作所(株)
製〕により、シリンダー温度320℃、荷重50kg、
ノズルのl/d=10mm/1mm、滞留時間6分で粘
度を測定して行った。なお、実験に使用した二軸同方向
押出機は、池貝鉄工(株)製のPCM−30を用いた。
また、射出成形は住友重工(株)製SYCAP75射出
成形機を用いて行い、その射出条件は、金型温度150
℃、シリンダー温度320℃、冷却時間15秒であっ
た。
【0016】実施例1〜3及び比較例1,2 トープレン(株)製PPS樹脂(T−4)、繊維径
0.2〜0.3μm、アスペクト比15〜30の気相法
炭素繊維、長さ約600μm、厚み3〜5μmの日本
板硝子(株)製ガラスフレーク(REF−600A)を
//=70/15/15の割合で配合する。更に
ヘキストジャパン(株)製の鎖状飽和モノカルボン酸の
亜鉛塩〔(ZNV−104)(添加剤a)〕を表1に示
す割合で配合し、ヘンシェルミキサーで5分間、800
rpmにて混合し、更に二軸方向押出機を用い、320
℃で混練してペレット化した。このペレットを射出成形
して得られた試験片の各種物性を測定した。その結果を
表1及び表2に示す。
【0017】比較例3 鎖状飽和モノカルボン酸の亜鉛塩の替わりに一般に用い
られている滑剤としてC28〜32の脂肪族ポリオール
と脂肪族モノカルボン酸のエステル〔(ヘキストジャパ
ン(株)製TP ET141)(添加剤b)〕を1Ph
r添加する。(表1及び表2)
【0018】
【表1】
【表2】
【0019】実施例4〜6及び比較例4,5 実施例1〜3で用いたガラスフレークを加えず、また炭
素繊維を表3に示す割合で配合する以外は実施例1〜3
と同様の実験を行った。その結果を表3及び表4に示
す。
【0020】
【表3】
【表4】
【0021】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は、成形流動性に優
れ、耐熱性を有すると共に、反りの大きさを改善したも
のである。従って本発明の樹脂組成物は、自動車部品、
電気、電子部品等の種々の成形部品の素材として幅広い
利用が期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】試験片における反りの測定部位を示す説明図で
ある。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリフェニレンスルフィド系樹脂
    50〜90重量% (B)繊維径0.05〜1μm、アスペクト比1〜20
    00の炭素繊維50〜10重量% 上記(A)+(B)100重量部に対して(C)鎖状飽
    和モノカルボン酸の金属塩0.3〜5重量部からなる樹
    脂組成物。
  2. 【請求項2】 炭素繊維が、気相成長法にて製造された
    ものである請求項1記載の樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1234856A1 (en) * 2000-06-12 2002-08-28 Idemitsu Petrochemical Co., Ltd. Polyarylene sulfide resin composition and molded object thereof
JP2014065841A (ja) * 2012-09-26 2014-04-17 Toray Ind Inc ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物および射出成形品

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