JPH0543608U - 窓ガラスアンテナ装置 - Google Patents

窓ガラスアンテナ装置

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JPH0543608U
JPH0543608U JP9910191U JP9910191U JPH0543608U JP H0543608 U JPH0543608 U JP H0543608U JP 9910191 U JP9910191 U JP 9910191U JP 9910191 U JP9910191 U JP 9910191U JP H0543608 U JPH0543608 U JP H0543608U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 防曇用ヒータ線をアンテナとして利用する窓
ガラスアンテナ装置において、ヒータ用の直流電流阻止
用コンデンサを個別に設けることなく、受信電力の取り
出しもしくは送信電力の供給を行なう。 【構成】 合わせガラスの内面に配設した複数の防曇用
ヒータ線5のそれぞれ一端側を電気的に接続するバスバ
ー6を第1の電極とし、この第1の電極に略対向するよ
う合わせガラスの外面に第2の電極として受信信号取り
出し用電極11を形成し、第1の電極と第2の電極とで
形成される静電容量を介して受信電力を取り出す。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は、自動車等の窓ガラスに設けた防曇用ヒータ線をアンテナとして利 用する窓ガラスアンテナ装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
窓ガラスに配設された複数の防曇用ヒータ線のそれぞれ一端側を電気的に接続 するバスバーを給電点とし、この給電点から直流阻止用のコンデンサを介して受 信電力を取り出す技術が、実開昭63−129307号公報に開示されている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
防曇用ヒータ線をアンテナとして利用する従来の窓ガラスアンテナ装置は、ヒ ータ電流を阻止するためのコンデンサが必要である。 また、図6に示すように、防曇用電源との接続部101,102でないバスバ ー103側を給電点とする場合には、アンテナ専用の取り出し部を新たに設けな ければならない。合わせガラスの内面に防曇用ヒータ線104を設けている場合 は、各バスバー101,102,103を銅箔等を用いて外面側へ引き出して接 続電極を形成するため、引き出し箇所の増加は加工工数の増加となり好ましくな い。
【0004】 なお、図6に示した窓ガラスアンテナ装置100において、符号105,10 6は受信周波数帯域でアンテナから電源側を見たインピーダンスを充分高くする ためのチョークコイル、符号107は電源雑音の混入を防止するためのコンデン サ、符号108は防曇用電源スイッチ、符号109は防曇用電源である。
【0005】 この考案はこのような課題を解決するためなされたもので、その目的は、製造 工程を複雑にすることなく、かつ、ヒータ用の直流電流阻止用コンデンサを個別 に設けることなく、受信電力の取り出しもしくは送信電力の供給を行なうことの できる窓ガラスアンテナ装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するためこの考案に係る窓ガラスアンテナ装置は、合わせガラ スの内面に配設した複数の防曇用ヒータ線のそれぞれ一端側を電気的に接続する バスバーを第1の電極とし、この第1の電極に略対向するよう前記合わせガラス の外面に第2の電極を形成し、前記第1の電極と第2の電極とで形成される静電 容量を介して受信電力を取り出すことを特徴とする。
【0007】 なお、防曇用ヒータ線は線径が0.1ミリメートル以下の金属細線を用いても よい。
【0008】
【作用】
略対向して設けた第1および第2の電極でガラスを誘電体とするコンデンサを 形成し、このコンデンサを介して受信電力を取り出す。 よって、合せガラスの内面に形成した第1の電極部をガラスの外面へ引き出さ なくてよく、また、ヒータ電流阻止用のコンデンサを別に設けなくてよい。
【0009】 なお、防曇用ヒータ線に線径が0.1ミリメートル以下の金属細線を用いるこ とで、単位幅に対してより多数のヒータ線を配設することができる。したがって 、防曇用ヒータ線を配設する領域の面積が同じであっても、アンテナパターンと して利用するヒータ線の本数を多くすることで、アンテナの実効長を確保するこ とが可能となる。
【0010】
【実施例】
以下この考案の実施例を添付図面に基づいて説明する。 図1はこの考案に係る窓ガラスアンテナ装置の模式構成図であり、(a)は窓 ガラスアンテナ装置を車内側から見た平面図、(b)は左側のバスバー部の拡大 断面図、(c)は右側のバスバー部の拡大断面図、(d)は中間膜部の構造図、 (e)は車内側ガラスの電極配置図である。
【0011】 窓ガラスアンテナ装置1は、車内側ガラス2と車外側ガラス3との間に透明の 中間膜4と複数のヒータ線5を配設している。この窓ガラスアンテナ装置1は、 水平方向に配設した複数のヒータ5をアンテナとして利用するもので、図1(d )に示すように、各ヒータ線5のそれぞれ左端側を電気的に接続するバスバー6 と、各ヒータ線5の右端側を2グループに分けてそれぞれ電気的に接続するバス バー7,8とを備える。
【0012】 図1(b)に示すように、左側のバスバー6は短冊状の2枚の銅箔6a,6b からなり、2枚の銅箔6a,6bで各ヒータ線5を挟み込んで、各ヒータ線5の 端部を電気的に接続している。 図1(c)に示すように、右側の各バスバー7,8は短冊状の銅箔7a,7b と引き出し部付きの銅箔7b,8bからなり、各銅箔7a,7b、8a,8bで 各ヒータ線5を挟み込んで、各ヒータ線5の右端側を電気的に接続するとともに 、各銅箔7b,8bの引き出し部7c,8cを車内側ガラス2の外面へ折り返し て、車内側ガラス2の外面に形成したヒータ電流供給用電極9,10へ固着して いる。
【0013】 ヒータ線5は、線径0.04〜0.05mmのタングステン線を用いている。 なお、図1は12本のヒータ線を配置した図となっているが、ヒータ線5の配 設本数は任意である。 また、図1(b)および(c)では、中間膜4と車外側ガラス3の内面が離れ た状態の図になっているが、実際は各銅箔6a,6b,7a,7b,8a,8b およびヒータ線5が中間膜4側に押し込まれる形で中間膜4と車外側ガラス3の 内面とが密着している。
【0014】 図1(b)および(e)に示すように、車内側ガラス2の外面には、左側のバ スバー6に対して対向する位置に受信信号の取り出し用電極11を形成して、バ スバー6を第1の電極、取り出し用電極11を第2の電極とするコンデンサを形 成して、各ヒータ線5で受信した電力をコンデンサを介して取り出す構成として いる。
【0015】 防曇用のヒータ電流は一方のヒータ電流供給用電極9(または10)から供給 されバスバー6で折り返されて他方のヒータ電流供給用電極10(または9)か ら流出する。
【0016】 図2は他の実施例に係る窓ガラスアンテナ装置の模式構造図である。 この窓ガラスアンテナ装置21は、図2(e)に示すように、ヒータ電流供給 用電極22,23を左右に配置したものである。 図2(b)〜(d)に示すように、左右のバスバー25,26は、それぞれ短 冊状の銅箔25a,26aと引き出し部25c,26cを備えた銅箔25b,2 6bからなる。 そして、この実施例では右側のバスバー26を第1の電極とし、このバスバー 26に対向して受信信号取り出し用電極24を車内側ガラス2の外面に設けてい る。なお、図2(e)に示すように、受信信号の取り出し用電極24は、ヒータ 電流供給用電極23を逃げるため中央部分で内側へ曲折している。
【0017】 図3は、AM放送帯(約1MHz)において、アンテナと受信機との間に介設 するコンデンサの静電容量とコンデンサ挿入による損失の関係を示すグラフであ る。 横軸は静電容量を、縦軸はコンデンサ挿入による損失を示す。静電容量が約1 20pF以上であれば、AM放送帯での損失は無視できる。
【0018】 図4は、板厚2mmのガラスの両面に形成した対向電極の面積と静電容量の関 係を示すグラフである。 横軸は対向面積を、縦軸は静電容量を示す。AM放送帯でのコンデンサ挿入損 失を無くすために静電容量を120pF以上確保するには、板厚2mmのガラス の場合、対向面積を1700平方mm以上とすればよい。
【0019】 図5はこの考案に係る窓ガラスアンテナ装置のFM放送帯の受信感度を示すグラ フである。横軸は周波数を、縦軸は受信感度を示す。 試料は図2に示す窓ガラスアンテナ装置21で、60dBμV/mの電界中で 測定した。 図2(d)に示すように、銅箔で形成したバスバー26(第1の電極)の寸法 は、長さ300mm、幅10mmである。 図2(e)に示すように、信号取り出し用電極24(第2の電極)の寸法は、 長さ300mm、幅10mmである。 なお、バスバー26および信号取り出し用電極24は、ガラス端面より20m m内側に配設している。 ヒータ線5は、5mm間隔で平行に約60本配設している。左右のバスバー間 の間隔は、約1200mmである。
【0020】 図5のグラフにおいて、点線で示す特性Sはバスバー26から直接受信信号を 取り出した場合(従来の構造)、実線で示す特性C1は図2に示す電極寸法での 受信感度の周波数特性である。 このように、個別部品としてのコンデンサを用いずに、ヒータ線5で受信した 信号を効率よく取り出すことができる。
【0021】 なお、一点鎖線で示す特性C2は、車内側ガラス2の外面に形成する信号取り 出し用電極24(第2の電極)の上下方向を約100mmカットし、長さを10 0mmとした場合の受信特性である。バスバー26(第1の電極)の寸法は図2 (d)に示したものと同じである。 このように、信号取り出し用電極の形状を調節することによって、受信感度の 周波数特性を変化させることができるので、合せガラスの内面側に形成する防曇 用のヒータ線5およびバスバー25,26の構造を変更することなく、所望の受 信周波数特性を得ることができる。
【0022】 なお、図1および図2では直線状のヒータ線5を示したが、各ヒータ線5を波 形としてアンテナ長を確保するようにしてもよい。 また、ガラスを誘電体とするコンデンサの各電極は、透明導電膜を用いて形成 してもよい。
【0023】
【考案の効果】
以上説明したようにこの考案に係る窓ガラスアンテナ装置は、合わせガラスの 内面に配設した複数の防曇用ヒータ線のそれぞれ一端側を電気的に接続するバス バーを第1の電極とし、この第1の電極に略対向するよう合わせガラスの外面に 第2の電極を形成し、第1の電極と第2の電極とで形成される静電容量を介して 受信信号を取り出す構成としたので、合せガラスの内面に形成した第1の電極部 をガラスの外面へ引き出さなくてよく、また、ヒータ電流阻止用のコンデンサを 別に設けなくてよい。
【0024】 なお、防曇用ヒータ線に線径が0.1ミリメートル以下の金属細線を用いるこ とで、単位幅に対してより多数のヒータ線を配設することができる。したがって 、防曇用ヒータ線を配設する領域の面積が同じであっても、アンテナパターンと して利用するヒータ線の本数を多くすることで、アンテナの実効長を確保するこ とが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案に係る窓ガラスアンテナ装置の模式構
成図
【図2】この考案の他の実施例に係る窓ガラスアンテナ
装置の模式構造図
【図3】コンデンサの静電容量とAM放送帯における挿
入損失の関係を示すグラフ
【図4】板厚2mmのガラスの両面に形成した対向電極
の面積と静電容量の関係を示すグラフ
【図5】FM放送帯の受信感度を示すグラフ
【図6】従来の窓ガラスアンテナ装置の模式構造図
【符号の説明】
1,21…窓ガラスアンテナ装置、2…車内側のガラ
ス、3…車外側のガラス、4…中間膜、5…防曇用のヒ
ータ線、6,26…コンデンサの第1の電極を形成する
バスバー、7,8,25…バスバー、9,10,22,
23…加熱電流供給用電極、11,24…コンデンサの
第2の電極を形成する受信信号取り出し用電極。

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 防曇用のヒータ線をアンテナとして利用
    する窓ガラスアンテナ装置であって、合わせガラスの内
    面に配設した複数の防曇用ヒータ線のそれぞれ一端側を
    電気的に接続するバスバーを第1の電極とし、この第1
    の電極に略対向するよう前記合わせガラスの外面に第2
    の電極を形成し、前記第1の電極と第2の電極とで形成
    される静電容量を介して受信電力を取り出すよう構成し
    たことを特徴とする窓ガラスアンテナ装置。
  2. 【請求項2】 前記防曇用ヒータ線は線径が0.1ミリ
    メートル以下の金属細線であることを特徴とする請求項
    1記載の窓ガラスアンテナ装置。
JP9910191U 1991-11-05 1991-11-05 窓ガラスアンテナ装置 Pending JPH0543608U (ja)

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