JPH0543463Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は固体電解コンデンサ用陽極リード端子
に関し、特に陽極リードの外部電極が箔状であつ
てチツプ状の固体電解コンデンサに用いられる陽
極リード端子の連続体に関する。

［従来の技術］ 従来のチツプ状固体電解コンデンサは、アルミ
ニウム、タンタル、ニオブ、チタン等の弁金属か
らなるリード線が接続されたコンデンサ素子を複
数個、金属製のキヤリヤーに接続した後、所定の
半導体層および導電体層を形成してエージング等
を行う。その後、素子をキヤリヤーから取り外し
てリード線に、弁作用を有さない金属箔を外部電
極として接続した後、外部電極の一部を除いて、
モールド等の方法で封止して実用に供されてい
る。

［考案が解決しようとする問題点］ ところで、前述したコンデンサ素子が接続して
いるリード線は、一般に、外部電極を接続する前
は、コンデンサ素子を形成する必要上からその長
さが比較的長く、コンデンサ素子を形成した後、
最終的なチツプ状の固体電解コンデンサの形状を
小さくするため、必要最小の長さに切断してから
外部電極を接続している。

このようにリード線の切断と外部電極の接続と
いう操作は、コンデンサ素子がリード線に接続さ
れた状態で行う場合は、極めて精巧さを必要とし
た。さらに、金属製のキヤリヤーにリード線を接
続し、また取り外す操作も煩雑であつた。

本考案は、上記の事情に鑑み、リード線と外部
電極の接続工程を簡略化し、しかも、キヤリヤー
へのリード線の接続と取り外しの工程を無くした
新規な固体電解コンデンサ用陽極リード端子の連
続体を提供することを目的とする。

［問題点を解決するための手段］ 本考案は、上記の目的を達成するためになされ
たもので、その要旨は、連続したテープ状の弁作
用を有さない金属箔に、弁作用を有する金属から
なる陽極リードが前記金属箔の長手方向に交差し
かつ金属箔から延出して所定の間隔を設けて接続
しており、前記金属箔から延出している部分の前
記陽極リードに固体電解コンデンサ素子が接続さ
れ、かつ前記金属箔はそれぞれ陽極リードが接続
している部分の両端で金属箔の幅方向に切断され
て外部電極を構成することを特徴とする固体電解
コンデンサ用陽極リード端子の連続体にある。

［作用］ このように構成すると、陽極リードにコンデン
サ素子を接続して半導体層および導電体層を形成
し、陽極リードに外部電極を接続する場合に、連
続したテープ状の弁作用を有さない金属箔がキヤ
リヤーと陽極側の外部電極を兼ね備えたものにな
る。

［実施例］ 以下、本考案を図面に示した実施例に基づいて
説明する。

第１図は、本考案の陽極リード端子の連続体の
実施例を示す図である。図中、金属箔１は連続し
たテープ状の弁作用を有さない金属箔であり、陽
極リード２……は弁作用を有する金属からなるリ
ードである。陽極リード２……は金属箔に所定の
間隔を設けて複数本接続されている。金属箔の材
質としては、例えば、従来公知の、チツプ状コン
デンサの外部電極と同等な金属があげられる。弁
作用を有する金属からなるリードの形状として
は、棒状、リボン状、板状、箔状のいずれを用い
てもよい。又、弁作用を有する金属の例として、
アルミニウム、タンタル、ニオブ、チタン、およ
びこれらの金属を主成分とする合金等があげられ
る。テープ状の弁作用を有さない金属箔と弁作用
を有する金属からなるリードとの接続は、例え
ば、熔接、半田付け、導電ペーストによる接続等
の従来公知の方法を採用することができる。なお
金属箔にリードを接続した後、弁作用を有さない
金属箔と重ならない部分のリードの長さは、リー
ド全長および金属箔と接続部分の長さを調節する
ことによつて自在に変えることができるため、従
来のようにリードにコンデンサ素子を接続した後
にリードを適当な長さに切断後、外部電極に接続
するというような精巧な工程を必要としない。第
２図は金属箔１を山形状に折り曲げた状態を示す
断面図であつて、固体電解コンデンサの生産性を
上げるために、陽極リード端子の連続体の金属箔
１を折り曲げて、陽極リード２……を金属箔１の
両側に配置して接続したものである。第３図は陽
極リード２と陽極リード２の間に切り欠き部３を
それぞれ設けた金属箔１の形状を示しており、切
り欠き部３を設けることによつて後の工程で、各
個のコンデンサ素子に切断しやすくなる。第４図
は陽極リード２に対応して金属箔１の一部に切り
抜き部４を設けた状態を示しており、陰極側の外
部電極と区別することができる。又、前述した切
り欠き部３と切り抜き部４の両方を設けておいて
もよい。第５図は、リード２と金属箔１の接続部
を電気絶縁性材料５で覆つた状態を示しており、
リード２にコンデンサ素子を接続した場合に半導
体層および／または導電体層の付着によるシヨー
トを防ぐことができる。電気絶縁性材料としては
電気絶縁性ポリマー等の公知のものが利用でき
る。

以上のような構成の固体電解コンデンサ用陽極
リード端子の連続体は、例えば、以下のように用
いられてチツプ型固体電解コンデンサが作製され
る。即ち各々の陽極リードにコンデンサ素子を接
続した後、素子に半導体層および導電体層を形成
し、必要な場合はエージング操作を行つてから陰
極用リードを接続する。その後連続体を、少くと
も１つのコンデンサ素子を含むように切断し、
個々のコンデンサ部分に分離した後、陰陽両極の
端子部の一部を除いてモールド等の方法で封口す
るか、もしくは個々のコンデンサ部分に分離する
前に、陰極の端子部の一部と連続体のテープ状の
金属箔側の一部を除いてモールド等の方法で封口
した後、少くとも１つのコンデンサ素子を含む部
分で切断することによつてチツプ状の固体電解コ
ンデンサが作製される。この場合、モールド等の
方法で封口されなかつた連続体のテープ状の金属
箔側の一部が陽極の外部電極となる。

［考案の効果］ 本考案の固体電解コンデンサ用陽極リード端子
の連続体は、複数のコンデンサ素子を連ねるキヤ
リヤー自体が固体電解コンデンサの外部電極とな
るため、従来の固体電解コンデンサの製造に見ら
れるようなキヤリヤーへのリードの取り付けや取
り外しが無く、またコンデンサ素子が接続された
状態でリードを切断することが無いため、固体電
解コンデンサの生産性を大いに向上させることが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る陽極リード端子の連続体
の実施例を示す平面図、第２図は金属箔を山形状
に折り曲げた断面図、第３図は切り欠け部を有す
る陽極リード端子の連続体の平面図、第４図は切
り抜き部を有する陽極リード端子の連続体の平面
図、第５図はリードと金属箔の接続部を電気絶縁
性材料で覆つた状態を説明する図である。 １……金属箔、２……陽極リード、３……切り
欠き部、４……切り抜き部、５……電気絶縁性材
料。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 連続したテープ状の弁作用を有さない金属箔
   に、弁作用を有する金属からなる陽極リードが
   前記金属箔の長手方向に交差しかつ金属箔から
   延出して所定の間隔を設けて接続しており、前
   記金属箔から延出している部分の前記陽極リー
   ドに固体電解コンデンサ素子が接続され、かつ
   前記金属箔はそれぞれ陽極リードが接続してい
   る部分の両端で金属箔の幅方向に切断されて外
   部電極を構成することを特徴とする固体電解コ
   ンデンサ用陽極リード端子の連続体。 ２ 金属箔が山形状に曲折していることを特徴と
   する実用新案登録請求の範囲第１項記載の固体
   電解コンデンサ用陽極リード端子の連続体。 ３ 金属箔が陽極リードと陽極リードの間に切り
   欠け部を有することを特徴とする実用新案登録
   請求の範囲第１項または第２項記載の固体電解
   コンデンサ用陽極リード端子の連続体。