JPH054337B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH054337B2
JPH054337B2 JP1144621A JP14462189A JPH054337B2 JP H054337 B2 JPH054337 B2 JP H054337B2 JP 1144621 A JP1144621 A JP 1144621A JP 14462189 A JP14462189 A JP 14462189A JP H054337 B2 JPH054337 B2 JP H054337B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aluminum hydroxide
fine
particles
diameter
particle size
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1144621A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH038715A (ja
Inventor
Hisao Kokoi
Akira Sakamoto
Kotaro Hirayanagi
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Denko KK filed Critical Showa Denko KK
Priority to JP1144621A priority Critical patent/JPH038715A/ja
Publication of JPH038715A publication Critical patent/JPH038715A/ja
Publication of JPH054337B2 publication Critical patent/JPH054337B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paper (AREA)
  • Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野] 本発明は、微粒なアルミナの原料として使用さ
れ、又、ゴム・プラスチツク用フイラー、加工紙
用水系スラリー等として使用される微粒水酸化ア
ルミニウムに関する。 [従来の技術] 微粒水酸化アルミニウムは、微粒アルミナの原
料や、各種フイラーとして、多くの用途が期待さ
れる。水酸化アルミニウムは、複数の一次粒子が
凝集した二次粒子で構成されるが、従来一次粒子
径も二次粒子径も極めて、小さい微粒水酸化アル
ミニウムは知られておらず、このような水酸化ア
ルミニウムは、多くの用途が想定されるので、そ
の開発が期待されていた。 微粒水酸化アルミニウムは、水酸化アルミニウ
ムの晶析及び/又は、粉砕により作られる。 晶析による方法は工業的にはバイヤー法が一般
的であり、ギブサイトの結晶形態をもつ水酸化ア
ルミニウムが得られる。水酸化アルミニウムの結
晶形態はいろいろあるが、その中でもギブサイト
は熱的安定性、結晶性、生産性、純度に優れてい
る。 晶析は微小な核を発生させ、それを成長させる
という工程を経るのが一般的であるが、この成長
工程中では一次粒子の凝集・崩壊も同時に起こつ
ている。そして、これらのバランスが水酸化アル
ミニウムの物性を左右することになる。つまり成
長・凝集量が、核発生量・崩壊量を上回つたとき
には、粒子は粗粒化していき、その逆の場合に
は、微粒化していく。また。微粒になるほど一次
粒子同志の凝集力は増大し、たとえ一次粒子が小
さくなつてもこの凝集力のため二次粒子径(有姿
の平均径)は増大してしまう。 微粒水酸化アルミニウムを製紙用に使用する場
合は、水スラリーにして使用するため、低粘度で
あること、ダイラタンシー現象が発生しにくい事
が要求される。ダイラタンシー現象とは、水系ス
ラリーにしてせん断速度をましていくと、急激に
応力がかかる現象をいう。本出願人は特願昭63−
221679において、凝集度Aが3.0以下であれば、
DI値(Dilatancy、Index)が顕著に高くなつて、
ダイラタンシー現象が発生しにくくなるという現
象にもとづく発明を開示している。一方、物性面
では、微粒子である方が、グロスが向上する。グ
ロスとは、水酸化アルミニウムをコーテイングし
た紙の光沢をいう。 通常得られる水酸化アルミニウム粒子を通常の
方法で粉砕し、微粒のギブサイト水酸化アルミニ
ウムを得た場合には、一次粒子が破壊されるた
め、B.E.T比表面積が大きくなる傾向がある。し
かも通常得られる晶析水酸化アルミニウムを長時
間粉砕しても有姿の平均径は1μm以下とはなら
ず、結晶性も悪くなつていく上に、粒度分布もブ
ロードになつていく。こうしてできた水酸化アル
ミニウムは耐熱性が悪く、フイラーには適さない
だかりか、スラリー特性も悪い。これを解決する
ためには、細かい一次粒子より成る水酸化アルミ
ニウムを晶析させ一次粒子を殆んどいためずに凝
集をほぐす方法を開発する必要がある。 [発明が解決しようとする課題] アルミナは低温で焼結するほど工業的に利用度
が高い。この焼結性は一般的に、 不純物量の少ないほど、 α−アルナ結晶の小さいほど、 向上する。このような高純度・微小α結晶のア
ルミナを得るためには、さまざまな方法が考えら
れるが、水酸化アルミニウム自身の一次粒子微粒
化を図るのも一つの方法である。なお、この際に
使う水酸化アルミニウムの結晶形はNa2O量の低
さ、生産性の良さ、焼成した後のα結晶の小さ
さ・粉砕性の良さなどからギブサイトが使われて
いる。これを晶出によつてつくる場合、通常の過
飽和溶液中からの核発生を行つたのでは、できた
核は大きすぎ、一次粒子平均径が0.5μm以下とは
ならない。種子を添加しても同様に細かくはなら
ない。また、平均径がそれ以下のものが得られた
としても無定形ゲルやバイアライトなどギブサイ
ト以外の結晶形態を含んでしまうため、さらに熟
成が必要である。熟成により粒子は成長し、
0.6μm以上となつてしまう。(無定形ゲルやバイ
アライトなどを含むとB.E.T比表面積は著しく大
きくなる。)このように、一次粒子径の極めて小
さいギブサイト状の水酸化アルミニウムを晶出さ
せることは、これまで不可能であつた。 又、微粒水酸化アルミニウムを得るには、晶出
した水酸化アルミニウムを所望の径までに粉砕す
ることが必要である。粉砕するとき、一次粒子の
表面を傷めると、分解開始温度が低下するので、
フイラーとして使用するときの障害になるという
問題点もあつた。 即ち、本発明は、多くの用途が期待できる一次
粒子径及び二次粒子径が共に小さい微粒水酸化ア
ルミニウムを開発することにあり、さらに、一次
粒子径の表面が傷んでいない微粒水酸化アルミニ
ウムを開発することにある。 [課題を解決するための課題] 本発明は、微粒アルミナの原料として、又、各
種フイラーとして優れた性質をもつ、一次粒子の
平均径及び二次粒子の平均径の共に小さい微粒水
酸化アルミニウムを提供するものであり、その要
旨は、 a 一次粒子平均径D1が0.15μm以下 b 二次粒子平均径DRが0.5μm以下 c 結晶形がギブサイト であることを特徴とする微粒水酸化アルミニウム
である。 ここで、 DR:超音波分散をした後にレーザー回折式粒
度分析計で測定した平均径、 D1:B.E.T比表面積から算出される径、であり D1=6/{(B.E.T比表面積)×(真比重)} として算出される。 また、この水酸化アルミニウムを、ゴム・プラ
スチツク等のフイラーとして用いる場合には、分
解開始温度が低下しないように、一次粒子径の表
面が傷んでいないことが必要であり、DB≧DR
条件を満足する必要がある。 ここで、 DB=空気透過式によりもとめた比表面積を基
準とした平均径(ブレーン径)、である。 さらに、製紙用コーテイングスラリー用として
は、ダイラタンシー現象が発生しにくいように凝
集度A=D2/D1が3以下であることが望ましい。
ここで、D2はレーザー回折式粒度分析計で測定
した有姿の平均径である。 ギブサイトは結晶性が良好で、他の水酸化アル
ミニウムの結晶形に比べ脱水を開始する温度(分
解開始温度)が高い。この特性を生かしプラスチ
ツクフイラー用途等に使われているが、分解開始
温度は、一次粒子が傷むことによつて低下する。
従つて、この用途に使用する水酸化アルミニウム
は、一次粒子が傷んできない方がよい。分解開始
温度が低いと、難燃効果を論ずるまえに、混練し
成形した際に、水酸化アルミニウムの熱分解によ
り表面が発泡し、商品とならなくなる。 具体的には、同一径の粒子で比較した場合、
SEM観察で表面の傷みが認められる粒子は、全
く傷んでいない粒子に比べ、この分解開始温度が
20℃から30℃も低下する。SEM観察において一
次粒子の傷みが認められないものは、分解開始温
度の低下は、たかだか10℃程度である。 ゴムと配合した場合は、マトリツクスとの接触
面積が大きくなるほど、ゴムの性質が改良され
る。つまり、充填の効果が大きいわけである。従
つてゴム中で良好に分散する微粒子であるほうが
接触面積が大きくなるため、ゴムフイラーとして
有用である。同時に高充填可能にもなる。これに
より、難燃効果と補強効果を合わせもつフイラー
になる。 発明者らの研究により、一次粒子の表面の傷み
の程度は、DBとDRの比で評価できることが判つ
た。表面の傷んでいない粒子について考えると次
式のような関係がある。 DB≧DR 一次粒子が破壊されると、チツピングと称する
破片が生ずる。これが比表面積を増大させ、それ
を基準にもとめた粒子径DBは小さくなる。また、
超音波分散を測定した後にレーザー回折式粒度分
析計で測定した平均径DRは、累積重量基準のも
のである。重量基準ではかなりの重量のチツヤピ
ングがないと微小側にシフトしないので上式のよ
うな関係が存在していると考えられる。また、こ
の関係は粉砕粉の粒度分布がブロードであること
も関係していると思われる。 以上よりこの式を満たすよう、微粒水酸化アル
ミニウムの凝集をほぐしたものはゴム、プラスチ
ツク用フイラーとして適したものになる。 また、紙用途に使用する場合は、凝集度Aが低
いことが要求される。粒子は一般的に微粒子とな
るほど凝集の度合が激しくなる。 水スラリーにした場合、同時に粘性も著しく高
くなる。したがつて微粒子になるほど凝集度を下
げることは困難になつてくる。ここで微粒子とし
て、なおかつ凝集度を下げることが可能になれば
グロス・ハンドリングともに良好な水酸化アルミ
ニウムが得られる。 即ち、製紙用のコンテイングスラリー用として
は、A=D2/D1表わされる凝集度が3.0以下であ
ることが望ましい。 本発明の微粒水酸化アルミニウムを製造するた
めに、解決しなければならない問題として、一次
粒子の微粒化と、凝集の問題がある。それに付随
する条件としては、ギブサイトであることと粒子
を傷めないで、二次粒子の凝集をほぐすことがあ
る。 核の微粒化には新たな核発生方法を考える必要
がある。ポイントとなるのは、核発生プロセスに
おいていかに微小な多数の核を発生させるかであ
り、この核の大きさと数の多少が粒子の大きさを
左右する。微小な数多くの核を発生させるという
ことは前述のような溶液の過飽和度をいかに高い
状態にまでいたらしめるかにかかつており、その
高低が発生数を決定していると考えられる。従つ
て、一次粒子の微粒化手法としては、高過飽和度
の状態をつくる手法が基礎となる。本発明者は、
以下に示すアルミン酸溶液の部分中和による方法
について、詳細に検討した。 アルミネート溶液を30℃〜60℃に保温しつつ、
ホモミキサー(例えば特殊機化工業者製T・Kホ
モミキサー)などで激しい撹拌を加える。そこへ
瞬時に酸(望ましくはアルミニウム塩)を加えア
ルカリを部分的に中和する。これにより過飽和度
は一時的に著しく上昇し、さらに撹拌を続けてい
ることにより1分から3時間で核の発生をみる。 ここで重要なのは、核発生時の溶液のNaOH
を、50g/〜10g/の範囲に保ち、かつ温度
は10℃〜40℃に保つことである。なお混合直後の
溶存Al2O3濃度は可能なかぎり高く(すなわち過
飽和度は高い状態)なるようにすることが望まし
い。こうして発生させた核を、過飽和アルミネー
ト液(NaOH濃度:50g/〜30g/、Al2O3
度:40g/〜240g/)に投入しギブサイト化
させる。 この方法により一次粒子径が0.15μm以下で、
凝集度の低い水酸化アルミニウムを晶析させるこ
とができる。 なお微粒な核発生の方法としては、上記したア
ルミン酸溶液の部分中和による方法の外に、希薄
なNaOH溶液(10g/〜120g/)に金属アル
ミニウム粉末を投入し溶解することで瞬時に水和
し液中のAl2O3濃度を上げることにより核発生を
促す方法も、採用できよう。 晶出した水酸化アルミニウムの凝集度が極めて
低く、二次粒子径が0.5μm以下であれば、これを
そのまま本発明品として使用できる。 二次粒子径が、0.5μmを越える場合、又は、も
つと小さい粒子径の微粒水酸化アルミニウムを得
たい場合には、これをさらに粉砕する必要があ
る。 プラスチツクのフイラー用としては、0.3μm以
下の平均二次粒子径のものがより好ましい。 粉砕する際、一次粒子の表面を実質的に傷めな
ければ、分解開始温度を殆んど低下させず、各種
フイラー用に使用できる。以後便宜上実質的に一
次粒子の表面を傷めないで、粉砕する(一次粒子
にほぐす)ことを解砕といい、一般的な粉砕、即
ち一次粒子の表面の損傷を伴なう粉砕を、単に粉
砕という。 上記の方法で製造した微粒水酸化アルミニウム
は、一次粒子の接触面積が小さく、解砕に適して
いる。 解砕法には湿式・乾式が考えられるが、一次粒
子を崩壊させず解砕するためには、基本的に一次
粒子の大きさ・凝集度などの違いによりその方法
を選別すべきである。 湿式は、後に乾燥をする際、再凝集がおきやす
いため、解砕後にスプレードライヤーを使うな
ど、乾燥方法を工夫する必要がある。アトライタ
(三井三池化工機(株)製媒体撹拌型ミル)などは有
効な解砕手段である。一方で、乾式は、一般的
に、パツキングがおきやすい。一次粒が傷つきや
すい、解砕効果が弱いなど多くの難点があるが、
例えば、一次粒子が0.15μm以下の粒子の乾式解
砕にはエツジランナー(フレツトミル)を用いる
ことによりり、凝集度を3.0以下にまで低下させ
ることが可能となる。 粉砕機構は、摩砕・衝撃・せん断に類別される
が、一般的な粉砕機は、動力として消費されるエ
ネルギーをいかに粉砕エネルギーとして使用する
かに重点がおかれており、いきおいエネルギー消
費型作用メカニズムとなり、強力なものとなる。
これを水酸化アルミニウムに適用した場合、硬度
の関係から、凝集をほぐすのみならず、一次粒の
破壊にまで至らしめてしまう。また、同一粉砕機
でも、被粉砕物の形状・硬度・粒径等により、粉
砕機構は異なつてくる。したがつて解砕を行う際
には、粉砕機の選定に加え、被解砕物の特性をも
考慮しなくてはならない。 本発明の微粒水酸化アルミニウムの製造におい
て使用したエツジランナーは、前述の晶析によつ
てえられた微粒水酸化アルミニウムの解砕に特異
的に効果がある。例えば、一次粒が1μm程度の通
常の凝集粒水酸化アルミニウムを、エツジランナ
ーにて処理した場合、粉砕エネルギーが強力に作
用し、一次粒を傷めてしまうことになる。 前記の方法で晶析させた水酸化アルミニウムは
一次粒子径が0.15μm以下であり、かつ、接着面
積の小さい(したがつて易解砕性の)凝集粒であ
り、エツジランナーで解砕でき、凝集度が3.0以
下、あるいはDB≧DRとなるような水酸化アルミ
ニウムが製造可能となつた。 [実施例] 広義の粉砕方法による一次粒子の表面の傷み具
合の程度を、調べるため以下の試験を行つた。 第1表において、No.1〜No.4は、粉砕(解砕で
ない)、No.5〜No.10は、解砕を行つたものである。
使用した晶析水酸化アルミニウムNo.1〜No.8は、
通常の方法で晶析させた水酸化アルミニウム、No.
9〜No.10は、前記の方法で晶析させた非常に微粒
な水酸化アルミニウムである。 No.1〜4は川崎重工業(株)製振動ミル(型式SM
−0.6)を用いて、アルミナボール15mmφ、R比
10の条件で水酸化アルミニウム(ギブサイト)を
粉砕したものである。振動ミルの粉砕は強力であ
るため、一次粒子が破壊されており、DBをDR
大きく上回つているのがわかる。No.5〜10は一次
粒子を傷めないように凝集をほぐしたものであ
る。解砕の手段は、DRによりかえており、DR
DBと等しいか、もしくはDRがDBより小さくなる
ようにしている。
【表】 なお解砕粉と粉砕粉の違いを明確にするため
に、DRの比較的近い、No.7とNo.4の水酸化アル
ミニウムの粒子構造を示すSEM写真を第1図に
示した。一次粒子の傷んでいる様子がよくわか
る。 第2表にA≦3.0にした微粒水酸化アルミニウ
ムの例を示す。
【表】 No.1〜No.6が比較例、No.7〜No.10が実施例であ
る。この表において△Tは解砕(又は粉砕)前と
解砕(又は粉砕)後の分解開始温度の差である。
この差が大きいほど、一次粒子の傷みが激しいこ
とを意味している。分解開始温度は、TG−DTA
型示差熱天秤(理学電機(株)製THERMOFLEX
TG8110)によつて調べた。△T=0というのは
解砕処理も粉砕処理もしていないことを示す。 No.1は昭和電工(株)製の微粒水酸化アルミニウム
ハイジライトH−42である。 No.2及び3はNo.1をフレツトミル(松本鋳造製
鉄所製サンドミルType MPV−0.5)で条件を変
え、処理したものである。No.2は乾式、No.3は湿
式である。No.2は凝集度が多少下がつたものの△
T=15℃となり、SEMでも一次粒子に傷みが認
められる。No.3については一次粒子の破壊が起こ
つたため、B.E.T比表面積がほぼ倍増し、分解開
始温度も著しく低下している。 No.4及びNo.6は昭和電工(株)製の最微粒水酸化ア
ルミニウムであるハイジライトH−43である。H
−42にくらべ、一次粒子が小さくなつたため、凝
集度はあがつている。 No.5はNo.4をマイクロニーダー(三喜製作所製
床置き型マイクロニーダー)で湿式処理したもの
である。ΔTはかなり低下しており、SEMからも
一次粒子がかなり傷んでいるのが観察された。 No.1〜No.6のいずれも凝集度は低いが、B.E.T
比表面積も低い。 実施例No.7〜10は、次のような条件で製造した
ものである。 NaOH濃度が150g/、Al2O3濃度が120g/
のアルミン酸ソーダ溶液に、比重が1.310g/c.c.、
アルミナ濃度8.0wt%、温度40℃の硫酸ばんどと、
温度40℃の水を、撹拌・混合し、NaOH濃度が
50g/となるようにした。この状態で、撹拌を
2時間から3時間続け、B.E.T比表面積が100
m2/gの種晶を得た。ここに種子率が40%となる
ように前述のアルミン酸ソーダ溶液を加え、50℃
で10時間の析出をおこなつた。なお、ここでいう
種子率とは(種晶のAl2O3分)/(析出に用いた
アルミネート液中のAl2O分)のパーセンテージ
である。 こうしてできたスラリーを、濾過・洗浄・乾燥
を行つた後、フレツトミルで解砕した。 運転条件は、回転数40rpm、圧力2Kgf/cm2
運転時間5分、100g/バツチである。これらを
見るとB.E.T比表面積は20m2/g以上であるが凝
集度は3.0以下と低く、かつΔTは一次粒子の傷み
がSEMで観察される限界の10℃以下となつてい
る。例示したもののX線回折結晶ピークパターン
はいずれもギブサイトのみであり、ピクノメータ
ー法で比重を測定しても理論値と同様の結果がえ
られた。 次に測定方法について説明する。 有姿の平均径D2は、レーザー回折式粒度分析
計LEEDS&NORTHEUP INSTRUMENTS社
製のマイクロトラツクSPA型にて測定した値で
ある。分散剤としてヘキサメタリン酸ソーダの
0.3g/水溶液にサンプルを加え、棒で撹拌し、
それを分散剤濃度が0.3g/となつているリサー
キユレーター中に添加し、測定した。D2は、こ
の累積重量粒度分布の50%粒径とした。平均径
DRはD2の測定とほぼ同じであるが、前処理にお
いて棒で撹拌するところを超音波で5分間分散さ
せたものである。 B.E.T比表面積はQUANTACHROME社の比
表面積測定装置QUANTASORB(モデルNo.QS−
14)にて測定した。 D1算出の際の微粒水酸化アルミニウムの真比
重は、ギブサイトの理論値2.42g/cm2を使用した。 本発明になる微粒水酸化アルミニウムは、粒径
にくらべ、凝集度が非常に低いため、フイラーと
してゴム・プラスチツクなどへ混練した際に、よ
く分散された製品ができる。 第3表にゴムへ配合したさいの補強効果のデー
タを示す。
【表】 実施例は、第2表におけるNo.7の微粒水酸化ア
ルミニウムであり、比較例はハイジライトH−42
である。第3表においてはTBは引つ張り破断強
度を示す。実施例のほうがTBが倍増している。
つまり、補強効果があらわれているのがわかる。
また、応力TBがかかつたときの伸びEBも大きく
なつて、ゴムの弾力性は落ちていないのがわか
る。M100(ゴムを2倍の長さに伸ばしたときの応
力)も増加している。 これは、B.E.T比表面積が大きいことともあい
まつて、製品の引つ張り強度を増加させるのに役
立ち、富強剤としての用途がひらけることを意味
する。また、第2図に実施例のTEM写真を示す。
これからもわかるように一次結晶が破壊されてい
ないため、分解開始温度も低下していない。これ
は樹脂・プラスチツクなどへ混練し、成形する際
にうける熱によつても分解しないことになり、成
形体表面が発泡しないという成形上の利点にな
る。さらに水酸化アルミニウムの特性から、成形
体に難燃性を付与することになる。 [発明の効果] 本発明になる微粒水酸化アルミニウムは、一次
粒子径及び二次粒子径が極めて小さいので、易焼
結アルミナの原料等として、又、各種フイラーと
して、極めて好適である。アルミナは、微粒子に
なるほど低温で焼結する傾向がある。低温焼結、
つまり易焼結アルミナは省エネルギー・コスト低
減という意味で、非常に有用である。この易焼結
アルミナを得るには、その原料となる水酸化アル
ミニウムを微粒化することも一つの方法である。 また、一次粒子の表面が傷んでいないものは、
分解開始温度の低下が少なく、ゴムやプラスチツ
ク用フイラーとして極めて優れている。 一方、凝集度が低いものは水系スラリーにした
場合に、低粘度であり、又ダイラタンシー現象が
発生しにくい。低粘度スラリーが製紙業界で特に
尊重されることは前述の通りであるが、非常に微
粒の、一次粒が破壊されていない水酸化アルミニ
ウムは、紙の表面に塗工したとき、平滑性と光沢
の改善に著しい効果を表わす。 以上、述べたように、本発明の水酸化アルミニ
ウムは、工業的に極めてすぐれた原料である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、第1表のaNo.7とbNo.4の水酸化ア
ルミニウムの粒子構造を示すSEM写真であり、
第2図は、第2表のNo.7の水酸化アルミニウムの
粒子構造を示すTEM写真である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 a 一次粒子平均径D1が0.15μm以下 b 二次粒子平均径DRが0.5μm以下 c 結晶形がギブサイト であることを特徴とする微粒水酸化アルミニウ
    ム。 ここで、 DR:超音波分散をした後にレーザー回折式粒
    度分析計で測定した平均径、 D1:B.E.T比表面積から算出される径、であり D1=6/{(B.E.T比表面積) ×(真比重)}である。 2 請求項1記載の水酸化アルミニウムであつて DB≧DR であることを特徴とする微粒水酸化アルミニウ
    ム。 ここで、 DB:空気透過式によりもとめた比表面積を基
    準とした平均径(ブレーン径)、である。 3 請求項1記載の水酸化アルミニウムであつて
    凝集度Aが3.0以下であることを特徴とする微粒
    水酸化アルミニウム。 ここで、A=D2/D1であり、D2はレーザー回
    折式粒度分析計で測定した有姿の平均径である。
JP1144621A 1989-06-06 1989-06-06 微粒水酸化アルミニウム Granted JPH038715A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1144621A JPH038715A (ja) 1989-06-06 1989-06-06 微粒水酸化アルミニウム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1144621A JPH038715A (ja) 1989-06-06 1989-06-06 微粒水酸化アルミニウム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH038715A JPH038715A (ja) 1991-01-16
JPH054337B2 true JPH054337B2 (ja) 1993-01-19

Family

ID=15366294

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1144621A Granted JPH038715A (ja) 1989-06-06 1989-06-06 微粒水酸化アルミニウム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH038715A (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100926916B1 (ko) * 2000-03-08 2009-11-17 스미또모 가가꾸 가부시끼가이샤 수산화알루미늄 분말의 제조 방법
US7101529B2 (en) * 2001-06-21 2006-09-05 Showa Denko K.K. Aluminum hydroxide and production process thereof
KR100894590B1 (ko) * 2001-06-21 2009-04-24 쇼와 덴코 가부시키가이샤 수산화 알루미늄 및 이의 제조방법
EP1719001B1 (en) * 2004-02-24 2011-03-30 Faro Technologies Inc. Retroreflector covered by window
CN1970452B (zh) * 2005-11-24 2011-12-21 住友化学株式会社 三水铝石型氢氧化铝粒子
JP5228313B2 (ja) * 2005-11-24 2013-07-03 住友化学株式会社 ギブサイト型水酸化アルミニウム粒子
JP2011016672A (ja) * 2009-07-07 2011-01-27 Nippon Light Metal Co Ltd 低ソーダ微粒水酸化アルミニウム及びその製造方法
JP6269294B2 (ja) * 2014-04-24 2018-01-31 味の素株式会社 プリント配線板の絶縁層用樹脂組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JPH038715A (ja) 1991-01-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Tsuzuki et al. Mechanochemical synthesis of nanoparticles
US4964883A (en) Ceramic alumina abrasive grains seeded with iron oxide
US6048577A (en) Nano-sized alpha alumina particles having a silica coating thereon
EP1735240B1 (en) Method for making seeded particulate boehmite material
Yan et al. The use of CTAB to improve the crystallinity and dispersibility of ultrafine magnesium hydroxide by hydrothermal route
JP5357802B2 (ja) 樹脂充填用微粒水酸化アルミニウム粉末およびその製造方法
JP2005519831A (ja) ナノサイズ及びサブミクロンサイズのリチウム遷移金属酸化物の製造方法
JP4281943B2 (ja) 板状アルミナ粒子の製造方法
JPH054337B2 (ja)
JPH06171931A (ja) α−アルミナ粉末の製造方法
JP2869287B2 (ja) 板状ベーマイト粒子の製造方法
JP2602436B2 (ja) 高分散性水酸化マグネシウムの製造方法
JP3132077B2 (ja) 凝集粒子の含有量が少なく粒子分布の狭い水酸化アルミニウム及びその製造方法
JP2000247751A (ja) 焼結体用アルミナ粉末の製造方法
JP4172765B2 (ja) 水酸化アルミニウム及びその製造方法
JPH01320220A (ja) 水酸化マグネシウム及びその製造法
JP4060644B2 (ja) 水酸化アルミニウム及びその製造方法
JP4270848B2 (ja) アルミナ粒子及びその製造方法
JP3251972B2 (ja) 転動造粒用ジルコニア粉末凝集体
JP2956041B2 (ja) フィルムのブロッキング防止用球状又は楕円球状バテライト炭酸カルシウム
WO2004005191A1 (en) Fine aluminium hydroxide
JPH054336B2 (ja)
KR100894590B1 (ko) 수산화 알루미늄 및 이의 제조방법
JP2004182556A (ja) 水酸化アルミニウムの製造方法、水酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム含有組成物
JP3796872B2 (ja) 粘土鉱物粉末の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080119

Year of fee payment: 15

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090119

Year of fee payment: 16

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100119

Year of fee payment: 17

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100119

Year of fee payment: 17