JPH0543377A - シリコン単結晶棒の成長方法 - Google Patents

シリコン単結晶棒の成長方法

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JPH0543377A
JPH0543377A JP30712791A JP30712791A JPH0543377A JP H0543377 A JPH0543377 A JP H0543377A JP 30712791 A JP30712791 A JP 30712791A JP 30712791 A JP30712791 A JP 30712791A JP H0543377 A JPH0543377 A JP H0543377A
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浩利 山岸
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 FZ法によりシリコン単結晶棒を成長させる
製造方法において、該シリコン単結晶棒の直径方向のド
ーパント分布をミクロ的に均一化を図ったシリコン単結
晶棒の成長方法を提供する事を目的とする。 【構成】 前記シリコン単結晶棒の溶融帯より軸方向の
上方位置及び/又は下方位置に該シリコン単結晶棒を囲
繞する如く磁場形成手段を配し、該磁場形成手段に依り
シリコン単結晶棒の溶融帯に磁場を印加する事を特徴と
する。また、前記磁場形成手段は、シリコン単結晶棒を
囲繞するソレノイドコイルであり、該ソレノイドコイル
に直流電流を供給する事を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高周波コイルを具備し
たFZ法(フロートゾーン法、浮遊帯域溶融法)に依り
高純度シリコン単結晶棒を成長させる製造方法に於て、
特に、該単結晶棒の直径方向断面内に均一な電気抵抗率
をもつ前記シリコン単結晶棒を成長させる方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】図8は、本発明に係る従来技術のFZ法
によるシリコン単結晶成長装置の全体構成図で、上軸1
0に所定の直径の多結晶の原料棒1を、下軸8に種結晶
7を保持し、原料棒1と種結晶7を高周波コイル2で溶
解させながら両者を融着し、該両軸を回転させながら、
シリコン棒を微速度で下降させ、溶融帯4を原料の上端
まで移動させ、単結晶棒3を得る方法である。一方、C
Z法(Czochralski法、引上法)は、大容量
のシリコン融液に目的の結晶方位の種結晶の先端を着
け、該種結晶を装着した引上軸を回転させながら引き上
げ、希望の直径のシリコン単結晶棒を得る方法である。
【0003】前記電気抵抗率の不均一分布は、成長軸方
向と断面内分布の二つに分けられる。成長軸方向の不均
一分布について、前記両成長方法を比較する。CZ法に
あっては、シリコン融液から固体のシリコン単結晶に凝
固するときドーパント物質の偏析が起こり、次第にシリ
コン融液のドーパント濃度は高くなり、成長するにつれ
電気抵抗率は減少し、成長軸方法の不均一分布は大き
い。一方、FZ法にあっては、少ない融液容量に対して
絶えず上方からシリコン融液が供給されているため、成
長軸方向のドーパント濃度はCZ法よりもマクロ的に分
布は均一になる。
【0004】しかし、FZ法では融液容量が小さい事か
ら、融液内における対流の変動に依りドーパントがミク
ロ的に不規則に取り込まれ、断面内分布は大きくなる。
例えば、図2(a)に示すように、直径100mmで成
長方位が<111>であるようなシリコン単結晶棒(回
転速度、毎分6回転)を、厚さ300μmに形成したシ
リコンウェーハについて直径方向の電気抵抗率を測定
し、該電気抵抗率変化率Aに整理・プロットしたグラフ
を見ると、該変化率Aのばらつきが大きい事が判る。
【0005】但し、測定された電気抵抗率Rの最大値を
Rmax、最小値をRmin、ウエハ面内の電気抵抗率
Rの平均をRaveとするとき、電気抵抗率変化率Aを A=[(R−Rave)/Rave]×100 (%) 又、電気抵抗率の断面内変動率aを a=[(Rmax−Rmin)/Rmin]×100 (%) と定義する。ここで、単純に電気抵抗率Rについてプロ
ットせずに、電気抵抗率変化率Aの値を扱うのは、電気
抵抗率Rが大きくなるに従って見掛け上電気抵抗率の変
化率が大きくなるように見える事を避けるためである。
又、断面内変動率aに依り電気抵抗率Rの変動が一っの
数値として表され、これに依り電気抵抗率分布を相互に
比較評価する事ができる。
【0006】図2(a)は、シリコン単結晶棒の断面内
における電気抵抗率変化率Aの分布図で、ウエハ中心付
近で電気抵抗率が低下しており不均一である事が判る。
又、断面内変動率aの値は、22.1%となる。個別半
導体製造に於て、前記断面内変動率aの値はなるべく小
さいものが要求され、厳しいデバイスでは3%以下のも
のを要求される事もある。かかる場合には不純物をドー
プする事なしにFZ法でシリコン単結晶棒を成長させた
後、単結晶棒を原子炉内に挿入し中性子照射する事に依
30Siを31Pに核反応で変化させたドーパントでドー
プする方法が知られている。 しかし、この中性子照射
ドープ法では原子炉を必要とし、シリコンウエハ製造の
コストは大幅に上昇すると云う欠点があり、中性子照射
する事なく、工業的に前記断面内変動率aの値が低いシ
リコン単結晶棒を成長させる方法が要求されている。
【0007】翻って、FZ法とCZ法とのシリコン融液
の容量を比較すると、前者は後者の凡そ100分の1か
ら1000分の1であり、FZ法はCZ法のようにシリ
コン融液内の対流状態を人為的に制御するのは困難であ
るとされている。従って、FZ法によるシリコン単結晶
棒中の直径方向の断面内ドーパントの濃度分布の不均
一、ひいては電気抵抗率の不均一分布を解消出来ないと
されてきた。
【0008】ここで、FZ法の溶融帯におけるシリコン
融液の流れを考えてみるなら、種結晶の回転による強制
対流と、高周波コイルで加熱される事に依り生じる自然
対流、及び融液の体積に対してはるかに比率の大きい融
液自由表面に依り誘起される表面張力による表面張力対
流がある。ここで、自然対流と表面張力対流の速度を減
じる方法として、これらの流れに相対するように前記強
制対流を起こさせる事が考えられるが、FZ法では融液
容量が小さいために強制対流が弱い事から殆ど打消す効
果は得られない。又、成長中のシリコン単結晶棒をより
高速に回転させる事に依り強制対流を激しくさせる事も
考えられるが、該単結晶棒下方先端に最初に形成した絞
り部で結晶棒の重量を支えているために、そのような高
速回転に耐えられず成長中の単結晶棒が倒壊してしま
い、この手段は現実的ではない。
【0009】かかる課題を解決させる手段として、FZ
法のシリコン融液に成長方向に平行に磁場を印加する方
法が、N.De Leon等(N. De Leon,
J. Guldberg and J. Salli
ng: J. Cryst.Growth 55 (1
981)406−408)に報告されており、180ガ
ウス以下の成長軸方向に略平行方向に磁場を印加し直径
42mmのシリコン単結晶棒を成長させ、断面内の電気
抵抗率変動を小さくしたと報告されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら現在のF
Z法による工業的なウエハの需要は、該ウエハの直径が
75mm以上のものが主流を成し、De Leon等の
直径50mm未満のウエハの製造方法では現状要求を満
たすものでない。即ち、FZ法に於て、その育成直径が
70mmを超える融液に、その結晶の成長方向に略平行
に、180ガウス以下の磁場を印加する事に依って育成
された単結晶の直径方向断面内の電気抵抗率の変化は、
その中心部の電気抵抗率が著しく低くなるために電気抵
抗率断面内変動率aは20%を超える。
【0011】本発明はかかる従来技術の欠点に鑑み、前
記FZ法に依り直径75mm以上のシリコン単結晶棒を
成長させる製造方法に於て、熱中性子照射に依るドープ
工程を採用する事なく、該シリコン単結晶棒の直径方向
断面内のドーパント分布をミクロ的に均一化を図る事を
目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、FZ法に依り
大口径シリコン単結晶棒を成長させる製造方法に於て、
前記シリコン単結晶棒の溶融帯より軸方向に上方及び/
又は下方の位置に該シリコン単結晶棒を囲繞する如く磁
場形成手段を配し、該磁場形成手段に依りシリコン単結
晶棒に軸方向と略平行に磁場を印加する事を特徴とす
る。又、前記磁場形成手段は、シリコン単結晶棒を囲繞
するソレノイドコイルであり、該ソレノイドコイルに直
流電流を供給する事を特徴とする。更に、前記直流電流
のリップルを8%以下に抑えた事を特徴とする。更に、
前記磁場形成手段の磁場強度を190ガウスから600
ガウスの間に設定した事を特徴とする。又、前記シリコ
ン単結晶棒に磁場を印加させながら、該単結晶棒を回転
させる事を特徴とし、該シリコン単結晶棒の回転速度を
毎分1回転から8回転に設定した事を特徴とする。
【0013】しかしながら、前記シリコン単結晶棒の直
径が約130mmを超えると、前記磁場形成手段の磁場
強度は、180ガウスから200ガウスの間に設定する
のが好ましく、更に、該シリコン単結晶棒の回転速度を
毎分0.5回転から4回転とするのが好ましい。
【0014】
【作用】かように製造方法を設定する事に依り、大直
径、例えば70mm以上のシリコン単結晶棒のFZ育成
法に於て下軸回転速度を著しく上昇させる事なく、単結
晶棒の断面内ドーパントの不均一分布が解消可能とな
る。下軸回転速度を上げる事に依って、表面張力対流や
自然対流を妨げる逆方向の強制対流が発生する事は発明
者等の実験で確かめられているが、高々8回転/分程度
ではこの種の効果は無い。又、下軸回転は前述した強制
対流を起こし、融液の強制攪拌を起こすけれども、その
回転中心は強制対流の要因である回転周速度はゼロであ
り、攪拌に依るドーパントの混合効果がない事、又、成
長界面に於ける平坦なファセット成長のために中心部が
低い電気抵抗率を示す事となる。
【0015】ところが、融液の成長軸方向の上、又は下
方にやや離れた位置に育成単結晶棒又は原料多結晶棒を
囲繞してソレノイドコイルを配置し、これに直流を供給
し融液部を含む成長軸方向の直流磁場を形成すると、上
方に配置したソレノイドコイルの場合は下の融液部近傍
で外方に曲折する直流磁場が、下に配置したソレノイド
コイルの場合には、上の融液部近傍で外方に曲折する直
流磁場が丁度融液部表面の表面張力対流、自然対流に直
交する磁力線を形成しこれ等の表面張力対流や自然対流
を抑えるように、磁気特性効果を発揮するものと考えら
れる。FZ法に於ける融液の形状は自重の影響を受ける
ためにその縦断面内の外側形状は成長軸方向に対して傾
斜し、上記ソレノイドコイルの磁力線と交わるようにな
る。
【0016】更に、ソレノイドコイルに直流電流を供給
して磁場を印加する場合、該直流電流にリップルが含ま
れるならば、該リップル分がシリコン融液内で誘導渦電
流を発生させ、該溶融帯の断面内の温度分布と流速の不
均一分布を誘起し、該断面内のドーパント濃度分布の悪
化につながると考えられる。従って、該リップル率の上
限は誘起される不均一分布が実用上認められる程度に抑
えられる事になる。
【0017】次いで、前記De Leon等が報告した
従来技術と本発明を比較する。De Leon等は、直
径42mmのシリコン単結晶について、上軸回転速度毎
分7回転、下軸回転速度毎分3.5回転の逆方向回転に
於て、最高180ガウスの磁場を印加し、その内80ガ
ウスに於て電気抵抗率の半径方向の変動[R(周辺部)
/R(中心部)]が最低値を示したと報告している。し
かし、本発明の結果から、もし本発明の方法で直径42
mmのシリコン単結晶棒を育成したとすると、最適な印
加磁場の強度は500ガウス以上、及び下軸回転速度は
毎分7回転以上となる事が予測され、前記De Leo
n等の報告結果と本発明の結果とは異なる。
【0018】本発明では、FZ法に於てソレノイドコイ
ルを単結晶を成長させる融液の周囲に囲繞させ直流磁場
を印加する点でDe Leon等と同じ技術思想ともい
えるが、本発明に於て採用するFZ法は、育成単結晶の
直径が約75mm以上を対象にしており、高周波誘導加
熱コイルとしては単巻のフラットコイルを用い、しかも
そのコイルの内径が少なくとも育成単結晶の直径よりも
小さい事、更に、融液部の長さは育成直径のそれよりよ
りも小さくそのための形状は、DeLeon等の小直径
の場合と比較して、直径に対して高さが著しく低くなる
点で、DeLeon等の場合とFZ条件が著しく異なっ
ているので、本発明は単なるDeLeon等の開示技術
の延長ではとても本発明の技術課題を解決出来るもので
はない。
【0019】本発明者等は、De Leon等の開示技
術とは全く別の角度から、即ち、融液に対するソレノイ
ドコイルの位置、及び磁力線の方向、磁場の強さ、下軸
回転速度、及びリップル分等に就いて種々研究し、本発
明に到達したものである。
【0020】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の好適な実施例
を例示的に詳しく説明する。但し、この実施例に記載さ
れている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置な
どは特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲を
それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎ
ない。
【0021】図1(a)、(b)は本発明の実施例に係
るFZ法によるシリコン単結晶成長装置の全体構成図
で、該成長装置は、チャンバ5内に上方より吊り下げた
シリコン多結晶棒1を、単巻内径23mmの高周波コイ
ル2で溶融した後、種結晶7を接着させ、絞り6に依り
無転位化したのち、シリコン単結晶棒3を成長可能に構
成されている。前記シリコン多結晶棒1及びシリコン単
結晶棒3を、夫々上軸10及び下回転軸8に依り回転す
る。この際、上軸10は回転速度毎分0.4回転、下軸
は回転速度毎分0.5〜10回転の同方向回転とした。
更に、図1(a)は、前記シリコン単結晶成長装置の一
の実施例に係わる該装置の全体構成図で、ソレノイドコ
イル9を、前記チャンバ5の外壁に、また前記高周波コ
イル2の中心と該ソレノイドコイル9の中心との距離を
略175mm程度該高周波コイル2の下方に、成長軸と
同心に配設する。該ソレノイドコイルの寸法は、内径2
10mm、外径500mm及び高さ130mmである。
【0022】ドーパントとしてフォスフィンをチャンバ
5内に流して燐をドープし、成長方位<111>である
n型シリコン単結晶棒を成長させた。特に、ここでは直
径75mm,100mm及び125mmのシリコン単結
晶棒3について取り上げた。該ソレノイドコイル9にリ
ップル率8%以下の直流電流を流し、成長界面の中心の
位置における測定値が磁力0〜1000ガウスの範囲に
変化させ、結晶を成長させた。このとき、上軸10は回
転速度毎分0.4回転で一定としてシリコン単結晶棒3
の回転を同方向で毎分0.5〜10回転迄変化させ、シ
リコン融液4内の強制対流を変動させるようにした。
【0023】シリコン単結晶棒3を成長後チャンバ5よ
り取り出して、所定の位置よりダイヤモンドソーで厚さ
300μmのシリコンウエハを切り出し、電気抵抗率測
定用のサンプルとした。切り出した該ウエハの電気抵抗
率Rを4探針測定方法に依り測定した後、そのウエハ面
内での電気抵抗率Rの平均値をRave、最大値をRm
ax、及び最小値をRminとすると、電気抵抗率変化
率Aを A=[(R−Rave)/Rave]×100 (%) 又、電気抵抗率の断面内変動率aを a=[(Rmax−Rmin)/Rmin]×100 (%) の定義に依り、測定値を整理し評価の物差とする。
【0024】図2は、前記電気抵抗率変化率Aの値を該
ウエハの中心からの距離についてプロットしたグラフ
で、図2(a)は、前記シリコン単結晶を成長させる溶
融帯に磁場を印加しない場合を示す。図2(b)は、該
溶融帯に磁場の強度250ガウスを印加した場合を示
す。但し、下回転軸8を回転速度6回転/分で回転し生
成した直径100mmのシリコン単結晶棒(成長方位<
111>、燐ドープn型結晶)から切り出したウエハに
ついて測定したものを示す。別に、測定値から電気抵抗
率の断面内変動率aを求めると、夫々22.1%及び
9.7%となり、磁場を印加した事に依り該断面内の均
一分布が得られた事が判る。
【0025】図3は、直径が75mm、100mm及び
125mmの前記サンプルウエハについて、電気抵抗率
の断面内変動率aを示す表図である。但し、これらは夫
々好適な下軸回転速度を中心に適宜範囲に回転し、リッ
プル率が3%である直流電流による磁場の強度を0〜1
000ガウスの範囲にわたって印加成長させたシリコン
単結晶棒から切出したサンプルウエハについて測定整理
したものである。
【0026】好適な成長条件である下軸回転速度と磁場
の強度は、前記表図3から電気抵抗率の断面内変動率a
が小さい値である所を読み取り、該回転速度は1〜8回
転/分、磁場の強度は190〜600ガウス、更に好ま
しくは、該断面内変動率aが最小値である最適条件は、
直径75mmのシリコン単結晶棒にあっては下軸回転速
度が7回転/分で印加する磁場の強度は500ガウス、
直径100mmでは6回転/分で250ガウス、及び直
径125mmでは2回転/分で220ガウスである事が
判る。ウエハの直径が増加するにつれて下軸回転速度を
減少させ、さらに磁場の強度を減少させなければ良好な
結果が得られない理由は、前記作用の欄で述べたとお
り、シリコン溶融帯における下軸回転による遠心力と磁
場が作用する力の微妙なバランスの上で、境界拡散層の
厚さの不均一分布が改善されたものと考えられる。
【0027】図4は、前記各種直径の単結晶棒につい
て、前記最適条件における前記直流電流に含まれるリッ
プ率を3〜15%に変化させたときの、電気抵抗率の断
面内変動率aを示した表図である。該図4から断面内変
動率aの値が許容される程度に小さい値であるリップル
率の範囲は、8%以下である事が判る。
【0028】次に、シリコン単結晶棒の直径が約130
mmを超えた場合の好適な第2の実施例を、更に揚げ
る。図1と同一のFZ法によるシリコン単結晶成長装置
を用いた。又、同一ソレノイドコイルを用い、高周波コ
イル2との空間的位置関係を同一とした。ドーパントに
は、フォスフィンをチャンバ5内に流して燐をドープ
し、成長方位<111>である。直径150mmのn型
シリコン単結晶棒を成長させた。該ソレノイドコイル9
にリップル率3%、8%及び15%の直流電流を流し、
成長界面の中心の位置に於ける測定値が、磁力0ガウス
から250ガウスの範囲内で変化させた。このときの上
軸10は回転速度毎分0.4回転で一定として、シリコ
ン単結晶棒3の回転を同方向で毎分0.5回転から毎分
4回転の間で変化させた。
【0029】図5は、前記第2の実施例に於ける電気抵
抗率変化率Aの値を、図2と同様に、前記ウエハの中心
からの距離についてプロットしたグラフで、印加磁力及
びシリコン単結晶棒の回転数が、夫々(a)0ガウス、
毎分2回転、及び(b)185ガウス、毎分2回転の場
合を示す。
【0030】図6は、印加磁力を0ガウスから250ガ
ウスまで、またシリコン単結晶棒の回転数を毎分0.5
回転から毎分4回転まで変化させ、電気抵抗率の断面内
変動率aを測定計算した表図である。前記図3の、シリ
コン単結晶棒の直径が75mmから125mmの場合と
比較すると、該直径が150mmの場合は、その好まし
い範囲が移動縮小し、シリコン単結晶棒の回転数は毎分
0.5回転から毎分4回転に、印加磁場の強さは180
ガウスから200ガウスになる事が判る。該直径が75
mmから125mm以上の場合としては、直径150m
mの他に、直径140mmについても試みたが、前記最
適範囲は同じであった。
【0031】図7は、前記直流電流に含まれるリップル
率の電気抵抗率の断面内変動率aへの影響を示す表図で
ある。リップル率に関しては、シリコン単結晶棒の直径
が大きくなると、その許容上限値は小さくなるようであ
るが、リップル率8%に対し電気抵抗率の断面内変動率
aは、約16%で磁場を印加しないときのそれらに比較
すると、格段に改善されている。
【0032】図1(b)は本発明の他の実施例に係るF
Z法によるシリコン単結晶成長装置の全体構成図で、該
成長装置は、ソレノイドコイル9を高周波コイル2の上
側に配設した点を除き、他は前記実施例の成長装置と同
様に構成されている。該成長装置にあっても、磁場は溶
融帯及び結晶成長域を同様に含むので、前記成長装置と
同様の効果が容易に期待される。又、ソレノイドコイル
9を高周波コイル2の上方・下方に同時に配設した場
合、該両ソレノイドコイルで形成される磁場が同一方向
であれば、夫々のソレノイドコイルが形成する磁場の強
度は、単一ソレノイドコイルにおける略半分で前記実施
例における成長装置と同様の効果が達成される。又、該
両ソレノイドコイルで形成される磁場が逆方向である場
合は、該磁場の強度の差が単一ソレノイドコイルにおけ
る磁場の強度と略等しくなったとき、前記実施例におけ
る成長装置と同様の効果が得られるものと期待できる。
【0033】
【発明の効果】以上記載した如く本発明によれば、FZ
法に依り直径75mm以上のシリコン単結晶棒を成長さ
せる製造方法に於て、該シリコン単結晶棒の直径方向の
断面内のドーパント分布をミクロ的に均一化を図る事が
出来る。又、本発明によれば、該FZ法の工程中に熱中
性子照射に依りドープする工程は含まれないために、望
ましい原価で該シリコン単結晶棒を成長させる事が出来
る。等の種々の著効を有す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシリコン単結晶成長装置の全体構
成図で、図1(a)はソレノイドコイルを溶融帯の下方
位置に配設した場合の全体構成図、図1(b)はソレノ
イドコイルを溶融帯の上方位置に配設した場合の全体構
成図。
【図2】本発明の第1の実施例に係わるシリコン単結晶
棒の断面内における電気抵抗率変化率Aの分布図で、図
2(a)は磁場を印加しない場合の分布図、図2(b)
は磁場を印加した場合の分布図。
【図3】本発明の第1の実施例に係る各種直径のシリコ
ン単結晶棒の成長にあたって、下軸回転速度、及び印加
した磁場の強度を適宜範囲内に変化させたときの、該単
結晶棒の断面内における電気抵抗率変動率aを示す表
図。
【図4】本発明の第1の実施例に係る各種直径のシリコ
ン単結晶棒の成長にあたって、印加する磁場を形成する
直流電流に含まれるリップル率を変化させたときの、該
単結晶棒断面内における電気抵抗率変動率aを示す表
図。
【図5】本発明の第2の実施例に係る電気抵抗率変化率
Aの値を、前記ウエハの中心からの距離についてプロッ
トした分布図で、図5(a)は磁場を印加しない場合の
分布図、図5(b)は磁場を印加した場合の分布図。
【図6】本発明の第2の実施例に係るシリコン単結晶棒
の成長にあたって、下軸回転速度、及び印加した磁場の
強度を適宜範囲内に変化させたときの、該単結晶棒の断
面内における電気抵抗率変動率aを示す表図。
【図7】本発明の第2の実施例に係るシリコン単結晶棒
の成長にあたって、印加する磁場を形成する直流電流に
含まれるリップル率を変化させたときの、該単結晶棒断
面内における電気抵抗率変動率aを示す表図。
【図8】従来技術によるシリコン単結晶成長装置の全体
構成図。
【符号の説明】
1 シリコン多結晶棒 2 高周波コイル 3
シリコン単結晶棒 4 溶融帯 5 チャンバ 6
絞り 7 種結晶 8 下回転軸 9
ソレノイドコイル

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 FZ法に依り大口径シリコン単結晶棒を
    成長させる製造方法に於て、前記シリコン単結晶棒の溶
    融帯より軸方向の上方位置及び/又は下方位置に該シリ
    コン単結晶棒を囲繞する如く磁場形成手段を配し、該磁
    場形成手段に依りシリコン単結晶棒の溶融帯に磁場を印
    加する事を特徴とするシリコン単結晶棒の成長方法
  2. 【請求項2】 前記磁場形成手段が、シリコン単結晶棒
    を囲繞するソレノイドコイルであり、該ソレノイドコイ
    ルに直流電流を供給する事を特徴とする請求項1記載の
    シリコン単結晶棒の成長方法
  3. 【請求項3】 前記直流電流のリップル率を8%以下に
    抑えた事を特徴とする請求項2記載のシリコン単結晶棒
    の成長方法
  4. 【請求項4】 前記磁場形成手段の磁場強度を190ガ
    ウスから600ガウスの間に設定した事を特徴とする請
    求項1記載のシリコン単結晶棒の成長方法
  5. 【請求項5】 前記シリコン単結晶棒に磁場を印加させ
    ながら該単結晶棒を回転させる事を特徴とする請求項1
    記載のシリコン単結晶棒の成長方法
  6. 【請求項6】 前記シリコン単結晶棒の回転数を毎分1
    回転から8回転に設定した事を特徴とする請求項5記載
    のシリコン単結晶棒の成長方法
  7. 【請求項7】 前記磁場形成手段の磁場強度を180ガ
    ウスから200ガウスの間に設定した事を特徴とする請
    求項1記載の直径約130mm以上のシリコン単結晶棒
    の成長方法
  8. 【請求項8】 前記シリコン単結晶棒の回転数を毎分
    0.5回転から4回転に設定した事を特徴とする請求項
    7記載の直径約130mm以上のシリコン単結晶棒の成
    長方法
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