JP2567539B2 - Fz法シリコン単結晶棒の成長方法及び装置 - Google Patents

Fz法シリコン単結晶棒の成長方法及び装置

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JP2567539B2
JP2567539B2 JP4040107A JP4010792A JP2567539B2 JP 2567539 B2 JP2567539 B2 JP 2567539B2 JP 4040107 A JP4040107 A JP 4040107A JP 4010792 A JP4010792 A JP 4010792A JP 2567539 B2 JP2567539 B2 JP 2567539B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、FZ法(フロートゾー
ン法、浮遊帯域溶融法)により大口径シリコン単結晶棒
を成長させる製造方法及び装置に関し、特に該単結晶棒
の直径方向断面内に均一な電気抵抗率をもつシリコン単
結晶棒を成長させる方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】シリコン単結晶棒を成長させる方法とし
ては、FZ法とCZ法とが従来から知られている。FZ
法は図14に示したような全体構成を有する装置22を
用いてシリコン単結晶棒を成長させる方法である。
【0003】該FZ法成長装置22は、チャンバー24
を有し、該チャンバー24内には上軸26及び下軸28
が設けられている。該上軸26には所定の直径のシリコ
ン多結晶の原料棒30を取り付け、また該下軸28には
種結晶32が取り付けられる。該原料棒30を高周波コ
イル34で溶融した後、種結晶32に融着させ、絞り3
6により無転位化し、該両軸を回転させながら原料棒3
0を微速度で下降させ、溶融帯38を原料の上端まで移
動させ、FZ法による単結晶40を得ることができる。
【0004】一方、CZ法(Czochralski
法、引上法)は、大容量のシリコン融液に目的の結晶方
位の種結晶の先端を着け、該種結晶装着した引上軸を回
転させながら引上げ、希望の直径のシリコン単結晶棒を
得る方法である。
【0005】得られたシリコン単結晶棒の直径方向断面
内の電気抵抗率の分布は、成長軸方向と断面内分布の二
つに分けられる。成長軸分布について、前記両成長方法
を比較する。
【0006】CZ法にあつては、シリコン融液から固体
のシリコン単結晶に凝固するときドーパント物質の偏析
が起こり、次第にシリコン融液のドーパント濃度は高く
なり、成長するにつれて電気抵抗率は減少し、成長軸方
向の電気抵抗率分布の不均一の度合は大きい。
【0007】一方、FZ法にあっては、少ない融液容量
に対して絶えず上方から結晶化に相当するシリコン融液
が供給されているため、成長軸方向のドーパント濃度は
CZ法よりもマクロ的に電気抵抗率分布は均一になる。
【0008】しかし、FZ法では融液容量が小さいこと
から、融液内における対流の変動により、ドーパントが
ミクロ的に不規則に取込まれ、断面内分布は大きくな
る。
【0009】例えば、後述するように、直径100mm
で成長方位が<111>であるようなシリコン単結晶棒
(回転速度、毎分6回転)を、厚さ300μmに形成し
たシリコンウェーハについて直径方向の電気抵抗率を測
定し該電気抵抗率変化率Aに整理しプロットしたグラフ
を見ると、該変化率Aのばらつきが大きいことが判る
(図3)。
【0010】但し、測定された電気抵抗率Rの最大値を
Rmax、最小値をRmin、ウェーハ面内の電気抵抗
率Rの平均をRaveとするとき、電気抵抗率変化率A
を A=[(R−Rave)/Rave]×100(%)・・・・・・・(1) 又、電気抵抗率の断面内変動率aを a=[(Rmax−Rmin)/Rmin]×100(%)・・・・・(2) と定義する。
【0011】ここで単純に電気抵抗率Rについてプロッ
トせずに、電気抵抗率変化率A値を扱うのは、電気抵抗
率Rが大きくなるに従って見かけ上電気抵抗率の変化率
が大きくなるように見えることを避けるためである。
又、断面内変動率aにより電気抵抗率Rの変動が一つの
数値として表され、これに依り電気抵抗率分布を相互に
比較評価することができる。
【0012】図3は、シリコン単結晶棒の断面内におけ
る電気抵抗率変化率Aの分布図で、ウェーハ中心付近で
電気抵抗率が低下しており不均一であることが判る。
又、断面内変動率aの値は22.1%となる。
【0013】個別半導体製造に於いて、前記断面内変動
率aの値はなるべく小さいものが要求され、厳しいデバ
イスでは3%以下のものを要求されることもある。かか
る場合には不純物をドーブすることなしにFZ法でシリ
コン単結晶棒を成長させた後、単結晶棒を原子炉内に挿
入し、中性子照射することにより30Siを31Pに核反応
で変化させたドーパントでドープする方法が知られてい
る。
【0014】しかし、この中性子照射ドープ法では原子
炉を必要とし、シリコン製造のコストは大幅に上昇する
と云う欠点があり、中性子照射することなく、工業的に
前記断面内変動率aの値が低いシリコン単結晶棒を成長
させる方法が要求されている。
【0015】FZ法とCZ法とのシリコン融液容量を比
較すると、前者は後者の凡そ100分の1から1000
分の1であり、FZ法はCZ法のようにシリコン融液内
の対流状態を人為的に制御するのは困難であるとされて
いる。
【0016】従って、FZ法によるシリコン単結晶棒中
の直径方向の断面内ドーパントの濃度分布の不均一、ひ
いては電気抵抗率の不均一分布を解消できないとされて
きた。
【0017】ここで、FZ法の溶融帯におけるシリコン
融液の流れを考えてみるなら、種結晶の回転による強制
対流と、高周波コイル加熱されることにより生じる自然
対流、融液の体積に対してはるかに比率の大きい融液自
由表面により誘起される表面張力による表面張力対流が
ある。
【0018】ここで、自然対流の速度を減じる方法とし
て、これらの流れに相対するように前記強制対流を起こ
させることが考えられるが、FZ法では溶融容量が小さ
いために強制対流が弱いことから殆ど打ち消す効果は得
られない。
【0019】又、成長中のシリコン単結晶棒をより高速
に回転させることにより強制対流を激しくすることも考
えれるが、該単結晶棒下方先端に形成した絞り部で結晶
棒の重量を支えているために、そのような高速回転に耐
えられず成長中の単結晶棒が倒壊してしまい、この手段
は現実的ではない。
【0020】このような問題を解決する手法として、F
Z法のシリコン融液に成長方向に平行に磁場を印加する
方法が、N. De.Leon等(N. De.Leo
n,J.Guldburg and J.Sallin
g; J.Cryst.Growth、55(198
1)406−408)により報告されており、直径42
mmのシリコン単結晶棒の成長時に180ガウス以下の
磁場を成長軸方向に印加し、断面内の電気抵抗率変動を
小さくしたと報告されている。
【0021】また、大口径、即ち直径75mm以上のシ
リコン単結晶棒の成長に対しては、前記Leon等と同
様に該シリコン単結晶棒の成長軸方向に180から60
0ガウスの磁場(垂直磁場)を印加して断面内の電気抵
抗率変動を小さくする方法が本発明者等によって提案さ
れている(特願平3−307127)。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記中
性子照射シリコン単結晶に代表されるように現在のFZ
法による工業的なウェーハの断面抵抗率分布における均
一性の要求はさらに厳しく、先に提案した垂直磁場を印
加しただけでは、十分には対応できない。
【0023】本発明は、FZ法により大口径、即ち直径
75mm以上のシリコン単結晶棒を成長させるに際し、
上記した従来技術の不十分な点を補足し、中性子照射を
することなく中性子照射シリコン単結晶棒にせまる電気
抵抗率分布を持つシリコン単結晶棒を得ることを目的と
する。
【0024】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明方法は、FZ法により直径75mm以上の
口径シリコン単結晶棒を成長させる方法において、該シ
リコン単結晶棒の成長軸方向に形成される垂直磁場及び
該垂直磁場と交差して形成される水平磁場を該シリコン
単結晶棒の溶融帯に同時に印加することを特徴とするも
のである。
【0025】前記垂直磁場の磁場強度を150〜700
ガウスの間に設定しかつ前記水平磁場の磁場強度を10
0〜800ガウスの間に設定するのが好ましい。
【0026】前記シリコン単結晶棒に磁場を印加させな
がら該単結晶棒を回転させるとさらに好ましい。
【0027】前記シリコン単結晶棒の回転数としては、
毎分0.5回転から8回転に設定するのが好適である。
【0028】また、本発明装置は、該シリコン単結晶棒
の溶融帯より成長軸方向の上方位置及び/又は下方位置
に該シリコン単結晶棒を囲繞する如く垂直磁場形成手段
を設けると共に、且つ該シリコン単結晶棒の成長軸方向
に対して直交する水平磁場形成手段を設け、上記した垂
直磁場及び水平磁場を溶融体に同時に印加出来るように
したものである。
【0029】前記垂直及び水平磁場形成手段が、ソレノ
イドコイルであり該ソレノイドコイルに直流電流を供給
し、この直流電流のリップル率を15%以下に抑えるの
が好ましい。
【0030】
【作用】本発明においては、大口径、例えば直径7
m以上のシリコン単結晶棒のFZ育成方法に於いて下軸
回転速度を著しく上昇させることなく、単結晶棒の断面
内ドーパントの不均一が解消可能となる。
【0031】下軸回転速度を上げる事によって、表面張
力対流を妨げる逆方向の強制対流が発生する事は発明者
等の実験で確かめられているが、高々8回転/分程度で
はこの種の効果は無い。
【0032】又、下軸回転は前述した強制対流を起こ
し、融液の強制攪拌を起こすけれども、その回転中心部
に於いて強制対流の要因である回転周速度はゼロであ
り、攪拌によるドーパントの混合効果が無い事、又、成
長界面における平坦なファセット成長のために中心部が
低い電気抵抗率を示す事となる。
【0033】ところが、融液の成長軸方向の上、または
下方のやや離れた位置に育成単結晶棒または原料多結晶
棒を囲繞して磁場形成手段を配置し、且つこれに加え
て、前記シリコン単結晶の成長方向に対して垂直な磁場
形成手段を配置し、これらに直流電流を供給し融液部を
含む成長軸方向に垂直直流磁場、及びこれと交差する方
向に水平直流磁場を形成すると、成長方向に垂直な流れ
のみならずこれに平行な流れも抑制され、従って融液表
面張力対流、自然対流、強制対流が抑制される。
【0034】更に、磁場形成手段としてのソレノイドコ
イルに直流電流を供給して磁場を印加する場合、該直流
電流にリップルが含まれるならば、該リップル分がシリ
コン融液内で誘導渦電流を発生させ、該溶融帯の断面内
の温度分布と流通の不均一分布を誘起し、該断面内のド
ーパント濃度分布の悪化につながると考えられる。
【0035】従って、該リップル率の上限は誘起される
不均一分布が実用上認められる程度に抑えられることが
必要である。
【0036】
【実施例】以下に添付図面中、図1、図2、図11及び
図12に基づいて本発明装置の実施例を例示的に詳しく
説明し、これらの装置を用いた実験例についても併せて
説明する。この実施例及び実験例に記載されている構造
部品の寸法、材質、形状、その相対位置等及び各種の実
験条件は、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨で
はなく、単なる説明例に過ぎない。なお、図1、図2、
図11及び図12において図14と同一又は類似部材は
同一の符号を用いて説明する。
【0037】図1は本発明に係わるFZ法によるシリコ
ン単結晶成長装置22aの一実施例を示す全体構造を示
す概略説明図である。該FZ法成長装置22aは、チャ
ンバー24を有し、該チャンバー24内には上軸26及
び下軸28が設けられている。
【0038】該上軸26には所定の直径のシリコン多結
晶の原料棒30を取り付け、また該下軸28には種結晶
32が取り付けられる。該原料棒30を高周波コイル3
4で溶融した後、種結晶32に融着させ、絞り36によ
り無転位化し、該両軸を回転させながら原料棒30を微
速度で下降させ、溶融帯38を原料の上端まで移動さ
せ、FZ法による単結晶40を得ることができる。
【0039】また、該チャンバー24を形成するチャン
バー壁24aは、高周波コイル34の下側において狭窄
されて狭窄段部42を形成している。該狭窄段部42に
は第一ソレノイドコイル44が配設されている。該高周
波コイル34と該ソレノイドコイル44の距離が175
mm程度離間しているのが好適である。
【0040】さらに、前記シリコン単結晶棒40の成長
軸方向に対して直交する架空の軸線46を囲繞するよう
に配置された第二ソレノイドコイル48が前記チャンバ
ー24の外側に設けられている。該シリコン単結晶棒4
0の回転中心軸50と該第二ソレノイドコイル48との
距離が225mm程度になるように配置するのが好適で
ある。
【0041】前記第一ソレノイドコイル44の寸法が、
内径210mm、外壁500mm及び高さ130mmで
あり、前記第二ソレノイドコイル48の寸法を、内径2
00mm、外壁500mm、高さ115mmとした図1
に示したFZ法シリコン単結晶棒の成長装置22aを用
いて次の実験を行った。
【0042】実験例1 ドーパントとしてフォスフィンをチャンバー24内に流
して燐をドープし、成長方向<111>であるn型シリ
コン単結晶棒を成長させた。
【0043】該第一ソレノイドコイル44及び第二ソレ
ノイドコイル48には、リップル率15%の直流電流を
流し、成長界面の中心の位置におる測定値を両者共に磁
力0〜1000ガウスの範囲に変化させた。
【0044】前記上軸26の回転速度は毎分0.4回転
で一定とし、下軸28の回転を同方向で毎分0.5〜1
0回転まで変化させ、シリコン融液38内の強制対流を
変動させるようにした。
【0045】得られたシリコン単結晶棒をチャンバー2
4より取り出して、所定の位置よりダイヤモンドソーで
厚さ300μmのシリコンウェーハを切出し、電気抵抗
率測定用のサンプルとした。切出した該ウエーハの電気
抵抗率Rを4探針測定方法により測定した。
【0046】本実験例では、前記上軸26の回転速度を
毎分0.4回転とし、前記下軸28の回転速度を毎分6
回転として成長させた直径100mmのシリコン単結晶
棒(成長方向<111>、燐ドープn型結晶)から切出
したウェーハについて電気抵抗率Rを測定した。
【0047】この測定した電気抵抗率Rを用い、前記し
た式(1)に基づいて電気抵抗率変化率Aを算出し、そ
の値を該ウエーハの中心からの距離についてプロット
し、図3(シリコン単結晶棒を成長させる溶融帯に磁場
を印加しない場合)、図4(溶融帯に磁場の強度250
ガウスを成長方向にのみ印加した場合)及び図5(溶融
帯に300ガウスの強度の垂直磁場を成長方向に印加
し、及び400ガウスの水平磁場を成長方向に対して交
差する方向に印加した場合)にグラフとして示した。
【0048】同時に、電気抵抗率Rの測定値から電気抵
抗率の断面内変動率aを前記した式(2)に基づいて求
めた。それぞれの図にも記載したごとく夫々22.1
%、9.7%及び6.8%となり、前記2方向の磁場を
印加したことにより該電気抵抗率の断面内の均一分布が
得られたことがわかった。
【0049】実験例2 上軸回転速度を毎分0.4回転とし、下軸回転速度を毎
分0.5〜10回転の範囲で変動し、リップル率が3%
である直流電流による磁場の強度を0〜1000ガウス
の範囲に変化させて印加し、成長させた直径の異なるシ
リコン単結晶棒から切出したサンプルウェーハについて
電気抵抗率の断面内変動率aを測定し、図6(直径75
mm)、図7(直径100mm)、図8(直径125m
m)及び図9(直径150mm)に示した。
【0050】好適な成長条件である下軸回転速度と磁場
の強度は、これの表図6乃至表図9から電気抵抗率の断
面内変動率aが小さい値であるところを読取り、該回転
速度は1〜8回転/分、成長軸方向の磁場(垂直磁場)
の強度は150〜700ガウス、該成長軸方向に交差す
る方向の磁場(水平磁場)は100〜800ガウスであ
ることがわかった。
【0051】更に、該断面内変動率aが最小値である最
適条件を各シリコン単結晶の直径ごとに摘示すると次の
通りであった。
【0052】直径75mmのシリコン単結晶にあっては
下軸回転速度が7回転/分で印加する磁場の強度は50
0ガウス(垂直磁場)、600ガウス(水平磁場)であ
る。
【0053】直径100mmのシリコン単結晶では6回
転/分で300ガウス(垂直磁場)、400ガウス(水
平磁場)である。
【0054】直径150mmでは2回転/分で150ガ
ウス(垂直磁場)、200ガウス(水平磁場)である。
【0055】上記した結果から、ウエハーの直径が増加
するにつれて下軸回転速度を減少させ、さらに磁場の強
度を減少させなければ良好な結果が得られない理由は、
前記作用の欄で述べたとうり、シリコン溶融帯における
下軸回転による遠心力と磁場が作用する力の微妙なバラ
ンスの上で、境界拡散層の厚さの不均一分布が改善され
るものと考えられる。
【0056】実験例3 前記各種直径の単結晶棒について、上記最適条件におけ
る前記直流電流に含まれるリップル率を3〜20%に変
化させ、電気抵抗率の断面内変動率aを求めて、図10
に示した。該図10から断面内変動率aの値が許容され
る程度に小さい値であるリップル率の範囲は15%以下
である事が判る。
【0057】なお、図1に示した実施例では、第一ソレ
ノイドコイル44及び第二ソレノイドコイル48はそれ
ぞれ一つずつ設置した場合を説明したが、これらをそれ
ぞれ複数個設置することも可能である。
【0058】例えば、図11及び図12に示した装置2
2cのごとく、前記シリコン単結晶棒の成長方向に対し
て垂直な方向に磁場を発生せしめる第二ソレノイドコイ
ル48を前記シリコン溶融帯を囲繞するごとく水平面内
に90度ずつ4方向に配置することもできる(図11及
び図12)。
【0059】実験例4 図11及び図12に示した装置を用いて、直径100m
mのシリコン単結晶棒を成長させ(上軸回転速度:0.
4回転/分、下軸回転速度:6回転/分、成長軸方向、
即ち垂直磁場:300ガウス、成長軸方向に対して水平
方向、即ち水平磁場:各ソレノイドコイル80ガウ
ス)、そのシリコン単結晶断面内電気抵抗率分布を図1
3に示した。別に、測定値から電気抵抗率の断面内変動
率aを求めると4.6%となった。
【0060】成長方向に交差する方向に磁場(水平磁
場)を発生せしめる第二ソレノイドコイル48を4方向
配設しても1方向配設の場合とほぼ同じ効果が得られる
事がわかった。該第二ソレノイドコイル48の配設数は
2、3方向においても有効であることはいうまでもな
い。
【0061】一方、図2は前記シリコン単結晶棒を囲繞
する如く、前記溶融帯38の上下方向に二つの段部4
2、42を設け、それぞれの段部に第一ソレノイドコイ
ル44、44を配設した装置22bを示しているが、こ
のように二つの第一ソレノイドコイルを配設した場合で
も、第一ソレノイドコイルが下方位置のみ一つの場合
(第1図)と同じ効果が得られることは勿論である。
【0062】また、該第一ソレノイドコイル44を上方
位置のみに一つ配設した場合も前記と同様な効果が得ら
れることもいうまでもない。
【0063】
【発明の効果】以上述べた如く本発明によれば、FZ法
により大口径、即ち直径75mm以上のシリコン単結晶
棒を成長させるに際し、中性子照射をすることなく中性
子照射シリコン単結晶棒にせまる電気抵抗率分布を持つ
シリコン単結晶棒を得ることができ、該シリコン単結晶
棒の直径方向の断面内のドーパント分布をミクロ的に均
一化する事が出来る。
【0064】又、本発明によれば、該FZ法の工程中に
熱中性子照射によりドープする工程は含まれないため
に、望ましいコストで該シリコン単結晶棒を成長させる
事が出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるシリコン単結晶成長装置の一実
施例の全体構造を示す断面的概略説明図である。
【図2】本発明に係わるシリコン単結晶成長装置の他の
実施例の全体構造を示す断面的概略説明図である。
【図3】実験例1において磁場を印加しない場合のシリ
コン単結晶棒の断面内における電気抵抗率変化率Aとウ
ェーハ中心からの距離との関連を示すグラフである。
【図4】実験例1において溶融帯の下方位置にのみに第
一ソレノイドコイルを配設し、垂直磁場を印加した場合
のシリコン単結晶棒の断面内における電気抵抗率変化率
Aとウェーハ中心からの距離との関連を示すグラフであ
る。
【図5】実験例1において溶融帯の下方位置にのみに第
一ソレノイドコイルを配設して垂直磁場を印加し、同時
に溶融帯の水平横方向位置に配設された第二ソレノイド
コイルにより水平磁場を印加した場合のシリコン単結晶
棒の断面内における電気抵抗率変化率Aとウェーハ中心
からの距離との関連を示すグラフである。
【図6】実験例2において直径75mmのシリコン単結
晶棒の成長にあたって下軸回転速度及び印加した磁場の
強度を適宣範囲内に変化させたときの該単結晶棒におけ
る電気抵抗率断面内変動率aの値の変化を示す表図であ
る。
【図7】実験例2において直径100mmのシリコン単
結晶棒の成長にあたって下軸回転速度及び印加した磁場
の強度を適宣範囲内に変化させたときの該単結晶棒にお
ける電気抵抗率断面内変動率aの値の変化を示す表図で
ある。
【図8】実験例2において直径125mmのシリコン単
結晶棒の成長にあたって下軸回転速度及び印加した磁場
の強度を適宣範囲内に変化させたときの該単結晶棒にお
ける電気抵抗率断面内変動率aの値の変化を示す表図で
ある。
【図9】実験例2において直径150mmのシリコン単
結晶棒の成長にあたって下軸回転速度及び印加した磁場
の強度を適宣範囲内に変化させたときの該単結晶棒にお
ける電気抵抗率断面内変動率aの値の変化を示す表図で
ある。
【図10】実験例3において印加磁場を形成する直流電
流に含まれるリップル率を変化させたときの該単結晶棒
における電気抵抗率断面内変動率aを示す表図である。
【図11】本発明に係わるシリコン単結晶成長装置の別
の実施例の全体構造を示す垂直断面的概略説明図であ
る。
【図12】本発明に係わるシリコン単結晶成長装置の別
の実施例の全体構造を示す水平断面的概略説明図であ
る。
【図13】実験例4において得られた単結晶棒における
電気抵抗率断面内変動率aの値の変化を示す表図であ
る。
【図14】従来のFZ法シリコン単結晶成長装置の全体
構造を示す概略説明図である。
【符号の説明】
22 FZ法シリコン単結晶棒成長装置 24 チャンバー 26 上軸 28 下軸 30 シリコン多結晶棒 32 種結晶 34 高周波コイル 36 絞り 38 溶融帯 40 シリコン単結晶棒 44 第一ソレノイドコイル 48 第二ソレノイドコイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−55284(JP,A) 特開 昭52−30705(JP,A) 特開 昭63−85087(JP,A) JOURNAL OF CRYSTA L GROWTH(オランダ),55 (1981)P.406−408

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 FZ法により直径75mm以上の大口径
    シリコン単結晶棒を成長させる方法において、該シリコ
    ン単結晶棒の成長軸方向に形成される垂直磁場及び該垂
    直磁場と交差して形成される水平磁場を該シリコン単結
    晶棒の溶融帯に同時に印加することを特徴とするFZ法
    シリコン単結晶棒の成長方法。
  2. 【請求項2】 前記垂直磁場の磁場強度を150〜70
    0ガウスの間に設定しかつ前記水平磁場の磁場強度を1
    00〜800ガウスの間に設定することを特徴とする請
    求項1記載のFZ法シリコン単結晶棒の成長方法。
  3. 【請求項3】 前記磁場を、リップル率が15%以下で
    ある直流電流によって形成することを特徴とする請求項
    1又は2記載のFZ法シリコン単結晶棒の成長方法。
  4. 【請求項4】 前記シリコン単結晶棒に磁場を印加させ
    ながら該単結晶棒を回転させることを特徴とする請求項
    1、2又は3記載のFZ法シリコン単結晶棒の成長方
    法。
  5. 【請求項5】 前記シリコン単結晶棒の回転数を毎分
    0.5回転から8回転に設定することを特徴とする請求
    項4記載のFZ法シリコン単結晶棒の成長方法。
  6. 【請求項6】 FZ法により大口径シリコン単結晶棒を
    成長させる請求項1〜5記載の方法を実施する装置であ
    って、該シリコン単結晶棒の溶融帯より成長軸方向の上
    方位置及び/又は下方位置に該シリコン単結晶棒を囲繞
    する如く垂直磁場形成手段を設けると共に、且つ該シリ
    コン単結晶棒の成長軸方向に対して直交する水平磁場形
    成手段を設けることを特徴とするFZ法シリコン単結晶
    棒の成長装置。
  7. 【請求項7】 前記垂直及び水平磁場形成手段が、ソレ
    ノイドコイルであり該ソレノイドコイルに直流電流を供
    給することを特徴とする請求項6記載のFZ法シリコン
    単結晶棒の成長装置。
  8. 【請求項8】 前記直流電流のリップル率を15%以下
    に抑えることを特徴とする請求項7記載のFZ法シリコ
    ン単結晶棒の成長装置。
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