JP2004165538A - 超電導磁石装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】例えばシリコン単結晶製造装置30等の被磁界印加物に対して磁界印加を行なう複数の超電導コイル18A〜18Cを有した超電導磁石装置において、各超電導コイル18A〜18Cがシリコン単結晶製造装置30に対して印加する磁界を可変できるよう、各超電導コイル18A〜18C毎に電源装置19A〜19Cを設け、かつこの各電源装置19A〜19Cを電源コントローラ20により制御する構成とする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は超電導磁石装置に係り、特に被磁界印加物に対して磁界印加を行なうコイルを複数個有した超電導磁石装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般の鉄心入り常電導コイルでは、2T(テラス)以上の強磁場を得ることは不可能であるが、超電導コイルであれば可能である。このため、超電導コイルを冷凍機により冷却することにより超電導状態を実現し、これにより強磁場を発生させる超電導磁石装置が提供されている。
【0003】
この超電導磁石装置は、強磁場を利用してシリコン単結晶を引き上げて製造するシリコン単結晶製造装置における磁場による流動制御、磁気配向、着磁等の多くの分野において適用が図られている。この種の超電導磁石装置は、例えば特許文献1に示されるように、複数の超電導コイルを有し、この複数の磁石が発生する磁界を被磁界印加物(例えば、シリコン単結晶製造装置)に印加して、上記の所定の処理を実施する構成とされていた。
【0004】
図1は、従来の超電導磁石装置の回路構成図である。同図に示す例では、3個の超電導コイル2A〜2Cを設けた超電導磁石装置1を示している。また、この超電導コイル2A〜2Cは、電源装置3から電流が供給されて磁界を発生する構成とされている。従来、この超電導コイル2A〜2Cは、配線4により直列に接続された構成とされていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら従来の超電導磁石装置1では、上記のように超電導コイル2A〜2Cは直列接続された構成であり、また電源装置3も超電導コイル2A〜2Cに流す電流の向きは常に一定方向であった。このため、従来の超電導磁石装置1では、超電導コイル2A〜2Cが形成する磁界の向きは、常に一定であった。
【0006】
図2は、図1に示す3個の超電導コイル2A〜2Cで発生する磁界の方向の一例を示している。従来の超電導磁石装置1では、同図に示す磁界しか発生させることができず、磁界を変化させることができないという問題点があった。
【0007】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、発生磁界を可変しうる超電導磁石装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために本発明では、次に述べる各手段を講じたことを特徴とするものである。
【0009】
請求項1記載の発明は、
被磁界印加物に対して磁界印加を行なうコイルを複数個有した超電導磁石装置において、
前記各コイルが前記被磁界印加物に対して印加する磁界を可変させる可変手段を設けたことを特徴とするものである。
【0010】
上記発明によれば、可変手段により各コイルが被磁界印加物に対して印加する磁界を可変できるため、この被磁界印加物に印加する磁界を任意に設定することが可能となる。
【0011】
また、請求項2記載の発明は、
請求項1記載の超電導磁石装置において、
前記可変手段は、前記複数のコイルを個別に可変させる構成であることを特徴とするものである。
【0012】
上記発明によれば、可変手段は複数のコイルを個別に可変させることができるため、被磁界印加物に印加する磁界を、自由度を持って設定することが可能となる。
【0013】
また、請求項3記載の発明は、
請求項1または2記載の超電導磁石装置において、
前記可変手段に、前記コイルに供給する電流の向きを切り換える切り換え装置を設けたことを特徴とするものである。
【0014】
上記発明によれば、可変手段にコイルに供給する電流の向きを切り換える切り換え装置を設けたことにより、切り換え装置の切り換え操作により被磁界印加物に印加される磁界の向きを容易に切り換えることができる。
【0015】
また、請求項4記載の発明は、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の超電導磁石装置において、
前記可変手段に、前記コイルに供給する電流量を可変する電流量可変装置を設けたことを特徴とするものである。
【0016】
上記発明によれば、可変手段にコイルに供給する電流量を可変する電流量可変装置を設けたことにより、切り換え装置の切り換え操作により被磁界印加物に印加される磁界の強さを容易に切り換えることができる。
【0017】
また、請求項5記載の発明は、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の超電導磁石装置において、
前記各コイルは、それぞれ複数個の分割コイルにより構成されていることを特徴とするものである。
【0018】
上記発明によれば、各コイルは複数個の分割コイルにより構成されているため、コイル全体としての小型化を図りつつ、発生磁界を増大することができる。
【0019】
また、請求項6記載の発明は、
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の超電導磁石装置において、
前記被磁界印加物は、シリコン単結晶製造装置であることを特徴とするものである。
【0020】
上記発明によれば、シリコン単結晶製造装置に対して任意の磁界を印加することが可能となり、よって溶融したシリコンの対流抑制を効果的に実施することが可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面と共に説明する。
【0022】
図3及び図4は、本発明の第1実施例である冷凍機冷却型超電導磁石装置10A(以下、超電導磁石装置という)を示している。図3は超電導磁石装置10Aの全体構成を示して折り、図4は超電導磁石装置10Aの回路構成を示している。この超電導磁石装置10Aは、後述するようにシリコン単結晶を磁界印加式チョクラルスキー法(MCZ法)を用いて成長させる際に用いられるものである。
【0023】
先ず、図3を用いて超電導磁石装置10Aの全体構成について説明する。超電導磁石装置10Aは、大略すると真空容器本体11,熱シールド板16,ギフォード・マクマホン式冷凍機13(以下、GM冷凍機という),超電導コイル18A〜18C,及び冷凍機コンプレッサ17等により構成されている。
【0024】
熱シールド板16は真空容器本体11に内設されており、この真空容器本体111の上部にはGM冷凍機13が配設されている。GM冷凍機13は冷媒を圧縮する冷凍機コンプレッサ17に接続されており、冷凍機コンプレッサ17で高圧に圧縮された冷媒(例えば、ヘリウムガス)はGM冷凍機13に供給される。
【0025】
この高圧冷媒は、GM冷凍機13内で膨張され、これによりGM冷凍機13に内設された蓄冷材は冷却される。また、膨張することにより低圧となった冷媒は、冷凍機コンプレッサ17に戻されて再び高圧化される。
【0026】
このGM冷凍機13は、1段目冷却シリンダ14Aと2段目冷却シリンダ14Bを有している。1段目冷却シリンダ14Aは天板16Aに熱的に接続され、2段目冷却シリンダ14Bは冷却ステージ15と熱的に接続されている。
【0027】
よって、GM冷凍機13が熱シールド板16を冷却することにより外部の熱が熱シールド板16内に侵入するのを防止し、かつ超電導コイル18A〜18Cは冷却ステージ15を介してGM冷凍機13(2段目冷却シリンダ14B)により臨界温度以下に冷却される。これにより超電導コイル18A〜18Cは、超電導状態を実現する。
【0028】
真空容器本体11は、その中央に円筒状の中空円筒22を形成している。複数(本実施例では3個)の超電導コイル18A〜18Cは、この中空円筒22の回りに等間隔で配設されている。具体的には、図4に示すように3個の超電導コイル18A〜18Cは、120°の等間で中空円筒22と対向するよう配設されている。
【0029】
よって、超電導コイル18A〜18Cが励磁されると、真空容器本体21に形成された中空円筒22には磁場が発生し、よってこの中空円筒22は常温磁場空間23として機能する。MCZ法によるシリコン単結晶を製造するシリコン単結晶製造装置30は、この常温磁場空間23内に配設され、超電導コイル18A〜18Cが発生する磁場内でシリコン単結晶36(インゴッド)が製造される。
【0030】
ここで、シリコン単結晶製造装置30について簡単に説明しておく。本実施例に係る超電導磁石装置10Aは、常温強磁場空間23にシリコン単結晶製造装置30を設けた構成としている。この超電導磁石装置10Aは、加熱炉31内にルツボ32,ヒータ33,ピアノ線35等を設けた構成とされている。
【0031】
この超電導磁石装置10Aを用いてシリコン単結晶36のインゴットを製造するには、先ずシリコン単結晶の原料となる他結晶シリコン片(ナゲット)をルツボ32に装填し、ヒータ33により加熱溶融させる。そして、ピアノ線35の先端に予め種結晶34を設けておき、これを溶融した他結晶シリコンに接触させ、回転させながらピアノ線35を引き上げる。これにより、種結晶34の下部にはシリコン単結晶36が形成される。
【0032】
この際、MCZ法では、ルツボ32内の融液に対して強磁界を印加することが行なわれる。これは、ルツボ32内の融液に磁界を印加することにより、ルツボ32内での融液の対流を抑制し、これによりシリコン単結晶36に溶け込む酸素量を低減させるためである。超電導磁石装置10Aは、このルツボ32内の融液に印加する磁界を生成するのに用いられている。
【0033】
次に、図4を用いて超電導コイル18A〜18Cに電流供給を行なう電気回路について説明する。本実施例では、3個の超電導コイル18A〜18Cの夫々に電源回路19A〜19Cが設けられている。具体的には、超電導コイル18Aには電源装置19Aが、超電導コイル18Bには電源装置19Bが、そして超電導コイル18Cには電源装置19Cが接続された構成とされている。
【0034】
また、電源装置19A〜電源装置19Cは、それぞれ独立して超電導コイル18A〜18Cに供給する電流量を可変できる構成となっている。また、各電源装置19A〜電源装置19Cは電源コントローラ20に接続されており、この電源コントローラ20により制御される構成となっている。
【0035】
電源コントローラ20は、例えばマイクロコンピュータにより構成されており、超電導磁石装置10Aの操作者が入力するデータに基づき電源装置19A〜19Cを制御する。具体的には、電源コントローラ20は操作者が入力するデータに基づき、電源装置19A〜19Cから超電導コイル18A〜18Cに供給する電流の向き及び電流量を制御する。この制御は電源装置19A〜19C毎に個別に行なわれるため、よって超電導コイル18A〜18Cが発生する磁界の向き及び強さを個別に設定することができる。
【0036】
即ち、従来の超電導磁石装置1(図1参照)では、複数設けられた超電導コイル2A〜2Cは全て同一方向に同一強さの磁界しか発生できなかったものが、本実施例による超電導磁石装置10Aによれば、各超電導コイル18A〜18Cが発生する磁界の向き及び強さは、任意に設定することが可能となる。
【0037】
図4では、各超電導コイル18A〜18Cが発生する磁界をベクトル表示している。同図では、超電導コイル18Aが発生する磁界の向き及び強さを、他の超電導コイル18B,18Cと異ならせた例を示している。
【0038】
具体的には、超電導コイル18Aが発生する磁界の向きを内側とするのに対して超電導コイル18B,18Cが発生する磁界の向きを外側とし、かつ、超電導コイル18Aが発生する磁界の強さを超電導コイル18B,18Cが発生する磁界の強さに対して強く設定している。
【0039】
図5は、このように各超電導コイル18A〜18Cを設定した場合、常温強磁場空間23に発生する磁界の一例を示している。同図に示すように、本実施例で得られる磁界は、図2に示した常に同一状態で発生する磁界と異なっている。また、電源コントローラ20により各電源装置19A〜19Cを制御することにより、自由度をもってこの磁界の状態を設定することができる。即ち、本実施例の超電導磁石装置10Aによれば、任意の磁界を発生することが可能となる。
【0040】
従って、常温強磁場空間23に配設されたシリコン単結晶製造装置30に対し印加する磁界の状態も、本実施例の超電導磁石装置10Aによれば任意に設定することが可能となる。ルツボ32内で発生する融液の対流の状態は、ルツボ32の大きさや引き上げるシリコン単結晶36の直径等により異なる。よって、このように変化する対流に対応するためには、発生している対流に適合した磁界を印かする必要がある。
【0041】
本実施例に係る超電導磁石装置10Aによれば、上記したように任意の磁界を発生させることができるため、ルツボ32内における融液の対流を効果的に抑制することができ、よってシリコン単結晶36に溶け込む酸素量を低減することができる。これにより、高品質のシリコン単結晶36を製造することが可能となる。
【0042】
尚、上記した実施例では、電源装置19A〜19C及び電源コントローラ20が請求項に記載した可変手段に相当する。また、電源装置19A〜19Cが、請求項に記載の切り換え装置及び電流量可変装置に相当する。
【0043】
次に、本発明の第2実施例について説明する。
図6は、本発明の第2実施例である超電導磁石装置10Bの回路構成を示している。尚、第2実施例である超電導磁石装置10Bの全体構成は図3に示した第1実施例に係る超電導磁石装置10Aと略同一であるため、その図示は省略する。また、図6において、図4に示した構成と対応する構成には、同一符号を付してその説明を省略する。
【0044】
前記した第1実施例に係る超電導磁石装置10Aでは、複数の超電導コイル18A〜18Bを用いた構成とした。この各超電導コイル18A〜18Bは、個々のコイルが大きいため、よって発生磁界を効率よく被磁界印加物であるシリコン単結晶製造装置30に印加することができないおそれがある。また、所望の磁界を確実にシリコン単結晶製造装置30に印加しようとするには、より強い磁界を発生させる必要があり、この場合に各超電導コイル18A〜18Bが大型化してしまう。
【0045】
このため本実施例では、第1実施例の超電導コイル18Aに代えて分割コイル18A−1〜18A−3を、超電導コイル18Bに代えて分割コイル18B−1〜18B−3を、超電導コイル18Cに代えて分割コイル18C−1〜18C−3を設けたことを特徴としている。この各分割コイル18A−1〜18A−3,18B−1〜18B−3,18C−1〜18C−3は、それぞれ超電導コイルである。また、各分割コイル同士は、直列に接続された上、電源装置19A〜19Cに接続されている。この分割コイル18A−1〜18A−3,18B−1〜18B−3,18C−1〜18C−3の個々の形状は、超電導コイル18A〜18Cの形状に比べて小さく設定されている。
【0046】
これにより、被磁界印加物となるシリコン単結晶製造装置30に対して効率よく磁界を印加することが可能となり、また各分割コイル18A−1〜18A−3,18B−1〜18B−3,18C−1〜18C−3は超電導コイル18A〜18Cに比べて小型であるため超電導磁石装置10Bの小型化を図ることもできる。更に、第1実施例に比べて多数の分割コイル18A−1〜18A−3,18B−1〜18B−3,18C−1〜18C−3で磁界を発生させるため、より強い磁界を発生することも可能となる。
【0047】
次に、本発明の第3実施例について説明する。
図7は、本発明の第3実施例である超電導磁石装置10Cの回路構成を示している。尚、図7においても図4に示した第1実施例に係る超電導磁石装置10Aの構成と対応する構成には、同一符号を付してその説明を省略するものとする。
【0048】
本実施例に係る超電導磁石装置10Cは、可変手段として超電導コイル18A〜18Cに供給する電流の向きを一括的に切り換える切り換えスイッチ24を設けたことを特徴とするものである。この切り換えスイッチ24は、手動切り換え、或いは前記した電源コントローラ20(図7には図示せず)により自動的に切り換えられる構成とされたものである。また、本実施例では、電源装置19から各超電導コイル18A〜18Cに供給される電流量は可変せず、電流の方向のみを変更できる構成となっている。
【0049】
超電導磁石装置の使用者の要望としては、超電導コイル18A〜18Cが発生する磁界の強さは変更せずに、磁界の向きのみを変更したいとの要望が多い。よって、本実施例に係る超電導磁石装置10Cによれば、切り換えスイッチ24の切り換え操作により、容易に超電導コイル18A〜18Cが発生する磁界の向きを可変することができる。また、本実施例の超電導磁石装置10Cは、従来構成の超電導磁石装置1(図1参照)に対して切り換えスイッチ24を設けるのみでよいため、磁界の向きを可変できる超電導磁石装置10Cを安価で提供することが可能となる。
【0050】
次に、本発明の第4実施例について説明する。
図8は、本発明の第4実施例である超電導磁石装置10Cの全体構成を示している。尚、図8において、図3に示した第1実施例に係る超電導磁石装置10Aの構成と同一構成については同一符号を付してその説明を省略するものとする。
【0051】
前記した各実施例では、超電導コイル18A〜18Cを水平方向に複数個配設した構成としていた。これに対して本実施例に係る超電導磁石装置10Dは、超電導コイルを上下方向(図中、矢印Z方向)に積層配置したことを特徴とするものである。
【0052】
具体的には、本実施例に係る超電導磁石装置10Dでは、超電導コイル18A〜18C(図では、超電導コイル18Cは図に現れず)の上部に、超電導コイル18E〜18F(図では、超電導コイル18Fは図に現れず)を配置した構成としている。本実施例においても、各超電導コイル18A〜18Fは個別に発生する磁界の方向及び磁界の強さを可変しうる構成となっている。
【0053】
本実施例に係る超電導磁石装置10Dによれば、超電導コイル18A〜18C或いは超電導コイル18E〜18Fにより形成される水平方向に対する磁界の状態を可変できるのに加え、下部に位置する超電導コイル18A〜18Cと上部に位置する超電導コイル18E〜18Fとの間における上下間の磁界の状態を可変することも可能となる。即ち、本実施例に係る超電導磁石装置10Dによれば、常温強磁場空間23内に発生する磁界を三次元的に可変することが可能となる。
【0054】
従って、被磁界印加物となるシリコン単結晶製造装置30に対し、更に複雑な磁界を印加することが可能となる。このため、ルツボ32内における融液の対流をより効果的に抑制しうる磁界を発生させることが可能となり、更に高品質のシリコン単結晶36を形成することが可能となる。
【0055】
尚、上記した各実施例において、複数配設された超電導コイル及び分割コイルが発生する磁界を可変する際、磁界発生領域内(常温強磁場空間23内)に磁力センサーを配設し、この磁力センサーが検出した実際の磁界の状態により超電導コイル及び分割コイルに供給する電流を制御する方法(フィードバック制御)を採用してもよい。
【0056】
また、上記した実施例では、被磁界印加物としてシリコン単結晶製造装置30を例に挙げて説明したが、他のものを被磁界印加物としよいことは勿論である。
【0057】
【発明の効果】
上述の如く本発明によれば、次に述べる種々の効果を実現することができる。
【0058】
請求項1記載の発明によれば、可変手段により各コイルが被磁界印加物に対して印加する磁界を可変できるため、この被磁界印加物に印加する磁界を任意に設定することが可能となる。
【0059】
また、請求項2記載の発明によれば、可変手段は複数のコイルを個別に可変させることができるため、被磁界印加物に印加する磁界を、自由度を持って設定することが可能となる。
【0060】
また、請求項3記載の発明によれば、切り換え装置の切り換え操作により被磁界印加物に印加される磁界の向きを容易に切り換えることができる。
【0061】
また、請求項4記載の発明によれば、切り換え装置の切り換え操作により被磁界印加物に印加される磁界の強さを容易に切り換えることができる。
【0062】
また、請求項5記載の発明によれば、コイル全体としての小型化を図りつつ、発生磁界を増大することができる。
【0063】
また、請求項6記載の発明によれば、シリコン単結晶製造装置に対して任意の磁界を印加することが可能となり、よって溶融したシリコンの対流抑制を効果的に実施することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の一例である超電導磁石装置の回路構成図である。
【図2】従来の一例である超電導磁石装置で発生する磁界分布の一例を示す図である。
【図3】本発明の第1実施例である超電導磁石装置の全体構成図である。
【図4】本発明の第1実施例である超電導磁石装置の回路構成図である。
【図5】本発明の第1実施例である超電導磁石装置で発生する磁界分布の一例を示す図である。
【図6】本発明の第2実施例である超電導磁石装置の回路構成図である。
【図7】本発明の第3実施例である超電導磁石装置の回路構成図である。
【図8】本発明の第4実施例である超電導磁石装置の全体構成図である。
【符号の説明】
10 超電導磁石装置
13 GM冷凍機
16 熱シールド板
17 冷却コンプレッサ
18A〜18E 超電導コイル
18A−1〜18A−3,18B−1〜18B−3,18C−1〜18C−3 分割コイル
19,19A,19B,19C 電源
20 電源コントローラ
22 中空円筒
23 常温強磁場空間
24 切り換え装置
30 シリコン単結晶製造装置
Claims (6)
- 被磁界印加物に対して磁界印加を行なうコイルを複数個有した超電導磁石装置において、
前記各コイルが前記被磁界印加物に対して印加する磁界を可変させる可変手段を設けたことを特徴とする超電導磁石装置。 - 請求項1記載の超電導磁石装置において、
前記可変手段は、前記複数のコイルを個別に可変させる構成であることを特徴とする超電導磁石装置。 - 請求項1または2記載の超電導磁石装置において、
前記可変手段に、前記コイルに供給する電流の向きを切り換える切り換え装置を設けたことを特徴とする超電導磁石装置。 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の超電導磁石装置において、
前記可変手段に、前記コイルに供給する電流量を可変する電流量可変装置を設けたことを特徴とする超電導磁石装置。 - 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の超電導磁石装置において、
前記各コイルは、それぞれ複数個の分割コイルにより構成されていることを特徴とする超電導磁石装置。 - 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の超電導磁石装置において、
前記被磁界印加物は、シリコン単結晶製造装置であることを特徴とする超電導磁石装置。
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2002
- 2002-11-15 JP JP2002331798A patent/JP2004165538A/ja active Pending
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