JP2004119822A - 磁場中熱処理炉及びそれを用いた熱処理方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】隣接する磁石が互いに異なる磁化方向となし、1.1 T以上の残留磁束密度及び1114 kA/m (14 kOe) 以上の保磁力を有する永久磁石セグメントを複数個組み合わせてリング状に構成したリング状永久磁石組立体1からなる磁場発生手段と、前記リング状永久磁石組立体1の中央空洞部20内に位置し、外側から順に冷却手段を含む熱処理炉壁3と、加熱手段5と、複数の被熱処理品を保持する熱処理用保持具10を備えた熱処理手段とを具備し、前記リング状永久磁石組立体は200 mm以上の内径及び300 mm以上の外径を有し、かつ100 mm以上の軸線方向長さを有し、磁場発生手段の軸線方向磁場中心と、前記複数の被熱処理品の集合体の軸線方向中心とをほぼ一致させる磁場中熱処理炉である。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、MR(Magnetoresistive)ヘッド、GMR(Giant Magnetoresistive)ヘッド、MRAM(Magnetic Random Access Memory)等の製造プロセスにおいて、これらを形成するためのウェハ基板等を磁場中で熱処理する炉、及びそれを用いた熱処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気ヘッドは一般に基板上に複数の強磁性層が積層された構造を有する。例えばGMRヘッドは強磁性層間に非磁性絶縁層が形成された構造を有する。またMRAMヘッドは基板側から順に反強磁性層、固定磁性層、非磁性導電層及びフリー磁性層とした構造を有する。固定磁性層は全体的に一方向に磁化されている。
【0003】
固定磁性層や反強磁性層を一方向に磁化するためには、基板上に磁性薄膜を形成した後、磁場中で熱処理を行なう必要がある。通常0.5 T(テスラ)以上の配向磁場を印加する必要があり、固定磁性層や反強磁性層の材質によっては1.0 Tを超える配向磁場が必要である。ウェハ基板に配向磁場を印加しながら熱処理するために、図15や特開2001−135543号公報に示すような真空熱処理炉がある。この真空熱処理炉は、冷却管112を備えた磁場発生用コイル113と、コイル113の内側に設けられた高周波コイル114と、高周波コイル114の内側に設けられた複数のウェハ基板110を保持する真空容器106とからなる。
【0004】
しかしながら、この磁場中熱処理炉の磁場発生手段は電磁石からなり、1.0 T以上の磁場を発生するためにはコイルに500〜800Aという大電流を流す必要があり、安全性の面から好ましくない。また大電流を用いるための設備が必要であるのみならず、磁場発生用に高額の電気代がかかり、また大電流により発生した熱を除去するために大量の冷却水を使用しなければならない。これらのために処理コストは高くならざるを得ない。さらに上記構成では漏洩磁束が非常に大きいために、人体に与える危険性を考慮すると設備スペース以外に安全確保のための大きな空きスペースを作らねばならないだけでなく、周囲の電子機器への影響を抑えるため装置を鉄やパーマロイ等の磁性体で囲う必要がある。
【0005】
超伝導コイルを用いると、大量の電力を使用しないで磁場を発生させることができる。超伝導コイルを用いる場合、電磁石に比べ励磁電流消費は抑えられるものの、超伝導状態を維持するため液体窒素又はヘリウムを常時消費しなければならず、運転コストが高い。また超伝導コイルを用いる方式では、磁場が変動すると局部的に超伝導状態が常伝導状態になってコイルが発熱し、放置すると装置全体の超伝導状態がくずれてしまう。さらに超伝導コイルは数T〜数10 Tの強磁場を発生できるが、電磁石と同様にその磁場強度に比例して強い漏洩磁場の範囲も広くなる。そのため、電磁石と同じ漏洩磁場の問題がある。
【0006】
励磁電流を使用しないで磁場強度を得るものとして、例えば”Journal of Applied Physics Vol. 86, No. 11, 1 December 1999” 及び “Journal of Applied Physics Vol. 64, No. 10, 15 November 1988”、及び特開平6−224027号に開示されたハルバッハ型磁気回路がある。このハルバッハ型磁気回路は磁化方向が異なる複数の永久磁石を組み合わせて合成磁場に方向性を持たせることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
被熱処理品が磁気抵抗膜を有するウェハ基板の場合、磁気抵抗効果を安定的に向上させるためには通常1.0 T以上と大きな磁場が必要であるのみならず、磁場を磁性膜の磁化方向に対して平行かつ均一にする必要がある。しかしながら従来の電磁石を有する熱処理炉では、磁性膜と平行な均一磁場を発生させることができなかった。
また、ハルバッハ型磁気回路をこのような熱処理炉に用いた例はなく、効率化の面や磁気回路の構成等についての具体的な検討がなく技術的な問題があった。
【0008】
本発明の目的は、1.0 T以上の均一な平行磁場を発生する磁気回路を用いて安全性が高く小型で高精度の磁場中熱処理炉を提供することである。
本発明のもう一つの目的は、かかる磁場中熱処理炉を用いた被熱処理品の磁場中熱処理方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
複数の被熱処理品を一度に磁場中熱処理する場合、被熱処理品を加熱する手段の外周に水冷による冷却手段を含む熱処理炉壁を設けること、磁場発生手段として永久磁石セグメントを用いたハルバッハ型磁気回路とすること、望ましい永久磁石セグメントの分割数があること、磁気回路の軸方向長さが一定以上必要であること、磁場発生手段と被熱処理品の望ましい相対位置関係があること等の知見により、熱処理中被熱処理品の径方向に高精度で均一な平行磁場を印加することができることを発見し、本発明に想到した。
【0010】
本発明の磁場中熱処理炉は、隣接する磁石が互いに異なる磁化方向とした複数の永久磁石セグメントをリング状に組み合わせ、直径方向に磁束が流れるようにした1つのリング状永久磁石組立体からなる磁場発生手段と、前記リング状永久磁石組立体の中央空洞部内に位置し、外側から順に冷却手段を含む熱処理炉壁と、加熱手段と、複数の被熱処理品を保持する熱処理用保持具を備えた熱処理手段とを具備することを特徴とする。
【0011】
前記磁場中熱処理炉において、冷却手段を含む熱処理炉壁内側は真空容器であることが好ましい。
前記磁場中熱処理炉において、前記冷却手段は前記磁場発生手段の少なくとも表面温度を磁場中熱処理装置が設置されている室温と同等温度に維持する能力を有していることが必要である。
前記冷却手段を含む熱処理炉壁の内部には冷却液や冷媒が流れる冷却管が配置され、前記冷却管の外周で前記リング状永久磁石組立体の内側に設けられたヒートシンク部材とを有することが好ましい。さらに前記リング状永久磁石組立体とヒートシンク部材の間には前記リング状永久磁石組立体の温度を室温と同等温度に保つため断熱材を配置することが好ましい。
前記磁場中熱処理炉において、磁束密度の均一度が10%以内の磁場中で熱処理を行うために前記磁場発生手段の軸線方向磁場中心と、前記熱処理容器内に挿入される複数の被熱処理品の集合体の軸線方向中心とがほぼ一致していることが好ましい。
リング状永久磁石組立体の磁極分割数は、中央空洞部に発生する磁場精度(磁場のねじれ、均一性)の点から12分割以上が好ましい。磁石の製造コストや組立性から12分割が最も好ましい。
前記リング状永久磁石組立体は200mm以上の内径及び300mm以上の外径を有し、かつ100mm以上の軸線方向長さを有するのが好ましい。
さらに磁束密度の均一度を15%以内にするために軸線方向長さはリング状永久磁石組立体の内径に係わらず、400mm以上にすることが好ましい。
また、漏洩磁束を低減するためには前記リング状永久磁石組立体は半径方向外側ほど軸線方向に短いのがより好ましい。
前記リング状永久磁石組立体を構成する各永久磁石セグメントは、1.1 T以上の残留磁束密度及び1114 kA/m (14 kOe) 以上の保磁力を有するのが好ましい。
前記リング状永久磁石組立体の軸線方向長さHと外径Dとは2≦D/H≦10の要件を満たすのが好ましい。
【0012】
本発明は、隣接する磁石が互いに異なる磁化方向とした複数の永久磁石セグメントをリング状に組み合わせ、直径方向に磁束が流れるようにした1つのリング状永久磁石組立体からなる磁場発生手段と、前記リング状永久磁石組立体の中央空洞部内に位置し、外側から順に冷却手段を含む熱処理炉壁と、加熱手段と、複数の被熱処理品を保持する熱処理用保持具を備えた熱処理手段とを具備する磁場中熱処理炉を用いて、複数の被熱処理品を同時に熱処理する方法であって、(1) 複数の前記被熱処理品を積み重ねた熱処理用保持具を前記冷却手段を含む熱処理炉壁内に挿入し、前記リング状永久磁石組立体の中央空洞部内に位置せしめ、(2) 前記中央空洞部内に所定の磁場を存在させた状態で、前記加熱手段により前記熱処理容器内の被熱処理品を熱処理するとともに、前記冷却手段により前記磁場発生手段を冷却し、(3) 前記被熱処理品の熱処理が完了後、複数の熱処理品を前記熱処理容器から取り出すことを特徴とする磁場中熱処理方法である。
【0013】
本発明の磁場中熱処理方法は、前記被熱処理品が表面に磁性膜を形成したウェハ基板である場合は、熱処理前の磁性膜に印加された磁気的な影響を除去するために磁性膜の磁気特性が無くなる温度(強磁性膜ではキュリー点及び反強磁性膜ではネール点)以上まで加熱することが好ましい。
本発明の磁場中熱処理方法は、複数の前記被熱処理品の集合体の軸線方向中心が前記磁場発生手段の軸線方向磁場中心とほぼ一致する位置で、前記被熱処理品集合体を保持することが好ましい。
本発明の磁場中熱処理方法は、前記冷却手段を含む熱処理炉壁内を実質的に真空にした状態で熱処理を行うことが好ましい。
本発明の磁場中熱処理方法は、前記磁場発生手段の表面温度を磁場中熱処理装置が設置されている室温と同等温度に維持することが好ましい。
【0014】
本発明は、リング状永久磁石組立体を構成する各永久磁石セグメントが12分割で構成され、軸方向長さが400mm以上あるリング状永久磁石組立体による磁場発生手段を有し、リング状永久磁石組立体の中央空洞部内に挿入する被熱処理品をウェハ基板となし、当該ウェハ基板に形成された反強磁性または磁性膜について、その磁気特性が無くなる温度(キュリー温度またはネール温度)以上まで加熱し熱処理を行うための磁場中熱処理炉とその磁場中熱処理方法である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の技術手段と実施形態についてさらに説明する。
図1に示すように、本発明の磁場中熱処理炉は、加熱手段5からなる熱処理手段の外周に、冷却手段を含む熱処理炉壁3を介してリング状永久磁石組立体1を設けているので、軸(高さ)方向の比較的限られた範囲に対して水平面内で一方向の均一磁場を低コストで安定的に発生させることができる。これによって、比較的薄くて大径(例えば6−8インチ又はそれ以上)の磁性膜ウェハ基板Aを複数枚一度に熱処理するのに好適である。ここで被熱処理品は熱処理開始前から均一な平行磁場に配置されて磁性膜に均一な方向に磁気的な異方性を持たせることができる。最終的にはウェハ基板に形成された磁性膜または反強磁性膜について、その磁気特性が無くなる温度(キュリー温度またはネール温度)以上まで加熱し熱処理を行うため、当初磁場中に挿入配置されたときの磁場の影響は実質的には関係ない。
上記リング状永久磁石組立体1は互いに異なる磁化方向に配向した複数の永久磁石セグメントをリング状に組み合わせたものである。永久磁石セグメントが特にNd−Fe−B系希土類永久磁石を用いるものは熱による減磁などの影響が大きいため、磁気特性を変動させないようにするためには磁場発生手段の表面温度を磁場中熱処理装置が設置されている室温と同等温度に維持するように冷却構造や断熱構造を永久磁石に対して働くように加熱手段と磁場発生手段の間に設置することが有効であり、これにより中央空洞内の磁場特性を一定に保つことができ、安定した熱処理性能を得ることが出来る。
【0016】
リング状永久磁石組立体1は、中央空洞部内に直径方向に磁束が流れるように構成している。中央空洞部内に流れる磁束の磁場精度(均一度及び磁場のねじれ)は、リング状永久磁石組立体1の内径と外径及び軸方向長さ(高さ)によりほぼ決まる。ここで、熱処理すべきウェハの直径を例えば5インチ、125 mmとすると、ウェハ外周と冷却手段を含む熱処理炉壁3の内壁との隙間を22.5 mm確保する場合、ヒータ5の厚さは例えばφ5 mmであり、この22.5mmの中にウェハ温度が一定となるようヒータ5が複数配置されるため冷却手段を含む熱処理炉壁3の内径は170 mmとなる。冷却手段を含む熱処理炉壁3の壁厚は例えば10mmであり、各部材間のクリアランスの合計を5 mmとして、リング状永久磁石組立体1の内径は200 mmである。また、永久磁石の残留磁束密度Brが1.45 Tとすると、中央空洞部20内の磁場強度が1 Tを超えるには、図5に示すようにリング状永久磁石組立体1の内径D0が200 mmの場合に、リング状永久磁石組立体の外径Dは300 mm以上であるのが好ましく、またその軸線方向長さHは100 mm以上であるのが好ましいことが分かる。磁場強度をシミュレーションにより計算した結果、図5に示すように磁場強度はリング状永久磁石組立体1の軸線方向長さに応じて変化し、リング状永久磁石組立体1が軸線方向長さが短くなると中央空洞部20内の磁場強度は小さくなることが分かった。この結果から分かるように、中央空洞部20内の磁束密度を1 T以上とするためには、軸線方向長さは最低でも100 mm以上は必要である。
図6に軸線方向長さと中央空洞部20内の磁場均一度の関係を示すシミュレーション結果を示す。この例ではリング状永久磁石組立体1の内径D0は200 mm、外径を右上に示す300〜1000mmに変えた場合のものである。図6は上記の結果を支持しており、軸線方向長さに応じて磁場均一度も向上することが分かる。例えば外径に関係なく軸線方向長さを400mm以上にすることにより磁場均一度は15%以内、500mm以上で10%以内にでき、磁場のねじれ(スキュー)角は2度以内にできる。
【0017】
他方、リング状永久磁石組立体1に使用する永久磁石は、1.1 T以上の残留磁束密度及び1114 kA/m (14 kOe)以上の保磁力を有し、かつ軸線方向長さHと外径Dとは2≦D/H≦10の要件を満たすのが好ましい。この比D/Hが大きいほど、均一な磁場が軸線方向により広範囲に発生する。この範囲内であれば、リング状永久磁石組立体1全体の重量を少なくして大きな磁場を発生させることができる。
また、漏洩磁束を低減するために、リング状永久磁石組立体1を半径方向外側ほど短くすることにより、軸線方向の漏洩磁場をより低減できることが分かった。このような構造により、リング状磁気回路の漏洩磁束を小さくすることができ、磁気回路の小型化及び軽量化が可能となる。
【0018】
本発明の磁場中熱処理炉において、熱処理手段は、図1に示すように鏡面を有するケース内に設けられた冷却管4を有する冷却手段を含む熱処理炉壁3と、その内側にカーボン製などの電気ヒータ等からなる加熱手段5とを具備し、冷却管4を有する冷却手段を含む熱処理炉壁3内には被熱処理品Aを複数枚載置した熱処理用保持具10が挿入される。この熱処理手段により、リング状永久磁石組立体1からなる磁場発生手段の磁場中心と被熱処理品A集合体の中心を一致させ易い。また加熱手段5と磁場発生手段との間に冷却手段3があるので、磁場発生手段の表面温度を磁場中熱処理装置が設置されている室温と同等温度に維持するよようにして永久磁石への熱影響が遮断される。そのため被熱処理品である磁性膜のキュリー温度及びネール温度により異なるが、概略300〜500 ℃前後の熱処理温度にもかかわらず、永久磁石は熱劣化せず発生磁場強度も変動しない。なお熱処理手段を窒素ガス等の非酸化性雰囲気下に置いても良い。
また、従来、石英管等の真空容器内部にウェハ等の被熱処理品を配置し、石英管外部より電気ヒータにて加熱を行っていたが、石英管自体の熱容量が大きいため、ウェハ温度は制御設定温度と同じように昇温せず、そのため、処理温度が不均一になり生産性を悪化させていた。本発明では真空容器を取り除き熱処理炉壁内部を真空状態におくことを行った。これにより被処理品であるウェハ側近で加熱することができ、ウェハ温度の制御性が向上し、温度制御が容易となり、ウェハ温度の均一性を向上させて生産性を向上することができた。
【0019】
リング状永久磁石組立体1に用いる永久磁石としては、Baフェライト系磁石、Srフェライト系磁石、La及びCo添加のフェライト系磁石等のフェライト磁石の他に、Nd−Fe−B系磁石、Sm−Co系磁石、Sm−Fe−N系磁石等の希土類系磁石等が挙げられるが、特に高い残留磁束密度を有するNd−Fe−B系磁石が好ましい。永久磁石は焼結磁石に限らずボンド磁石でも良い。Nd−Fe−B系磁石は耐熱温度が低いので従来の熱処理炉に用いるのは困難であったが、熱処理手段と磁場発生手段との間に冷却手段を含む熱処理炉壁3を設けることにより本発明の磁場中熱処理炉に適用可能になった。
【0020】
以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて説明する。
(実施例1)
図1に示す本発明の磁場中熱処理炉の磁場発生手段は、リング状永久磁石組立体1を構成する永久磁石セグメントをいずれも1.4 Tの残留磁束密度及び1192 kA/mの保磁力を有するNd−Fe−B系永久磁石により形成した。図2はリング状永久磁石組立体1の横断面構造を示す。
この例では、リング状永久磁石組立体1は、磁化方向が異なる3種類の扇状永久磁石セグメント11, 12, 13を周方向に全部で12個配列することにより形成されている。扇状永久磁石セグメント11, 12, 13は同一形状を有するので、扇形の中心角は30°、また磁極の磁化方向位相角は60°である。なお各永久磁石セグメント11, 12, 13の水平断面形状を扇形とする代わりに、台形等にしても良い。
リング状永久磁石組立体1における複数の永久磁石セグメントは、磁化方向が磁束の流れとほぼ一致するとともに、中央空洞部内を直径方向に磁束が流れるようにリング状に組み合わされている。このため、リング状永久磁石組立体1の合成磁場(矢印で示す)は中央空洞部20に半径方向に印加される。
この例では、リング状永久磁石組立体1の内径D0は350 mm、外径Dは900 mm、軸方向長さ(高さ)Hは600 mmであった。
【0021】
本実施例の熱処理手段は、鏡面となるように内面をメッキ処理したステンレス板を有する水冷手段を含む熱処理炉壁3と、その熱処理炉壁3内の被熱処理品Aを加熱する電気ヒータ5とを具備する。水冷手段を含む熱処理炉壁3内に冷却管4が備えられている。水冷手段を含む熱処理炉壁3は水冷管4の他にヒートシンク板を有しても良く、ヒートシンク板は水冷管4とリング状永久磁石組立体1との間に設けられる。被熱処理品Aとして6〜8 インチのウェハ基板が想定されることから、水冷手段を含む熱処理炉壁内に配置された電気ヒータ5の内径は170〜220 mmであるのが好ましい。
水冷手段を含む熱処理炉壁3の一端はシール部材7により密封され、他端はシール用雄ネジ部8とシール用雌ネジ部9により密封されている。熱処理炉壁3の上部は密閉筒6により雄ネジ部8と密封されている。シール用雌ネジ部9の軸19には被熱処理品Aを熱処理炉壁3のほぼ中央部に保持するための熱処理用保持具10が備えられている。
熱処理用保持具10は、例えば磁性膜が形成されたウェハ基板を載置するためのトレーを約3〜10 mm間隔で25枚程度軸線方向に配置した構造を有する。トレー間隔は被熱処理材の直径に比例して大きくすることが好ましい。熱処理用保持具10は熱処理炉壁3内で水平面内に回転自在である。磁場印加方向調整のために被熱処理品Aが合成磁場と常に同方向となるように熱処理用保持具10を回転させるのが好ましい。
熱処理用保持具10の上端、中央及び下端に備えられた熱電対により温度を測定し、電気ヒータ5の温度をPID制御する。シール部7には吸気口が備えられている。排気口は密閉筒6上部に設けられ真空ポンプ(図示せず)と接続しており、熱処理炉壁3内を真空状態に維持する。例えば、被熱処理品Aが磁性薄膜を形成した基板の場合、約1×10−5〜1×10−6 Paの真空状態で熱処理するのが好ましい。吸気口は窒素ガスボンベと接続されており、必要に応じて熱処理炉壁3内を不活性雰囲気にする。
複数の強磁性層膜と反強磁性層膜に非磁性絶縁層を介して積層した磁性膜を備えた複数のウェハ基板を熱処理用保持具10のトレー上に配列し、熱処理炉壁3内に挿入する。このとき、積み重ねた基板全体の中心をリング状永久磁石組立体1の軸方向長さの中心と一致させる。
シール用雄ネジ部8にシール用雌ネジ部9を螺着させて熱処理炉壁3を気密状態にした後、真空ポンプにより熱処理炉壁3内を排気し、1×10−5〜1×10−6 Paの真空度とした。
【0022】
次に、図14の熱処理工程図で示すように電気ヒータ5により300℃まで30℃/minで加熱する。他方冷却管4には冷却水を流しリング状永久磁石組立体1の電気ヒータ側の外周表面温度を磁場中熱処理装置が設置されている室温と同等温度に維持する。300℃にウェハ基板を保ちながらウェハ表面に酸化膜が生成しないように窒素ガスをパージし、ウェハ基板上に生成された強磁性膜のキュリー温度でかつ反強磁性膜のネール温度以上の温度、例えば300℃±3%の温度に30−60分間保持しアニールする。その後窒素ガスのパージと排気を行いながら熱処理炉壁3内の温度を10℃/minで冷却し、ウェハ温度が150℃以下になったところでウェハを炉内から取り出す。ここで、ウェハ温度が降温時、すなわちキュリー温度及びネール温度を通過するときに一方向に均一な磁場が印加されていれば、磁性膜はその方向に磁気的に配向し、その温度以下では磁性膜は磁場の影響は受けない。よって、当初空洞部内に磁場が存在していてもウェハの磁性膜にとって実質的な問題はない。
なお本明細書において用語「磁場中熱処理」を用いているが、この熱処理は「アニーリング」と呼ぶことができるものである。
【0023】
次に表1から、中央空洞部20内の磁場は軸線方向磁場中心で± 5.7% 以内と均一であることが確認された。また図4に示すように、ウェハ基板が備えられるリング状永久磁石組立体の中央空洞部20の中心から半径100mm内の磁束密度Y成分の変化を見た。横軸は磁石厚みで軸線方向中心からの距離を示している。Y=0〜100mmの半径範囲内で1Tで且つ磁場均一度10%以内にあるのは± 100 mmの範囲であることが分かる。また最大地点(Y=100)では±120mmで10%以下の均一な磁場強度が得られた。各測定位置の磁場スキュー角度は全て2°以内であった。このような磁場中熱処理を行なったウェハ基板を用いて形成した磁気ヘッドの磁気特性は良好であり、不良率は0であった。
磁気回路端面より軸線方向に350 mm離れた位置での漏洩磁場は10 m T以下と小さく、また磁気回路側面から1 m離れた位置での漏洩磁場も1 m T以下と小さかった。
【0024】
【0025】
(実施例2)
GMR薄膜用磁場中熱処理を行うため、1.40〜1.50Tの磁場を発生するためには磁場発生手段であるリング状磁石組立体を、内径220mm、外径900mm、軸方向長さ600mmにて円周方向に12分割した磁極で構成することにより、6インチのウェハ基板にて、ウェハ基板のスタック高さ160mmの範囲にて、磁場均一度3%以内、磁場のスキュー角(ねじれ角)1°以内を達成した。
【0026】
(比較例1)
ヒータを中央空洞部ではなく、軸方向でリング磁気回路外に出る位置に備えた。それ以外は実施例1と同様にして実験を行った。熱処理台の各位置において温度分布にバラツキが発生し、各磁気ヘッドの磁気特性にもバラツキが発生した。
【0027】
(比較例2)
冷却管と断熱手段を外し、それ以外は実施例1と同様に実験を行なった。熱処理台の各位置において温度分布のバラツキは発生しなかったが、熱処理中のヒータの熱によりリング磁気回路の永久磁石が減磁してしまい、十分な磁場強度を得ることができなかった。
【0028】
(実施例3)
図3では、リング状永久磁石組立体の軸線方向長さ(高さ)について半径方向外側に向かって徐々に短くなる構成とした。この構造により、軸線方向の漏洩磁場をより低減することができた。これによりリング状永久磁石組立体の小型化及び軽量化が可能であり、磁場中熱処理炉全体を低くすることができる。
【0029】
リング状永久磁石組立体1の内径が大きくなるに従い、磁気回路の各永久磁石セグメントは一個の永久磁石片で構成することが困難となる。そのため、複数の永久磁石片を組み合わせて各永久磁石セグメントを構成するのが好ましい。リング状磁気回路の永久磁石セグメントの一例を図7に示す。この例では永久磁石セグメントは半径方向に配列された3つの永久磁石片からなるが、一般に2個以上の永久磁石片を使用すればよい。内側の永久磁石片は外半径Ra及び軸線方向長さLaを有し、中央の永久磁石片は内半径Ra、外半径Rb及び軸線方向長さLbを有し、外側の永久磁石片は内半径Rb、外半径Rc及び軸線方向長さLcを有する。各永久磁石片の軸線方向長さはLa > Lb > Lcであり、外側に向かって段々短くなる。
【0030】
図8は、第1の永久磁石片41及び第2の永久磁石片42を組み合わせた永久磁石セグメントの例を示す。図示の例では第1及び第2の永久磁石片41, 42をそれぞれ2つずつ組合せているが、奇数個組合せても良い。図中の矢印は各永久磁石片の磁化方向を示す。
小さな永久磁石セグメントの場合、1個の永久磁石片で構成できる。漏洩磁場を低減するために、例えば図9(a)及び図9 (b)に示すように、永久磁石の軸線方向断面をほぼ台形にするのが好ましい。
上記各実施例では、磁化方向が異なる3種類の永久磁石を組合せてリング状永久磁石組立体に使用したが、図10に示すように磁化方向が異なる2種類の永久磁石43, 44により磁気回路を構成することもできる。
【0031】
また、このリング状永久磁石組立体は等分割された永久磁石セグメントの磁極をリング状に配置して構成されるが、この分割する磁極数は多いほど理想的なハルバッハ型磁気回路に近づくが、この磁気回路を製品化するにおいて無限に分割数を増やすことは磁極を構成する磁石において様々な種類の磁化方向をもつ磁石を製造しなくてはならないため、磁石の加工コストが増大し磁気回路の製造コストが高くなってしまう。
図11は磁極分割数と磁場均一度の関係を示す検討結果である。縦軸に磁場均一度を、横軸に分割数を示している。リング状永久磁石組立体の中央空洞部の内径200mmの中心から直径120mm内の磁場均一度について調べた。軸方向高さは150mmから数種変化させ、また外径も数種変化させた。しかしその傾向は変わらなかった。このデータが示すように12分割以上では均一度の向上は見込めないことが分かった。
図12は磁極分割数とスキュー角(ねじれ角)の関係を示す検討結果である。縦軸にスキュー角を、横軸に分割数を示している。リング状永久磁石組立体の中央空洞部の内径、外径、軸方向高さ等の条件は図11と同一としている。このデータが示すように12分割以上では均一度の向上は見込めないことが分かった。図13は中央空洞部の軸方向距離と磁束密度の関係を磁極数8個と12個の場合の比較を示す試験結果である。120 mmの内径及び200 mmの外径を有するリング状永久磁石組立体の中央空洞部の磁場(T)を空洞部中心からの距離をパラメータに測定した。縦軸に磁束密度を、横軸に中心からの軸線方向距離を示している。このデータより中央空洞部20の磁場は、一周の永久磁石セグメントの数が12個の場合は8個の場合よりも5%程度大きいことが分かった。
以上のことより、磁気特性上や組立性などを含めたパフォーマンスから最適な分割数は12個であることが分かった。
【0032】
【発明の効果】
本発明の磁場中熱処理炉では、複数枚の磁性膜基板のような被熱処理品に均一な平行磁場を印加できるので、熱処理した磁性膜基板の品質が一様に安定する。本発明の磁場中熱処理炉は、石英管等の容器が無い、また漏洩磁場が小さいため磁気シールドの必要性がなく装置全体を小型化することができる。また磁場発生用電力を必要としないため、設備コスト及び運転コストを低減することができるのみならず、磁場発生用コイルの発熱に伴う問題もない。
リング状永久磁石組立体の中央空洞部内に設ける冷却手段には、熱処理温度による永久磁石の特性劣化を起こさない量の冷却水を流せば良い。従って、本発明の磁場中熱処理炉は運転コストが低くい。
また、磁場発生用コイルに通電する大電力が不必要であるため、電源設備コスト等が省け設置スペースも少なくて良い。さらには漏洩磁束は電流を用いて磁場を発生させるものより遥かに小さく、周囲の作業者に与える影響は皆無であり、製造工程におけるライン構成も容易になる。これらを加味すると設備コストのみだけではなく、ライン構成が容易でコンパクト、運転コストも大幅に低減できる省エネルギーな磁場中真空熱処理を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁場中熱処理炉の一例を示す要部断面図である。
【図2】本発明の磁場中熱処理炉に用いるリング状永久磁石組立体の一例を示す要部横断面図である。
【図3】リング状永久磁石組立体の他の例を示す要部断面図である。
【図4】リング状永久磁石組立体の軸線方向に沿った中央空洞部内の磁場強度分布を示すグラフである。
【図5】リング状永久磁石組立体の外径及び軸線方向長さに対する中央空洞部内の磁束密度の依存性を示すグラフである。
【図6】リング状永久磁石組立体の軸線方向長さに対する中央空洞部内の磁場均一度を示すグラフである。
【図7】複数の永久磁石片からなる永久磁石セグメントの一例を示す平面図及び断面図である。
【図8】複数の永久磁石片からなる永久磁石セグメントの他の例を示す平面図である。
【図9】永久磁石セグメントの断面形状の一例を示す平面図及び断面図である。
【図10】磁化方向が異なる2種類の永久磁石からなるリング状永久磁石組立体の一例を示す平面図である。
【図11】磁極分割数と磁場均一度の関係を示す特性線図である。
【図12】磁極分割数とスキュー角(ねじれ角)の関係を示す特性線図である。
【図13】周方向に8個の永久磁石セグメントからなるリング状永久磁石組立体と12個の永久磁石セグメントからなるリング状永久磁石組立体について、リング状永久磁石組立体の中央空洞部内の軸線上の磁束密度とリング状永久磁石組立体の中心からの軸線方向距離との関係を示す特性線図である。
【図14】磁場中熱処理の一例を示す工程図である。
【図15】電磁石を有する従来の磁場中熱処理炉を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1、1A:リング状永久磁石組立体、3:冷却手段、4:水冷管
5:加熱手段(ヒータ)、6:熱処理容器(真空容器)、7:シール部
8:シール雄ネジ部、9:シール雌ネジ部、10:熱処理用保持具
110:保持部材、112:冷却構造、113:コイル、114:高周波コイル
20:中央空洞部、21、22、23:永久磁石セグメント
40:分割型永久磁石、41、42、43、44:セグメント磁石(小磁石)
Claims (12)
- 隣接する磁石が互いに異なる磁化方向とした複数の永久磁石セグメントをリング状に組み合わせ、直径方向に磁束が流れるようにした1つのリング状永久磁石組立体からなる磁場発生手段と、前記リング状永久磁石組立体の中央空洞部内に位置し、外側から順に冷却手段を含む熱処理炉壁と、加熱手段と、複数の被熱処理品を保持する熱処理用保持具を備えた熱処理手段とを具備することを特徴とする磁場中熱処理炉。
- 請求項1に記載の磁場中熱処理炉において、前記冷却手段を含む熱処理炉壁は前記磁場発生手段の少なくとも表面温度を室温と同等温度に維持するものであることを特徴とする磁場中熱処理炉。
- 請求項1〜2に記載の磁場中熱処理炉において、前記磁場発生手段の軸線方向磁場中心と、前記複数の被熱処理品の集合体の軸線方向中心とがほぼ一致していることを特徴とする磁場中熱処理炉。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の磁場中熱処理炉において、前記リング状永久磁石組立体は12分割以上とされた永久磁石セグメント磁極からなることを特徴とする磁場中熱処理炉。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の磁場中熱処理炉において、前記リング状永久磁石組立体は200 mm以上の内径及び300 mm以上の外径を有し、かつ100 mm以上の軸線方向長さを有することを特徴とする磁場中熱処理炉。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の磁場中熱処理炉において、前記リング状永久磁石組立体は半径方向外側ほど軸線方向に短いことを特徴とする磁場中熱処理炉。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の磁場中熱処理炉において、前記リング状永久磁石組立体を構成する各永久磁石セグメントは、1.1 T以上の残留磁束密度及び1114 kA/m (14 kOe) 以上の保磁力を有することを特徴とする磁場中熱処理炉。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の磁場中熱処理炉において、前記リング状永久磁石組立体の軸線方向長さHと外径Dとが2≦D/H≦10の要件を満たすことを特徴とする磁場中熱処理炉。
- 隣接する磁石が互いに異なる磁化方向とした複数の永久磁石セグメントをリング状に組み合わせ、直径方向に磁束が流れるようにした1つのリング状永久磁石組立体からなる磁場発生手段と、前記リング状永久磁石組立体の中央空洞部内に位置し、外側から順に冷却手段を含む熱処理炉壁と、加熱手段と、複数の被熱処理品を保持する熱処理用保持具を備えた熱処理手段とを具備する磁場中熱処理炉を用いて、複数の被熱処理品を同時に熱処理する方法であって、
複数の前記被熱処理品を積み重ねた熱処理用保持具を前記冷却手段を含む熱処理炉壁に挿入し、前記リング状永久磁石組立体の中央空洞部内に位置せしめ、
前記中央空洞部内に所定の磁場を存在させた状態で、前記加熱手段により前記熱処理容器内の被熱処理品を熱処理するとともに、前記冷却手段により前記磁場発生手段を冷却し、
前記被熱処理品の熱処理が完了後、複数の熱処理品を前記熱処理容器から取り出すことを特徴とする磁場中熱処理方法。 - 請求項9に記載の方法において、前記被熱処理品が表面に磁性膜を形成したウェハ基板であり、当該ウェハ基板を磁場中に挿入した後、ウェハ基板の磁性膜の磁気特性が無くなる温度以上まで加熱し熱処理を行うことを特徴とする磁場中熱処理方法。
- 請求項9又は10に記載の方法において、複数の前記被熱処理品の集合体の軸線方向中心が前記磁場発生手段の軸線方向磁場中心とほぼ一致する位置で、前記被熱処理品集合体を保持することを特徴とする磁場中熱処理方法。
- 請求項9〜11のいずれかに記載の方法において、前記冷却手段を含む熱処理炉壁内を実質的に真空にした状態で熱処理を行い、前記磁場発生手段の表面温度を磁場中熱処理装置が設置されている室温と同等温度に維持することを特徴とする磁場中熱処理方法。
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