JP2004304173A - 磁場発生装置及びそれを用いた磁場配向装置 - Google Patents

磁場発生装置及びそれを用いた磁場配向装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 磁場強度、磁場均一度及び磁場平行度が安定しており、磁場磁化曲がり現象を抑制した磁場発生装置を提供する。
【解決手段】 隣接するセグメントが互いに異なる磁化方向としたN分割(Nは4以上の偶数)の永久磁石セグメントを有し、前記隣り合う永久磁石セグメントの磁化方向が交差してなす磁化方向基本位相角θをθ=720/N(度)とし、当該磁化方向を連続的に変化させることにより空洞部の直径方向の一方向に磁束が流れるように組み合わせた磁気回路から構成され、ここで1/4リングの右上にあたる磁気回路を基本構成ユニットとしたとき、この基本構成ユニットの磁化方向は時計回り方向を正として変化しており、少なくとも1つの永久磁石セグメントの磁化方向を前記磁化方向基本位相角θに対し正方向に変化させたことを特徴とする磁場発生装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、連続的に磁化方向が変化するように永久磁石を配置することによって空洞部に均一な平行磁場を発生するようになした磁場発生装置に関する。また、この磁場発生装置を用いて磁場配向を行う装置に関し、例えば、磁性膜を一方向に配向する為にウェハ基板を磁場中で熱処理する炉であるとか、焼結永久磁石やボンド磁石を圧縮成型や押出し成形などにより製造する際に、磁気異方性を持たせるために使用する配向金型等に関する。
従来、励磁電流を使用しないで磁場強度を得るものとして、例えばハルバッハ型磁気回路がある。この磁気回路については非特許文献1(”Journal of Applied Physics Vol. 86, No. 11, 1 December 1999”)、非特許文献2( “Journal of Applied Physics Vol. 64, No. 10, 15 November 1988”)、特許文献1(特許第2704352号公報)、特許文献2(特許第3115243号公報)に開示されている。このハルバッハ型磁気回路は磁化方向が異なる複数の永久磁石セグメントを組み合わせ、これらの合成磁場に方向性を持たせたものである。すなわち図17の平面図に示すように、分割された永久磁石セグメントSB1〜SB12が発生する磁束の流れにおいて、例えば、永久磁石セグメントSB1が外部に発生する漏洩磁束の流れに相当する部分にその流れに沿った方向とある角度を持った磁化方向を有する永久磁石セグメントSB2を配置し、以下同様に隣接する永久磁石セグメントの磁化方向を連続的に変化させて配置したものである。これにより、磁気回路の中央の空洞部内に強力でかつ均一な平行磁場Bを発生させることが出来るものである。従来、このハルバッハ型磁気回路として、円筒形の磁気回路構造や矩形の磁気回路構造が知られている。
また他に、1T(テスラ)前後の非常に強い磁場を発生する装置の磁場発生源としては、常伝導コイルを用いたもの、或いは超伝導コイルを用いたものが知られている。
以下、このような均一で強力な磁場を必要とする磁場発生装置について、磁性膜を有するウェハ基板の磁場中熱処理工程を例にとって説明する。
MR(Magnetoresistive)ヘッド、GMR(Giant Magnetoresistive)ヘッド、MRAM(Magnetic Random Access Memory)等は、一般に基板上に複数の強磁性膜が積層された構造を有する。例えばGMRヘッドは強磁性膜の間に非磁性絶縁膜が形成された構造を有し、またMRAMは基板側から順に反強磁性膜、固定磁性膜、非磁性絶縁膜及びフリー磁性層とした構造を有する。固定磁性膜及び反強磁性膜は全体的に一方向に平行な磁化方向を有するように膜全体を配向させる必要がある。
この配向工程は、基板にスパッタ法や反応性蒸着法により成膜した次の工程で行われ、均一な平行磁場中で熱処理をすることが必要となる。このとき通常0.5 T(テスラ)以上の配向磁場を印加する必要があり、固定磁性膜や反強磁性膜の材質によっては1.0 Tを超える配向磁場が必要とされる。ウェハ基板に配向磁場を印加しながら熱処理する磁場中熱処理炉として特許文献3(特開2001−135543号公報)に示すものがある。この磁場中熱処理炉の磁場発生手段は電磁コイルからなり、1.0 T以上の磁場を発生するためにはコイルに500〜800Aという大電流を流す必要がある。よって、大電流を用いるための安全性や設備が必要であるのみならず、磁場発生用に高額の電気代がかかり、また大電流により発生した熱を除去するために大量の冷却水を使用しなければならない。また構造的にも鉄と電磁コイルを用いて高磁場を作るため3〜5トンの重量となり、床強度が小さな階上では設置場所が限定されてしまう。さらに、漏洩磁束が非常に大きいために人体に与える危険性を考慮すると設備スペース以外に安全確保のための大きな空きスペースを作らねばならない。さらには周囲の電子機器への影響を抑えるため装置を鉄やパーマロイ等の磁性体で囲う必要がある
他方、超伝導コイルを用いると大量の電力を使用しないで磁場を発生させることができる。しかし電磁石に比べ励磁電流消費は抑えられるものの、超伝導状態を維持するために液体窒素又はヘリウムを常時消費しなければならず、運転コストが高い。また超伝導コイルを用いる方式では、磁場が変動すると局部的に超伝導状態が常伝導状態になってコイルが発熱し、放置すると装置全体の超伝導状態がくずれてしまう。さらに超伝導コイルは数T〜数10 Tの強磁場を発生できるが、電磁石と同様にその磁場強度に比例して強い漏洩磁場の範囲も広くなる。そのため、電磁石以上に漏洩磁場の問題が大となる。
また、特許文献4(特開平11−25424号公報)のように永久磁石を用いた磁場印加装置が提案されている。しかし、このものは磁場強度分布を調整することに重点がおかれ磁場強度は低く、強力な磁場配向装置に利用できるものではなかった。
以上のことから、均一磁場発生装置の磁場発生源として電磁石や超伝導磁石、また単純な永久磁石を用いた磁気回路では問題があった。この点で永久磁石のみを用いたハルバッハ型磁気回路によれば上記した電磁石や超伝導磁石等にあった問題点を解消できる可能性がある。
"Journal of Applied Physics Vol. 86, No. 11, 1 December 1999" "Journal of Applied Physics Vol. 64, No. 10, 15 November 1988" 特許第2704352号公報 特許第3115243号公報 特開2001−135543号公報 特開平11−25424号公報
被熱処理品が磁気抵抗膜を有するウェハ基板の場合、磁気抵抗効果を安定的に向上させるためには通常1.0 T以上の大きな磁場が必要である。更にこのとき磁場を磁性膜の磁化方向に対して平行かつ均一に印加する必要がある。しかしながら従来の電磁石、超伝導磁石あるいは永久磁石を用いた磁場発生装置では、強くて平行かつ均一な磁場を発生させることができなかった。
そこで、本願発明者らはこのような磁場発生装置としてハルバッハ型の磁気回路を用いることを検討した。しかし、ハルバッハ型磁気回路をこのような熱処理炉の磁場発生装置に用いた例はなく、そのため空洞部内の磁場強度、その均一度及び平行度の検討が必要であった。
本願発明者らの検討の結果、これらの磁場特性には不均一性があることが分かった。例えば、図17のMSに示すように進行方向末端の磁束の直線性が乱れ不平行になる、いわゆる磁化曲がり現象が生じることである。この磁化曲がりの度合いを示す指標として磁場平行度またはずれ角あるいはスキュー角がある。これは、主磁場発生方向と垂直な成分(x成分)、すなわち均一磁場領域内における断面(xy平面)の磁場印加方向の主磁場発生方向(y方向)からのずれ角を示しており、配向処理を行うウェハを設置する領域内においてより小さくすることが求められる。具体的にはこの磁場平行度が±2度以上になると磁性膜の特性にも悪影響を与える。
特に、この磁場発生装置は円筒状空洞を中央に有するが、この円筒状空洞内、長手方向の中心部から外側に向かっていくに従い、急激に磁場平行度は低下していく。そのため、この円筒空洞内にて前述の磁場平行度が±2度以内となる領域は円筒空洞長さの2分の1以下の領域でしか満足できない。そのため、磁場発生装置は十分な処理数を確保するため必然的に円筒状空洞は処理領域の2倍以上の長さが必要となり、磁場発生装置の大型化及び製造コストがかかってしまう。
これらのことより、本発明は1.0 T以上の強力で均一な平行磁場を発生することができる磁場発生装置であって、その磁場強度、磁場均一度及び磁場平行度が安定しており、特に磁場が必要な円筒状空洞の長さ方向全体において磁場磁化曲がり現象を抑制した磁場発生装置を提供することを目的とする。
また、もう一つの目的は、この磁場発生装置を用いて低コスト運転ができ、安全性が高く小型で高精度の磁場中熱処理炉に好適な磁場配向装置を提供することである。さらにこの磁場発生装置は均一な平行磁場を必要とする他の磁場配向装置に利用できるので、その例についても言及する。
本発明の磁場発生装置は、隣接するセグメントが互いに異なる磁化方向としたN分割(Nは4以上の偶数)の永久磁石セグメントを有し、前記隣り合う永久磁石セグメントの磁化方向が交差してなす磁化方向基本位相角θをθ=720/N(度)とし、当該磁化方向を連続的に変化させることにより空洞部の直径方向の一方向に磁束が流れるように組み合わせた磁気回路から構成される。このとき、磁気回路は図17の平面図に示すように、上下左右に対称な磁化方向の配置を採るため、右上半分の部分(1/4磁気回路)で代表させることができ、この部分を磁気回路の基本構成ユニットとする。この基本構成ユニットの磁化方向は時計回り方向を正として変化しており、少なくとも1つの永久磁石セグメントの磁化方向を前記磁化方向基本位相角θに対し正方向(時計回り方向)に変化させたものである。
本発明のもう一つの磁場発生装置は、所定の距離をおいて隣合う互いに異なる磁化方向としたN分割(Nは4以上の偶数)の永久磁石セグメントを有し、前記距離をおいて隣り合う永久磁石セグメントの磁化方向が交差してなす磁化方向基本位相角θをθ=720/N(度)とし、当該磁化方向を連続的に変化させることにより空洞部の直径方向の一方向に磁束が流れるように組み合わせた磁気回路から構成され、この基本構成ユニットの磁化方向は時計回り方向を正として変化しており、少なくとも1つの永久磁石セグメントの磁化方向を前記磁化方向基本位相角θに対し正方向(時計回り方向)に変化させたものである。
上記した磁場発生装置のうち、前者の磁場発生装置は永久磁石セグメントを連続的に連ねて磁気回路を構成したものである。これに対し、後者の磁場発生装置は、永久磁石セグメント同士の間に距離を空けて不連続に設けたもの、あるいは永久磁石セグメント同士の間に非磁性体を介して構成したものである点で相違している。これらの磁場発生装置において、磁化曲がりの現象は磁束と永久磁石セグメントの相対位置関係に影響があると推察し検討を行った。その結果、磁気回路を構成する永久磁石セグメントの磁化方向を、磁化方向基本位相角θに対し変化させることが効果的であることを見出したものである。
そして、変化させるセグメントとしては、基本構成ユニットを例にとって定義すればリングに対し45度付近に配置されたセグメントを基本位相角θに対し空洞部寄り、即ちこの場合時計回り方向に変化させることが最も望ましいことが分かった。このときの磁化方向基本位相角θからの変化量は、時計回り方向を正方向とした場合+15度以下であることが望ましい。但し、マイナス方向にまで変化させるのは好ましくない。変化量は+1〜+20度で効果が見られ、好ましくは+5〜+10度で、さらに好ましくは+5度近傍である。
本発明の磁場発生装置は体表的には略リング状の磁気回路から構成される。そこで本発明では、第1象限にあたる右上の1/4リング分の磁気回路を基本構成ユニットと呼んで本発明を定義している。従って、少なくとも基本構成ユニットにおいて本発明の要件を備えていることで発明の実施を確認できる。但し、必ずしもリング状でなくても構わない。図1を用いて具体的に説明すると、空洞部の直径方向の一方向に磁束が流れるようにするためには、1/4リングの右上の磁気回路は時計回り方向に磁化方向を連続的に変化させ、1/4リングの右下の磁気回路は引き続き時計回り方向に磁化方向を連続的に変化させる。一方、1/4リングの左上と左下にあたる磁気回路の磁化方向は左上から左下に向かって反時計回り方向に連続的に変化させる。ここで磁化曲がりを抑制するのに最も効果のあるセグメントはY軸(縦軸)正方向からの角度で、右上の磁気回路では45度近傍、右下の磁気回路では135度近傍、左下の磁気回路では225度近傍で、左上の磁気回路では315度近傍である。そして位相角の変化については、右上と左下の磁気回路では磁化方向基本位相角(白抜き矢印)から時計回り方向に所定角度内で変化させ、左上と右下の磁気回路では同じく(白抜き矢印)から反時計回り方向に所定角度内で変化させるものである。
本発明の磁場発生装置において、永久磁石セグメントの分割数Nは、磁気回路の組立性等の製造面、経済面の観点も含め8〜20までの偶数分割であることが望ましく、望ましくは10〜16であり、さらには磁場強度、均一度、磁場平行度等の特性面から12分割が最も好ましい。
本発明の磁場発生装置は、空洞部の全領域のうち中央から50〜70%の領域において少なくとも45度付近における磁場発生方向に対する磁場平行度(ずれ角あるいはスキュー角)は、磁気回路内の軸(長さ)方向の略全域において、±1度以内としたことを特徴としている。
また、本発明は、上記した磁場発生装置を用いた磁場配向装置に係わるもので、一つは本発明の磁場発生装置の空洞部内に位置し、外側から順に冷却手段と、加熱手段と、被熱処理品を保持する保持具とを有する熱処理装置である。またもう一つは、本発明の磁場発生装置を配向金型部に設置した永久磁石製造用の磁場配向装置である。
以下、本発明の実施形態についてさらに説明する。
先ず、本発明の磁場発生装置の概略斜視図を図1に示す。図は円筒体状のハルバッハ型磁気回路を構成したもので、互いに異なる磁化方向に配向した永久磁石セグメントをリング状に組み合わせたものである。本例のセグメントは12分割であり、各永久磁石セグメントS1〜S12は、さらに複数の永久磁石Mから構成され、これらの永久磁石の合成磁界が矢印方向に向くように組立てられている。
この磁場発生装置1において、隣合う永久磁石セグメントの磁化方向が交差してなす磁化方向位相角θはθ=720/N(度)で求められる。従って分割数Nが8,10,12,16,20のとき磁化方向位相角θは、それぞれ90,72,60,45,36度となる。これを磁化方向基本位相角とし、組立て誤差は多少あるものの、この角度になるように組むことによって磁化方向が連続的に変化し、図示するように左右から流れ込む磁束が効率的に一端に結集し、中央空洞部C10内に誘導されて直径方向に平行で均一な磁場Bを形成する。しかしながら、実際には少なからず磁化曲がり現象が生じることが確認されている。これは分割されたセグメント磁石間において、急激に磁化方向が変化するために中央の空洞部側にその磁化方向の変動の影響がでる為と考えられる。これを緩衝する一つの手段としては、セグメント分割数を増やすことである。これにより磁気回路空洞部内への磁気変動を小さくすることができ、より広い均一磁場領域が確保できる。逆に言えばより広い均一磁場領域をつくるにはセグメント分割数をより多くすることが好ましいと言える。しかし、下記で述べる特性面及び製作面や経済面等を勘案すれば、10分割程度は必要であるが、20分割までが現実的な分割数であると言える。これらセグメントの分割については後で述べることにする。
他方、より広い均一磁場領域を得ると言うことは、磁気回路の軸(長さ)方向の磁化曲がりを小さくする必要がある。これは磁場平行度、いわゆるずれ角あるいはスキュー角と呼ばれるもので、この値を小さくすることが磁化曲がりの抑制につながる。本願発明では永久磁石セグメントの磁化方向を上記基本位相角から変化させることによりこれを解決できることを見出したものである。具体的には12分割のリング状磁気回路をモデルに1/4リングを基本構成ユニットとして検討を行った。すなわち空洞部内における磁場分布を計算して求めたところ図2に示すようになることが確認された。この図は等高線Clで磁場平行度を示している。この解析結果から基本構成ユニットにおける外周側45度付近の領域の磁場平行度(ずれ角またはスキュー角)が最も大きく、かつ外周側45度付近近傍で急激に増大していることから、45度付近の磁石の磁化方向が磁場均一度に影響を与えていることが分かった。
次に磁場平行度についての検討を説明する。まず、図1においてリング状磁気回路のY軸正方向からの角度として15度、165度、195度、345度に相当する位置に配置された永久磁石セグメントS1、S6、S7、S12について磁化方向を基本角度から変動させる角度(変動角)ψを±5度としたときの空洞部内の軸(長さ)方向の磁場平行度の変化を図3に示す。図3の縦軸は磁場平行度を、横軸は磁気回路の長さを示し、磁気回路の軸(長さ)方向の中央から上下300mmにわたる磁場平行度の変化を示している。
次に、磁気回路のY軸正方向からの角度として75度、105度、255度、285度に相当する位置に配置された永久磁石セグメントS3、S4、S9、S10について磁化方向を基本角度から変動させる角度(変動角)ψを±5度としたときの空洞部内の軸(長さ)方向の磁場平行度の変化を図4に示す。
また、同様に磁気回路のY軸正方向からの角度として45度、135度、225度、315度に相当する位置に配置された永久磁石セグメントS2、S5、S8、S11について磁化方向を基本角度に対し、変動角ψを−5〜+15度としたときの空洞部内の軸(長さ)方向の磁場平行度を図5に示す。
これらの図が示すように、永久磁石セグメントの基本位相角に対しψを5度程度傾けることにより、磁気回路軸方向全域において、磁場平行度を1度以内にすることができている。しかし、各基本構成ユニットの磁気回路において45度付近に位置される永久磁石セグメントを傾けた図5によればψ=5度で平行度を±0.5度以内に抑えられており、より磁場平行度を低減できる効果が高いことがわかる。これらのことから永久磁石セグメントの磁化方向基準位相角を変化させることにより磁場平行度、ひいては磁化曲がりを抑制できること、また各磁気回路において45度付近に配置されるセグメントの位相角を変化させることがより効果的であることが確認された。
次に、1/4リング右上の基本構成ユニットについて時計回り方向を正として磁化方向基本位相角θから変動角ψ=−5〜+15度まで変化させた場合の面内磁束密度分布図(図2相当)の変化を基に好ましい変化量について検討した。具体的には空洞部内の均一磁場領域の外側で、かつ45度位置に相当する場所の磁場平行度(deg)を磁気回路の長さ方向(軸方向)全域±300mmにわたって求めた。その結果を図5に示す。図の縦軸は磁場平行度を、横軸は磁気回路の長さを示し、磁気回路の中央から上下300mmにわたる磁場平行度の変化を示している。図より磁気回路の中央から上下300mmにおいて変動角ψ=−5度では磁場平行度は1度以上の領域が多く現われ、1.5度以上ずれる領域も発生している。変動角ψ=0度では一部の領域(両端の±300mm付近)で磁場平行度が1度を超えている。対して、変動角ψが5〜10度では長さ方向全域において、磁場平行度は±1度以内になっている。しかし、変動角ψ=15度となると−1度を超えて−1.5度に近くなり磁場平行度が大きくなってしまうことが分かった。変動角ψの最適範囲は磁気回路の寸法などにより若干異なるが、変動角ψは0<ψ≦15度、さらに加工精度を±5°考慮することにより0<ψ≦20度近傍の範囲で磁場平行度を±1度以内に抑える効果があり、特に変動角が5度近傍で磁場平行度が空洞内全域で最も小さくなる。
尚、位相角を変化させる永久磁石セグメントは、図1の基本構成ユニットにおいては45度付近に位置するセグメントS2であり、磁気回路全体をみれば135度付近のセグメントS5、225度付近のセグメントS8及び315度付近にあるセグメントS11となり、セグメントS2、S8は時計回り方向に、セグメントS5、S11は反時計回り方向へ変動角ψ=15度以下で変化させることになる。また磁気回路の配置として図6に示すようにX−Y軸に対しセグメント配置をずらした、例えばAタイプとBタイプの構成が考えられるが、タイプBの場合は45度付近に配置されたセグメントS2、S3の2個について位相角を変化させることが望ましい。
また、磁場平行度は磁気回路の軸方向の長さにも依存することが分かっており、図7に示すように長くなればなるほど平行度は向上する。およそ300mm以上の長さが望ましいと言えるが、長くなればなるほど重量の増加が著しい。よって、平行度を維持したまま低背化することが望まれる。この点で磁化方向位相角θを変化させることにより磁化曲がりが補正されると共に磁場平行度の精度が上がるので、従来と同等の平行度を維持したまま低背化が可能である。また、これまでの例では磁気回路の上下端部で磁場平行度が悪化するため、磁気回路の一部の領域しか配向処理として使用できなかったが、本発明により、磁気回路全体が使用できるようになり、例えば配向磁場強度が異なる磁性膜ウェハ等も同時に同じ処理装置内で行うことができるため、配向磁場強度に合わせた装置を複数台設置する必要が無くなり、大幅な設備コストの低減が可能となる。
永久磁石セグメントに使用する永久磁石は、1.1 T以上の残留磁束密度及び1114 kA/m (14 kOe)以上の保磁力を有するものであってNd-Fe-B系磁石、Sm-Co系磁石、Sm-Fe-N系磁石等の希土類系磁石等が挙げられる。残留磁束密度が1.1T以下の磁石として、Baフェライト系磁石、Srフェライト系磁石、La及びCo添加のフェライト系磁石等のフェライト磁石の他に、Sm-Co系磁石、Sm-Fe-N系磁石等の希土類系磁石等が挙げられるが、製造上使用しても問題なく、製造コスト面を考慮すると、特に高い残留磁束密度を有するNd-Fe-B系磁石が好ましい。永久磁石は焼結磁石に限らずボンド磁石でも良い。Nd-Fe-B系磁石は耐熱温度が低いので従来の熱処理炉等に用いるのは困難であったが、例えば熱処理装置と磁場発生装置との間に冷却手段を設けることにより適用可能になる。
次に、磁場強度、磁場均一度及び磁場平行度が安定する望ましいセグメント分割数について検討した。
(a)磁場均一度
磁場均一度は、中央空洞部の中心から直径120mmの領域で、かつ軸方向の中央から150mmの領域内における最大磁束密度Tmaxと最小磁束密度Tminの比(Tmax - Tmin) / Tmaxをとった。縦軸に磁場均一度を、横軸に分割数をとった結果を図8に示す。尚、図中Aタイプ、Bタイプとあるのは図6に示す違いである。図8より磁気回路のセグメント分割形態の違い、即ちA、Bタイプによる磁場均一度の影響はないこと、そして12分割以上としても均一度の向上は見込めないことが分かった。
(b)中心磁場強度
中心磁場強度は、中央空洞部の軸方向中央で、かつ中心位置における主磁場発生方向の磁束密度をとった。主磁場発生方向は、図1に示すような磁気回路の中央空洞内に発生する磁場の方向であり、縦軸にその中心磁場強度(T)を、横軸に分割数をとった結果を図9に示す。尚、20分割に対する中心磁場強度の比率を右縦軸に記し点線で示している。図9より中心磁場強度は分割数の増加に伴って漸増するが、12分割以上ではほぼ一定となる。また、点線で示すように20分割した場合との中心磁場の対比は12分割で約3%以内の差に落ち着くことが分かった。
(c)磁場平行度
磁場平行度(ずれ角またはスキュー角)は、処理を行う被処理品の設置場所に相当する場所を評価領域とし、その領域内全域において磁場印加方向のずれ角を調べ、ここではその最大値を取上げている。縦軸に磁場平行度の最大値を、横軸に分割数をとった結果を図10に示す。図10より磁場平行度の最大値は分割数の増加により減少するが、12分割以上ではそれ以上の減少はなくほぼ一定となることが分かった。
また、一般的に磁場発生装置の長手方向に長さに比例して、円筒状空洞内における磁場平行度の小さい領域も増加するが、使用する永久磁石の重量も増加することから、磁場発生装置重量も増加し、製造コストも嵩んでしまい経済的ではない。
以上の評価の他に製造面また経済面からの評価が必要となるが、永久磁石セグメントの分割数が多ければ組立ては煩雑となる。また必要とする永久磁石の種類も多くなりコストも嵩むと言える。
以上のことより、本発明の磁場発生装置において永久磁石セグメントの分割数Nは8〜20分割が妥当であり、望ましくは10〜16分割、最も望ましくは12分割であると言える。
次に、永久磁石セグメント間に距離を置いた例について図11を用いて説明する。この例は主に永久磁石セグメントの製造のし易さ、組み立てのし易さ、またコスト等を考慮したものである。特に永久磁石セグメントを矩形形状とした場合は、永久磁石も矩形とすることができることから磁場発生装置全体が作り易くより安価にできる。図11(a)は、同一形状の矩形状永久磁石セグメントを所定の距離をあけて設けており、隣り合う永久磁石セグメントの磁化方向が交差してなす磁化方向を基本位相角θに対し上記したように変化させている。変化させる永久磁石セグメントはSR2、SR4、SR6及びSR8を変動角ψ=5度としている。尚、ここでの分割数は8としているが、無論それ以上の分割数をとっても良い。ただ永久磁石セグメント形状が台形や扇形ではないため、円形に配置し中央空洞内に均一平行磁場を発生するためには、この図に示すように永久磁石セグメント間に隙間が必要となる。この隙間を無くすことも可能であるが、その場合は図11(b)に示すように空洞内径が小さくなり、均一平行磁場領域もこれに比例して小さくなる。しかし、このような例は例えば小径のウェハを処理するためには有効な手段である。
以下、本発明の磁場発生装置を用いた実施例の図面を参照して説明する。
(実施例1)
本発明の磁場発生装置を磁場中熱処理炉に用いた例を図12に示す。図12は磁場中熱処理炉の概略構成を示す断面図である。磁場発生装置10は、上記した図1と同様の12分割の磁気回路からなり、各セグメントの永久磁石はいずれも1.45Tの残留磁束密度及び1192 kA/mの保磁力を有するNd-Fe-B系焼結磁石により構成した。リング状の磁場発生装置10は、3種類の磁気異方性方向を持つ3種類の扇状の永久磁石セグメントS1〜S12を周方向に全部で12個配列することにより形成されている。この扇状永久磁石セグメントS1〜S12は同一形状を有するので、扇形の中心角は30°、また磁極の磁化方向基本位相角θは60°である。セグメントの種類は3種類なので磁場配向を変えた永久磁石の種類も少なくて済む。尚、各永久磁石セグメントは扇形とする代わりに台形や矩形等にしても良い。また、各永久磁石セグメントは大型のものでは、1個の永久磁石で構成することは困難となるので、複数の永久磁石小片を組み合わせて構成している。また、図示を省略したが、各永久磁石のセグメントの外周側は軸方向に分割された複数の外枠部材(外リング)により磁気回路の保持を行うようになっている。かつ各永久磁石のセグメントが発生する吸引反発力を外リングで受けられるように各永久磁石のセグメントと外リングはねじなどの支持補助部材により機械的に結合して組立てられている。最終的には接着剤を用いてこのセグメントをリング状に一体化して磁場発生装置10を構成する。
上述したように磁場発生装置10における複数の永久磁石セグメントは、磁化方向が連続的に変化して中央空洞部内の直径方向に磁束が流れるようにリング状に組み合わされている。このとき、リング状磁気回路の中心から45度、135度、225度、315度に相当する位置にある永久磁石セグメントS2、S5、S8、S11(図1参照)の磁化方向位相角θが白抜きの矢印で示すように60度であったのをS2、S8は時計回り方向である黒の矢印方向に+5度、またS5、S11では反時計回り方向である黒の矢印方向に+5度だけ変化させている。こうして本例では変動角ψを5度に設定し、スキュー角を1度以内になるようにしている。また、磁気回路の内径D0は220mm、外径Dは850mm、軸方向長さ(高さ)Hは600mmである。ここでは5インチ(125mm)直径のウェハの処理のため、空洞内の必要磁場均一領域外径は125mmであり、これは磁気回路の内径D0対比56%の範囲にある。
熱処理装置20は、鏡面加工した内面をもつステンレス板からなる熱処理炉壁3と、その熱処理炉壁3の内側に冷却手段4を、その内側に被熱処理品Aを加熱するカーボン製等の電気ヒータ5を具備している。冷却手段4は水冷却管からなる冷却ジャケット40を構成しており、熱処理炉壁3を常時30℃以下に保ち磁場発生装置10が熱の影響を受けない構造としている。冷却ジャケットの他にヒートシンク板や断熱板を備えていても良く、この場合ヒートシンク板等は冷却ジャケット40と磁場発生装置10との間に設けられる。被熱処理品Aとしては5〜8 インチのウェハ基板が想定されることが多いことから、電気ヒータ5の内径は170〜250 mm程度のものとなる。但し、将来的には12インチ(300mm)も予想されるのでそれ以上の径も想定される。この熱処理装置は、熱処理炉壁内部全体を真空状態におくことを行った。これによりウェハ基板の側近で加熱することができ、ウェハ温度の制御性が向上し、温度制御が容易でウェハ温度の均一性を向上させて生産性を向上することができる。
熱処理炉壁3の一端はシール部材7により密封され、他端はシール用雄ネジ部8とシール用雌ネジ部9により密封されている。熱処理炉壁3の上部は密閉筒6により雄ネジ部8と密封されている。シール用雌ネジ部9の軸19には被熱処理品Aを熱処理炉壁3のほぼ中央部に保持するための熱処理用保持具12が備えられている。
熱処理用保持具12は、例えば磁性膜が形成されたウェハ基板を載置するためのトレーを約3〜10 mm間隔で25枚程度軸線方向に配置した構造を有する。トレー間隔は被熱処理材の直径に比例して大きくすることが好ましい。本発明の磁場発生装置の採用により、軸方向長さの広い範囲で磁場平行度を満たすことが可能となり、将来的にはウェハ径の大型化に伴い、製造効率上大きなメリットとなる。また熱処理用保持具12は熱処理炉壁3内で水平面内に回転自在である。そこで磁場印加方向調整のために被熱処理品Aが合成磁場と常に同方向となるように熱処理用保持具12を回転制御することが好ましい。
熱処理用保持具12の上端、中央及び下端に備えられた熱電対により温度を測定し、電気ヒータ5の温度をPID制御する。シール部7には吸気口が備えられている。排気口は密閉筒6上部に設けられ真空ポンプ(図示せず)と接続しており、熱処理炉壁3内を真空状態に維持する。例えば、被熱処理品Aが磁性薄膜を形成したウェハ基板の場合、約1×10-5〜1×10-6 Paの真空状態で熱処理するのが好ましい。吸気口は窒素ガスボンベと接続されており、必要に応じて熱処理炉壁3内を不活性雰囲気にする。
次に熱処理過程は以下のように行われる。
複数の強磁性膜と反強磁性膜に非磁性絶縁層を介して積層した磁性膜を備えた複数のウェハ基板を熱処理用保持具12のトレー上に配列し、熱処理炉内に挿入する。このとき、積み重ねた基板全体の中心を磁場発生装置10の軸方向長さの中心とほぼ一致させる。
シール用雄ネジ部8にシール用雌ネジ部9を螺着させて熱処理炉壁3を気密状態にした後、真空ポンプにより熱処理炉壁3内を排気し、1×10-5〜1×10-6 Paの真空度とする。
次に、図13の熱処理工程で示すように電気ヒータ5により300℃まで30℃/minで加熱する。他方冷却管4には冷却水を流し磁場発生装置10の外表面温度を炉が設置されている環境温度と同等(30℃程度)に維持する。300℃にウェハ基板を保ちながらウェハ表面に酸化膜が生成しないように窒素ガスをパージし、ウェハ基板上に生成された強磁性膜のキュリー温度でかつ反強磁性膜のネール温度以上の温度、例えば300℃±3%の温度に30-60分間保持しアニールする。その後窒素ガスのパージと排気を行いながら熱処理炉壁3内の温度を10℃/minで冷却し、ウェハ温度が150℃以下になったところでウェハ基板を炉内から取り出す。ウエハ基板上の磁性膜の特性を引き出すためには、上述のような長時間の熱処理工程が必要である。従って、一回の熱処理工程で処理できるウェハ基板の枚数が増加すれば、処理能力が向上し、製造コストを低減することが可能であり、製造効率上大きなメリットとなる。
ここで、ウェハ基板温度が降温時、すなわちキュリー温度及びネール温度を通過するときに一方向に均一な磁場が印加されていれば、磁性膜はその方向に磁気的に配向し、その温度以下では磁性膜は磁場の影響は受けない。よって、当初から空洞部内に磁場が存在していてもウェハの磁性膜にとって実質的な問題はない。
なお本明細書において用語「磁場中熱処理」を用いているが、この熱処理は「アニーリング」と呼ぶことができるものである。
ところで、本実施例において、熱処理すべきウェハ基板の直径を例えば5インチ、125 mmとすると、ウェハ外周と冷却手段を含む熱処理炉壁3の内壁との隙間を17.5 mm確保する場合、ヒータ5の厚さは例えば5 mmとし、熱処理炉壁3の内径は170 mmである。熱処理炉壁3の壁厚を10mmとし、各部材間のクリアランスの合計を5 mmとすれば磁気回路の内径Dは200 mm以上必要である。また、永久磁石の残留磁束密度Brが1.45 Tとすると、中央空洞部内の磁場強度が1.4 Tを超えるには、磁場発生装置の外径Dは850mm以上が必要である。そして軸線方向長さHについては600mm以上が必要である。また構造的な機械的強度を持つためには保持用外リングの厚みは30mm以上必要であり、最終的な磁場発生装置の外径Dは910mm程度となる。
そして、上記した磁化方向位相角θの調整を行うことによりさらに磁場平行度が向上し、従来では磁場平行度が1度以内の軸方向長さは450mm程度しかなかったが、この場合軸方向長さ600mmほぼ全域において磁場平行度が1度以内となり全域が使用可能となって製造効率上大きなメリットである。
また、配向磁場強度が端部で足りない磁場発生装置であっても、例えば軸方向中央を挟んで450mmの部分では強磁場配向薄膜用に使用し、上下150mmの部分を弱磁場配向薄膜用に使用する等で対応することで空洞内の全域が使用できる。このような使用方法によれば、多種類のウェハを1台の装置で処理することが可能であり、製造コストが低減できるだけでなく、磁場中熱処理装置の多能化を図ることができ、製造効率向上、装置の設置台数の削減による製造固定費の削減をはかり総合的な製造コストの低減が可能となる。
(実施例2)
以下、本発明の磁場発生装置を永久磁石の押出し成形機に用いた実施例について説明する。
本発明の磁場中押出し成形装置の一例を図14に示す。磁場発生装置10は、上記実施例と同様の12分割の磁気回路からなり、各セグメントの永久磁石はいずれも1.45Tの残留磁束密度及び1192 kA/mの保磁力を有する複数のNd-Fe-B系焼結磁石により構成した。磁気回路の内径D0は220mm、外径Dは850mm、軸方向長さ(高さ)Hは600mmである。
成形体は、磁石合金粉末(例えばNd-Fe-B系希土類磁石粉末)と熱可塑性樹脂(例えばポリアミド樹脂)を主成分とする原料混合物を加熱混練し、次いで磁場中で押出し成形して得られる。この成形体の異方性付与方向に沿って着磁することにより異方性の押出し成形体が得られる。図14の押出成形装置において、61は二軸混練タイプの押出成形機であり、一端側にホッパー62を有する、複数個に分割されたバレル63と、その内部に配設された2本のスクリュー64(図では1本のみ示す)と、バレル63の先端に設置されたアダプタ65とを有している。アダプタ65の吐出口に、成形金型66が接続され、この金型66の外側に磁場発生装置10を配置する。
図15に押出し成形機の配向部の詳細な断面図を示す。図16に図15のA-A断面を示す。図中、白抜きの矢印は磁場方向を表す。成形金型66のダイ66aで所望の成形体の形状になり冷却部66bで冷却され成形体67が作製される。磁場発生装置による配向領域は冷却部66b出口付近まで必要である。配向は温度の高いダイ部66aで行なわれるが冷却部を流れる際、成形体表面と金型の摩擦により成形体67表面の配向が乱れる。そのため表面の配向乱れを修正するため成形体67が冷却され配向が乱れなくなる冷却部66b出口付近まで均一に配向を行うことが重要である。磁場発生装置の中心部10aをダイの中心位置に合わせており、成形金型の冷却部の排出口端部から磁場発生装置の有効磁場区域10bまでの距離tは15mmとした。成形体は押出しの最中キャビティ内壁面と摺動するため摺動面での配向が乱れ、有効磁場区域外では表面配向の乱れが修正され難い。理想的には磁場区間66aで成形体を完全に冷却できれば好ましいが、凝固スピードの関係から距離tは2mm以上、30mm以内とすればこの成形体の配向度をほぼ低下させずに成形できることができる。また、磁場発生装置からの漏洩磁束により成形体、特に厚さが1mm程度の薄い成形体では、成形金型から押出された直後に変形してくずれてしまうことがある。その為、磁場発生装置の周囲に磁気シールド部10cを設けることが有効である。
具体的には、次のようにして薄物扁平状(厚さ方向に配向)の異方性ボンド磁石を得た。まず、重量百分率でNd:32.5質量%、Dy:3.0質量%、B:1.05質量%、残部実質的にFeからなる合金を高周波溶解によって溶解し、ストリップキャスト法により粗粉砕粉を作製した。この粗粉砕粉を水素吸蔵・脱水素処理を行った後、ランデムミルにて500μm以下の粗粉とした。この粗粉に対してパラフィンワックスを0.05〜0.10質量%添加・混合後、ジェットミルにより微粉砕した。ジェットミルの粉砕媒体は窒素ガスで、ガス圧は0.69MPa(7kgf/cm2)とした。得られた合金粉末の平均粒径は4.2μmである。合金粉末93質量%と熱可塑性バインダとしてエチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)2.0質量%、ポリエチレン(PE)1.5質量%、パラフィンワックス(PW)3.5質量%を混練して原料とした。ホッパー62を介してバレル63内に投入された原料70は、一対のスクリュー64の回転によりせん断力が加えられると共に、150〜230℃の温度で加熱溶融されながら成形金型66に搬送され、そこで所定の断面積に磁場中で絞り込まれて成形空間内を通過した。押出された成形体は金型から押出され、かつ磁場発生装置10により金型の出口付近で異方性化されて外部に排出された。押出し速度は1-2cm/s、無配向区間を15mmとして成形した。押出成形による予備成形体は厚さ1.0mm、幅10.0mmの薄板状である。この予備成形体を7mm角の大きさに打抜き加工を施し、薄肉形状の成形体を作製した。その後、この薄肉形状の成形体を表面粗度Raが10μm、厚さが2.0mmのBN板で挟み、炉中に設置した。BN板が成形体にかける圧力はBN板の自重によるものであり圧力は51.0Pa(0.52gf/cm2)である。また、その成形体のそばに酸素吸収剤としてNd-Fe-B磁石粉末を50g配置した。その後、この成形体を水素中で昇温速度20℃/h、脱脂温度615℃で脱脂した。焼結はAr中で昇温速度200℃/h、焼結温度1100℃でおこなった。
本発明によれば、磁場強度、磁場均一度及び磁場平行度が安定しており、特に磁場平行度に優れ磁化曲がり現象を抑制することができ、磁化まがり現象の少ない領域を同じ空洞内でより広範囲にすることができる。そして、1.0 T以上の強力で均一な平行磁場を発生することのできる磁場発生装置を提供することができる。
また、本発明の磁場発生装置を用いた磁場中熱処理炉によれば、磁化曲がりを抑制した複数枚の磁性膜基板のような被熱処理品に均一な平行磁場を印加でき、低コストで高品質の熱処理を行うことができる。
また、本発明の磁場発生装置を用いた押出し成型機によれば、同様に磁化曲がりを抑制した均一な平行磁場を印加でき、磁化配向度の高い高品質の永久磁石を得ることが出来る。
本発明の磁場発生装置の一例の概略構造を示す斜視図である。 本発明の磁場発生装置の空洞部内の磁場分布を示す図である。 本発明の磁場発生装置において一部の永久磁石セグメントの位相角を変動したときの磁場平行度の変化を示す特性線図である。 本発明の磁場発生装置において一部の永久磁石セグメントの位相角を変動したときの磁場平行度の変化を示す特性線図である。 本発明の磁場発生装置において磁化方向位相角θから変化させる変動角ψの範囲を示す特性線図である。 本発明の磁場発生装置における永久磁石セグメントの配置例を説明する図である。 本発明の磁場発生装置において磁場平行度と軸方向長さの依存性を示す特性線図である。 本発明の磁場発生装置における磁場均一度とセグメント分割数の関係を示す特性線図である。 本発明の磁場発生装置における中心磁場強度とセグメント分割数の関係を示す特性線図である。 本発明の磁場発生装置における磁場平行度の最大値とセグメント分割数の関係を示す特性線図である。 本発明の磁場発生装置において永久磁石セグメント間に間隔がある場合の実施例を示す概要図である。 本発明の磁場発生装置を用いた磁場中熱処理炉の一例を示す断面図である。 磁場中熱処理炉の熱処理工程を示す工程図である。 本発明の磁場発生装置を用いた押出し成形機の一例を示す断面図である。 押出し成形機の成形金型周辺部の拡大断面図である。 図15のA−A断面図である。 従来のハルバッハ磁気回路の例を示す上面図である。
符号の説明
1、10:磁場発生装置
S1〜S12、SR1〜SR12、SB1〜SB12:永久磁石セグメント
B:磁場
C10:中央空洞部
Cl:磁場平行度を示す等高線
MS:磁化曲がり
3:熱処理炉壁
4:水冷管
5:加熱手段(ヒータ)
6:熱処理容器(真空容器)
7:シール部
8:シール雄ネジ部
9:シール雌ネジ部
12:熱処理用保持具
61:押出し成型機
62:ホッパー
63:バレル
64:スクリュー
65:アダプタ
66:成形金型
67:成形体
70:原料

Claims (9)

  1. 隣接するセグメントが互いに異なる磁化方向としたN分割(Nは4以上の偶数)の永久磁石セグメントを有し、前記隣り合う永久磁石セグメントの磁化方向が交差してなす磁化方向基本位相角θをθ=720/N(度)とし、当該磁化方向を連続的に変化させることにより空洞部の直径方向の一方向に磁束が流れるように組み合わせた磁気回路から構成され、ここで当該磁気回路の右上の1/4の磁気回路を基本構成ユニットとしたとき、この基本構成ユニットの磁化方向は時計回り方向を正として変化しており、少なくとも1つの永久磁石セグメントの磁化方向を前記磁化方向基本位相角θに対し正方向に変化させたことを特徴とする磁場発生装置。
  2. 所定の距離をおいて隣合う互いに異なる磁化方向としたN分割(Nは4以上の偶数)の永久磁石セグメントを有し、前記距離をおいて隣り合う永久磁石セグメントの磁化方向が交差してなす磁化方向基本位相角θをθ=720/N(度)とし、当該磁化方向を連続的に変化させることにより空洞部の直径方向の一方向に磁束が流れるように組み合わせた磁気回路から構成され、ここで当該磁気回路の右上の1/4の磁気回路を基本構成ユニットとしたとき、この基本構成ユニットの磁化方向は時計回り方向を正として変化しており、少なくとも1つの永久磁石セグメントの磁化方向を前記磁化方向基本位相角θに対し正方向に変化させたことを特徴とする磁場発生装置。
  3. 前記磁気回路の基本構成ユニットにおいて、45度付近に配置された永久磁石セグメントの磁化方向を前記磁化方向基本位相角θに対し変化させたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁場発生装置。
  4. 前記磁化方向基本位相角θからの変化量は、+15度以下であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の磁場発生装置。
  5. 前記永久磁石セグメントの分割数Nが8〜20の偶数であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の磁場発生装置。
  6. 前記永久磁石セグメントの分割数Nが12であることを特徴とする請求項5に記載の磁場発生装置。
  7. 前記空洞部の平面方向の全領域のうち中央から50〜70%の領域において、少なくとも前記45度付近における磁場発生方向に対する磁場平行度は、磁気回路の軸(長さ)方向の略全域において、±1度以内としたことを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の磁場発生装置。
  8. 請求項1〜7の何れかに記載の磁場発生装置と、当該磁場発生装置の空洞部内に位置し、外側から順に冷却手段と、加熱手段と、被熱処理品を保持する保持具とを有する熱処理装置と、を具備することを特徴とする磁場配向装置。
  9. 請求項1〜7の何れかに記載の磁場発生装置を、永久磁石製造用配向金型部に設置したことを特徴とする磁場配向装置。
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