JP2003023191A - 磁場中熱処理炉及びそれを用いた熱処理方法 - Google Patents

磁場中熱処理炉及びそれを用いた熱処理方法

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JP2003023191A JP2002087661A JP2002087661A JP2003023191A JP 2003023191 A JP2003023191 A JP 2003023191A JP 2002087661 A JP2002087661 A JP 2002087661A JP 2002087661 A JP2002087661 A JP 2002087661A JP 2003023191 A JP2003023191 A JP 2003023191A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来にない設備コスト、製造コスト安で、か
つ安全性の高い、低漏洩磁場の磁場中熱処理を提供す
る。 【解決手段】 隣接する磁石が互いに異なる磁化方向と
なした永久磁石22を複数個組み合わせてリング状に構
成した外リング磁気回路2と、この外リング磁気回路2
の内側に備えられ、隣接する磁石が互いに異なる磁化方
向となした永久磁石21を複数個組み合わせてリング状
に構成した内リング磁気回路1とからなる磁場発生手段
と、前記内リング磁気回路1の中央空洞部20に、外側
から順に冷却手段3と加熱手段5及び真空容器6とを備
えた真空熱処理手段とから構成され、前記内外リング磁
気回路の軸方向の中央部と、前記真空容器6内に挿入さ
れ被熱処理部材が載置された熱処理台10の軸方向の中
央部がほぼ一致するようにした磁場中熱処理炉である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、MR(Magnetic r
esult)、GMR(Giant Magnetic result)、MRAM
(Magnetic Random Access Memory)等の製造プロセス
において真空容器内に配置された被処理部材を磁場中で
熱処理を行なうための磁場中熱処理炉及びそれを用いた
熱処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁気ヘッドは一般に基板上に反強磁性層
と強磁性層を複数積層した磁気シールド層を持つ、例え
ばスピンバルブ型の基板などから構成されている。反強
磁性層と固定磁性層とは隣接して形成され、両者の一般
的構造は薄膜素子では反強磁性層、固定磁性層、非磁性
導電層、フリー磁性層間で交換結合磁界が生まれること
により固定磁性層の磁化方向が単磁区化される。
【0003】このように交換結合磁界による固定磁性層
の磁化方向の単磁区化を行うためには、基板上に薄膜素
子を形成した後、磁場中での熱処理を行なう必要があ
る。通常0.5T(テスラ)以上の磁場を印加すること
が必要であり、固定磁性層の材質によっては、1.0T
を越える配向磁界が必要である。前記磁場を印加するた
めに従来、図15に示すように水冷管12を備えたコイ
ル13と、高周波コイル14の磁極間に真空容器6内に
被熱処理部材10を保持した真空熱処理炉、また、コイ
ル内に熱処理炉全体を納めたような構造の熱処理炉が用
いられている。さらに、特開2001−135543号
公報によれば、電磁石によって構成された磁界発生装置
と真空容器との間に、電気ヒータと水冷ジャケットを組
み合わせた加熱手段を配置した磁場中熱処理炉が開示さ
れている。
【0004】しかしながら、これらの磁場中熱処理炉の
磁界発生手段は電磁石を用いたものであった。この場
合、1.0T以上の磁界を発生するためには電磁石のコ
イルに500〜800Aという大電流を流す必要があ
り、安全性の面から好ましくない。また、大電流を用い
るための設備と直流電源装置を設置するためのスペース
も必要であり、生産上の制約もある。また、初期設備に
おいても電源の確保などでコスト高となる。さらに変動
費として電力代及び大電流により発生した熱量を冷却す
るため大量の冷却水を消費しなければならない。これら
が全体の製造コストを底上げする主要因となり問題であ
った。さらには上記構成では漏洩磁束が非常に大きく、
人体に与える危険性を考えると設備スペース以外でも安
全性確保のための空きスペースを作らねばならず、非常
に無駄なスペースができていた。
【0005】また、大量の電力を使用しないで磁場を発
生させる手段として、超伝導コイルを用いる方法や永久
磁石を用いる方法がある。超伝導コイルを用いる方法で
は、前記の電磁石に比べ励磁電流消費は抑えられるもの
の、超伝導状態を維持するため液体窒素、液体ヘリウム
などで常時冷却しておく必要があり、特に液体ヘリウム
は高価であるため、維持費がかさんでしまうという問題
があった。また、この方式では磁場調整が容易ではな
く、磁場調整に伴う磁場の変動により局部的に超伝導状
態が常伝導状態に移行してしまい、そのため熱を発生す
る。それを放置すると装置全体の超伝導状態がくずれて
しまうため、熱の放熱制御は非常に困難である。このた
め、磁場の調整、制御を困難にしていた。さらに超伝導
コイルは数〜数10Tの強磁場を発生できるが、その発
生磁場強度に比例して強い漏洩磁場の範囲も広くなるた
め、装置性能に比例して設置スペースを広くとる必要が
あり、さらに他の電子機器への影響を抑えるため装置を
設置する空間を鉄やパーマロイなどの磁性体で囲い、磁
気遮蔽を行う必要があるために膨大な設置費用を要して
いた。
【0006】一方、励磁電流を全く使用しないで磁場強
度を適宜変更する方法として永久磁石を用いたハルバッ
ハ型磁気回路構造とするものがある。「Journal of App
liedPhysics Vol.86,No.11 1 December 1999」及び 「J
ournal of Applied PhysicsVol.64,No.10 15 November
1988」あるいは特開平6−224027号公報にその一
例が記載されている。このハルバッハ型磁気回路の一例
を図16に示す。このハルバッハ型磁気回路は、磁化方
向が矢印のように異なる複数の永久磁石を組み合わせた
もので、図16で示した円形型ハルバッハ型磁気回路で
は、内リング磁気回路1と外リング磁気回路2とから構
成されており、内リング磁気回路1と外リング磁気回路
2が互いに回動可能な構造となっている。図16(a)
に示す角度に内リング磁気回路1と外リング磁気回路2
を回転させた状態では、各磁石の磁化方向から内リング
磁気回路の磁場方向と外リング磁気回路の磁場方向とが
一致するため、内リング磁気回路の中央空洞部20に
は、内リング磁気回路が発生する磁場と外リング磁気回
路が発生する磁場とを合わせた強度の磁場が矢印方向に
発生する。一方、図16(b)に示すように(a)から
外リング磁気回路を180度回転させた状態では、内側
リング磁気回路と外側リング磁気回路が個々に発生する
磁場強度が同じとき、中央空洞部では磁場がキャンセル
され略ゼロになる。これは内リング磁気回路の複数の永
久磁石の磁化方向による磁気回路に対して、外リング磁
気回路に設けられた複数の永久磁石の磁化方向が磁気回
路を妨げる方向に配置しているためである。以上によっ
て、両リングの回転角度により磁場の大きさがゼロから
最大まで調整できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上のことより、従
来、電磁石あるいは超伝導を用いた磁場中熱処理炉は知
られているが、これらは装置の大型化、電力・運転コス
ト、磁場調節、磁気漏洩等の問題をかかえている。一方
で永久磁石を用いた、例えばハルバッハ型磁気回路を用
いた磁場中熱処理炉の例は見当たらない。このような磁
場中熱処理炉では、特に、被熱処理部材がウエハー状の
磁気抵抗基板の場合、磁気抵抗効果を向上し、安定化さ
せるためには通常1.0T以上の大きな磁界強度が必要
とされ、さらに重要なことはこの磁界強度を磁性膜の磁
化方向に対して均一で平行な磁場を印加する必要がある
ことである。しかしながら従来、磁場強度を変化させる
ことは考えられたが、被熱処理部材と均一な平行磁場成
分について、あるいは磁石の大きさや重量、漏洩磁界等
と熱処理炉を組み合わせた磁場中真空熱処理炉に関して
の検討は不充分であり、技術的に確立されていない。
【0008】本発明は上記課題を解決するものであり、
従来にない小型で、設備コスト、製造コストの低減を図
り、かつ具体的な設計諸元を与え、高精度で均一な平行
磁場を発生でき、漏洩磁界を低減することが出来て安全
性の高い磁場中熱処理炉及びそれを用いた熱処理方法を
提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本願発明者は、永久磁石
を用いた磁場中熱処理炉を製造するに際し、複数の被熱
処理部材を一度に処理する場合、2重リング型ハルバッ
ハ型磁気回路を用いることにより被熱処理部材の径方向
に望ましい高精度で均一な平行磁場を印加して熱処理が
出来ること、また磁場強度の調節や構造諸元について新
たな知見を得るに至り本発明を想到した。即ち、本発明
は、隣接する磁石が互いに異なる磁化方向となした永久
磁石を複数個組み合わせてリング状に構成した外リング
磁気回路と、この外リング磁気回路の内側に備えられ、
隣接する磁石が互いに異なる磁化方向となした永久磁石
を複数個組み合わせてリング状に構成した内リング磁気
回路とからなる磁場発生手段と、前記内リング磁気回路
の中央空洞部内に位置し、外側から順に冷却手段および
/または断熱手段と加熱手段及び真空容器とを備えた真
空熱処理手段とから構成された磁場中熱処理炉である。
尚、本発明において真空熱処理手段と記載しているが真
空状態の程度は規定するものではない。即ち、本発明は
真空熱処理炉に限定するものではなく通常の熱処理炉を
含むものである。
【0010】本発明は、隣接する磁石が互いに異なる磁
化方向となした永久磁石を複数個組み合わせてリング状
に構成した外リング磁気回路と、この外リング磁気回路
の内側に備えられ、隣接する磁石が互いに異なる磁化方
向となした永久磁石を複数個組み合わせてリング状に構
成した内リング磁気回路とからなる磁場発生手段と、前
記内リング磁気回路の中央空洞部内に位置し、外側から
順に冷却手段および/または断熱手段と加熱手段及び真
空容器とを備えた真空熱処理手段とから構成され、前記
磁場発生手段の軸方向の中央部と、前記真空容器内に挿
入される被熱処理部材の軸方向の中央部がほぼ一致する
ようにしたことを特徴とする磁場中熱処理炉である。
【0011】本発明は、隣接する磁石が互いに異なる磁
化方向となした永久磁石を複数個組み合わせてリング状
に構成した外リング磁気回路と、この外リング磁気回路
の内側に備えられ、隣接する磁石が互いに異なる磁化方
向となした永久磁石を複数個組み合わせてリング状に構
成した内リング磁気回路とからなる磁場発生手段と、前
記内リング磁気回路の中央空洞部内に位置し、外側から
順に冷却および/または断熱手段と加熱手段及び真空容
器とを備えた真空熱処理手段とから構成され、前記外リ
ング磁気回路と前記内リング磁気回路は相対的に回転可
能であり、かつ前記中央空洞部で熱処理される被熱処理
部材と内リング磁気回路は相対的に方向が変わらないよ
うにしたことを特徴とする磁場中熱処理炉である。
【0012】本発明は、上記した磁場中熱処理炉を用い
て表面に磁性膜を形成した複数枚の基板を同時に熱処理
する方法であって、前記基板を複数枚積み重ねて載置し
た熱処理台を、前記外リング磁気回路を内リング磁気回
路に対し相対的に回転させることにより内リング磁気回
路の中央空洞部に発生する径方向磁場をゼロにした状態
にて前記真空容器内に挿入し、前記基板列の軸方向の中
央部が前記磁場発生手段の軸方向の中央部とほぼ一致す
る位置に保持し、前記外リング磁気回路を内リング磁気
回路に対し相対的に回転させることにより内リング磁気
回路の中央空洞部に所定の磁場が発生するようにした状
態にて前記加熱手段により真空容器内の磁性膜が形成さ
れた基板を加熱すると共に、前記冷却及び/又は断熱手
段により磁場発生手段側を冷却し、基板の熱処理時間が
完了後、外リング磁気回路を内リング磁気回路に対し相
対的に回転させることにより内リング磁気回路の中央空
洞部に発生する径方向磁場をゼロにした状態にて前記基
板列を真空容器内から取り出すことを特徴とする磁場中
熱処理方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の技術手段と実施形
態についてさらに説明する。本発明では、内リング磁気
回路と外リング磁気回路からなる2重リングハルバッハ
型磁気回路による磁場発生手段を構成したことにより、
軸(高さ)方向には比較的限られた範囲に集中して、水
平面内の一方向に向かって平行で均一な磁場を発生させ
ることができる。さらに、このとき中央空洞部の磁場強
度を任意に調節することが出来る。よって、比較的薄く
て大径の、例えば6〜8インチ以上の大型の磁性膜ウエ
ハー基板を複数枚積み重ねたものを一度に熱処理するよ
うな場合に有効である。また、従来であれば冷却構造は
最も発熱量の高いコイル部分に備えるだけのものであっ
たが、前記のように永久磁石、特にNd−Fe−B系希
土類永久磁石を用いるものは熱による影響が大きいた
め、磁気特性を変動させないようにするために冷却構造
や断熱構造を永久磁石に対して働くように加熱手段と磁
場発生手段の間に設置することで中央空洞内の磁場特性
を一定に保つことができ、安定した熱処理性能を得るこ
とが出来る。
【0014】上記した磁場中熱処理炉において、磁場発
生手段を構成する内リングと外リングの各磁気回路は相
対的に回転する構造ではあるが、被熱処理部材と内リン
グ磁気回路とは相対的に方向が変わらないようにするこ
とが望ましい。例えば、被熱処理部材と内リング磁気回
路を共に非回転となすか、あるいは被熱処理部材と同期
して回転するようになし、外リング磁気回路のみを回転
させる構成とすることが考えられる。これにより内リン
グの中央空洞部で発生する磁場は、外リングの回転に伴
って半径方向に平行で均一な0〜2T程度の磁界を可変
することが可能となる。電磁石コイルを使用する場合と
違って、通常、永久磁石では任意の値の磁界を得ること
が困難であるが、このように磁場印加手段として同心円
状の二重のリング磁気回路を回転させて使用することに
よって内、外リング磁気回路が発生する磁界のベクトル
合成から、任意の磁場強度を得ることができる。
【0015】また、磁場中熱処理を行う場合は、熱処理
過程では、品質安定化のため被熱処理部材を熱処理炉へ
の挿入時または取り出し時に磁場強度をゼロにする必要
がある。その際の磁場の変化を詳細に測定した結果、内
リング磁気回路の中央空洞部の磁場方向は内リング磁気
回路に同期して回転しながら磁場が0〜約2Tまで変化
することが分かった。よって例えば、外リング磁気回路
と内リング磁気回路の発生磁界の方向が反対となるよう
に外リング磁気回路を回転させ、磁場強度を最小、即ち
ほぼゼロにした状態で被熱処理部材を熱処理装置内に挿
入し、磁気回路の軸方向の中央部に被熱処理部材を設置
し、外リング磁気回路を回転させ、磁場強度を所望の強
度に調整した状態で被熱処理部材を熱処理し、熱処理完
了後、印加磁場強度を前記と同様にして再びほぼゼロに
した状態にて被熱処理部材を熱処理装置から取り出す。
このとき、被熱処理部材をそのまま回転しないように固
定しながら内リング磁気回路を回転させて中央空洞部の
磁場を変化させようとすると、被処理部材には内リング
磁気回路の最大磁場発生方向と平行に磁場が印加されな
がら磁場強度が低下していくことになる。したがって、
所望の方向とは違った角度に弱められながらとはいえ磁
場が被熱処理部材にかかるため、被熱処理部材の磁場配
向方向に影響を与え、最終的な被熱処理部材の特性にバ
ラツキや特性劣化が現れてしまう。よって前記内リング
磁気回路の中央空洞部で熱処理される被処理部材と内リ
ング磁気回路は相対的に方向が変わらない構造が好まし
い。
【0016】例えば、内リング磁気回路と外リング磁気
回路が発生する磁場強度が各々0.5T発生する場合、
即ち外リング磁気回路と内リング磁気回路の発生磁場が
同じ場合では、両リング磁気回路が発生する合成磁場は
ベクトル合成と同じとなることがわかったため、回転角
度と発生磁場振れ角は図9のようになる。このように内
リング磁気回路を回転し磁場強度を変化させた場合、磁
場印加方向は最終的には全く反対方向の180°になっ
てしまう。しかしながら、外リング磁気回路を回転した
場合は、この例では、振れ角は最大45°であるが、磁
場調整時の影響はほとんど無くなる。磁場調整時におい
ても被熱処理部材に常に一定の方向に磁場が印加するた
めには、両リング磁気回路の合成磁場ベクトル方向に、
内リング磁気回路か、または被熱処理台を回転させれば
よい。
【0017】ここで、内リング磁気回路と外リング磁気
回路との間に隙間を無くすように同心円状に配置する
と、ひとつのリング状の磁気回路と見なすことができ
る。内リング磁気回路と外リング磁気回路の隙間がある
と磁気抵抗が増大し、内リング磁気回路の中央空洞内の
磁場強度は低下するため、内リング磁気回路と外リング
磁気回路の間に隙間がないときが形状を最も小さくする
ことができる。したがって、形状的には内リング磁気回
路の内径、すなわちボア径と外リング磁気回路の外径で
性能は決まる。そこでウェハー最小処理サイズを1イン
チ(約φ25mm)とすると、加熱装置とウェハーの設
置スペースはφ30mm必要であり、真空断熱層として
幅20mmを確保すると真空容器はφ60mm、さらに
真空容器外周に空気による断熱層10mmを確保してφ
70mmとなり、さらに冷却装置設置にてφ110、熱
処理装置全体固定の取り付けスペースでφ120が最小
スペースとなる。またこの最小形状にて永久磁石の残留
磁束密度Brが1.45Tとすると、中央空洞部内の磁
場強度が1Tを越える形状は、図8に示すようにボア径
φ120mmでは外径φ300mm、長さは150mm
程度が必要となる。従って、実際には内リング磁気回路
の中央空洞部のボア径Dは120mm以上で、外リン
グ磁気回路の外径Dが300mm以上となり、長さも
100mm以上であることが1T以上の磁場を得るには
必要であると言える。
【0018】前述の「Journal of Applied Physics Vo
l.86,No.11 1 December 1999」によると、内リング磁気
回路内径側の中央空洞部内の磁場強度Bは中央空洞半径
をRi、外リング磁気回路外半径をRoとすると、B=
Br×ln(Ro/Ri)で計算できることがわかって
いる。しかしながら実際にシミュレーションによる磁場
計算を行った結果、図8のようにリング磁気回路の軸方
向の長さにより変化し、長さが小さくなると中央空洞内
の磁場強度は小さくなることがわかった。この結果から
分かるように中央空洞部内の磁束密度を1T以上発生す
るためには、前記外リング磁気回路の軸方向の長さH2
及び内リング磁気回路の軸方向の長さH1は共に100
mm以上の長さが必要である。本発明における被処理部
材の熱処理能力は中央空洞部内の均一磁場領域の長さに
比例する。磁場均一度としては通常±5〜10%が必要
である。従来の電磁石を用いた装置では、中央空洞部内
の均一磁場領域の長さは100mmに対し最低40mm
であった。つまり中央空洞部内の磁場強度を1.0T以
上にしようとすると従来装置でも磁気回路の長さとして
は最低100mmは必要である。
【0019】また、内リング磁気回路の軸方向の長さH
1より外リング磁気回路の軸方向の長さH2を短く(H
2<H1)することが漏洩磁束を低減する上で望まし
い。さらに内リング磁気回路及び/又は外リング磁気回
路の軸方向長さを半径方向外側に向かって短くすること
によりさらに軸方向の漏洩磁場を低減できることが分か
った。これらについては後述するが、この様な構造が結
果的にリング状磁気回路の漏洩磁束を小さくすることが
でき磁気回路の小型化、軽量化が可能となる。また、小
型化の手段として、内リング磁気回路の軸方向長さH1
を外リング磁気回路のH2より小さくしてもよい。これ
についても後述するが、同じ長さの均一磁場領域を確保
しようとした場合、半径方向に大きくすることより、長
さ方向に長くする方が、効率的に磁場強度を高くするこ
とができるため、より設置断面積を小さくできる。
【0020】また、前記外リング磁気回路及び内リング
磁気回路に使用される永久磁石は残留磁束密度が1.1
T以上を有し、かつ保磁力が1114kA/m(14kOe)以
上を有し、かつ内リング磁気回路の軸方向の長さH1と
外リング磁気回路の外径Dとの比が2≦D/H1≦
10であることが好ましい。この比は大きいほど均一な
磁場がより軸方向により広範囲に発生させることができ
る。この範囲にリング形状を納めることで磁石全体の重
量は少ない重量で効率よく高い磁場を発生させることが
可能である。尚、内リング磁気回路の軸方向長さを半径
方向外側に向かって短くした場合は、これの最大長さを
H1とすればよい。
【0021】本発明の磁場中熱処理炉において、前記し
た熱処理手段は、図1に例示するように鏡面反射層およ
びその外方に備えられた水冷管を有する冷却・断熱手段
と、赤外線やカーボンヒータ等を用いる加熱手段と、略
透明なガラス状の真空管とを具備し、前記真空管の内部
には真空管外部から被処理部材を複数枚載置した熱処理
台が挿入される構造とすれば、上記した磁場発生手段
(内外リング磁気回路)の中央部と被熱処理部材の中央
部を一致させることが比較的管理しやすい磁場中熱処理
炉となり、かつ永久磁石を用いた磁気回路部への熱的影
響をほとんどなくすことができる。すなわち、熱処理温
度は250〜300℃程度であるが、冷却・断熱手段が
加熱手段と磁場発生手段との間にあるので永久磁石への
熱影響が遮断され磁気回路の劣化が生じない。この点従
来のように高周波コイル等を用いてしまうと周囲へ与え
る熱影響もありさらに別途冷却・断熱手段が必要で対策
が困難となりやすい。
【0022】前記熱処理手段は窒素ガスなどの非酸化性
雰囲気での熱処理としても良い。また、内リング、外リ
ングに用いる永久磁石の組成はBaフェライト系、Sr
フェライト系、LaおよびCo添加のフェライト系、希
土類系のSm−Co系、Sm−Fe−N系等公知のもの
が全て適用できるが、残留磁束密度のより高いNd−F
e−B系であることが好ましい。Nd−Fe−B系磁石
は温度特性に問題が有り、従来構造では熱処理炉関係に
用いることは困難であったが本発明のような冷却・断熱
手段を構成とすることで問題なく適用可能である。これ
らは内リングの中央空洞部に必要とする磁場強度、熱影
響等により適宜選択可能であり、焼結体だけでなく樹脂
等と混合させたボンド磁石としてもよい。また、熱処理
方法として熱処理中を通して磁場を印加し続けて行う場
合もあり、その場合は、磁場は調整する必要はないた
め、磁場発生の調整手段として内リング磁気回路の外側
に配置する外リング磁気回路は配置しなくてもよい。
【0023】以下、本発明を図面に示す実施例に基づい
て説明する。 (実施例1)図1は本発明の実施の形態を示す一例であ
る。図中、1は内リング磁気回路、2は外リング磁気回
路であり、内外リング磁気回路を合成して磁場発生手段
を構成している。磁気回路の内部はNd−Fe−B系の
永久磁石(図中の斜線部)からなり、この永久磁石の磁
気特性を測定したところ、残留磁束密度=1.4T、保
磁力=1192kA/mであった。図2は図1の軸断面での
内リング磁気回路1と外リング磁気回路2の構成を示し
ている。本実施例において永久磁石は軸に対して12等
分割した互いに磁化方向の異なる3種類のセグメント磁
石21、22、23からなり、これらを図2に示す磁化
方向にリング状に組み合わせて内リング磁気回路1、外
リング磁気回路2をそれぞれ構成している。各々の永久
磁石の磁化方向は図2に示す通りであり、中央空洞部2
0には矢印で示す内リング磁気回路1と外リング磁気回
路2の合成磁界が半径方向に平行に印加される。本例の
内リング磁気回路1のボア径Dは360mm、外径D
は560mmとした。外リング磁気回路2の外径D
は1200mmとした。さらに両リング磁気回路の軸方
向の長さ(高さ)Hは420mmとした。内リング磁気
回路1と外リング磁気回路2は互いに回動自在な構造と
なるように若干の隙間を介して隣接しており、図示はし
ていないが外リング磁気回路2を駆動させるための駆動
手段として、外リング磁気回路の保持部材11の下部に
ギアが構成され、サーボモータ等により内リング磁気回
路に対して回転可能にしている。よって、本例では内リ
ング磁気回路は固定状態を保持するようにした。
【0024】次に熱処理炉の構成を説明する。本実施例
の真空熱処理手段は、水冷による冷却手段と電気ヒータ
による加熱手段及び石英ガラス等による真空容器とから
構成されている。まず図中3は冷却手段であり、内面は
鏡面反射層となるようにメッキ処理を施したタングステ
ン合金からなり、その他はセラミックス製のケースから
構成されている。セラミックス製ケースの内部には水冷
管4が備えられ、内部を冷却可能としている。また、下
記する電気ヒータ5と冷却ケースの間に断熱シートを介
在することは好ましいことである。5は電気ヒータであ
り赤外線加熱により真空容器内部の被熱処理部材を加熱
する。中央部には内径約220mmの石英ガラスからな
る真空容器(真空管)6が備えられる。ヒータによる真
空中の加熱が主として輻射熱により行われるため石英ガ
ラスは光学的に透明なものが良い。容器の内径は被熱処
理部材として6〜8インチのウエハー基板が想定される
ことから直径で約170〜220mmとすることができ
る。また、真空管6の一端部はシール部材7により真空
管6内外の気密性が保持され、他端部はシール雄ネジ部
8とシール雌ネジ部9により気密性が保持されている。
シール雌ネジ部9の軸には被処理部材を真空管6の略中
央部で垂下固定するための熱処理台10が備えられてい
る。熱処理台10は、例えば磁性膜が形成されたウエハ
基板を載置するためのトレーを配置間隔約6mmにて2
5枚程度軸方向に配列したものである。また、熱処理台
10は中央空洞部20内で面内方向に角度を変えられる
ように回転自在に保持する。これは、外リング磁気回路
2を回転させ、磁場調整を行っている際に、内リング磁
気回路1と外リング磁気回路の合成磁場の方向(最も磁
場が強くなる方向)がずれるため、それを角度を補正す
るため、外リング磁気回路2の回転角度と同期し、外リ
ング磁気回路2の回転方向と反対方向に回転させること
が好ましい。また、熱処理台10を前記のように回転さ
せるのではなく、内リング磁気回路1を回転させてもよ
いが、回転機構の構造が複雑になり、回転駆動モータも
2つ必要になり、かえって設備コストが増大するため好
ましくない。
【0025】電気ヒータ5の熱処理温度管理はPID制
御とし、前記熱処理台10の上端、中央、下端にそれぞ
れ備えられた熱電対により温度が測定され制御される。
また、シール部7は吸気口が備えられている。排気口は
真空管6上部に設けられ真空ポンプ(図示せず)と接続
されており、真空管6内部を真空引きすることにより所
定の真空状態に維持することが出来る。例えば、熱処理
対象物が磁性薄膜等の場合は1×10−5〜1×10
−6Pa以下の真空状態において熱処理することが好ま
しい。また、吸入口は不活性窒素ガスのボンベと接続さ
れており、パージ処理など必要により真空管を不活性雰
囲気にできるようにされている。
【0026】次に磁場中加熱する際の熱処理手順を説明
する。まず図2(b)に示すように外リング磁気回路2
を回転させ、中央空隙部20内の磁場が略ゼロになるよ
うにする。被熱処理部材として強磁性層と反強磁性層を
積層した磁性膜を備えたウエハ基板を熱処理台10のト
レー上に配列し真空管6内に上方また下方より挿入す
る、このとき積み重ねた基板列全体の中央部が内外リン
グ磁気回路1、2の中央部と略一致するように保持す
る。よって、内外リング磁気回路の軸方向の中央部近傍
に基板全体が入るように位置させる。その後、シール雌
ネジ部8とシール雄ネジ部9を螺着させて真空管6内を
気密状態にした後、真空ポンプにより真空管6内を排気
し、1×10−5〜1×10−6Paまでの真空度とし
た。被処理部材であるウエハ基板と内リング磁気回路の
方向はそのままに固定し、外リング磁気回路だけを回転
させ、図2(a)に示すように内リング磁気回路1と外
リング磁気回路2の角度を適宜調節し、1.0Tより大
きい磁場を発生させた。このとき水冷管4に水を流すと
共に電気ヒータ5により5℃/minで昇温させた。3
00℃±3%で温度を30〜60分間保持し、その後真
空炉6内の温度を2℃/min下げ、ウェハ温度が、1
50℃以下になったところで、再び図2(b)のように
内リング磁気回路1と外リング磁気回路2の角度を調節
し、磁場を略ゼロTにまで低減させていった。
【0027】発生させた中央空洞部20の磁場を測定し
たところ、表1に示すように厚み中央部の中央空洞部内
で±5%以下の均一磁場強度が得られていることを確認
した。また、図7に示すように磁石の軸方向長さ(厚み
方向)Hの位置による磁場強度の違いを測定したが、被
熱処理物が備えられる両リング磁気回路の長さ420m
mの中央部から±80mmの範囲で10%以下の均一な
磁場強度が得られていることを確認した。また、各測定
位置の磁場スキュー角度を測定したがすべて2°以内で
あった。さらに、室温での磁気特性と300℃保持中で
の磁場を比較したが両者に違いは見られなかった。そし
て、磁場中熱処理を行なった磁気ヘッドの特性を測定し
たが不良となるものは見つからなかった。また、本実施
例における漏洩磁場は、軸方向で磁気回路端面より35
0mm離れた地点にて10mT以下、また、磁気回路側
面から1m離れた点での漏洩磁場強度も1mT以下であ
り、漏洩磁場が小さいことを確認した。
【0028】
【表1】
【0029】(実施例2)本実施例は、実施例1に対
し、形状的には図3に示すように外リング磁気回路と内
リング磁気回路の軸方向長さ(H)を変えたものであ
り、そのほかは実施例1と同様である。本実施例におい
て永久磁石は軸に対して12等分割した互いに磁化方向
の異なる3種類のセグメント磁石21、22、23から
なり、これらを図2に示す磁化方向にリング状に組み合
わせて内リング磁気回路1A、外リング磁気回路2Aを
それぞれ構成している。内リング磁気回路1A、外リン
グ磁気回路2Aをそれぞれ構成した。各々の磁化方向は
図2に示す通りであり、8インチ(直径約200mm)
ウェハーの熱処理装置として内リング磁気回路1Aのボ
ア径Dは360mmとし、外径Dは560mmとし
た。外リング磁気回路2Aの外径Dは1100mmと
した。さらに内リング磁気回路の軸方向の長さH1は4
20mm、外リング磁気回路の軸方向の長さH2は50
0mmとした。また、図示はしていないが内リング磁気
回路を駆動させるための駆動手段として、内リング磁気
回路のケース11下部にギアが構成され、モータにより
外リング磁気回路に対して回転可能にしている。また、
内リング磁気回路と共に被処理物はともに回転しないよ
うに構成する。この点が熱処理方法において実施例1と
の相違点で、それ以外は実施例1と同様に行った。
【0030】発生させた中央空隙部20の磁場を測定し
たところ、表2に示すように厚み中央部の中央空隙部内
で±5%以下の均一磁場強度が得られていることを確認
した。また、磁石の長さ方向Hの位置による磁場強度の
違いを測定したが、被熱処理物が備えられる磁石の長さ
420mmの中央部から±80の範囲で±5%(レンジ
10%)以下の均一な磁場強度が得られていることを確
認した。したがって、この範囲で、被熱処理物を設置す
ること、または被熱処理台の長さをこれ以下にすること
が好ましく、この範囲を越えて配置した場合、磁場均一
度が低下するため、磁気ヘッドの特性が劣化してしま
う。また、各測定位置の磁場スキュー角度を測定したが
すべて2°以内であった。さらに、室温での磁気特性と
300℃保持中での磁場を比較したが両者に違いは見ら
れなかった。磁場中熱処理を行なった磁気ヘッドの特性
を測定したが不良となるものは見つからなかった。した
がって、熱処理完了後、ウェハー温度が50℃以下に下
がった状態にて内リング磁気回路と被熱処理部材を回転
させずに磁場調整を行っても性能に影響がないことを確
認した。実施例2の方が実施例1に比べ外リング磁気回
路の長さは約19%長く、半径は約10%小さいが、外
リング磁気回路だけの重量は、実施例1は実施例2の約
10%軽量となる。したがって、磁場発生装置としては
実施例2の方が実施例1に比べて設置断面積を小さくで
き、かつ均一磁場領域の長さを長くすることができる。
また、構成、制御面でも実施例1に比べ簡素であり、小
型、軽量、低設備コストになることがわかる。
【0031】
【表2】
【0032】(比較例1)ヒータを中央空洞部ではな
く、軸方向でリング磁気回路外に出る位置に備えた。そ
れ以外は実施例1と同様にして実験を行った。熱処理台
の各位置において温度分布にバラツキが発生し、各磁気
ヘッドの磁気特性にもバラツキが発生した。
【0033】(比較例2)冷却管と断熱手段を外し、そ
れ以外は実施例1と同様に実験を行なった。熱処理台の
各位置において温度分布のバラツキは発生しなかった
が、熱処理中のヒータの熱により内リング磁気回路の永
久磁石が減磁してしまい、十分な磁場強度を得ることが
できなかった。
【0034】(比較例3)実施例1と同様に永久磁石を
12等分割して内リング磁気回路1、外リング磁気回路
2をそれぞれ構成した。各々の磁化方向は図2に示す通
りであり、内リング磁気回路1のボア径Dは360m
m、外径Dは560mmとした。外リング磁気回路2
の外径Dは1100mmとした。さらに両リング磁気
回路の軸方向の長さ(高さ)Hは420mmとした。ま
た、図示はしていないが内リングを駆動させるための駆
動手段として、内リングのケース11下部にギアが構成
され、モータにより外リングに対して回転可能であり、
被熱処理部材は内リング磁気回路ではなく外リング磁気
回路と同角度回転するように構成した。それ以外は実施
例1と同様に行った。即ち、この比較例は被熱処理部材
と内リング磁気回路の相対位置が変化するようにした例
である。
【0035】発生させた中央空隙部の磁場は表2と同じ
測定結果であり、厚み中央部の中央空隙部内で±5%以
下の均一磁場強度が得られていることを確認した。ま
た、磁石の高さ方向Hの位置による磁場強度の違いを測
定したが、被熱処理物が備えられる磁石の厚みHの中央
部から±80mmの範囲で±5%以下の均一な磁場強度
が得られていることを確認した。また、各測定位置の磁
場スキュー角度を測定したがすべて2°以内の誤差しか
なかった。さらに、室温での磁気特性と300℃保持中
での磁場を比較したが両者に違いは見られなかった。し
かしながら磁場中熱処理を行なった磁気ヘッドの特性を
測定したところ磁気特性が実施例1および2に対して低
いものが発生し、特性不良として実装できないものが発
生した。
【0036】(実施例3)図4は他の実施例を示す内外
リング磁気回路の縦断面図である。図4は外リング磁気
回路2Bの軸方向長さ(高さ)を内リング磁気回路1B
のそれよりも短くした例である。また図5は同様に外側
の軸方向長さを内側よりも短くし、さらに内外のリング
磁気回路1C、2Cの軸方向長さ(高さ)を半径方向外
側に向かって徐々に短くしたものである。これらにより
軸方向の漏洩磁場をより低減することができることを知
見した。これにより磁気シール対策など磁気回路全体の
構造を複雑にすることなく漏洩磁場を小さくすることが
でき、リング状磁気回路の小型化、軽量化が可能でか
つ、熱処理装置全体の高さを低くすることができる。
【0037】この点は本発明の一つの特徴でもあるので
さらに詳しく説明する。リング状磁気回路の軸方向の漏
洩磁場を小さくするためには、リング状磁気回路の外径
を小さくするか、もしくは熱処理炉に被処理部材を挿入
する前の待機位置と磁気回路までの距離、または、漏洩
磁場が問題となる地点、漏洩磁場規制地点までの距離を
遠くすればよい。この方法はリング状磁気回路の断面形
状を外周側に向かうに従い、その距離を遠ざけるか、リ
ング磁気回路の長さを段階的もしくは直線的に短くする
かのいずれかが効果的であることと同じである。図6
(a)はリング状磁気回路を半径方向で二分割し、外周
側に設置されるリング状磁気回路の軸方向設置位置を内
リング磁気回路より被処理部材もしくは漏洩磁場規制領
域より遠くなるようにL1だけ離して配置した例であ
る。このとき内外リング磁気回路の軸方向長さLは同じ
である。図6(b)は上記(a)と同様に外リング磁気
回路をL1だけ離し、さらにこれの軸方向長さL2を内リ
ング磁気回路の軸方向長さLより短くした例である。こ
こで内リング磁気回路の軸方向長さLを1000mm、外
リング磁気回路の軸方向長さL2を600、800、10
00mmにしたときの、磁気回路中央空洞部の磁束密度と
磁気回路端面より150mm離れた地点(漏洩磁場観測
点)での磁気回路中心軸延長線上の磁束密度をシミュレ
ーションした結果を表3に示す。このときの中央部空洞
部の内径はφ300mm、内リング磁気回路の外径D
はφ450mm、外リング磁気回路の外径Dはφ67
0mmとした。
【0038】
【表3】
【0039】この結果より、磁気回路の軸方向長さが共
に同じ場合の漏洩磁場観測地点での漏洩磁場は約0.1
4Tであったが、外リング磁気回路の長さが800mm以
下では漏洩磁場は0.1T以下、即ち35%以下に低減
が可能となる。また600mmではさらに低減されてい
る。また、このときの磁気回路中央空洞部中心での磁束
密度は外リング磁気回路の長さが800mmのとき、10
00mmの場合に対し、3%弱しか小さくならず、漏洩磁
場の低減に対し、外リング磁気回路の長さの影響大であ
ることがわかる。さらに漏洩磁場を小さくしたい場所
が、軸方向の一方向だけである場合は、図6(c)に示
すように外リング磁気回路を片側の端面に合わせ、距離
L3分ずらして配置することによりその効果はより大き
くなることが分かった。
【0040】次に、リング状磁気回路の他の実施例につ
いて説明する。本発明では内リング磁気回路の内径が大
きくなるに従い、磁気回路を構成する磁極は一個の永久
磁石で構成することが困難となり、複数の永久磁石を組
み合わせて構成することになる。このとき1つのリング
状磁気回路を構成する1磁極の構成例を図10に示す。
ここでは、半径方向に3分割した形状としているが、2
分割以上であればよく、外半径がRaとなる永久磁石の軸
方向長さをLaとし、内半径Ra、外半径Rbとなる永久磁石
の軸方向長さをLbとし、内半径Rb、外半径Rcとなる永久
磁石の軸方向長さをLcとしている。よって、各永久磁石
の軸方向長さはLa>Lb>Lcであり外側に向かって段々に
短くなるように構成したものである。
【0041】図11はまた別の例を示している。この例
は磁石を多分割することにより形状的には2種類の第1
の小磁石41、第2の小磁石42に分割したものを組み
合わせて構成したものである。また、図の分割数は1つ
の磁石に対して偶数分割しているが、例えば3分割し、
両側に置いた磁石の間にもう1つの磁石を挿入するよう
な奇数分割を行えば磁力に助けられて組立がし易くな
る。尚、図の矢印は各小磁石の磁化方向を示す。また、
内外リング磁気回路の内径が小さければ、構成する永久
磁石形状も小さくなるため分割して構成する必要はな
く、1個の永久磁石で構成が可能となる。このとき、漏
洩磁場を低減する効果を得るために、永久磁石の軸方向
断面を略台形とすると良い。この2つの例を図12
(a)(b)に示す。これらは永久磁石の軸方向断面を
LoとLiとなしその寸法差から略台形状としたもので
ある。このような台形状を図10、図11に示した分割
構成の磁極に対しても適用は可能である。
【0042】また、実施例において、内リング磁気回路
及び外リング磁気回路に使用した永久磁石は、磁化方向
が3種類のものを適宜組み合わせたが、図13に示すよ
うに磁化方向が2種類の永久磁石43、44を用いて磁
気回路を構成することも出来る。また、永久磁石の円周
方向の分割数は8分割以上であれば良いが、それよりも
多分割の方がより望ましい。図14は内径:120m
m、外径:200mmのリング状磁気回路を用いて、横
軸は磁気回路の軸方向長さ(mm)で、縦軸のギャップ
磁束密度のピーク値(中央空洞部の発生磁場(T))を
測定したものである。図中の数値8及び12は分割数を
示しているが、この結果より分割数12は分割数8より
も5%程度中心磁場が増加することが分かった。
【0043】
【発明の効果】本発明により、均一な平行磁場が複数枚
の基板に均等に印加できるので磁性膜基板の品質が一様
に安定する。また、中央空洞部の被熱処理部材に対して
磁場強度調節できるので広範囲の利用ができる。また、
従来では熱処理中磁場をかける際の磁場発生用コイルの
漏洩磁場が大きいため、設置場所も制約され、さらに磁
気シールドに多大な費用を要していた。しかしながら本
発明では漏洩磁場が小さいため磁気シールドの必要性も
なく、装置全体の小型化、省スペース化により設備導入
コストを抑え、また磁場発生用電力を必要としないた
め、装置の運転維持費をわずかにする省エネ効果の高い
磁場中真空熱処理炉を提供できる。また、磁場発生用コ
イルに通電した際に発生する熱量もないため、磁場発生
用コイルへの冷却水が不要で配管等も無くなるため、熱
処理装置の構成が簡素化できる。冷却水は熱処理による
リング内永久磁石の温度特性変化を起こさないだけの量
で足り運転コストを低減させ、さらに熱処理炉の製造コ
ストを低減することができる。また、磁場発生用コイル
に通電する大電力が不必要であるため、電源設備コスト
等が省け設置スペースも少なくて良い。さらには漏洩磁
束は電流を用いて磁場を発生させるものより遥かに小さ
く、周囲の作業者に与える影響は皆無であり、製造工程
におけるライン構成も容易になる。これらを加味すると
設備コストのみだけではなく、ライン構成が容易でコン
パクト、運転コストも大幅に低減できる省エネルギーな
磁場中真空熱処理を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁場中熱処理炉の一例を示す要部断面
図である。
【図2】本発明の磁場中熱処理炉に用いる磁場発生手段
(内外リング磁気回路)の一例の要部断面図である。
【図3】内外リング磁気回路の他の実施例を示す要部断
面図である。
【図4】内外リング磁気回路の他の実施例を示す要部断
面図である。
【図5】内外リング磁気回路のさらに他の実施例を示す
要部断面図である。
【図6】内外リング磁気回路の軸方向長さの関係を説明
する説明図である。
【図7】磁気回路の軸方向長さ(厚み方向)Hによる磁
場強度の変化を示す測定結果である。
【図8】磁束密度と磁気回路の外径寸法及び軸方向長さ
の依存性を示す図である。
【図9】回転角度と発生磁場振れ角の関係を示す図であ
る。
【図10】永久磁石を分割して構成する場合の一例を示
す図である。
【図11】永久磁石を分割して構成する場合の他の例を
示す図である。
【図12】永久磁石の断面形状の例を示す図である。
【図13】2種類の磁化方向の永久磁石を用いる場合の
例である。
【図14】8分割と12分割の比較を示す磁石の軸方向
長さと中央空洞部の発生磁場の測定結果である
【図15】従来の磁場中熱処理炉を示す要部断面図であ
る。
【図16】ハルバッハ磁気回路の例を示す図である。
【符号の説明】
1:内リング磁気回路、2:外リング磁気回路、3:ケ
ース、4:水冷管 5:ヒータ、6:真空管、7:シール部、8:シール雄
ネジ部 9:シール雌ネジ部、10:熱処理台、11:保持部
材、12:冷却構造 13:コイル、14:高周波コイル 20:中央空洞部、21、22、23:永久磁石(磁
極) 1A、1B、1C:内リング磁気回路 2A、2B、2C:外リング磁気回路 40:分割型永久磁石、41、42、43、44:セグ
メント磁石(小磁石)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 隣接する磁石が互いに異なる磁化方向と
    なした永久磁石を複数個組み合わせてリング状に構成し
    た外リング磁気回路と、この外リング磁気回路の内側に
    備えられ、隣接する磁石が互いに異なる磁化方向となし
    た永久磁石を複数個組み合わせてリング状に構成した内
    リング磁気回路とからなる磁場発生手段と、前記内リン
    グ磁気回路の中央空洞部内に位置し、外側から順に冷却
    手段および/または断熱手段と加熱手段及び真空容器と
    を備えた真空熱処理手段とから構成されたことを特徴と
    する磁場中熱処理炉。
  2. 【請求項2】 隣接する磁石が互いに異なる磁化方向と
    なした永久磁石を複数個組み合わせてリング状に構成し
    た外リング磁気回路と、この外リング磁気回路の内側に
    備えられ、隣接する磁石が互いに異なる磁化方向となし
    た永久磁石を複数個組み合わせてリング状に構成した内
    リング磁気回路とからなる磁場発生手段と、前記内リン
    グ磁気回路の中央空洞部内に位置し、外側から順に冷却
    手段および/または断熱手段と加熱手段及び真空容器と
    を備えた真空熱処理手段とから構成され、前記磁場発生
    手段の軸方向の中央部と、前記真空容器内に挿入される
    被熱処理部材の軸方向の中央部がほぼ一致するようにし
    たことを特徴とする磁場中熱処理炉。
  3. 【請求項3】 隣接する磁石が互いに異なる磁化方向と
    なした永久磁石を複数個組み合わせてリング状に構成し
    た外リング磁気回路と、この外リング磁気回路の内側に
    備えられ、隣接する磁石が互いに異なる磁化方向となし
    た永久磁石を複数個組み合わせてリング状に構成した内
    リング磁気回路とからなる磁場発生手段と、前記内リン
    グ磁気回路の中央空洞部内に位置し、外側から順に冷却
    および/または断熱手段と加熱手段及び真空容器とを備
    えた真空熱処理手段とから構成され、前記外リング磁気
    回路と前記内リング磁気回路は相対的に回転可能であ
    り、かつ前記中央空洞部で熱処理される被熱処理部材と
    内リング磁気回路は相対的に方向が変わらないようにし
    たことを特徴とする磁場中熱処理炉。
  4. 【請求項4】 前記内リング磁気回路および外リング磁
    気回路は相対的に回転する構造であり、内リング磁気回
    路の中央空洞部で発生する磁場は、0〜2Tまで増減す
    ることが可能であることを特徴とする請求項1〜3の何
    れかに記載の磁場中熱処理炉。
  5. 【請求項5】 前記内リング磁気回路の中央空洞部のボ
    ア径Dは120mm以上、外リング磁気回路の外径D
    は300mm以上であり、かつ内リング磁気回路また
    は外リング磁気回路の軸方向の長さが100mm以上で
    あることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の磁
    場中熱処理炉。
  6. 【請求項6】 前記内リング磁気回路の軸方向の長さH
    1と外リング磁気回路の軸方向の長さH2とが異なるこ
    とを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の磁場中熱
    処理炉。
  7. 【請求項7】 前記内リング磁気回路および/または外
    リング磁気回路の軸方向長さを、半径方向外側に向かっ
    て短くしたことを特徴とする請求項1〜6の何れかに記
    載の磁場中熱処理炉。
  8. 【請求項8】 前記外リング磁気回路および内リング磁
    気回路に使用される永久磁石は残留磁束密度が1.1T
    以上、かつ保磁力が1114kA/m(14kOe)以上を有
    し、かつ前記内リング磁気回路の軸方向の長さH1と外
    リング磁気回路の外径Dとの比が2≦D/H1≦1
    0であることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載
    の磁場中熱処理炉。
  9. 【請求項9】 前記熱処理手段は、鏡面反射層およびそ
    の外方に備えられた水冷管を有する冷却・断熱手段と、
    赤外線を用いる加熱手段と、真空容器とからなり、前記
    真空容器の内部には当該真空容器の外部から被熱処理部
    材を載置した熱処理台が挿入される構造であることを特
    徴とする請求項1〜8の何れかに記載の磁場中熱処理
    炉。
  10. 【請求項10】 隣接する磁石が互いに異なる磁化方向
    となした永久磁石を複数個組み合わせてリング状に構成
    した外リング磁気回路と、この外リング磁気回路の内側
    に備えられ、隣接する磁石が互いに異なる磁化方向とな
    した永久磁石を複数個組み合わせてリング状に構成した
    内リング磁気回路とからなる磁場発生手段と、前記内リ
    ング磁気回路の中央空洞部内に位置し、外側から順に冷
    却および/または断熱手段と加熱手段及び真空容器とを
    備えた真空熱処理手段とから構成される磁場中熱処理炉
    を用いて、表面に磁性膜を形成した複数枚の基板を同時
    に熱処理する方法であって、前記基板を複数枚積み重ね
    て載置した熱処理台を、前記外リング磁気回路を内リン
    グ磁気回路に対し相対的に回転させることにより内リン
    グ磁気回路の中央空洞部に発生する径方向磁場をゼロに
    した状態にて前記真空容器内に挿入し、前記基板列の軸
    方向の中央部が前記磁場発生手段の軸方向の中央部とほ
    ぼ一致する位置に保持し、前記外リング磁気回路を内リ
    ング磁気回路に対し相対的に回転させることにより内リ
    ング磁気回路の中央空洞部に所定の磁場が発生するよう
    にした状態にて前記加熱手段により真空容器内の磁性膜
    が形成された基板を加熱すると共に、前記冷却及び/又
    は断熱手段により磁場発生手段側を冷却し、基板の熱処
    理時間が完了後、外リング磁気回路を内リング磁気回路
    に対し相対的に回転させることにより内リング磁気回路
    の中央空洞部に発生する径方向磁場をゼロにした状態に
    て前記基板列を真空容器内から取り出すことを特徴とす
    る磁場中熱処理方法。
JP2002087661A 2001-04-17 2002-03-27 磁場中熱処理炉 Expired - Fee Related JP4423586B2 (ja)

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