JP2017034253A - ダイポールリング磁界発生装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高コストの要因となる、断面が扇形や台形の永久磁石片を用いずに、環の内部空間に実質的に一方向の磁界を発生可能なダイポールリング磁界発生装置を提供し、かつ当該磁界発生装置の低スキュー角を達成する。【解決手段】ダイポールリング磁界発生装置を構成する各永久磁石片の断面形状を矩形とし、さらに該矩形の永久磁石片を複数、所定の位置に環状に配置する。ダイポールリング磁界発生装置は、1以上の永久磁石片から構成される永久磁石ユニットを少なくとも4個備えている。中でも、主要永久磁石ユニットである第1、第2、第3、及び第4の永久磁石ユニットは、各々5個以上の永久磁石片から構成されており、第1と第3の永久磁石ユニット、第2と第4の永久磁石ユニットはそれぞれ、磁界発生装置の中心軸に対して垂直な断面において、中心軸に対して対極に位置し、互いに向かい合う凹形状又はE形状を有している。【選択図】図1

Description

本発明は、ダイポールリング磁界発生装置に関する。
一般に、ダイポールリング磁界発生装置は、環状をなし、各永久磁石片の着磁方向が環の半周で1回転するように配列された複数の永久磁石片により、環の内部空間に実質的に一方向の磁界を発生し、好ましくは各永久磁石片が該一方向の磁界と同じ強度の磁界を有するように構成された磁界発生装置であり、磁気共鳴断層撮影装置(MRI)や半導体素子製造工程、そして基礎研究向け均一磁界発生手段等として広く利用されている(例えば、特許文献1)。従来、1軸性の均一な磁界発生手段としては常伝導電磁石、超伝導電磁石等が使用されているが、最近の高特性希土類永久磁石の開発により、希土類永久磁石(以下、単に永久磁石又は磁石と称する場合がある)を均一磁界発生装置として使用することが、例えば1T以下の低磁場では主流となってきている。
図4を参照して従来のダイポールリング磁界発生装置及びこの装置に使用する永久磁石片等を説明する。図4は従来のダイポールリング磁界発生装置6の中心軸に垂直な平面での模式的な断面図であり、複数の永久磁石片701〜724とそれを囲う外縁部ヨーク8で構成されている。図4において、各永久磁石片701〜724には、Nd−Fe−B系、Sm−Co系、Sm−N−Fe系等の略台形状若しくは扇形の希土類永久磁石が用いられる。更に外縁部ヨーク8には環状の強磁性若しくは非磁性材料が用いられる。なお、磁界発生装置を構成する磁石の分割数(永久磁石片の個数)は4分割から60分割程度まで可能であるが、磁気効率や回路製作の容易さを考慮すると、通常、12分割から36分割程度の範囲で構成磁石数が決定される。図4には24分割の例を示している。
永久磁石片701〜724は各々径方向に対し特定周期で磁化され、磁界発生装置6を構成する環の中心軸から見てちょうど対極にあたる永久磁石片同士が、互いに360度の角度差で着磁されていて、なおかつ隣接する構成磁石同士は通常、(1)、(2)式で示す角度差で磁化されている。
Figure 2017034253
θn:n番目の構成磁石の磁化方向
N:磁気回路の分割数(自然数)
n:セグメント番号(自然数)
このような構成により、ダイポールリング磁界発生装置6の環の内部空間には実質的に一方向の磁界(図4に示す主磁場成分(A)方向の磁界)が発生する。ここで、ダイポールリング磁界発生装置6の環の内部空間に発生する主磁場成分(A)方向(図4に示すX軸方向)を0°とした場合の、内部空間の任意の点における磁場ベクトルの角度(以下、スキュー角と称する場合がある)は、磁界発生装置の特性上、内部空間の中心では殆ど0°であるが、磁界発生装置の内壁に近づくほど悪化していく、すなわち大きくなる傾向が見られる。
一般のダイポールリング磁界発生装置を使用する際には、このスキュー角が大きい磁場成分が不純物、すなわちノイズと見なされることが多い。特に図4に示したような、磁界発生装置の中心軸に対して垂直な平面上のスキュー角成分(B)は、例えば半導体向け基板等の製造工程において、製造される素子の性能に大きく影響を与えるものと考えられており、それゆえ出来る限り小さく抑える必要がある。
特開2005−56903号公報
なお、ダイポールリング磁界発生装置を構成する各永久磁石片の形状は、図4に示されるように、通常、磁界発生装置の中心軸に垂直な平面での断面において扇形若しくは扇形を近似した台形としなければ、発生する磁場強度、磁場均一性の向上、及びスキュー角の低減が期待できないとされている。しかし、永久磁石、例えば希土類永久磁石等は紛体冶金法によって製造されるために、効率化の観点からは、断面が矩形の、全体としては例えば直方体状(柱状)として製造されることが望ましい。断面が扇形や台形のような異形品は製品歩留りが悪化するので高コスト要因となる。
また、希土類永久磁石等の異方性磁石の磁化方向は、製造工程中の磁場中成形によって決定づけられる。例えばNd−Fe−B系磁石の場合、磁化方向と非磁化方向で収縮率が大きく異なるため、直方体状の磁石であれば、特定の辺に対して磁化方向が平行になるように決定づけられる場合が多い。すなわち、磁石の磁化方向が断面における矩形の1辺と平行になるように成形すると、焼結後の磁石の変形が最も抑制できる。
例えば内部空間の磁場の均一性はある程度無視できて、磁場の指向性、すなわち低スキュー角を主に必要とするような磁界発生装置の場合には、従来のダイポールリング磁界発生装置のように台形等の異形品を使用した台形磁石で磁気回路を構成することなく、断面形状が矩形の磁石のみで、簡単かつ低コストで磁気回路を構成できたほうが望ましい。
従って、本発明の目的は、高コストの要因となる従来の断面が扇形や台形の永久磁石片を用いずに、磁界発生装置を構成する永久磁石片の断面形状を矩形に単純化しつつ、環の内部空間に実質的に一方向の磁界を発生可能なダイポールリング磁界発生装置を提供し、かつ、当該磁界発生装置の低スキュー角を達成することである。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、ダイポールリング磁界発生装置を構成する各永久磁石片の断面形状を矩形とし、さらに該矩形の永久磁石片を所定の位置に配置することによって、ダイポールリング磁界発生装置の低スキュー角を達成できることを見出し、本発明の完成に至った。
すなわち本発明は、円筒状のヨークの内周と外周の間に、周方向に環状に設けられ、かつ深さ方向が前記円筒状のヨークの中心軸に対して平行な少なくとも4個の磁石挿入孔が形成された、前記円筒状のヨークと、
前記少なくとも4個の磁石挿入孔に挿入された少なくとも4個の永久磁石ユニットと
を備え、前記円筒状のヨークの内部空間に、前記円筒状のヨークの径方向かつ実質的に一方向の磁界を発生するためのダイポールリング磁界発生装置であって、
前記中心軸をZ軸とし、前記中心軸に対して垂直な前記磁界発生装置の断面において、Z軸に対して垂直かつ前記一方向の磁界と平行な軸をX軸、Z軸及びX軸に対して垂直な軸をY軸とした場合に、
前記少なくとも4個の永久磁石ユニットは、前記断面における形状が、X軸を対称軸とした線対称、及びY軸を対称軸とした線対称となるように配置されており、
前記少なくとも4個の永久磁石ユニットの各々は、1以上の永久磁石片から構成され、かつ前記1以上の永久磁石片は、前記断面における形状が矩形であり、
前記1以上の永久磁石片は、前記永久磁石ユニットごとに共通な、前記矩形の各辺に対して平行又は垂直な磁化方向を有しており、かつ前記断面における前記少なくとも4個の永久磁石ユニットの各々の磁化方向は、X軸を対称軸とした線対称となるように配置されており、
前記少なくとも4個の永久磁石ユニットは、第1、第2、第3、及び第4の永久磁石ユニットを含み、前記断面において、X軸の正方向かつ前記一方向の磁界と同じ方向を0°及び360°とし、前記円筒状のヨークの一方の開口を形成する端部側から前記断面を見て反時計回りに、Y軸の正方向を90°、X軸の負方向を180°、Y軸の負方向を270°とした場合に、
(i)第1の永久磁石ユニットは0°〜20°及び340°〜360°の範囲内に、第2の永久磁石ユニットは70°〜110°の範囲内に、第3の永久磁石ユニットは160°〜200°の範囲内に、第4の永久磁石ユニットは250°〜290°の範囲内に配置され、
(ii)前記第1及び第3の永久磁石ユニットの各々を構成する前記1以上の永久磁石片は、Y軸に対して平行にかつ直線状に並べられた5個以上の永久磁石片であり、前記第2及び第4の永久磁石ユニットの各々を構成する前記1以上の永久磁石片は、X軸に対して平行にかつ直線状に並べられた5個以上の永久磁石片であり、かつ、前記第1〜第4の永久磁石ユニットの各々を構成する前記1以上の永久磁石片は、前記矩形の各辺がX軸に対して平行又は垂直であり、
(iii)前記第1及び第3の永久磁石ユニットの各々を構成する前記5個以上の永久磁石片の磁化方向は、いずれも前記一方向の磁界と同じ方向であり、かつ前記第2及び第4の永久磁石ユニットの各々を構成する前記5個以上の永久磁石片の磁化方向は、いずれも前記一方向の磁界とは逆方向であり、
(iv)前記第1〜第4の永久磁石ユニットの各々は、前記永久磁石ユニットの各々を構成する前記5個以上の永久磁石片のうちの両端の永久磁石片が、前記両端以外の永久磁石片に比べて前記内部空間に向けて突出した構造を有する、ダイポールリング磁界発生装置に関する。
本発明によれば、断面形状が矩形の永久磁石片を複数組み合わせ、それらを所定の位置に配置することにより、従来のダイポールリング磁界発生装置と比較して低コストでの製作が可能となるうえに、ダイポールリング磁界発生装置の磁場の指向性、すなわち低スキュー角を達成することができる。
本発明に係るダイポールリング磁界発生装置(1)の中心軸に対して垂直な平面での模式的な断面図である。矢印(A)は発生する磁界の主磁場成分方向を表し、各永久磁石片(201〜240)上に示す矢印は各永久磁石片の磁化方向を表す。 (a)は、本発明に係るダイポールリング磁界発生装置の中心軸に対して垂直な平面での模式的な断面図である。(b)は、本発明に係るダイポールリング磁界発生装置の中心軸を通る平面での模式的な断面図である。 本発明の実施例に係るダイポールリング磁界発生装置の中心軸に対して垂直な平面での模式的な断面図である。 従来のダイポールリング磁界発生装置の中心軸に対して垂直な平面での模式的な断面図である。矢印(A)は発生する磁界の主磁場成分方向を表し、矢印(B)はスキュー角成分方向を表す。各永久磁石片(701〜724)上に示す矢印は各永久磁石片の磁化方向を表す。
本発明では、ダイポールリング磁界発生装置の中心軸に対して垂直な平面における断面(以下、単に断面と称する場合がある)に表れる形状が矩形で、当該矩形の各辺に対して平行又は垂直な磁化方向を有する複数の永久磁石片を、円筒状のヨークの内周と外周の間に環状に、かつ所定の範囲内の位置に配置する。好ましくは、本発明で使用する複数の永久磁石片は、その全てが、断面における形状が矩形の永久磁石片である。断面における形状が矩形で、かつ磁化方向が当該矩形の各辺に対して平行又は垂直である永久磁石片を用いることで、従来のダイポールリング磁界発生装置、すなわち、断面における形状が扇形や台形で、上記した(1)及び(2)式のような規則で磁化方向が規定される永久磁石片を用いるダイポールリング磁界発生装置に比べ、より低コストで、効率的に一方向の磁界を発生可能なダイポールリング磁界発生装置の製作が可能となる。
ここで、本発明に係るダイポールリング磁界発生装置(以下、単に磁界発生装置と称する場合がある)において、スキュー角を低減し、指向性の高い一軸性の磁界を発生させるためには、断面における形状が矩形の複数の永久磁石片を、磁界発生装置の所定の範囲内の位置に配置することが必要となる。以下、図1及び図2を参照して、本発明の一実施形態に係る磁界発生装置における永久磁石片の配置等を説明するが、本発明は当該実施形態に限定されるものではない。図1及び図2に示すように、磁界発生装置の中心軸(ヨークの中心軸)をZ軸とし、中心軸に対して垂直な磁界発生装置の断面において、Z軸に対して垂直で、かつ磁界発生装置の内部空間に発生する実質的に一方向の磁界と平行な軸(NS磁場方向、主磁場成分方向(A)に相当)をX軸とし、Z軸及びX軸に対して垂直な軸(EW方向に相当)をY軸として、永久磁石片の配置等を説明する。
指向性の高い一軸性の磁界を発生させるためには、永久磁石片の配置は厳密に決定づけられなければならないが、一方で永久磁石片の配置は対称性を有するため、部分的に磁石配置を決定すれば、残りの場所の磁石配置は一意的に決定づけられる。磁石配置の対称性は、低スキュー角に大きく寄与する。すなわち、永久磁石片は、磁界発生装置の中心軸に対して垂直な平面(XY平面)に平行な磁界発生装置の断面において、X軸及びY軸に対して対称性を有するように配置される。すなわち、例えば図2の右上領域に示す四角い点線枠部分のみについて永久磁石片の配置が決定づけられれば、残りの領域の永久磁石片の配置も決定することができる。
更に、永久磁石片は、各基準(X軸、Y軸、Z軸の少なくとも1つ)に対して対称性を有するように配置することが好ましい。各基準に対して対称性を有する配置としては、例えば、磁界発生装置の前記断面において、(1)X軸に対して線対称の位置に、同じ形状(寸法)の永久磁石片を配置し、かつ磁化方向が、X軸に平行な方向に関しては同じ向き、Y軸に平行な方向に関しては逆向きとなるように配置すること、(2)Y軸に対して線対称の位置に、同じ形状(寸法)の永久磁石片を配置し、かつ磁化方向が、X軸に平行な方向については同じ向き、Y軸に平行な方向については逆向きとなるように配置すること等を含む。すなわち、永久磁石片は、前記断面における形状(寸法)が、X軸を対称軸とした線対称、かつY軸を対称軸とした線対称となるように配置され、前記断面における磁化方向が、X軸を対称とした線対称となるように配置されている。
本実施形態における永久磁石片の配置は、磁界発生装置の大きさや、必要な磁界強度及び磁場均一性の程度等によっても異なるが、概ね図1に示したような磁石配置となる。なお、各永久磁石片の磁化方向は、好ましくは図1に示すように、磁界発生装置の径方向又は周方向(円筒状のヨークの外周の接線方向)となる。各永久磁石片の磁化方向は、後述する永久磁石ユニットごとに共通である。また、後述するように、より具体的な各磁石の位置や寸法、各磁石の磁界の大きさや磁化方向、用いる磁石の個数等の値は、例えば最適化計算によって決定づけることができる。
また、本実施形態に係る磁界発生装置では、1以上の永久磁石片が適宜組み合わされて永久磁石ユニットを構成し、この永久磁石ユニットが少なくとも4個、円筒状のヨークの内周と外周の間において、ヨークの周方向に環状に配置されている。磁界発生装置の前記断面が備える永久磁石ユニットの数は、磁界発生装置の大きさや、必要な磁界強度及び磁場均一性の程度等によっても異なるが、好ましくは4〜24であり、より好ましくは8〜16である。また、各々の永久磁石ユニットを構成する永久磁石片の数は、前記断面での数として好ましくは1〜10であり、より好ましくは3〜6である。なお、磁界発生装置の前記断面が備える永久磁石片の総数は、好ましくは20〜240であり、より好ましくは24〜100である。図1に示す例では、断面において、12個の永久磁石ユニット(主要永久磁石ユニット401〜404、及び、補助永久磁石ユニット505〜512)がヨーク3の内周と外周の間に周方向に環状に配置されており、各永久磁石ユニットは各々1〜6個の永久磁石片(201〜240)から構成されている。断面における永久磁石片の総数は40個である。なお、永久磁石ユニットは、好ましくは各基準(X軸、Y軸、Z軸の少なくとも1つ)に対して対称性を有するように配置される。永久磁石ユニットが各基準に対して対称性を有する配置としては、上記した永久磁石片の場合(1)及び(2)と同様である。すなわち、上記した永久磁石片の場合と同様に、磁界発生装置の中心軸に対して垂直な平面(XY平面)に平行な磁界発生装置の断面において、その形状(寸法)はX軸を対称軸とした線対称、かつY軸を対称軸とした線対称となるように配置され、その磁化方向は、X軸を対称とした線対称となるように配置される。また、各永久磁石ユニットを構成する1以上の永久磁石片の磁化方向は、永久磁石ユニットごとに共通である。
磁界発生装置は、円筒状のヨークの周方向に環状に配置された、少なくとも4個の永久磁石ユニット(第1、第2、第3、及び第4の永久磁石ユニット、401〜404)を備える。第1、第2、第3、及び第4の永久磁石ユニットは、磁界発生装置が備える必須の永久磁石ユニット(主要永久磁石ユニット)であり、以下の(i)〜(iv)の特徴を有している。第1、第2、第3、及び第4の永久磁石ユニットは、内部空間に発生する径方向かつ一方向の磁界と平行な磁化方向を有する永久磁石ユニットであるため、指向性の高い一軸性の磁界を発生させるために必須の永久磁石ユニットである。中でも、前記一方向の磁界と平行かつ同方向の磁化方向を有する第1及び第3の永久磁石ユニットは、特に重要となる。
(i)第1〜第4の永久磁石ユニットの位置
例えば図1に示すXY平面に平行な磁界発生装置1の断面において、X軸の正の方向(磁界発生装置の内部に発生する一方向の磁界と同じ方向)を0°及び360°とし、前記X軸の正の方向から反時計回りに、Y軸の正方向を90°、X軸の負方向を180°、Y軸の負方向を270°とした場合、第1の永久磁石ユニット(401)は0°〜20°及び340°〜360°の範囲内に、第2の永久磁石ユニット(402)は70°〜110°の範囲内に、第3の永久磁石ユニット(403)は160°〜200°の範囲内に、第4の永久磁石ユニット(404)は250°〜290°の範囲内に配置される。すなわち、第1の永久磁石ユニット(401)と第3の永久磁石ユニット(403)は中心軸に対して対極に配置され、また第2の永久磁石ユニット(402)と第4の永久磁石ユニット(404)は中心軸に対して対極に配置される。ここで、前記した角度の「範囲内に配置」とは、XY平面に平行な磁界発生装置の断面において、各永久磁石ユニットを構成する永久磁石片の全てが、前記した角度の範囲内の位置に、かつヨークの内周と外周の間に収まるように配置されていることをいう。
(ii)第1〜第4の永久磁石ユニットの構成磁石片
第1及び第3の永久磁石ユニット(401、403)の各々は、Y軸に対して平行にかつ直線状に並べられた5個以上、好ましくは5〜10個の永久磁石片から構成される。第1及び第3の永久磁石ユニットが並べられる方向は、永久磁石ユニットを構成する永久磁石片の磁化方向に対して垂直である。また、第1及び第3の永久磁石ユニットを構成する5個以上の永久磁石片は、各々の磁化方向が同じ向き(前記一方向の磁界と同じ向き)となるように並べられている。一方、第2及び第4(402、404)の永久磁石ユニットの各々は、X軸に対して平行にかつ直線状に並べられた5個以上、好ましくは5〜10個の永久磁石片から構成される。第2及び第4の永久磁石ユニットが並べられる方向は、永久磁石ユニットを構成する永久磁石片の磁化方向に対して平行である。また、第2及び第4の永久磁石ユニットを構成する永久磁石片は、各々の磁化方向が同じ向き(前記一方向の磁界とは逆向き)となるように並べられている。上記のように、主要永久磁石ユニットである第1〜第4の永久磁石ユニットをそれぞれ5個以上の磁石で構成することにより、内部空間に発生する磁界強度を高めることができる。また5個以上の永久磁石片の各々の寸法を調整して組み合わせることで、単一の永久磁石片を使用するよりも、スキュー角を調整することが容易となる。更に、極端にアスペクト比の大きい単一の矩形磁石を作製する必要がないため、製造上も有利である。図1に示す例では、第1〜第4の永久磁石ユニットの各々の構成磁石片の数は6個である。なお、第1〜第4の永久磁石ユニットの各々を構成する1以上の永久磁石片は、上記したようにその全てが、断面形状が矩形のものであり、これらの第1〜第4の永久磁石ユニットの各々を構成する永久磁石片は全て、前記矩形の各辺が、X軸に対して平行又は垂直となるように配置されている。
(iii)第1〜第4の永久磁石ユニットの磁化方向
第1及び第3の永久磁石ユニット(401、403)の各々を構成する5個以上の永久磁石片は、磁化方向がいずれも磁界発生装置の内部空間に発生する一方向の磁界と同じ方向(X軸の正方向)となるように配置される。また、第2及び第4の永久磁石ユニット(402、404)の各々を構成する5個以上の永久磁石片は、磁化方向がいずれも前記した磁界発生装置の内部空間に発生する一方向の磁界とは逆方向(X軸の負方向)となるように配置される。第1〜第4の永久磁石ユニットについて、隣り合う永久磁石ユニット(例えば、第1の永久磁石ユニットと第2の永久磁石ユニット)は互いに磁化方向が180°異なるように配置される。
(iv)第1〜第4の永久磁石ユニットの形状
第1、第2、第3、及び第4の永久磁石ユニット(401、402、403、404)の各々は、永久磁石ユニットの各々を構成する5個以上の永久磁石片のうちの両端の永久磁石片が、前記両端以外の永久磁石片に比べて前記内部空間に向けて突出した構造を有する。すなわち、X軸上又はY軸上に配置され、かつ中心軸に対して対極に位置する一対の永久磁石ユニット(第1の永久磁石ユニットと第3の永久磁石ユニット、第2の永久磁石ユニットと第4の永久磁石ユニット)は、互いに向かい合う凹形状となるように構成されている。或いは、X軸上又はY軸上に配置され、かつ中心軸に対して対極に位置する一対の永久磁石ユニット(第1の永久磁石ユニットと第3の永久磁石ユニット、第2の永久磁石ユニットと第4の永久磁石ユニット)は、永久磁石ユニットの各々を構成する5個以上の永久磁石片のうちの両端の永久磁石片が、前記両端以外の永久磁石片に比べて前記内部空間に向けて突出した構造を有し、かつ、5個以上の永久磁石片のうち中央の少なくとも1個の永久磁石片が、前記両端の永久磁石片よりは前記内部空間に向けて突出していないが、前記中央及び前記両端以外の他の永久磁石片よりは前記内部空間に向けて突出した構造を有していてもよい。すなわち、互いに向かい合うE形状となるように構成されていてもよい。中央の少なくとも1個の永久磁石片は、5個以上の永久磁石片が奇数個存在するときは好ましくは1個であり、偶数個存在するときは好ましくは2個である。なお、図1に示す例では第1〜第4の永久磁石ユニットはこのE形状を有している。第1、第2、第3、及び第4の永久磁石ユニットを、このような両端が内径側に突出した凹形状又はE形状の構成とすることにより、磁束の一方向性を確保し、スキュー角の低減を達成することが可能となる。なお、両端の永久磁石片及び中央の永久磁石片は、磁界発生装置の径方向内側にのみ突出しており、径方向外側には突出していない。すなわち、第1〜第4の永久磁石ユニットの径方向外側は平坦であり、径方向内側のみが凹凸を有している形状となる。これは、磁界を発生する内部空間側において永久磁石ユニットの形状を調整した方が、磁界の変化に与える影響が大きいためである。
第1、第2、第3、及び第4の各永久磁石ユニットにおける両端の永久磁石片の突出の程度に特に制限はないが、第1及び第3の永久磁石ユニットの各々を構成する5個以上の永久磁石片のうち両端の永久磁石片のX軸に平行な各辺が、第1及び第3の永久磁石ユニットの各々を構成する5個以上の永久磁石片のX軸に平行な各辺の平均長さ(100%)に対し、101〜150%の長さを有することが好ましく、110〜140%の長さを有することがより好ましい。また、第2及び第4の永久磁石ユニットの各々を構成する5個以上の永久磁石片のうち両端の永久磁石片のY軸に平行な各辺が、前記第2及び第4の永久磁石ユニットの各々を構成する5個以上の永久磁石片のY軸に平行な各辺の平均長さ(100%)に対し、101〜150%の長さを有することが好ましく、110〜140%の長さを有することがより好ましい。なお、ここでのX軸又はY軸に平行な各辺の平均長さとは、個々の永久磁石ユニットを構成する5個以上の永久磁石片の全て(両端の永久磁石片も含む)についての、X軸又はY軸に平行な各辺の長さの平均をいうものとする。
また、永久磁石ユニットがE形状である場合には、5個以上の永久磁石片のうち中央の少なくとも1個の永久磁石片が、前記両端の永久磁石片よりは前記内部空間に向けて突出していないが、前記中央及び前記両端以外の他の永久磁石片よりは前記内部空間に向けて突出している。具体的には、第1及び第3の永久磁石ユニットの各々を構成する5個以上の永久磁石片のうち中央の少なくとも1個の永久磁石片のX軸に平行な各辺が、第1及び第3の永久磁石ユニットの各々を構成する5個以上の永久磁石片のX軸に平行な各辺の平均長さ(100%)に対し、80〜140%の長さを有することが好ましく、90〜130%の長さを有することがより好ましい。また、第2及び第4の永久磁石ユニットの各々を構成する5個以上の永久磁石片のうち中央の少なくとも1個の永久磁石片のY軸に平行な各辺が、第2及び第4の永久磁石ユニットの各々を構成する5個以上の永久磁石片のY軸に平行な各辺の平均長さ(100%)に対し、80〜140%の長さを有することが好ましく、90〜130%の長さを有することがより好ましい。なお、ここでのX軸又はY軸に平行な各辺の平均長さとは、個々の永久磁石ユニットを構成する5個以上の永久磁石片の全て(両端及び中央の永久磁石片も含む)についての、X軸又はY軸に平行な各辺の長さの平均である。(中央の永久磁石片よりも突出した両端の永久磁石片も含む平均長さであるため、上記のように中央の永久磁石片の長さは、5個以上の永久磁石片全ての平均長さよりも短くなる場合を含んでいる。)
また、第1、第2、第3、及び第4の永久磁石ユニットは、両端の永久磁石片のみが突出している凹形状、又は両端及び中央の永久磁石片が突出しているE形状に限らず、より多くの凹凸を有する形状であってもよい。スキュー角低減の目的で、凹凸の数は適宜調整され得る。なお、より多くの凹凸を有する場合であっても、スキュー角低減の観点からは、両端の永久磁石片が全ての永久磁石片の中で最も径方向内側に突出した形状であることが好ましい。
また、スキュー角低減、及び磁界強度の向上の観点から、上記した第1、第2、第3、及び第4の永久磁石ユニット(主要永久磁石ユニット)以外にも、更なる補助的な永久磁石ユニット(補助永久磁石ユニット)を配置することが好ましい。補助永久磁石ユニットは、所望の程度の低スキュー角が達成されるように、第1、第2、第3、及び第4の永久磁石ユニットの間に適宜配置される。具体的には、前記断面の周方向において、第1、第2、第3、及び第4の永久磁石ユニットの間に、それぞれ1〜4個、好ましくは2〜3個の補助永久磁石ユニットを配置することが好ましい。磁界発生装置の前記断面全体における補助永久磁石ユニットの数は所望の磁界強度やスキュー角低減の観点から適宜調整されればよいが、好ましくは4〜16個、より好ましくは8〜12個である。また、各補助永久磁石ユニットは、1以上(好ましくは1〜5個、より好ましくは1〜3個)の永久磁石片から構成されている。補助永久磁石ユニットは、スキュー角や磁界強度を微調整する目的で配置されるため、必ずしも複数の永久磁石片から構成される必要はなく、例えば、各補助永久磁石ユニットを構成する永久磁石片は1個であってもよい。一方、上記の第1〜第4の主要永久磁石ユニットは、その位置からスキュー角低減や発生磁界強度への関与が大きいため、補助永久磁石ユニット(例えば第5〜第12の永久磁石ユニット)よりも大きく(より多数の永久磁石片で)構成されることが好ましい。なお、上記したように、補助永久磁石ユニットについても、断面における形状(寸法)は、X軸を対称軸とした線対称、かつY軸を対称軸とした線対称となるように配置され、断面における磁化方向は、X軸を対称とした線対称となるように配置されることが好ましい。
図1の例では、4個の主要永久磁石ユニット(第1、第2、第3、及び第4の永久磁石ユニット、401〜404)に加えて、8個の補助永久磁石ユニット(第5〜第12の永久磁石ユニット、505〜512)が配置されている。第5〜第12の補助永久磁石ユニットは、断面の周方向において、第1、第2、第3、及び第4の主要永久磁石ユニットの間にそれぞれ2個ずつ配置されている。これら第5〜第12の補助永久磁石ユニットはそれぞれ1個又は3個の永久磁石片から構成され、所望の程度の低スキュー角が達成されるような位置に適宜配置されている。具体的には、図1の例においては、第5の永久磁石ユニットは25〜35°、第6の永久磁石ユニットは45〜65°、第7の永久磁石ユニットは115〜135°、第8の永久磁石ユニットは145〜155°、第9の永久磁石ユニットは205〜215°、第10の永久磁石ユニット225〜245°、第11の永久磁石ユニットは295〜315°、第12の永久磁石ユニットは325〜335°の範囲内に配置されているが、その配置はこれらに限定されるものではない。なお、スキュー角を小さくする観点から、第1及び第3の主要永久磁石ユニットの両隣には、1個の永久磁石片から構成される補助永久磁石ユニット(第5、8、9、12の補助永久磁石ユニット)が配置され、第2及び第4の主要永久磁石ユニットの両隣には、3個の永久磁石片から構成される補助永久磁石ユニット(第6、7、10、11の補助永久磁石ユニット)が配置されている。これらの配置や個数はスキュー角を小さくする内部空間の形状や大きさにより適宜選択される。
また、補助永久磁石ユニットの磁化方向は、磁界発生装置の径方向又は周方向(ヨークの外周の接線方向)となる。より具体的には、第1の主要永久磁石ユニット(磁化方向が、内部空間に発生する一方向の磁界と同じ)の両側に位置する補助永久磁石ユニット(第5及び第12の補助永久磁石ユニット)の磁化方向は径方向で、かつ外側に向いた方向となる。第2の主要永久磁石ユニット(磁化方向が、内部空間に発生する一方向の磁界とは逆方向)の両側に位置する補助永久磁石ユニット(第6及び第7の補助永久磁石ユニット)の磁化方向は前記接線方向であり、かつ前記一方向の磁界とは逆向きとなる。第3の主要永久磁石ユニット(磁化方向が、内部空間に発生する一方向の磁界と同じ)の両側に位置する補助永久磁石ユニット(第8及び第9の補助永久磁石ユニット)の磁化方向は径方向で、かつ内側(内部空間)に向いた方向となる。第4の主要永久磁石ユニット(磁化方向が、内部空間に発生する一方向の磁界とは逆方向)の両側に位置する補助永久磁石ユニット(第10及び第11の補助永久磁石ユニット)の磁化方向は前記接線方向であり、かつ前記一方向の磁界とは逆向きとなる。なお、各補助永久磁石ユニットを構成する1以上の永久磁石片の磁化方向も、補助永久磁石ユニットごとに共通して同じ方向となる。
より詳細な、各永久磁石片の寸法や位置、各永久磁石片の磁界の大きさや磁化方向等は、例えば準ニュートン法もしくは探索法等の各種数理計画法を用いて決定することができる。例えば、直方体状又は立方体状の永久磁石片の縦、横及び厚みや、その永久磁石片の配置等を決定するために、最適化計算を用いることができる。最適化計算に使用する最適化手法としては、様々な数理計画法が使用できるが、中でも準ニュートン法や探索法等の非線形計画法が好ましい。また、これらの最適化手法を組み合わせて局所的最適解を避けることや、計算時間を短縮することも可能である。最適化計算のファクターは磁界発生装置の内部空間のスキュー角(tan−1(By/Bx))とすることができ、このスキュー角が極小値となるように、設計変数を決定することができる。ここで、Bx、Byは、磁界発生装置が形成する磁場のX軸方向磁場成分(主磁場成分)、Y軸方向磁場成分(スキュー角成分)を示す。設計変数は、1)磁石の寸法(縦:磁化方向×横:非磁化方向×厚み:Z軸方向高さ)、2)磁石の位置(磁界発生装置の中心軸からの半径、内部空間の磁場発生方向を0度として角度θで決定)であり、各永久磁石片ごとに決定することができる。なお、複数の永久磁石片を連結したほうが磁界発生装置の製造が容易になるため、3個以上の永久磁石片が連結された状態の磁石ユニットを多く配置することが好ましいが、1個単独で又は2個が連結された状態の磁石ユニットを配置することで、スキュー角の低減が達成可能となる場合はそれらも使用する。なお、磁界発生装置は、所望の程度のスキュー角低減に影響を与えない程度であれば、上記した以外の、例えばX軸又はY軸に対して対称性を有さない永久磁石片又は永久磁石ユニットを任意選択的に備えていてもよい。
磁界発生装置に使用される永久磁石片としては、従来のダイポールリング磁界発生装置と同様に、Nd−Fe−B系、Sm−Co系、Sm−N−Fe系等の希土類永久磁石を使用することができる。具体的には、特に限定されるものではないが、比較的安価で高エネルギー積を有する、Nd−Fe−B系磁石の使用が好ましい。
また、前述のように、各永久磁石片の全体の形状は直方体状又は立方体状(柱状)である。すなわち、磁界発生装置の中心軸に垂直な平面での各永久磁石片の断面形状(図1〜3に表れる形状)は矩形となる。なお、矩形とは、長方形であっても正方形であってもよい。好ましくは、磁界発生装置に使用する永久磁石片の全てが、断面形状が矩形のものである。各永久磁石片の大きさは、磁界発生装置の中心軸に対して垂直な平面での断面として、各辺が50mm以下であることが好ましく、5〜40mmがより好ましく、5〜30mmが更に好ましい。このような範囲内のサイズの断面矩形の永久磁石片を複数組み合わせることで、所望の大きさと形状の永久磁石ユニットを構成することができる。なお、各永久磁石片の断面における矩形の長辺と短辺の長さの比(アスペクト比)は、所望のスキュー角低減が得られる範囲内で個別に適宜調整されればよいが、製造上の観点等から、矩形の長辺:短辺は、1:1〜8:1が好ましく、磁化方向の判別が容易になることも考慮すると1.1:1〜4:1がより好ましい。
また、各永久磁石片の軸方向の長さも、上記と同様に50mm以下であることが好ましく、5〜45mmがより好ましい。このような範囲内のサイズの永久磁石片を軸方向に複数個並べることで、例えば、磁界発生装置の軸方向の端から端まで(一方の開口部から他方の開口部に至るまで)、永久磁石片を配置することができる。なお、製造上の観点からは、各永久磁石片の軸方向の長さは全て同じであることが好ましい。例えば、図2(b)に示す例では、磁界発生装置の一方の開口部から他方の開口部に至るまで、同じ断面形状及び軸方向の長さを有する6個の永久磁石片を、軸方向に並べて配置している。なお、必ずしも磁界発生装置の軸方向の端から端に至るまで永久磁石片を配置する必要はなく、内部空間に磁界を発生する必要がある部分にのみ軸方向に永久磁石片を配置することでも構わない。具体的な永久磁石片の寸法は、要求される磁場強度や磁界発生装置の外径及び内径の大きさ等によって、上記した範囲内で適宜調整されればよい。なお、全ての永久磁石片は、ヨークの内周と外周の間に収まるように配置されており、すなわち、ヨークの内部に収納された状態となっている。更に、各永久磁石片の磁化方向は、断面を構成する矩形の各辺に対して平行又は垂直である。このため各永久磁石片は加工が容易であり、加工費用を低減することができる。
各永久磁石片が配置される円筒状のヨークは非磁性体で構成される。非磁性体としては、アルミニウム、SUS(ステンレス鋼材)等が挙げられるが、これらに限定はされない。ヨークに非磁性体を使用することで、上記したような各永久磁石片の配置に基づく磁界の指向性を保つことができる。ヨークは円筒状であり、その内径及び外径は、要求される磁場強度や、磁界発生装置の内部及び外部に設置する機器との関係等で決定され得る。例えば、ヨークの内径は、内部空間に発生する磁界を利用する機器を挿入することが可能な大きさに規定される。ヨークはその内周と外周の間に、周方向に環状に、かつヨークの中心軸に対して平行に設けられた、少なくとも4個(少なくとも断面における永久磁石ユニット数と同数)の磁石挿入孔を有している。好ましくは、磁石挿入孔は、ヨークの一方の開口を形成する端部から他方の開口を形成する端部にかけて貫通した貫通孔として形成される。ただし、磁石挿入孔は、永久磁石片の挿入が可能な範囲内であれば、ヨークの一方の端部にのみ貫通し、他方の端部には貫通していない孔として形成されていてもよいし、ヨークのいずれの端部においても貫通していない孔(ヨークの内部に存在する孔)として形成されていてもよい。なお、本明細書において、磁界発生装置の中心軸とヨークの中心軸とは同じ軸を指すものとする。また、磁界発生装置の中心点とヨークの中心点も同じ点を指すものとし、磁界発生装置かつヨークの中心軸上であって、中心軸方向の中点をいうものとする。
磁界発生装置は、ヨークの磁石挿入孔にそれぞれ、各永久磁石ユニットを構成する1以上の永久磁石片を挿入し、ヨークに固定することによって、製作することができる。各永久磁石片のヨークへの挿入は、例えば組立冶具等を用い、常法により行うことができる。また、予め1以上の永久磁石片を組み合わせて各々の永久磁石ユニットを準備してから、得られた永久磁石ユニットを磁界発生装置の磁石挿入孔に挿入してもよい。永久磁石片同士の接着は、例えば公知の接着剤を用いて行うことができる。挿入後の、各永久磁石片又は各永久磁石ユニットのヨークへの固定方法にも特に制限はなく、例えば、接着剤やボルト等を用いて固定することができる。
例えば、図1にあるように、同じ永久磁石ユニットを構成する複数個の永久磁石片を、バックプレート310と呼ばれる1枚の非磁性の板に接着して挿入用の永久磁石ユニットを作製する。この場合、バックプレート310は複数個の永久磁石片の外径側に配置される。挿入用の永久磁石ユニット単位で着磁を行い、着磁したユニットをヨークの磁石挿入孔に挿入していく。例えば、ヨークにガイドレールを取り付け、ユニットをガイドレールに沿わせて磁石挿入孔に挿入していくが、必要に応じて、ガイドレールを介してヨークと結合させたジャッキボルトなどでユニットを押していき、穴の中の所定の位置にユニットを配置することができる。ユニットが軸方向に分割されている場合は、分割数分、同じ作業を行う。予めヨークに設けた磁石挿入孔に合うようにバックプレートにネジ穴を設けておき、ネジでヨークにバックプレートを固定することでユニットを所定の位置で固定できる。また、図1の320に示すように、同じ永久磁石ユニットを構成する複数個の永久磁石片の内径側に、更にカバーを設けることも可能である。ヨーク3の内径を大きくする必要がある場合や、組立中の磁石を保護する必要がある場合、磁石の内径側がむき出しになることを避けるため、カバー320を設けることにより磁石を保護できる。カバーはバックプレートと同様に非磁性である必要がある。バックプレートやカバーの材質としてはアルミ合金や非磁性ステンレス、真鍮や樹脂などが使用できる。複数の永久磁石片を接着して永久磁石ユニットを構成し、着磁前にバックプレート及びカバーのどちらかもしくは両方を接着して、その後着磁し、ヨーク3に組み込むことができる。なお、挿入用の永久磁石ユニットにおけるバックプレートやカバーの有無に応じて、適宜、ヨークの磁石挿入孔の大きさは調整されればよい。
また、磁界発生装置は、上記のように少なくとも円筒状のヨークとその内部(内周と外周の間)に周方向に環状に配置された複数の永久磁石片とを備えるものであるが、所望の程度の磁場強度に応じて、ヨークに対して永久磁石片が占める割合を増やすことで、磁場強度を大きくすることができる。例えば、内外径が規定された範囲のヨークの断面において矩形の磁石片の占める面積を増やすには、断面中の永久磁石ユニット数及び/又は永久磁石片数を増やすことで対応することができる。さらに磁場強度を上げる場合は、永久磁石ユニット及び/又は永久磁石片の軸方向の長さを伸ばすことも効果がある。
上記のような構成により、断面形状が矩形の永久磁石片のみを使用して、磁界発生装置の環の内部空間に実質的に一方向の磁界を発生させることができる。本発明に係る磁界発生装置では、その内部空間の全域にわたって、スキュー角を低減することが可能である。ここで、磁界発生装置の環の内部空間における任意の箇所のスキュー角は、以下のようにして求めることができる。
スキュー角[deg]=tan−1(By/Bx)
Bx:主磁場(X軸方向)の磁場成分
By:副生成(Y軸方向)の磁場成分
なお、各磁場成分の測定はホール素子を使用したテスラメータを用い、各磁場成分を測定することにより行うことができる。1軸のみのホール素子の場合は、90°向きを変えて2回測定することでX,Y成分の測定を行う。最近では1つのプローブで複数の素子を入れるなどして同時にXYZの3成分を測定できるものもある。
磁界発生装置の内部空間の任意の箇所のスキュー角[deg]は、−2°〜2°の範囲内であることが好ましく、−1°〜1°の範囲内であることがより好ましい。なお、磁界発生装置の内部空間の全ての箇所において上記の範囲の低スキュー角を満たしている必要は必ずしもなく、前記内部空間の中心寄りの空間、具体的には、例えば前記内部空間内に規定される、前記円筒状のヨークと同じ中心軸及び中心点を有する円筒状の空間であって、ヨークの内径に対して50%以下の直径を有し、かつヨークの軸方向の長さに対して20%以下の軸方向の長さを有する円筒状の空間における任意の位置でのスキュー角が、少なくとも上記範囲内となっていればよい。すなわち、規定された円筒状の空間内における最大スキュー角[deg]が上記の範囲内であることが好ましい。なお、スキュー角は、磁界発生装置の特性上、磁界発生装置の内壁に近づく程(内部空間の外径側で)大きくなる傾向があり、逆に内部空間の中心に近づく程小さくなる傾向があるため、上記で規定した円筒状の空間よりも外径側の内部空間において測定したスキュー角が上記の好ましい範囲内であれば、上記で規定した円筒状の空間内における任意の位置でのスキュー角も、上記の好ましい範囲内であるということができる。
本発明に係る磁界発生装置は、永久磁石片が環状に配置され、環の内部空間に実質的に一方向の磁界を発生可能なもの(ダイポールリング磁界発生装置)であるため、従来のダイポールリング磁界発生装置と同様に、幅広い分野で好適に使用可能である。例えば、磁気共鳴断層撮影装置(MRI)や、半導体素子製造工程で使用する半導体ウエハ等の被処理基板の表面に所定の処理を行うように構成されたプラズマ処理装置、基礎研究向けの均一磁界発生手段等に利用することができ、また低コストでの製作が可能で、かつ低スキュー角を有するという性質から、特に、高精度なプラズマ制御や磁性膜の配向などの用途に好適である。
[実施例1]
実施例1として、図3に示すダイポールリング磁界発生装置を製作した。図3には、実施例1のダイポールリング磁界発生装置の中心軸に対して垂直で、かつ中心点を通る平面での断面図を模式的に示している。各永久磁石片には断面が矩形状(全体としては直方体状)のネオジム系希土類焼結磁石(信越化学製N45、磁力1.28T)を用い、ヨークには非磁性材料(ステンレス鋼材、SUS304)を用いた。ヨークは円筒状であり、外径は500mm、内径は430mm、奥行き(軸方向の長さ)は648mmとした。また、図3に示すように、中心軸に対し対極に位置する一対の永久磁石ユニット間の距離(一方の永久磁石ユニットの外径側の辺から、他方の永久磁石ユニットの外径側の辺までの最短距離)は、490mmとした。永久磁石片を接着して各永久磁石ユニットを作製し、各ユニットを着磁後にヨークの磁石挿入孔に挿入することにより、各永久磁石ユニットを構成する各永久磁石片をヨークの内部に組み込み、磁界発生装置の実機を組み立てた。なお、図3における磁石配置は、図1における磁石配置と同じであるため、図3では一部の符号を省略して示している。
図3に示す磁界発生装置に用いられる40個の永久磁石片201〜240のうち、X軸の正の方向かつY軸の正の方向に配置される磁石片の各々(201〜210)について、各磁石片の縦(各磁石片の磁化方向に対して平行な方向)、及び横(各磁石片の磁化方向に対して垂直な方向)の寸法を、下記の表1に示す。なお、各磁石片の厚み(磁界発生装置の奥行き方向の長さ)は36mmに固定した。磁界発生装置の奥行き(648mm)に合せ、磁石片を奥行き方向に18個並べて配置した。各磁石片の磁化方向は、各磁石片の各辺に対して平行又は垂直であり、図3中の各磁石片上に表された矢印の向きとして示されている。磁石片の配置はX軸及びY軸に対して対称性を有するため、全体としては図3に示すように環状に40個の磁石片(201〜240)が配置されている。
図3に示すように、40個の永久磁石片201〜240は、各々1個、3個、又は6個の永久磁石片を組み合わせて構成した第1〜第12の永久磁石ユニット(第1〜第4の主要永久磁石ユニット401〜404、及び、第5〜第12の補助永久磁石ユニット505〜512)として、ヨーク3の内部(内周と外周の間)に配置した。X軸の正の方向(磁界発生装置の内部に発生する一方向の磁界と同じ方向)を0°及び360°とし、反時計回りの角度θとして、Y軸の正方向を90°、X軸の負方向を180°、Y軸の負方向を270°とした場合に、第1の永久磁石ユニット(401)は0°〜20°及び340°〜360°の範囲内に、第2の永久磁石ユニット(402)は70〜110°の範囲内に、第3の永久磁石ユニット(403)は160〜200°の範囲内に、第4の永久磁石ユニット(404)は250〜290°の範囲内に入るように配置した。また、第1及び第3の永久磁石ユニットの各々は、Y軸に対して平行にかつ直線状に並べた6個の永久磁石片で構成し、かつ前記第2及び第4の永久磁石ユニットの各々は、X軸に対して平行にかつ直線状に並べた6個の永久磁石片で構成した。第1及び第3の永久磁石ユニットの各々を構成する永久磁石片の磁化方向は、いずれも内部空間に発生する一方向の磁界と同じ方向とし、かつ第2及び第4の永久磁石ユニットの各々を構成する永久磁石片の磁化方向は、いずれも内部空間に発生する一方向の磁界とは逆方向とした。第1、第2、第3、及び第4の永久磁石ユニットの各々は、永久磁石ユニットの各々を構成する6個の永久磁石片のうちの両端の永久磁石片が、前記両端以外の永久磁石片に比べて前記内部空間に向けて突出した構造を有している。また、中央の2個の磁石片は、両端の磁石片に比べては突出していないものの、両端及び中央以外の磁石片よりは内部空間に向けて突出した構造を有している。具体的には、第1の永久磁石ユニット401についてみると、構成磁石片である磁石片201、202、203、238、239、240のうち、末端に位置する磁石片203及び238の縦(磁化方向、ここではX軸方向)の長さは35mm、その隣に位置する磁石片202及び239の縦(磁化方向、ここではX軸方向)の長さは14mm、中央に位置する磁石片201及び240の縦(磁化方向、ここではX軸方向)の長さは26mmであり(表1参照)、すなわち第1の永久磁石ユニット401は内部空間に向けて末端と中央が突出したE形状として構成されている。第2、第3、第4の永久磁石ユニット402、403、404についても同様である。
更に、第5〜第12の永久磁石ユニット505〜512を、図3に示す位置に配置した。(なお、図3では符号を一部省略して示しているため、各永久磁石ユニットの符号については図1を参照のこと。)具体的には、第1の永久磁石ユニット401の周方向における両隣に、各々1個の永久磁石片から構成される第5及び第12の永久磁石ユニット(505、512)を配置した。第2の永久磁石ユニット402の周方向における両隣に、各々3個の永久磁石片から構成される第6及び第7の永久磁石ユニット(506、507)を配置した。第3の永久磁石ユニット403の周方向における両隣に、各々1個の永久磁石片から構成される第8及び第9の永久磁石ユニット(508、509)を配置した。第4の永久磁石ユニット404の周方向における両隣に、各々3個の永久磁石片から構成される第10及び第11の永久磁石ユニット(510、511)を配置した。具体的には、第5の永久磁石ユニット(505)は25〜35°、第6の永久磁石ユニット(506)は45〜65°、第7の永久磁石ユニット(507)は115〜135°、第8の永久磁石ユニット(508)は145〜155°、第9の永久磁石ユニット(509)は205〜215°、第10の永久磁石ユニット(510)は225〜245°、第11の永久磁石ユニット(511)は295〜315°、第12の永久磁石ユニット(512)は325〜335°の範囲内に入るように、ヨーク3の内周と外周の間に配置した。
なお、各磁石片(201〜240)の寸法と配置の詳細は最適化計算によって決定された。最適化には探索法を用い、最適化ファクターは図3に示した4箇所の評価点(図3中の一点鎖線で示された直径300mmの円周上の4箇所の黒丸)におけるスキュー角とした。得られた実施例1の磁界発生装置における最大スキュー角(deg)の評価結果を表1に示す。最大スキュー角(deg)は、前記4箇所の評価点におけるスキュー角の最大値とした。各評価点におけるスキュー角(deg)の測定方法は上記した通りである。実施例1の磁界発生装置における最大スキュー角は0.9°と低く、断面形状が矩形の磁石片のみを使用して、実質的に一方向の磁界を発生できたことが確認できた。
Figure 2017034253
[比較例1]
比較のために、実施例1のダイポールリング磁界発生装置と同等の性能を有する、図4に示す従来のダイポールリング磁界発生装置を製作した。図4に示す従来のダイポール磁界発生装置6は、略台形状の24個の構成磁石701〜724が環状をなすように配置され、その外周を環状の外縁部ヨーク8により囲われている。ここで、構成磁石701〜724は、それぞれ上記した式(1)、(2)により与えられる方向に着磁されており、中心軸から見て対極にあたる構成磁石同士は、互いに180度の角度差で着磁されている。このような構成により、ダイポールリング磁界発生装置6の環の内部空間には実質的に一方向の磁界が発生する。なお、該ダイポールリング磁界発生装置6の外縁部ヨーク8を含めた外径は700mm、内径(構成磁石601〜624により形成される内部空間の直径)は600mm、磁界発生装置の中心軸方向の奥行きは620mmとした。なお、略台形状の構成磁石701〜724にはネオジム系希土類焼結磁石(信越化学製N45、磁力1.28T)を用いた。外縁部ヨーク8には非磁性材料(ステンレス鋼材、SUS304)を用いた。得られた比較例1の磁界発生装置における最大スキュー角(deg)は0.9°であった。
上記したように、本発明に係る実施例1のダイポールリング磁界発生装置における最大スキュー角は0.9°であり、従来の比較例1のダイポールリング磁界発生装置における最大スキュー角の0.9°と同じであった。すなわち、製造が困難でコストがかかる台形状の磁石を使用せずとも、断面形状が矩形の磁石のみを使用し、それらを所定の位置に配置することで、従来のダイポールリング磁界発生装置と同様な低スキュー角を得ることができた。
[コスト比較]
また、本発明に係る実施例1のダイポールリング磁界発生装置と、従来の比較例1のダイポールリング磁界発生装置について、コストに関する比較を行った。結果を以下の表2に示す。コスト算出条件は、生産台数を100台とし、単位時間当たりの製造コスト(作業単価)は同一とした。比較例1の磁界発生装置のコストを100%とし、実施例1の磁界発生装置のコストを%で示した。なお、表2中の「磁石」では、断面形状が矩形(実施例1)又は台形(比較例1)の磁石を製作するために必要な、材料及び加工に要したコスト(購入した場合は購入金額)を比較し、「ヨーク」では、各ヨークの製作に必要な、材料及び加工に要したコスト(購入した場合は購入金額)を比較した。「組立費」では磁界発生装置の組立てに要した人件費を、「その他」では磁石、ヨーク以外の補材(ガイドレールやジャッキボルト、接着剤等)に要したコストを、「製品価格」では最終的な製品価格としての試算を比較した。比較の結果、実施例1の本発明に係るダイポールリング磁界発生装置は、比較例1の従来のダイポールリング磁界発生装置と較べて大幅にコストが低減(例えば、最終的な製品価格についてはコストが50%低減)できることが確認された。特に「磁石」に関しては、断面形状が矩形の永久磁石片を使用することで(実施例1)、断面形状が台形の永久磁石片を使用するよりも(比較例1)、材料使用量と加工に要するコストが大幅に削減できたことがわかる。
Figure 2017034253
以上のように、断面形状が矩形の永久磁石片を複数、所定の位置に配置することで、従来のダイポールリング磁界発生装置と比較して低コストでの製作が可能となるうえに、所望の低スキュー角を達成することが可能となった。
1 ダイポールリング磁界発生装置
201〜240 永久磁石片
3 ヨーク
310 バックプレート
320 カバー
401〜404 主要永久磁石ユニット
505〜512 補助永久磁石ユニット
6 ダイポールリング磁界発生装置(従来)
701〜724 永久磁石片(従来)
8 外縁部ヨーク(従来)
A 主磁場成分(Bx)
B スキュー角成分(By)

Claims (7)

  1. 円筒状のヨークの内周と外周の間に、周方向に環状に設けられ、かつ深さ方向が前記円筒状のヨークの中心軸に対して平行な少なくとも4個の磁石挿入孔が形成された、前記円筒状のヨークと、
    前記少なくとも4個の磁石挿入孔に挿入された少なくとも4個の永久磁石ユニットと
    を備え、前記円筒状のヨークの内部空間に、前記円筒状のヨークの径方向かつ実質的に一方向の磁界を発生するためのダイポールリング磁界発生装置であって、
    前記中心軸をZ軸とし、前記中心軸に対して垂直な前記磁界発生装置の断面において、Z軸に対して垂直かつ前記一方向の磁界と平行な軸をX軸、Z軸及びX軸に対して垂直な軸をY軸とした場合に、
    前記少なくとも4個の永久磁石ユニットは、前記断面における形状が、X軸を対称軸とした線対称、及びY軸を対称軸とした線対称となるように配置されており、
    前記少なくとも4個の永久磁石ユニットの各々は、1以上の永久磁石片から構成され、かつ前記1以上の永久磁石片は、前記断面における形状が矩形であり、
    前記1以上の永久磁石片は、前記永久磁石ユニットごとに共通な、前記矩形の各辺に対して平行又は垂直な磁化方向を有しており、かつ前記断面における前記少なくとも4個の永久磁石ユニットの各々の磁化方向は、X軸を対称軸とした線対称となるように配置されており、
    前記少なくとも4個の永久磁石ユニットは、第1、第2、第3、及び第4の永久磁石ユニットを含み、前記断面において、X軸の正方向かつ前記一方向の磁界と同じ方向を0°及び360°とし、前記X軸の正方向から反時計回りに、Y軸の正方向を90°、X軸の負方向を180°、Y軸の負方向を270°とした場合に、
    (i)第1の永久磁石ユニットは0°〜20°及び340°〜360°の範囲内に、第2の永久磁石ユニットは70°〜110°の範囲内に、第3の永久磁石ユニットは160°〜200°の範囲内に、第4の永久磁石ユニットは250°〜290°の範囲内に配置され、
    (ii)前記第1及び第3の永久磁石ユニットの各々を構成する前記1以上の永久磁石片は、Y軸に対して平行にかつ直線状に並べられた5個以上の永久磁石片であり、前記第2及び第4の永久磁石ユニットの各々を構成する前記1以上の永久磁石片は、X軸に対して平行にかつ直線状に並べられた5個以上の永久磁石片であり、かつ、前記第1〜第4の永久磁石ユニットの各々を構成する前記1以上の永久磁石片は、前記矩形の各辺がX軸に対して平行又は垂直であり、
    (iii)前記第1及び第3の永久磁石ユニットの各々を構成する前記5個以上の永久磁石片の磁化方向は、いずれも前記一方向の磁界と同じ方向であり、かつ前記第2及び第4の永久磁石ユニットの各々を構成する前記5個以上の永久磁石片の磁化方向は、いずれも前記一方向の磁界とは逆方向であり、
    (iv)前記第1〜第4の永久磁石ユニットの各々は、前記永久磁石ユニットの各々を構成する前記5個以上の永久磁石片のうちの両端の永久磁石片が、前記両端以外の永久磁石片に比べて前記内部空間に向けて突出した構造を有する、ダイポールリング磁界発生装置。
  2. 前記第1及び第3の永久磁石ユニットの各々を構成する前記5個以上の永久磁石片のうち、両端の永久磁石片のX軸に平行な各辺が、前記第1及び第3の永久磁石ユニットの各々を構成する前記5個以上の永久磁石片のX軸に平行な各辺の平均長さに対し、101〜150%の長さを有し、かつ、前記第2及び第4の永久磁石ユニットの各々を構成する前記5個以上の永久磁石片のうち、両端の永久磁石片のY軸に平行な各辺が、前記第2及び第4の永久磁石ユニットの各々を構成する前記5個以上の永久磁石片のY軸に平行な各辺の平均長さに対し、101〜150%の長さを有する、請求項1に記載の磁界発生装置。
  3. 前記第1〜第4の永久磁石ユニットの各々を構成する前記5個以上の永久磁石片のうち中央の少なくとも1個の永久磁石片が、前記両端の永久磁石片よりは前記内部空間に向けて突出していないが、前記中央及び前記両端以外の他の永久磁石片よりは前記内部空間に向けて突出した構造を有する、請求項1又は2に記載の磁界発生装置。
  4. 前記第1及び第3の永久磁石ユニットの各々を構成する前記5個以上の永久磁石片のうち、中央の少なくとも1個の永久磁石片のX軸に平行な各辺が、前記第1及び第3の永久磁石ユニットの各々を構成する前記5個以上の永久磁石片のX軸に平行な各辺の平均長さに対し、80〜140%の長さを有し、かつ、前記第2及び第4の永久磁石ユニットの各々を構成する前記5個以上の永久磁石片のうち、中央の少なくとも1個の永久磁石片のY軸に平行な各辺が、前記第2及び第4の永久磁石ユニットの各々を構成する前記5個以上の永久磁石片のY軸に平行な各辺の平均長さに対し、80〜140%の長さを有する、請求項3に記載の磁界発生装置。
  5. 前記少なくとも4個の永久磁石ユニットが、少なくとも第5〜第12の永久磁石ユニットを更に含み、前記少なくとも第5〜第12の永久磁石ユニットが、前記周方向において前記第1〜第4の永久磁石ユニットの各々の間に少なくとも2個ずつ配置されている、請求項1から4のいずれか1項に記載の磁界発生装置。
  6. 前記内部空間内に規定される、前記円筒状のヨークと同じ中心軸及び中心点を有し、かつ前記ヨークの内径に対して50%以下の直径を有し、前記ヨークの軸方向の長さに対して20%以下の軸方向の長さを有する円筒状の空間における任意の位置に発生する磁場のX軸方向の磁場成分をBx、Y軸方向の磁場成分をByとした場合に、tan−1(By/Bx)で表されるスキュー角が2°以下である、請求項1から5のいずれか1項に記載の磁界発生装置。
  7. 前記ヨークが非磁性体からなる、請求項1から6のいずれか1項に記載の磁界発生装置。
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