JP4064884B2 - 磁界発生装置及び磁界調整方法 - Google Patents

磁界発生装置及び磁界調整方法 Download PDF

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    • G01R33/38Systems for generation, homogenisation or stabilisation of the main or gradient magnetic field
    • G01R33/383Systems for generation, homogenisation or stabilisation of the main or gradient magnetic field using permanent magnets

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダイポールリング磁界発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ダイポールリング磁界発生装置は、以下に詳細に説明するように、環状をなし、各磁石要素の着磁方向が環の半周で1回転するように配列された複数の磁石要素により、環の内部空間に実質的に一方向の磁界を発生し、好ましくは各磁石要素がほぼ同じ最大エネルギー積を有する磁界発生装置であり、このように磁石を円周上に規則的に配置することで、環の内部空間に実質的に一方向であり、さらに好ましくは実質的に均一の大きさの磁界を発生させることができる。このようなダイポールリング磁界発生装置は、磁気共鳴断層撮影装置(MRI)や半導体素子製造工程、そして基礎研究向け均一磁界発生手段等として広く利用されている。従来、1軸性の均一な磁界発生手段としては常伝導電磁石、超伝導電磁石等が使用されているが、最近の高特性希土類永久磁石の開発により、希土類永久磁石(以下単に永久磁石という)を均一磁界発生装置として使用することが、例えば1T(テスラ:kg・s-2・A-1)以下の低磁場では主流となってきている。
【0003】
図7、8を参照して従来のダイポールリング磁界発生装置及びこの装置に使用する構成磁石などを説明する。
図7はダイポールリング磁界発生装置1を径方向に対して垂直方向から見た断面図である。図7において、ダイポールリング磁界発生装置1は、複数の構成磁石101〜124が環状をなすように配置され、好ましくは、その外周を環状の外縁部ヨーク2により囲われている。ここで、各々の構成磁石101〜124は、好ましくは、以下に詳細に説明するように、式(1)、(2)により与えられる方向に着磁されており、中心軸から見て対極にあたる構成磁石同士(例えば、構成磁石101と113)は、互いに180度の角度差で、これらの構成磁石を環状に配置したときに同じ着磁方向となるように着磁されている。これにより、これらの構成磁石101〜124を環状に配置したとき、各構成磁石の着磁方向は環の半周で1回転する。このような構成により、ダイポールリング磁界発生装置1の環の内部空間には実質的に一方向であり、さらに好ましくは実質的に均一の大きさの磁界が発生する。なお、好ましくは、各構成磁石101〜124は、当該一方向の磁界と同じ強度の磁界を有する。
【0004】
構成磁石101〜124には、Nd−Fe−B系、Sm−Co系、Sm−N−Fe系等の略台形状または扇形等の永久磁石を用いることができる。更に外縁部には、外縁部ヨーク2として、環状の強磁性または非磁性材料を用いることができるが、強磁性体のものを用いた方が若干ではあるが磁気効率が向上する。また、構成磁石の分割数は、例えば4分割から60分割程までとすることができるが、磁気効率や回路製作の容易さを考慮すると、12から36分割程度の範囲で磁石構成数を決定すると好ましい。
【0005】
上記したように、永久磁石からなる構成磁石101〜124は夫々径方向に対し特定周期で磁化され、内径側中心軸から見てちょうど対極にあたる構成磁石同士が、互いに180度の角度差で着磁されている。さらに、隣接する構成磁石同士は好ましくは(1)(2)式で示す角度差で磁化されているが、使用条件や最適化等により±約5度以内の範囲で該磁化方向を変化させて配置する場合もある。
【0006】
【式1】
Figure 0004064884
θn:n番目の構成磁石の磁化方向
N:磁界発生装置の分割数(自然数)
n:セグメント番号(自然数)
【0007】
ここで、図8(ダイポールリング磁界発生装置の、中心軸を通る平面での模式的な断面図)に示すように、磁界発生装置の中心軸をZ軸とし、Z軸に垂直で環の内部空間(内径側)に発生する実質的に一方向の磁界と平行な方向(NS磁場方向、図8の主磁場成分方向)をY軸、該Z軸およびY軸に垂直な方向(EW方向)をX軸とした場合、ダイポールリング磁界発生装置の内径側に発生するNS磁場方向(Y軸方向)を0°とした場合の、円筒内径側の任意の点での磁場ベクトルの角度(以下スキュー角と呼ぶ)は、磁界発生装置の特性上、内径の中心では殆ど0°であるが、回路内壁部に近づくほど悪化していく(大きくなる)傾向が見られる。
【0008】
一般のダイポールリング磁界発生装置を使用する際には、このスキュー角が大きい磁場成分が不純物、即ちノイズと見なされることが多い。特に図8に示したような円筒内径側の平面上(XY平面上)のスキュー角成分は、例えば半導体向け基板等の製造工程、特に熱処理を伴う工程において、製造される素子の性能に大きく影響を与えるものと考えられており、それゆえ出来る限り小さく抑える必要がある。
【0009】
加えて、このスキュー角成分は、ダイポールリング磁界発生装置の内側のみならず、回路の外側、即ち開口部でも主磁場成分に比べて減衰が遅いので、開口部から外側ではスキュー角が大きくなってしまい、例えば量産化を見据えたスループットの向上検討として、加熱されたままの基板を回路外へ取り出すような場合、大きな障害となってしまうことがある。
【0010】
また、信越化学は、ダイポールリングの漏洩磁場の軽減を目的し、ダイポールリング側面へ磁石を貼付するプラズマ処理装置に関する特許出願をしている(特許文献1)。しかし、周辺への朗詠磁界の低減は可能であるが、内径円筒空間の延長上におけるノイズ磁場の低減が不十分であった。
【特許文献1】
特開平10−041284号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の目的は、ダイポールリング磁界発生装置において、回路内径側のみならず、その外側にあたる領域、即ち回路外においても例えばウェハーに深刻な影響を与えないように、不要なノイズ磁場であるスキュー角成分を低減させることである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明によると、環状をなし、各磁石要素の着磁方向が環の半周で1回転するように配列された複数の磁石要素により、環の内部空間に一方向の磁界を発生する磁界発生装置であって、該磁界発生装置の中心軸をZ軸とし、Z軸に垂直で上記一方向の磁界と平行な方向をY軸、該Z軸およびY軸に垂直な方向をX軸とした場合、該磁界発生装置の側面には補正用磁石を配置することなしに、該磁界発生装置のZ軸方向であって開口を形成する外縁部のみに補正用磁石を前記磁界発生装置のZ軸方向における少なくとも一方の端部の表面積の2〜10%を覆うように配置することを特徴とする磁界発生装置が提供される。
また、本発明によると、環状をなし、各磁石要素の着磁方向が環の半周で1回転するように配列された複数の磁石要素によって、環の内部空間に一方向の磁界を発生する磁界発生装置の磁界調整方法であって、該磁界発生装置の中心軸をZ軸とし、Z軸に垂直で上記一方向の磁界と平行な方向をY軸、該Z軸およびY軸に垂直な方向をX軸とした場合、前記磁界発生装置の側面には補正用磁石を配置することなしに、該磁界発生装置のZ軸方向であって開口を形成する外縁部のみに補正用磁石を前記磁界発生装置のZ軸方向における少なくとも一方の端部の表面積の2〜10%を覆うように配置しながら、スキュー角を低減させることを特徴とする磁界調整方法が提供される
本発明にかかる磁界発生装置によると、磁界発生装置のZ軸方向の回路外側領域、即ち開口部付近にスキュー角成分を補正するために補正用磁石を配置することで、Z方向に伸びた内部空間においてXY方向に発生するスキュー角成分を低減させることができ、さらには、加熱されたままの状態で回路外に搬出される基板が受ける悪影響を低減させることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態の1例について、図面を参照して説明する。しかし以下の実施の形態は、本発明の範囲を限定するものではない。
本願の発明者は、例えば図1に示すように、ダイポールリング磁界発生装置1において、磁界発生装置の内径側中心軸をZ軸と、該磁界発生装置のNS方向をY軸、そしてEW方向をX軸と定義した場合、該磁界発生装置のZ軸方向における回路端部すなわち開口部付近であって、好ましくはYZ面そしてZX面の各基準面に対して鏡面対称となる位置に、補正用磁石201〜204を配置し、さらには該補正用磁石の寸法、位置、磁界の大きさ、向き等を準ニュートン法もしくは探索法等の各種数理計画法を用いて最適化することによって、開口部付近の不純磁場成分から導出されるスキュー角を低減することを知見し、本発明に到達したものである。
【0014】
具体的には、特に限定されるものではないが、補正用磁石は、直方体、円筒形、その他最適化計算により得られた形状で実現可能と考えられる任意の形状のものを使用でき、例えば直方体のものを用いる場合、磁界発生装置の外径を1としたとき、補正用磁石の底面の一辺の長さは、好ましくは0.05〜0.2、磁界発生装置のZ軸方向の長さを1としたとき、補正用磁石の高さは、好ましくは0.01〜0.1である。また、磁界発生装置の一方向の磁界の大きさを1としたとき、補正用磁石の磁界の大きさを、好ましくは0.005〜0.02とした形状のものを用いることができる。
【0015】
また、上記したように、補正用磁石は、磁界発生装置のZ軸方向であって開口を形成する外縁部に配置する。ここで、外縁部は、磁界発生装置のZ軸方向の端部の他、磁界発生装置の外周側の側面または内周側の側面をも含む。また、補正用磁石は、磁界発生装置の端部における内周側に配置してもよいし、外周側に配置してもよく、磁界発生装置の構成磁石に直接接していなくてもよい。さらに、補正用磁石は、X軸、Y軸、Z軸の少なくとも1つに対して対象性を有するように配置することができる。なお、補正用磁石は、磁界発生装置の少なくとも一方の端部の表面積の2〜10%を覆うと好ましい。ここで、磁界発生装置のZ軸方向における端部の表面積は、例えば図1の磁界発生装置1において、補正用磁石201〜204が配置される面の表面積をいい、開口部の面積は含まない。また、以下に詳細に説明するように、補正用磁石の位置および磁界の向きは、X軸,Y軸,Z軸の少なくとも1つに対して対称性を有する磁化方向となるように前記補正用磁石を配置すると好ましい。
【0016】
本発明にかかるダイポールリング磁界発生装置の基本構成および原理は、図7を用いて例示した従来のダイポールリング磁界発生装置1に準ずるものである。図7にかかるダイポールリング磁界発生装置1は既に説明したので、ダイポールリング磁界発生装置1の構成部については説明を省略するか或いは簡単な説明に止める。なお、従来のダイポールリング磁界発生装置と同様に、構成磁石および補正用磁石には、Nd−Fe−B系、Sm−Co系、Sm−N−Fe系等の希土類永久磁石を用いることができる。具体的には、特に限定されるものではないが、比較的安価で高エネルギー積を有するNd−Fe−B系磁石を使用することができる。
【0017】
図2(ダイポールリング磁界発生装置の開口部における補正用磁石の配置を示す模式図)を参照して本発明の実施形態を説明する。ダイポールリング磁界発生装置1の開口部に配置される補正用磁石201〜204は、中心から伸びたYZ面に対して鏡面対称となるように、磁化方向が向いていると好ましい。すなわち、補正用磁石201〜204を、YZ面に対して対称の位置に、X軸方向に関して逆向き(Y軸方向に関しては同じ向き)の磁界を有するように配置することで効果的にスキュー角成分を低減させることができる。これは、ダイポールリング磁界発生装置1の有する磁場の開口部におけるスキュー角分布、即ちX軸方向の磁場成分(以下Bxと呼ぶ)の分布が、前述した基準面(YZ面)に対して鏡面対称であることに起因する。
【0018】
Bx成分は、ダイポールリング磁界発生装置1の均一空間からZ軸方向にかけて、Z軸座標によらず略同じ方向に分布しており、例えばBy成分を図2のような方向に定義すると、Bx成分はZ軸方向に位置が変わっても磁場成分が急変することがない。そのため、ダイポールリング磁界発生装置1の開口部のBx磁場成分を打ち消しあうように補正用磁石201〜204を配置すれば、開口部付近の全体に渡ってBx成分を除去することが可能となる。また、このようにBx成分はZ軸座標によらず略同じ方向に分布しているため、補正用磁石を、XY面に対して鏡面対称の位置および磁化方向に配置することで効果的にスキュー角成分を低減させることができる。
【0019】
また、上述したように、ダイポールリング磁界発生装置1の構成磁石101〜124は、その着磁方向が環の半周で1回転するように配列されている。すなわち、中心軸(Z軸)から見て対極にあたる構成磁石同士は、互いに180度の角度差で着磁されており、環状に配置されたとき、各構成磁石の着磁方向は同じ向きとなる。このため、ダイポールリング磁界発生装置1の有する磁場も、中心軸(Z軸)から見て対極にあたる位置では、略同じ大きさで同じ向きである。従って、補正用磁石をZ軸に対して点対称の位置に、同じ向きの磁界を有するように配置することで、効果的にスキュー角成分を低減させることができる。
【0020】
また、上述したように、ダイポールリング磁界発生装置1の有する磁場が、YZ面に対して鏡面対称、Z軸に対して点対称であることから明らかなように、ダイポールリング磁界発生装置1の有する磁場をZX面に対して考えた場合、ZX面に対して対称な位置の磁場は、Y軸方向は同じ向き、X軸方向は逆向きの成分を有する。このため、この磁場のBx成分を打ち消しあうために、補正用磁石を配置するときに、ZX面に対して対称な位置にある構成磁石は、Y軸方向は同じ向き、X軸方向は逆向きの成分を有するものとすることで、効果的にスキュー角成分を低減させることができる。
【0021】
このように、開口部付近のBx成分を軽減させるために補正用磁石を配置した場合、各基準に対して対称性を有する磁化方向となるように配置すると好ましい。ここで、各基準(X軸,Y軸,Z軸の少なくとも1つ)に対して対称性を有する配置には、上述したように、YZ面に対して対称の位置に、X軸方向に関して逆向き、Y軸方向に関しては同じ向きの磁界を有するように配置すること、XY面に対して対称の位置に、同じ向きの磁界を有するように配置すること、Z軸に対して点対称の位置に、同じ向きの磁界を有するように配置すること、ZX面に対して対称な位置に、X軸方向に関して逆向き、Y軸方向に関しては同じ向きの磁界を有するように配置することを含む。なお、より詳しい位置や磁石の大きさ、個数、磁界の大きさ、向き等は数理計画法等の最適化計算によって求められるが、時には磁界発生装置の実測された磁場に合わせて算出されることもあるので、その場合ある程度対称性が失われることもある。
【0022】
具体的には、例えば、図2に示すように、補正用磁石201〜204は同じ強度の磁界を有し、X>0,Y>0の位置に配置されている補正磁石201は、その磁束がX軸負の向きとなるように配置し、補正磁石202(X<0,Y>0)はX軸正の向き、補正磁石203(X<0,Y<0)はX軸負の向き、補正磁石204(X>0,Y<0)はX軸正の向きとなるように配置することができる。上述したように、ダイポールリング磁界発生装置1の開口部付近の磁場のBx成分が、一般にこれらと逆向きだからである。なお、このような配置は、その位置および磁束の向きがYZ面軸に対して鏡面対称となっており、その位置に関しては、ZX面に対しても鏡面対称となっている。また、ZX面に対しての鏡面対称を考える場合、その磁束の向きは、対応する補正用磁石に対してY軸方向は同じ向き、X軸方向は逆向きとなっている。換言すると、この場合、補正用磁石はZ軸に対して対称な位置に配置され、その磁束の向きは、対応する補正用磁石と同じ向きとなっている。
【0023】
また、これらの補正用磁石は、例えば上記したように、Bx磁場成分を打ち消しあうように配置すれば、任意の方法で磁界発生装置のZ軸方向であって開口を形成する外縁部に設置することができ、例えば、回路完成後に貼付することができる。貼付の方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、接着剤を用いて固定すること、ボルト等で機械的に固定すること、ステンレス鋼等で製作されたケースを用いて磁石を覆う等ができる。また、そのような場合では開口部付近に強い磁場が発生しているため、過度に大きい磁石を取り付けるのは困難な場合がある。このとき、補正用磁石は4個に限らず、例えば、図3(ダイポールリング磁界発生装置の開口部における補正用磁石の配置を示す模式図)のように必要に応じてより多数、かつ小型の磁石に分割して配置してもよい。
【0024】
具体的には、例えば、上述した図2の補正用磁石201〜204に加えて、X軸上正および負の位置にY軸正の向きの磁束を有する補正用磁石205、206を配置し、さらに、X>0,Y>0の位置であって、補正磁石201よりY軸に近い位置に、X軸負の向き、Y軸負の向きの磁束を有する補正磁石207を、X<0,Y>0の位置であって、補正磁石202よりY軸に近い位置に、X軸正の向き、Y軸負の向きの磁束を有する補正磁石208を、X<0,Y<0の位置であって、補正磁石203よりY軸に近い位置に、X軸負の向き、Y軸負の向きの磁束を有する補正磁石209を、X>0,Y<0の位置であって、補正磁石204よりY軸に近い位置に、X軸正の向き、Y軸負の向きの磁束を有する補正磁石210を配置することができる。この場合、上述した図2の場合よりも、個々の補正用磁石が有する磁束の強さをより小さくすることができ、ダイポールリング磁界発生装置において構成磁石を配置した後に、これらの補正用磁石を取り付けるのがより容易になる。
【0025】
【実施例】
実施例として図4(本実施例に係るダイポールリング磁界発生装置1の、中心軸に垂直な平面での模式的な断面図)に示す形状のダイポールリング磁界発生装置1を製作した。すなわち、該ダイポールリング磁界発生装置1は、略台形状の24個の構成磁石101〜124が環状をなすように配置され、その外周を環状の外縁部ヨーク2により囲われている。ここで、各々の構成磁石101〜124は、上記式(1)、(2)により与えられる方向に着磁されており、中心軸から見て対極にあたる構成磁石同士は、互いに180度の角度差で着磁されている。このため、これらの構成磁石101〜124を環状に配置したとき、各構成磁石の着磁方向は環の半周で1回転する。このような構成により、ダイポールリング磁界発生装置1の環の内部空間には実質的に一方向の磁界が発生する。なお、該ダイポールリング磁界発生装置1の外縁部ヨーク2を含めた外径は350mm、構成磁石101〜124により形成される内部空間の内径は100mm、回路の奥行きは300mmとした。また、磁場評価空間3は、直径50mm、奥行き100mmで、回路内径の空間中心軸を主軸とする円筒形とし、該内径側中心と均一空間(磁場評価空間3)の中心は同一となっているが、これは通常のダイポールリング磁界発生装置を使用する際には一般的な空間設計である。尚、構成される磁石101〜124はネオジウム系希土類焼結磁石(最大エネルギー積350kJ/m)を用い、外縁部ヨーク2にはアルミ等の非磁性材料を用いた。
【0026】
まず、このダイポールリングを用いて、補正用磁石を配置せずに開口部付近のBx磁場を計測した。図5(本実施例に係るダイポールリング磁界発生装置の、中心軸を通る平面での模式的な断面図)のように回路磁場評価空間3の中心をZ=0とし、Z=150mmを回路端部(開口部)とした場合の、Z=0からZ=300mmまでのそれぞれのZ座標の高さにおける、磁場評価空間3の各面内のBx磁場の最大値を表1に示す。なお、Bx磁場の単位はガウス(gauss){1T(テスラ)=10,000gauss(ガウス)}である。
【0027】
【表1】
Figure 0004064884
【0028】
次に、図4の磁界発生装置開口部に対し、図6(本実施例に係るダイポールリング磁界発生装置1の、回路端部の模式図)のような寸法、位置で補正用磁石201〜204(全表面積の約7.2%)を配置した。すわなち、各補正用磁石201〜204は、縦40mm、横40mm、厚み20mmの大きさの直方体であり、各々、X軸、Y軸からそれぞれ40mm離れた位置に、補正磁石の各辺がX,Y,Z軸に平行になるように配置した。各補正用磁石201〜204はネオジウム系希土類焼結磁石(最大エネルギー積350kJ/m)を有し、X>0,Y>0の位置に配置されている補正磁石201は、その磁束がX軸負の向きとなるように配置し、補正磁石202(X<0,Y>0)はX軸正の向き、補正磁石203(X<0,Y<0)はX軸負の向き、補正磁石204(X>0,Y<0)はX軸正の向きとなるように配置した。この場合に、補正用磁石を配置しないときと同様に測定したBx磁場を表2に示す。このように補正用磁石201〜204を配置した場合、補正用磁石を配置しないときと比べて、開口部から外側にかけてのBx磁場が大幅に低減できることがわかった。さらに、補正磁石201〜204を、磁界を逆向きにしてX方向に対称に配置することにより、非対称に置くよりもBx磁場を低減できた。
【0029】
【表2】
Figure 0004064884
【0030】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、ダイポールリング磁界発生装置の磁場均一空間に影響を与えることなく、開口部付近のノイズ磁場成分を効率よく除去し、低スキュー角、高均一性の磁場を達成することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るダイポールリング磁界発生装置の、模式的な鳥瞰図である。
【図2】本発明に係るダイポールリング磁界発生装置の開口部における補正用磁石の配置を示す模式図である。
【図3】本発明に係るダイポールリング磁界発生装置の開口部における補正用磁石の配置を示す模式図である。
【図4】本発明の実施例に係るダイポールリング磁界発生装置の、中心軸に垂直な平面での模式的な断面図である。
【図5】本発明の実施例に係るダイポールリング磁界発生装置の、中心軸を通る平面での模式的な断面図である。
【図6】本発明の実施例に係るダイポールリング磁界発生装置の、回路端部の模式図である。
【図7】従来のダイポールリング磁界発生装置の、中心軸に垂直な平面での模式的な断面図である。
【図8】従来のダイポールリング磁界発生装置の、中心軸を通る平面での模式的な断面図である。
【符号の説明】
1 ダイポールリング磁界発生装置
2 外縁部ヨーク
3 磁場評価空間
101〜124 構成磁石
201〜210 補正用磁石

Claims (5)

  1. 環状をなし、各磁石要素の着磁方向が環の半周で1回転するように配列された複数の磁石要素によって、環の内部空間に一方向の磁界を発生する磁界発生装置であって、
    該磁界発生装置の中心軸をZ軸とし、Z軸に垂直で上記一方向の磁界と平行な方向をY軸、該Z軸およびY軸に垂直な方向をX軸とした場合、該磁界発生装置の側面には補正用磁石を配置することなしに、該磁界発生装置のZ軸方向であって開口を形成する外縁部のみに補正用磁石を前記磁界発生装置のZ軸方向における少なくとも一方の端部の表面積の2〜10%を覆うように配置することを特徴とする磁界発生装置。
  2. 前記X軸,Y軸,Z軸の少なくとも1つに対して対称性を有する磁化方向となるように前記補正用磁石を配置したことを特徴とする請求項1に記載の磁界発生装置。
  3. 前記X軸に対して対称性を有する磁化方向となるように前記補正用磁石を配置したことを特徴とする請求項1に記載の磁界発生装置。
  4. 前記Y軸に対して対称性を有する磁化方向となるように前記補正用磁石を配置したことを特徴とする請求項1に記載の磁界発生装置。
  5. 環状をなし、各磁石要素の着磁方向が環の半周で1回転するように配列された複数の磁石要素によって、環の内部空間に一方向の磁界を発生する磁界発生装置の磁界調整方法であって、
    該磁界発生装置の中心軸をZ軸とし、Z軸に垂直で上記一方向の磁界と平行な方向をY軸、該Z軸およびY軸に垂直な方向をX軸とした場合、前記磁界発生装置の側面には補正用磁石を配置することなしに、該磁界発生装置のZ軸方向であって開口を形成する外縁部のみに補正用磁石を前記磁界発生装置のZ軸方向における少なくとも一方の端部の表面積の2〜10%を覆うように配置しながら、スキュー角を低減させることを特徴とする磁界調整方法。
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