JPH05428B2 - - Google Patents

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JPH05428B2
JPH05428B2 JP1624390A JP1624390A JPH05428B2 JP H05428 B2 JPH05428 B2 JP H05428B2 JP 1624390 A JP1624390 A JP 1624390A JP 1624390 A JP1624390 A JP 1624390A JP H05428 B2 JPH05428 B2 JP H05428B2
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Japan
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resistance
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water
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JP1624390A
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JPH03192175A (ja
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Ikuro Mori
Hiroshi Kimura
Takashi Urabe
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Momentive Performance Materials Japan LLC
Original Assignee
Toshiba Silicone Co Ltd
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Publication date
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Application filed by Toshiba Silicone Co Ltd filed Critical Toshiba Silicone Co Ltd
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Publication of JPH03192175A publication Critical patent/JPH03192175A/ja
Publication of JPH05428B2 publication Critical patent/JPH05428B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
[発明の技術分野] 本発明は被覆用組成物に係わり、詳しくは、プ
ラスチツク成形品、木材及び金属等の表面に塗布
することにより、硬度及び耐薬品性が優れ、透明
性ないしグレア防止効果を有する被膜を与え、そ
れらの基材の保護に有用な被覆用組成物に関す
る。 [発明の技術的背景とその問題点] 近年、透明ガラスに替えて透明プラスチツクか
らなる成形体が、その軽量性、易加工性及び優れ
た耐衝撃性を有する等の理由から、眼鏡その他の
光学機器のレンズ、あるいは建造物、列車・自動
車等の輸送車輛の窓ガラス等の広範な用途に用い
られている。 このような透明プラスチツク材料の中で、最も
広く用いられているものの一つとして、ポリカー
ボネート樹脂が知られている。この材料から成る
成形体は、優れた耐衝撃性及び高い加熱撓み温度
を有し、寸法安定性、加工性及び自己消火性が優
れている反面、表面硬度が低いために擦傷や掻き
傷を受け易く、レンズヤガラスにとつても最も重
要な透明度が損われるという問題点を有してい
る。 又、その他のプラスチツク材料として、例え
ば、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン又
はポリ塩化ビニール等が、その透明性、軽量性、
易加工性及び耐衝撃性等が優れているために、
種々の用途に使用されている。しかしながら、こ
れらの材料から成る成形体も他の素材と比較し
て、耐摩耗性、耐薬品性及び耐溶剤性が乏しく、
且つ、表面に傷がつき易いという問題点を有して
いる。 このような問題点を解決するために、透明プラ
スチツク材料表面に保護被膜を形成し、表面硬度
を改良する試みが従来から種々なされている。 例えば、特開昭51−2736号、特開昭54−87736
号及び特開昭55−94971号各公報等には、コロイ
ド状シリカ又はシリカゲル等のシリカと、加水分
解性オルガノシラン化合物をアルコール又は水等
の加水分解媒質中に溶解又は分散させた耐摩耗性
が良好な被覆用組成物が開示されている。 しかしながら、上記組成物のうち、特開昭51−
2736号及び特開昭54−877736号各公報に開示され
たものは、得られる皮膜が水分や湿気及び紫外線
等に対する抵抗性に乏しいという問題点を有して
る。 又、これらの問題点の解消を目的としてなされ
た特開昭55−94971号公報記載の組成物は、得ら
れる皮膜の耐水性等は改善されたものの耐熱性が
充分ではなく、加熱により皮膜に亀裂が生じ易い
という問題点を有している。 上記した従来のオルガノシラン系被覆用組成物
は、更に、通常、長期に亘る熟成期間を必要とす
る上に、保存安定性が悪く、可使時間も極めて短
いという問題点を有している。又、コロイド状シ
リカを使用することに起因する多量の水分の存在
のために、該組成物の表面張力が高くなり、プラ
スチツク基体等に対する密着性が充分でない。加
えて、透明な皮膜を形成するためには、温度・湿
度等の塗装条件を充分制御しなければならず、且
つ、その条件も狭い範囲に限定されるために、作
業性が劣るという問題点をも有している。 一方、最近、上記したような透明タイプの被覆
用組成物(ハードコート)に加え、艶消しタイプ
のハードコート要求する声が高まつている。この
艶消しタイプのハードコートの用途は、例えば、
ブラウン管デイスプレイ用の反射防止フイルタ
ー、表示パネル前面の光透過板等のグレア防止効
果が要求されるもの;屋内、屋外照明器具の電球
又は蛍光灯の保護板及び広告灯、広告板等の高級
な外観が要求されるもの;浴室用窓ガラス等の隠
蔽乃至遮蔽効果が要求されるもの;並びにその他
光反射防止効果が要求されるもの又は点光源を面
光源に変えることが可能なもの等においてであ
る。 従来使用されている透明タイプのハードコート
は、皮膜表面が鏡面光沢を有し、光透過性が優れ
ている反面、見る角度によつては光を表面反射す
るために、例えば、ブラウン管デイスプレイや表
示パネル等に塗布した場合には、文字や図形が読
み取り難くなるという問題点を有している。又、
ブラウン管デイスプレイ用の反射防止用フイルタ
として使用した場合には、その表面にライトペン
等を用いると傷がつき易いという問題点をも有し
ている。更に、スリガラス等に適用した場合に
は、浴室等の窓ガラス等として使用する場合に、
一般に、スラガラス表面が湿潤すると光散乱能力
が低下し、隠蔽ないし遮蔽効果が損われると共
に、耐破砕性が劣るという問題点を有している。
加えて、照明器具の反射板や保護板等に適用した
場合には、噴霧式殺虫剤等により変色又は変形す
ることがあり、屋外において使用する広告灯保護
板又は看板等に適用した場合には、耐候性が充分
でないために、褐色等に変化するために外観が損
われる等の問題点を有している。 従つて、上記のようなガラス又はプラスチツク
成形体等の被覆に適し、優れたグレア防止効果、
耐摩耗性、撥水性、耐衝撃性、耐薬品性及び耐候
性並びに高級な外観を有する被覆用組成物は、未
だ得られていない。 上記したノングレア皮膜を得るための加工法と
しては、従来、例えば、サンドブスト法、表面ス
クラツチ法及び被覆用組成物中にシリカ粉等を配
合する方法等が知られている。又、反射防止皮膜
を得るための加工法としては、金属酸化物等を真
空蒸着する方法等が知られている。しかしなが
ら、上記した方法の中で、サンドプラスト法及び
表面スクラツチ法は、ガラス、プラスチツク及び
金属等の素材の表面精度を粗くするだけであり、
何ら前述した問題点を解決にはなつておらず、そ
の他の処理を必要とする。又、被覆用組成物中に
シリカ粉等を配合する方法は、シリカ粉が凝集
し、沈降することによる組成物の安定数の悪さ及
び均一な外観を有する皮膜を得ることが困難であ
ること等の取扱い上及び作業上の問題点を有して
いる。更に、金属酸化物等を真空蒸着する方法に
おいては、設備に多大な費用を要し、汎用するに
は未だ適当ではなく、且つ、プラスチツク基体等
に対して十分な接着性を有する金属酸化物皮膜を
形成することが困難であるという問題点を有して
いる。 [発明の目的] 本発明の目的は、上記した問題点を解消し、熟
成期間を殆んど必要とせず、保存安定性が優れ、
その塗布時に塗装環境の設定が容易であり、作業
性に優れ、且つ、得られる皮膜が透明性乃至グレ
ア防止効果を有し、優れた耐摩耗性、耐熱性、耐
衝撃性、撥水性、耐候性及び基体との密着性を有
する被覆用組成物を提供することにある。 [発明の概要] 即ち、本発明の被覆用組成物は、 (A) 次式 R1Si(OH)3 (式中、R1はメチル基、エチル基、ビニル基、
フエニル基、γ−クロロプロピル基、γ−メタ
クリルオキシプロピル基、γ−グリシドオキシ
プロピル基、3,4−エポキシシクロヘキシル
エチル基及びγ−メルカプトプロピル基から成
る群よる選ばれた1価の炭化水素基を表わす)
で示されるオルガノヒドロキシシラン及び/又
はその部分縮合体、 (B) コロイド状シリカ、 (C) 低級脂肪族アルコール及び (D) 固形分調節剤 からなり、過剰の水を低級脂肪族アルコールと共
沸留去した、固形分が10〜40重量%、且つ水含有
量が15重量%以下である、ことを特徴とする被覆
用組成物である。 なお、本発明の被覆用組成物の製造方法は、 (i) 次式 R1Si(OH23 (式中、R1は前記と同意義であり、R2はメチ
ル基、エチル基及びプロピル基から成る群より
選ばれた1種もしくは2種以上の炭素原子数1
〜3個を有するアルキル基を表わす) で示されるオルガノアルコキシシランをコロイ
ド状水性分散液中において、該オルガノアルコ
キシシラン100重量部を、シリカ分20〜60重量
部含有する量で加水分解し、 (ii) 低級脂肪族アルコールを添加し、加水分解物
の縮合反応を制御しながら過剰の水を共沸留去
した後、 (iii) 固形分調節剤を添加して固形分を10〜40重量
%に調節すると共に、水含有量を15重量%以下
とする、ことを特徴とするものである。 以下において、本発明を更に詳しく説明する。 本発明において使用する(A)成分の式R1Si
(OH)3で示されるオルガノヒドロキシシランは、
式R1Si(OR23で示されるオルガノアルコキシシ
ランを加水分解してえられるものである(式中、
R1及びR2は前記と同意義である)。このようなオ
ルガノアルコキシシランとしては、例えば、 CH3Si(OCH33、CH3Si(OC2H53、 CH3Si(OC3H73、C2H5Si(OCH33、 CH2=CHSi(OCH33、CH2=CHSi
(OC′2H53、 C6H5Si(OCH33、ClCH2CH2CH2Si(OCH33、 CH2=C(CH3)−COO−(CH2)−Si(OCH33 HSCH2CH2CH2Si(OCH33 等が挙げられ、これらから成る群より選ばれた1
種もしく2種以上のものを使用する。これらの中
でもとりわけCH3Si(OCH33又はCH3Si
(OC2H53を使用することは、製品価格の点及び
形成される皮膜の硬度及び対摩耗性の点から好ま
しいが、他のオルガノアルコキシシランを混合し
ても差し支えない。 上記オルガノアルコキシシランを加水分解して
得られる本発明の(A)成分のオルガノヒドロキシシ
ラン及び/又はその部分縮合物としては、 例えば、 CH3Si(OH)3、C2H5Si(OH)3、 CH2=CHSi(OH)3、C6H5Si(OH)3、 ClCH2CH2CH2Si(OH)3、 CH2=C(CH3)−COO−(CH23−Si(OH)3 HSCH2CH2CH2Si(OH)3 等で示されるオルガノヒドロキシシラン及び/又
はその部分縮合物が挙げられ、これらから成る群
より選ばれた1種もしくは2種以上のものが挙げ
られる。 本発明において使用する(B)成分のコロイド状シ
リカは、耐摩耗性付与のために添加するものであ
る。かかるシリカの平均粒径は好ましくは5〜30
mμである。シリカ平均粒径が5mμ未満である
と実用的な意味が乏しく、一方、30mμを超える
と得のられる皮膜の耐摩耗性が低下する。 本製造方法におけるシリカの配合量は、オルガ
ノヒドロキシシランの前駆体であるオルガノアル
コキシシラン100重量部に対して20〜60重量部の
範囲にあることが必要である。シリカの配合量が
20重量部未満であると、得られる皮膜の硬度が低
く、一方60重量部を超えると組成物のシリカが凝
集又は沈降し、安定な分散液が得難くなる。この
際に使用されるシリカの配合量が、オルガノヒド
ロキシシランの前駆体であるオルガノアルコキシ
シラン100重量部に対して20〜50重量部の範囲に
あると、透明な皮膜を得ることが可能であり、30
〜60重量部の範囲にあると、グレア防止効果を有
する皮膜を得ることが可能である。 本発明の被覆用組成物を製造する際には、上記
(B)成分はシリカのコロイド状水性分散液を使用す
る。かかる分散液は、そのPH(水素イオン濃度)
が8〜9の弱塩基性のものであることが好まし
く、又、分散液中のシリカ含有率は15〜40重量%
であることが好ましく、更に好ましくは20〜30重
量%である。PHが8未満であると、得られる皮膜
の硬度が低く、一方、9を超えるとオルガノアル
コキシシランの加水分解速度が遅くなる。又、分
散液中のシリカ含有率が15重量%未満であると、
系内に導入される水分量が増加するので除去すべ
き水分量も増加し、製造時間が長くなる。一方、
40重量%を超えると分散液自体の調製が困難とな
る。 本発明において使用する(C)成分の低級脂肪族ア
ルコールは、(A)成分を溶解して組成物を安定化す
ると共に、系内に存在する過剰な水分を共沸留去
し、その際の(A)成分の縮合を抑制するために添加
する。 このような低級脂肪酸アルコールとしては、水
と共沸するものであればいかなるものでもよく、
例えば、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブ
タノール等が挙げられ、これらからなる群より選
ばれた1種若しくは2種以上のものが使用され
る。 本発明において使用する(D)成分の固形分調節剤
は、本発明の被覆用組成物の固形分を10〜40重量
%に調節すると同時に、作業性の幅を拡げ、組成
物の分散安定性を向上し、透明乃至ノングレアな
皮膜を均一な状態で得ることを可能にするもので
ある。 このような固形分調節剤としては、親水性の有
機溶剤であればいかなるものでも使用可能であ
り、例えば、メタノール、エタノール、プロパノ
ール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソ
ブタノール等の低級脂肪族アルコール類;及びエ
チレングリコール、エチレングリコールモノブチ
ルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチル
エーテル等のエチレングリコール誘導体及びジア
セトンアルコール等が挙げられ、これらから成る
群より選ばれた1種または2種以上のものが使用
される。これらの中でも、とりわけ、エタノー
ル、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブ
タノール、酢酸エチレングリコールモノエチルエ
ーテル及びジアセトンアルコールから成る群より
選ばれた少なくとも1種のものを使用すること
が、良好な作業性を与えることから好ましい。 本発明の被覆用組成物の固形分は10〜40重量%
であることを要し、好ましくは、15〜30重量%で
ある。本発明組成物の固形分、即ち、皮膜形成成
分が10重量%未満であると、得られる皮膜の膜厚
コントロールが困難であり、一方40重量%を超え
ると作業性が低下する上、得られる皮膜が厚くな
り易く、亀裂等を生じ易くなる。 上記した本発明の被覆用組成物を製造するに
は、先ず、前記オルガノアルコキシシランをシリ
カのコロイド状水性分散液中において加水分解せ
しめ、オルガノヒドロキシシランを得る。 加水分解条件は、液温を10〜70℃に保ち、常圧
下で4〜30時間攪拌し、反応させることが好まし
く、更に好ましくは、液温25〜30℃で12〜24時
間、攪拌下反応させることである。 オルガノアルコキシシランは、上記の如くシリ
カのコロイド状分散液中において加水分解される
が、この際に、必要に応じて各種無機酸、有機酸
又はアルミニウムキレート等の加水分解触媒を使
用してもよい。このような加水分解触媒として
は、例えば、塩酸、蟻酸、酢酸、無水酢酸、クロ
ロ酢酸、プロピオン酸、シユウ酸、マロン酸、ジ
メチルマロン酸、マレイン酸、グリコール酸、グ
ルタル酸、クエン酸、安息香酸、トルエンスルホ
ン酸等の酸類及びアルミニウムアセチルアセトネ
ート、アルミニウムエチルアセチルアセテートビ
スアセチルアセテート、アルミニウムビスエチル
アセトアセテートアセチルアセトネート、アルミ
ニウム−ジ−n−ブトキシモノエチルアセトアセ
テート、アルミニウムジイソプロポキシドモノメ
チルアセトアセテート等のアルミニウムキレート
等が挙げられる。これらの中でもとりわけ酢酸、
プロピオン酸又は無水酢酸を使用することが好ま
しい。 加水分解触媒の使用量は、シリカのコロイド状
水性分散液100重量部に対し、0.05〜15重量部で
あることが好ましく、更に好ましくは0.05〜5重
量部である。 次いで、シリカのコロイド状水性分散液に由来
する過剰の水分を除去するために、低級脂肪族ア
ルコールを添加して、加水分解物の縮合反応を制
御しながら共沸留去すせしめる。かかる水分の留
去は、例えば、液温を20〜70℃に保ち、圧力20〜
300mmHgの減圧下でストリツピングを行なうこと
により遂行することが好ましく、更に好ましく
は、液温25〜40℃、圧力30〜50mmHgの条件下で
ある。 低級脂肪族アルコールの添加量は、シリカのコ
ロイド状水性分散液に由来する過剰の水分を共沸
留去し、水含有量を15重量%以下とするに充分な
量であればよく、分散液中の水分100重量部に対
し21重量部以上であることが好ましく、水分留去
の程度を高くしたい場合には、多量のアルコール
を何回かに分けて添加することが好ましい。低級
脂肪族アルコールの添加量が21重量部未満である
と、共沸時にオルガノヒドロキシシラン又はその
部分縮合体の縮合反応を抑制又は制御することが
困難となり、得られる皮膜の硬度の低下を招来す
る。 上記シリカのコロイド状水性分散液に由来する
過剰の水分を共沸留去し、次いで、組成物の固形
分を10〜40重量%に調節するために固形分調節剤
としての有機溶剤を添加する。このようにして得
られる組成物中には共沸用アルコールが残存して
も差支えない。又、組成物中の水含量は15重量%
以下であることが好ましく、より好ましくは10重
量%以下である。水含量が15重量%を超えると安
定性が悪くなり、更に、硬い皮膜が得られない。
又温度及び湿度の影響を受け易くなる。 このようにして得られた本発明の被覆用組成物
は、必要に応じて更に、レベリング剤、増粘剤、
顔料、染料、紫外線吸収剤、抗酸化剤等の添加剤
や、変性剤等を加えて使用しても何ら差し支えな
い。 本発明の被覆用組成物を基体上に塗布し、硬化
皮膜を得るには、例えば、次のような方法を採用
することが可能である。 即ち、本発明組成物を基体上に流し塗り、スプ
レー塗装又は浸漬塗装等の通常知られている方法
で、0.5〜20μm程度に塗布することが好ましく、
更に好ましくは、2〜10μmの厚さに塗布する。
次いで、120℃程度で60分間加熱することにより、
基体と良好な密着性を有する皮膜が得られる。な
お、より温和な条件で硬化させたい場合には、シ
ラノール縮合触媒を添加した組成物を使用するこ
とにより達せられる。このようなシラノール縮合
触媒としては、例えば、酢酸ナトリウム、蟻酸カ
リウム等のカルボン酸アルカリ金属塩;ジメチル
アミンアセテート、エタノールアミンアセテー
ト、ジメチルアニリンホルメート等のアミンカル
ボキシレート;酢酸テトラメチルアンモニウム等
の第4級アンモニウムカルボキシレート;ナフテ
ン酸スズ等のカルボン酸金属塩;トリエタノール
アミン、ピリジン等のアミン類;水酸化ナトリウ
ム、水酸化アンモニウム等のアルカリ水酸化物;
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−エ
チレンジアミノプロピルトリメトキシシラン等の
アミン系シランカツプリング剤;及びアルミニウ
ムキレート化合物等が挙げられ、これらから成る
群より選ばれた1種もしくは2種以上のものが使
用される。これらの縮合触媒の配合量は、硬化条
件に応じて適宜選択されるが、組成物中の固形分
に対して、0.05〜0.5重量%であることが好まし
く更に好ましくは、0.08〜0.15重量%である。上
記縮合触媒を配合することにより、本発明組成物
は基体上において、約75〜150℃の温度で比較的
短時間に硬化し、透明乃至ノングレアで耐摩耗性
が優れた皮膜を得ることが可能となる。 本発明の被覆用組成物を塗布することが可能な
基体材料としては、例えば、透明乃至不透明プラ
スチツク、金属、木材、皮革、ガラス及びセラミ
ツクス等が挙げられる。これらの中でプラスチツ
ク材料としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエ
ステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、
アクリロニトリル−ブタジエン共重合樹脂、ポリ
塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボ
ネート樹脂等が挙げられ、又、う属材料として
は、例えば、アルミニウム、スパツタされたクロ
ム合金等が挙げられる。この際に、基材との付着
性が問題になる場合には、基体表面に予めプライ
マー処理を施すことにより塗布することが可能と
なり、従つて、殆んどすべての固体材料の表面に
塗布することが可能なものである。本発明組成物
は、これらの中でもとりわけポリカーボネート樹
脂及びアクリル樹脂の被覆剤として有用なもので
あり、特にアクリル樹脂に対しては1回の塗布で
極めて良好な密着性を有する皮膜を形成すること
が可能である。 本発明の被覆用組成物を用いて形成される皮膜
が優れた諸性能を有する理由は、組成物中に水分
が殆んど存在しないためと考えられる。即ち、皮
膜の硬度を高めるためには組成物中のシリカ含有
量を増加すればよいことが知られているが、従来
の組成物においてシリカ含有量を増やすと、シリ
カのコロイド状水性分散液を使用しているために
組成物中の水分量も増加する。そのため、表面張
力の高い水分の増加は組成物全体の表面張力をも
高め、プラスチツク基体等への密着性を低下させ
る原因となる。又、過剰の水分の存在は透明乃至
ノングレアは皮膜を形成するための塗装時の温度
及び湿度の制御を困難にし、適正な温度及び湿度
等の塗装条件範囲を狭め、作業性の低下を招来す
る。従つて、この過剰の水分を除去することによ
り、上記問題を解消すると同時に、従来必要とさ
れた組成物調製後の熟成期間を実質的に不要とす
ることが可能となつたものである。 [発明の効果] 本発明の被覆用組成物は、上記した如く、過剰
の水分を共沸留去したものであるために、熟成期
間を殆んど要さず、特に常温における保存安定性
が飛躍的に改善されたものであり、従来、最大の
欠点とされていた可使時間の短いことも解消され
たものである。 又、その塗装に際しては、水分を留去し、固形
分調節剤の組合せにより沸点をコントロールした
ものであるために温度及び湿度の影響を受けるこ
とが殆んどなく、塗装条件の設定の幅が広いもの
であり、作業性が優れたものである。 更に、得られる硬化皮膜は、透明乃至高級なス
リガラス状の外観を呈し、優れた耐摩耗性、耐熱
性及び耐衝撃性を有するものであり、又、基体と
の密着性も優れたものである。 [発明の実施例] 以下において、実施例を掲げ本発明を更に詳し
く説明する。尚、以下の実施例及び比較例中、部
は重量部を、%は重量%をそれぞれ意味する。 実施例 1 メチルトリエトキシシラン36.7部、スノーテツ
クス(コロイド状シリカの20%溶液、平均粒径5
〜20mμ、商品名:日産化学社製)30.9部及び無
水酢酸をコロイド状シリカに対し0.32%添加した
混合物を、20〜35℃の温度に保持し、攪拌下、16
〜24時間加水分解反応を行なつた。 次いで、共沸用アルコールとしてエチルアルコ
ール32部を添加し、20〜50℃の温度で、20〜150
mmHgに減圧し、水をエチルアルコールと共に共
沸させて系内の過剰の水を留去した後、固形分調
節剤としてイソブチルアルコール30部と酢酸エチ
レングリコールモノエチルエーテル20部とを添加
し、固形分約20%を有するコーテイング剤1−1
を得た。コーテイング剤1−1の水含有量はガス
クロマトグラフイーによる測定から4.5%であつ
た。 上記と同様の操作で、オルガノアルコキシシラ
ンの種類及び量、コロイド状シリカの量、並びに
共沸用アルコール及び固形分調節剤の種類及び量
を第1表に示したように変えて、コーテイング剤
1−2〜1−12を得た。 コーテイング剤1−2〜1−12の水含有量をガ
スクロマトグラフイーにより測定し、結果を第1
表に併記した。 比較例 1 実施例において、共沸用アルコール用いて水を
共沸留去させる操作を施さなかつた他はすべて同
様の操作で第1表に示した組成の6種類のコーテ
イング剤1−13〜1−18を得た。 コーテイング剤1−13〜1−18の水含有量をガ
スクロマトグラフイーにより測定し、結果を第1
表に併記した。
【表】
【表】
【表】 実施例 2 上記実施例1及び比較例1で得た計18種類のコ
ーテイング剤を、それぞれ、ポリカーボネート板
(商品名:レキサンシート9030、ゼネラルエレク
トリツク社製)の表面に前処理液(商品名:PH
91、東芝シリコーン社製)を塗布したものに、流
し塗り法で塗布し、120℃で1時間加熱して硬化
皮膜を得た。 これらの硬化皮膜について、それぞれ、密着
性、耐熱衝撃性、耐温水性、耐摩耗性、透明性、
耐熱性及び保存安定性を次のような条件で測定し
た。その結果を第2表に示す。 密着性:基磐目テープ剥離試験(3回の平均) 耐熱衝撃性:−30℃×3Hr+120℃×3Hrを1サ
イクルとして3サイクル経過後の塗面状態を観
察 耐温水性:60℃の温水に500Hr浸漬 耐摩耗性:テーパー摩耗、CS−10、500Kg荷重、
500サイクル後、ΔH%を測定 透明性:全光線透過率(%) 耐熱性:120℃×500Hr 保存安定性:常温で密閉保管した際のポツトライ
フイク
【表】 第2表から明らかな如く、比較例のものに比べ
て本発明のコーテイング剤は、基材との密着性が
良好で、耐熱衝撃性、耐温水性、耐摩耗性、耐熱
性等が優れたものであり、硬化皮膜がクモリを生
じたりすることのない透明なものであることが確
認された。又、塗装時の塗布条件範囲が拡張され
たものであり、作業性が良好なものであることが
確認された。更に、常温において密閉保管した際
の可使時間を表わずポツトライフが3倍以上も長
いものであることが確認された。 実施例 3 メチルトリエトキシシラン26.6部、スノーテツ
クス(コロイド状シリカの20%溶液、平均粒径5
〜20mμ、商品名:日産化学社製)50.0部及び無
水酢酸をコロイド状シリカに対し0.32%添加した
混合物を、20〜35℃の温度に保持し、攪拌下、16
〜24時間加水分解反応を行なつた。 次いで、共沸用アルコールとしてエチルアルコ
ール23部を添加し、20〜50℃の温度で、20〜150
mmHgに減圧し、水をエチルアルコールと共に共
沸させて系内の過剰の水を留去した後、固形分調
節剤としてイソブチルアルコール50部を添加し、
固形分約20%を有するコーテイング剤3−1を得
た。コーテイング剤3−1の水含有量はガスクロ
マトグラフイーによる測定から12.5%であつた。 上記と同様の操作で、オルガノアルコキシシラ
ンの種類及び量、コロイド状シリカの量、並びに
共沸用アルコール及び固形分調節剤の種類及び量
を第3表に示したように変えて、コーテイング剤
3−2〜3−12を得、又、水含有量を併記した。 比較例 2 実施例3において、共沸用アルコールを用いて
水を共沸留去させる操作を施さなかつた他はすべ
て同様の操作で第3表に示した組成の6種類のコ
ーテイング剤3−13〜3−18を得、水含有量を併
記した。
【表】
【表】
【表】 実施例 4 上記実施例3及び比較例2で得た計18種類のコ
ーテイング剤を、それぞれ、実施例2と同様の材
料及び条件で処理し、硬化皮膜を得た。 これらの硬化皮膜について、それぞれ、外観、
密着性、耐熱衝撃性、耐温水性、耐擦傷性、耐熱
性、解像性及び保存安定性を次のような条件で測
定した。尚、外観、耐擦傷性及び解像性以外の試
験については実施例2と同様の方法で行なつた。
その結果を第4表に示す。 外観:目視 耐擦傷性:スチールウール#0000によるひつかき
試験 A:強くこすつても傷つかない B:強くこすると少し傷つく C:簡単に傷つく 解像性:ブラウン管にデイスプレイ上に塗り板を
置いての文字読み取り 又、耐薬品性及び耐溶剤性試験として各種試験
液への24時間浸漬試験を行なつた。更に耐汚染性
試験として、各種洗剤、オイル、化粧品、殺虫剤
等を付着後30分で拭きとり外観をチエツクした。
その結果を第5表に示した。
【表】
【表】
【表】
【表】 第4表から明らかな如く、比較例のものに比べ
て本発明のコーテイング剤は、均一で高級なスリ
ガラス状の外観を与え、グレア防止効果を有し、
基材との密着性が良好で、耐熱衝撃性、耐温水
性、耐擦傷性及び耐熱性等が優れたものであり、
硬化皮膜を通しての解像性も良好であることが確
認された。又、分散液としての安定性が優れ、ポ
ツトライフが長く、処理方法も簡便で作業性が良
好なものであることが確認された。 また第5表から耐薬品性、耐溶剤性及び耐汚染
性が優れたものであることが確認された。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 (A) 次式 R1Si(OH)3 (式中、R1はメチル基、エチル基、ビニル基、
    フエニル基、γ−クロロプロピル基、γ−メタ
    クリルオキシプロピル基、γ−グリシドオシプ
    ロピル基、3,4−エポキシシクロヘキシルエ
    チル基及びγ−メルカプトプロピル基から成る
    群より選ばれた1価の炭化水素基を表わす) で示されるオルガノヒドロキシシラン又はその
    部分縮合体、 (B) コロイド状シリカ、 (C) 低級脂肪族アルコール及び (D) 固形分調節剤 から成り、過剰の水を低級脂肪族アルコールと共
    沸留去した、固形分が10〜40重量%、かつ水含有
    量が15重量%以下である、ことを特徴とする被覆
    用組成物。 2 水含有量が10重量%以下である特許請求の範
    囲第1項記載の被覆用組成物。
JP1624390A 1982-10-14 1990-01-29 被覆用組成物 Granted JPH03192175A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005343924A (ja) * 2004-05-31 2005-12-15 Tostem Corp 建材用セルフクリーング剤及びセルフクリーニング塗膜を有する建材

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