JPH0542888Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、自動車のドア硝子の如き車両の昇
降する窓硝子の上縁密封構造に関する。

従来の技術 第６図は自動車ドアの上部の縦断面図であり、
１はドアのアウタフレーム、２は同じくインナー
フレーム、３は窓硝子で矢印方向に案内昇降す
る。アウタフレーム１とインナーフレーム２とは
硝子窓４の外面より内側において突出したリブ
５，６がコ字形部材７のリブ８と夫々結合してド
アフレームを構成する。９はボデー側戸当り構造
部、１０はウエザストリツプである。

窓硝子３の上縁密封のため、リブ５，８の結合
部分に、軟質弾性材製の舌片１１と中空シール部
１２とを両側に一体成形したトリム１３を挿着
し、リブ６，８の結合部を覆うガーニツシユ１４
をトリム１３に接して取付け、また中空シール部
１２の上面を覆うモール１５をアウタフレーム１
の折曲凹所内に取付ける。

従来構造においては、上記の如く中空シール部
１２付きトリム１３、ガーニツシユ１４、モール
１５等を別体に製作しており、そのためこれらの
取付時間が長引くという問題があつた。

考案が解決しようとする問題点 本案の目的は、窓硝子上縁が当る中空シール部
やガーニツシユ、更にモール等を予め組合せてお
き、これを自動車ドア等に簡易迅速に取付けうる
構造にして従来の前記問題を解決することにあ
る。

問題点を解決するための手段 本案は、可撓材よりなる取付基部の一側に窓硝
子が摺接する軟質弾性材製の舌片を、また他側に
前記窓硝子の上端面が当接する軟質弾性材製の中
空シール部を長尺状に一体成形してなる密封材
と、取付基部を側方より包持する結合部と該結合
部の外面を覆うガーニツシユ部との一体成形体で
密封材の取付部位に適合する形状を有する取付枠
と、取付枠を挿通し前記取付部位に設けた取付孔
に押込係入される弾性クリツプとを有することを
特徴とする。

作 用 取付枠は合成樹脂にて覆われた補強用の金属板
製芯金を有するがこの芯金は中心の条帯の両側に
櫛歯状の枝条を有するので、取付枠は密封材取付
部位の内縁に沿つて湾曲可能である。取付枠の所
定位置に設けた孔に弾性クリツプを挿入したのち
結合部に密封材の取付基部を圧入して取付基部に
より弾性クリツプの頭部を加圧するか、或は結合
部に取付基部を挿入し、結合部とは別の位置、例
えば中空シール部の外側面に当る中空モール部の
一面に縦方向の溝を設け、これに弾性クリツプの
顎下を挿通して所定位置に保持する。

上記の如く密封材と弾性クリツプとを装着した
取付枠をドア等の密封材取付部位に当接させて弾
性クリツプを取付孔に押込係入させれば、密封材
とガーニツシユ部とモール部等を一挙にドアフレ
ームに取付けることができる。

実施例 第１図はモール部を有しない実施例の要部縦断
面図であり、ドアのアウターフレーム１とインナ
ーフレーム２とは窓４の外面より内方において突
出したリブ５，６において固着されており、リブ
５，６の所定位置には弾性クリツプ１６が押込係
入する複数の孔１７が穿設されている。

密封材１８は、ゴム又は塩化ビニール樹脂等の
可撓材製で外側帯状部１９とこれより稍小幅の内
側帯状部２０とが２個の中間条２１にて所定間隔
に結合された断面形状を有する取付基部２２と、
外側帯状部１９のアウタフレーム１に近い一側に
あつて窓硝子３の上端面が当接する中空シール部
１２と、これと反対側において窓硝子と摺接する
舌片１１とを有し、舌片１１と中空シール部１２
はゴム又は発泡塩化ビニル樹脂等の軟質弾性材よ
りなり、取付基部２２と共に一体に押出成形され
る。内側帯状部２０の外面には弾性クリツプ１６
のナベ頭２３を覆う縦溝２４が形成されている。

互に固着しリブ５，６に取付基部２２を固定す
るため、本実施例では、取付基部２２の内側帯状
部２０の両側部をその厚さ方向に挟圧する結合部
２５と、弾性クリツプ１６の突出脚２６を覆うガ
ーニツシユ部２７とを一体形成した取付枠２８を
用いる。内側帯状部２０は両側面が内方へ傾斜し
て前記挟圧時の弾性力の保持を良好ならしめる。
結合部２５及びガーニツシユ部２７の補強用芯金
２９は、結合部２５では内側帯状部２０の下面と
両外側縁とに接して、内側帯状部２０の弾性と相
俟つて強固にこれを包持し、所定位置に弾性クリ
ツプ１６の挿通孔を有する。芯金２９は前記挿通
孔を有する紙面に対し垂直方向にある条帯の両側
に櫛歯状をなす多数の枝状を有し、内側帯状部２
０に面する部分以外は押出成形によりゴム又は塩
化ビニル樹脂にて被覆されており、窓４の上縁に
沿つて屈曲可能である。

弾性クリツプ１６は、第２図に示すようにナベ
頭２３の下に結合部２５の孔に嵌入する小径頸下
部１６ａと、リブ５，６の孔１７に嵌入する大径
頸下部１６ｂと、これより更に大径で先細の脚２
６とで一体形成されており、脚２６と頸下部１６
ａ，１６ｂに中間部が卵形に膨んだスリツト３０
を有し、これにより脚２６は結合部２５とリブの
孔１７に圧入されたのち、弾性開脚して結合部２
５をリブ５，６に固定することができる。

結合部２５及びガーニツシユ部２７を窓４の内
縁に沿わせて整形し、結合部２５の所定位置に弾
性クリツプ１６を挿入して取付基部２２を結合部
２５に圧入したものを、窓４の内側に当てて取付
基部２２の上から弾性クリツプ１６をリブ５，６
に押しつければ、弾性クリツプ１６がリブ５，６
の孔１７に係入して密封材１８及びガーニツシユ
部２７を一挙にドアに取付けることができる。

第３図はモール部を有する実施例の要部縦断面
図であり、内側帯状部２０ａは平坦下面を有し、
結合部２５ａはその一側が内側帯状部２０ａの一
側を第１図におけると同様に挟圧包持すると共
に、ガーニツシユ部２７を一体形成しているが、
内側帯状部２０ａの他側においては、結合部２５
ａの芯金２９ａが密封材１８ａの上部を覆つてア
ウタフレーム１の窓４に面する上面１ａに沿うモ
ール部となる長方形断面の筒状部３１をなし、そ
の短辺３２が内側帯状部２０ａの他側を加圧包持
する。そのため外側帯状部１９ａの上縁は内側帯
状部２０ａの上縁より下方に偏して筒状部３１に
接する。したがつて、本実施例では取付枠２８ａ
は結合部２５ａとガーニツシユ部２７と筒状部３
１との一体成形体である。

筒状部３１の上面１ａに面する辺には縦溝３３
が芯金２９ａの折曲げによつて形成され、芯金２
９ａのアウタフレーム１及びリブ５に接する面及
び筒状部３１の中空シール部１２の外端部分に接
する部分は、押出成形によりゴム又は塩化ビニル
樹脂にて覆われている。

縦溝３３には第４図、第５図に示す弾性クリツ
プ３４が挿通される。この弾性クリツプ３４はナ
ベ頭の両側を切除した形状の頭３５の中央上部に
円形突起３６を有し、その他は第２図におけると
同様の頸下部１６ａ，１６ｂと脚２６、スリツト
３０を有し、円形突起３６が筒状部３１の設けた
孔に嵌入することにより縦溝３３の縦方向におけ
る位置ぎめがなされる。

結合部２５ａ、ガーニツシユ部２７及び筒状部
３１を上記のように結合したものを窓４の内縁に
沿わせて整形し、縦溝３３の所定位置に弾性クリ
ツプ３４を挿入保持し、取付基部２２ａを結合部
２５ａに圧入したものを、アウタフレーム１の上
面１ａとリブ５に当接させて、筒状部３１の下側
から弾性クリツプ３４を上面１ａに押しつけれ
ば、弾性クリツプ３４が上面１ａの孔１７に係入
して密封孔１８ａ、ガーニツシユ部２７及びモー
ル部が一挙にドアに取付けられる。

考案の効果 本案は上記構成を有し、窓硝子上縁が当る中空
シール部やガーニツシユ、或は更にモール等を予
め組合せたものを、これを装着した弾性クリツプ
をドアフレームに押圧するだけで一挙にドアに取
付けることができ、組合せ部品の構造が簡易で、
その組合せ作業及びドアへの取付作業がきわめて
簡易で迅速に行いうる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案の一実施例の要部縦断面図、第２
図は第１図における弾性クリツプの立面図、第３
図は本案の他の実施例の要部縦断面図、第４図、
第５図は第３図における弾性クリツプの夫々頭の
平面図及び立面図、第６図は従来構造の要部縦断
面図である。 ３……窓硝子、１１……舌片、１２……中空シ
ール部、１７……孔、１８，１８ａ……密封材、
２２，２２ａ……取付基部、２５，２５ａ……結
合部、２７……ガーニツシユ部、２８，２８ａ…
…取付枠。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 可撓材よりなる取付基部の一側に窓硝子が摺接
   する軟質弾性材製の舌片を、また他側に前記窓硝
   子の上端面が当接する軟質弾性材製の中空シール
   部を長尺状に一体成形してなる密封材と、取付基
   部を側方より包持する結合部と該結合部の外面を
   覆うガーニツシユ部との一体成形体で密封材の取
   付部位に適合する形状を有する取付枠と、取付枠
   を挿通し前記取付部位に設けた取付孔に押込係入
   される弾性クリツプとを有する車両の窓硝子の上
   縁密封構造。