JPH0542858U - 電磁弁 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ソレノイド部の摩耗を防止できる電磁弁を提
供する。 【構成】 可動鉄心９の先端に取付けた弾性材よりなる
キャップ１１に、磁気板８の中心孔に対向する案内筒部
２１と、磁気板８の弁部２側に対向するフランジ２２と
を設けて、案内筒部２１の外径を可動鉄心９の外径より
僅かに小さくし、磁気板８とフランジ２２間の距離を、
可動鉄心のストロークより僅かに小さくする。 【効果】 既存のキャップを利用してソレノイド部の摩
耗が防止できるので、構成が簡単である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、電磁弁に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

コイルを巻いたボビン、該ボビンの中心孔に装着した固定鉄心、これらを囲む 磁気枠と磁気板、ボビンと磁気板の中心孔に摺動可能に挿入した可動鉄心、及び その復帰ばねを有するソレノイド部と、複数のポート、これらのポートを連通さ せる通路中の弁座、上記可動鉄心の弁部側先端に形設した凹部に摺動可能に挿入 され弁ばねの付勢力により上記弁座を開閉する弁体、及び可動鉄心の先端に取付 けた上記弁体の飛出しを防止するためのキャップを有する弁部とを備えた電磁弁 は、特に例示するまでもなく周知である。 しかしながら、上記周知の電磁弁は、可動鉄心が固定鉄心に衝突したり、可動 鉄心が磁気板に接触したりするために、これらの摩耗が大きくてソレノイド部の 寿命が短いという問題がある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案が解決しようとする課題は、可動鉄心の先端に取付けたキャップを利用 して、鉄心相互の衝突及び可動鉄心と磁気板の接触による摩耗を防止した電磁弁 を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するため、本考案は、コイルを巻いたボビン、該ボビンの中心 孔に装着した固定鉄心、これらを囲む磁気枠と磁気板、ボビンと磁気板の中心孔 に摺動可能に挿入した可動鉄心、及びその復帰ばねを有するソレノイド部と、複 数のポート、これらのポートを連通させる通路中の弁座、上記可動鉄心の弁部側 先端に形設した凹部に摺動可能に挿入され弁ばねの付勢力により上記弁座を開閉 する弁体、及び可動鉄心の先端に取付けた上記弁体の飛出しを防止するためのキ ャップを有する弁部とを備えた電磁弁において、上記キャップが、弾性を有する 素材で形成され、上記磁気板の中心孔に対向する案内筒部と、磁気板の弁部側の 面に対向するフランジとを備え、上記案内筒部の外径を可動鉄心の外径より大径 にするとともに、フランジと磁気板間の距離を可動鉄心のストロークより小さく したことを特徴としている。

【０００５】

【作用】

コイルへの通電によって固定鉄心が可動鉄心を吸引し、コイルの通電を解除す ると可動鉄心が元の状態に復帰して、弁体が弁座を開閉する。 この場合、キャップの案内筒部の外径が可動鉄心の外径より大きいために、可 動鉄心が磁気板に接触することなく摺動するので、これらの接触による摩耗が防 止される。 また、キャップのフランジと磁気板間の距離が可動鉄心のストロークより小さ いために、鉄心相互の衝突による摩耗が防止され、かつ可動鉄心が固定鉄心に吸 着されないので、復帰の応答性がよい。 さらに、可動鉄心の先端に取付けた既存のキャップを利用してこれらの摩耗を 防止するために、摩耗防止のための別個の部材を設ける必要がない。

【０００６】

【実施例】

図は本考案の実施例を示し、この電磁弁は、ソレノイド部１と弁部２を備えて いる。 上記ソレノイド部１は、コイル４を巻いたボビン５、ボビン５の中心孔に気密 に装着した固定鉄心６、これらを囲む磁気枠７と磁気板８、ボビン５と磁気板８ の各中心孔に摺動可能に挿入された可動鉄心９とその復帰ばね１０を備え、可動 鉄心９先端の縮径部９ａに、後記するキャップ１１が嵌着されている。 一方、弁部２の弁本体１３は、圧力流体の入力ポートＰ、出力ポートＡ及び排 出ポートＲ、これらのポートを連通させる通路に互いに背向させて形設した、ポ ートＰとＡ間の供給弁座１４及びポートＡとＲ間の排出弁座１５、これらの弁座 と略同心の供給弁室１６及び排出弁室１７、並びに弁室１６と１７を連通させる 連通孔１８，・・を備え、シールリング１９を介してソレノイド部１に密に組付 けられている。

【０００７】 図２に詳細を示す上記キャップ１１は、磁気板８の中心孔に対向する案内筒部 ２１、磁気板８の弁部２側の面に対向するフランジ２２、上記縮径部９ａの先端 に形設した凹部２５の開口周囲を覆う係止部２３、及び案内筒部２１とフランジ ２２の磁気板との対向面に形設した通気溝２４，２４を備え、合成樹脂等の弾性 を有する素材によって一体に形成されており、案内筒部２１の外径は可動鉄心９ の外径より僅かに大きく、フランジ２２と磁気板８間の距離は、固定鉄心６と可 動鉄心９間の距離、換言すれば可動鉄心９のストロークより僅かに小さくされて いる。

【０００８】 供給弁座１４を開閉する供給弁体２７は、可動鉄心９の凹部２５に摺動可動に 挿入され、該凹部２５の底面との間に縮設された第１弁ばね２８によって供給弁 座１４を閉鎖する方向に付勢され、周縁部分が上記係止部２３に当接して凹部２ ５からの飛出しが防止されている。また、排出弁座１５を開閉する排出弁体２９ は、ばね座３０との間に縮設した第２弁ばね３１によって排出弁座１５を閉鎖す る方向に付勢され、排出弁体２９を駆動する押圧部材３２の先端は、連通孔１８ ，・・を通ってキャップ１１の係止部２３に当接している。 図中の符号３４は押圧により供給弁座１４を開放させる手動操作釦、３５はコ イル４に給電するための配線基板で、ソレノイドの制御に必要な抵抗器、逆起電 力防止器等の電気・電子部品３６，・・が取付けられている。

【０００９】 上記実施例は、コイル４が非通電のときは、第１弁ばね２８の付勢力によって 供給弁体２７が供給弁座１４を閉鎖し、押圧部材３２で押圧された排出弁体２９ が排出弁座１５を開放するので、ポートＡとＲが連通している（図１左半分参照 ）。 コイル４に通電すると、固定鉄心６が復帰ばね１０の付勢力に抗して可動鉄心 ９を吸引するため、供給弁体２７が供給弁座１４を開放するとともに、第２弁ば ね３１の付勢力によって排出弁体２９が排出弁座１５を閉鎖するので、ポートＰ とＡが連通する（図１右半分参照）。

【００１０】 この場合、キャップ１１の案内筒部２１の外径が可動鉄心９の外径より僅かに 大きいために、可動鉄心９は案内筒部２１に案内されて磁気板８に接触すること なく摺動する。また、キャップ１１のフランジ２２と磁気板８間の距離が可動鉄 心９のストロークより僅かに小さいために、フランジ２２と磁気板８が当接して 可動鉄心９は固定鉄心６に衝突しない。 したがって、可動鉄心９と固定鉄心６及び磁気板８との衝突及び接触によるこ れらの摩耗を防止できる。

【００１１】 コイル４への通電を解除すると、復帰ばね１０の付勢力により、可動鉄心９が 案内筒部２１に案内されて磁気板８に接触することなく元の状態に復帰する。こ の場合、可動鉄心９が固定鉄心６に吸着されないために復帰の応答性がよい。

【００１２】 なお、上記実施例は３ポート弁であるが、本考案の電磁弁はこれに限定される ものではなく、複数のポートを有するものであればよい。

【００１３】

【考案の効果】

本考案の電磁弁は、キャップによって可動鉄心と磁気板との接触及び鉄心相互 の衝突を防止するので、これらの摩耗が小さくて電磁弁の寿命を長くすることが でき、しかも可動鉄心復帰時の応答性がよい。 また、既存のキャップによってソレノイド部の摩耗を防止することにより、摩 耗防止のために別個の部品を設ける必要がないので、電磁弁の構成を簡単にする ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例の縦断正面図である。

【図２】キャップの斜視図である。

【符号の説明】

１ ソレノイド部 ２ 弁部 ４ コイル ５ ボビン ６ 固定鉄心 ７ 磁気枠 ８ 磁気板 ９ 可動鉄心 １０ 復帰ばね １１ キャッ
プ １４ 供給弁座 ２１ 案内筒
部 ２２ フランジ ２７ 供給弁
体 ２８ 第１弁ばね Ｐ，Ａ，Ｒ
ポート

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 松 本 拓 実 茨城県筑波郡谷和原村絹の台４−２−２ エスエムシー株式会社筑波技術センター内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 コイルを巻いたボビン、該ボビンの中心
   孔に装着した固定鉄心、これらを囲む磁気枠と磁気板、
   ボビンと磁気板の中心孔に摺動可能に挿入した可動鉄
   心、及びその復帰ばねを有するソレノイド部と、複数の
   ポート、これらのポートを連通させる通路中の弁座、上
   記可動鉄心の弁部側先端に形設した凹部に摺動可能に挿
   入され弁ばねの付勢力により上記弁座を開閉する弁体、
   及び可動鉄心の先端に取付けた上記弁体の飛出しを防止
   するためのキャップを有する弁部とを備えた電磁弁にお
   いて、 上記キャップが、弾性を有する素材で形成され、上記磁
   気板の中心孔に対向する案内筒部と、磁気板の弁部側の
   面に対向するフランジとを備え、上記案内筒部の外径を
   可動鉄心の外径より大径にするとともに、フランジと磁
   気板間の距離を可動鉄心のストロークより小さくした、
   ことを特徴とする電磁弁。