JPH0542630U - サブマフラ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 インナパイプを支持する２枚のセパレータを
不要として重量を軽くする。 【構成】 インナパイプ９の中間にバルジ加工でベロー
ズ形状に加工した拡径部分９ｂを形成し、このインナパ
イプ９の両端をアウタプレート２と２Ａとに夫々溶接固
定する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はエンジンの排気音を消音するための車輌用サブマフラに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来のサブマフラの構造を図３と図４に示す。 １は楕円筒形のアウタシェル、２、２Ａはアウタプレート、３、３はセパレー タ、４は入口側のインナパイプで、その入口端（左端）がアウタプレート２に溶 接固定されている。

【０００３】 ５は出口側のインナパイプでその出口端（右端）がアウタプレート２Ａに溶接 固定されている。 ６はインナパイプ４と５の周囲に巻き付けられたステンレスウールで吸音材と して機能する。７、７、７は消音室（共鳴室）、８は消音室７に充てんされたグ ラスウールで吸音材として機能する。

【０００４】 なお、インナパイプ４と５には多数の小穴４ａ、５ａが明けられている。又、 一方のインナパイプ４の右端はわずかに縮径されて、他方のインナパイプ５の左 端に嵌挿したスライド構造となっていた。

【０００５】 このように、インナパイプを符号４と５で示す２本に分割構成し、一方の端部 を他方の端部に嵌挿しているのは、排気ガスの熱によるインナパイプの熱歪（膨 脹）が発生しても、両インナパイプの嵌挿部分がスライドしてその重なり長さが 大きくなるだけで、サブマフラの破損を防止できるからである。つまり嵌挿部分 のスライド構造で熱歪を吸収していた。

【０００６】 ところが、インナパイプを２体に分割構成しているために、車輌の振動により 各インナパイプに作用する加振力による破損を防止するために、インナパイプ４ の右端近くと、インナパイプ５の中央付近を支持するためのセパレータ３、３を 必要としていた。

【０００７】 このような、インナパイプを２体の分割構造にするのはインナパイプの全長、 つまりアウタプレート２と２Ａとの間隔がほぼ２５０ｍｍ以上の長さとなるとき に、熱歪が問題となるために採用している。

【０００８】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来の技術ではインナパイプを２本に分けてスライド構造としているため に、各インナプレートを支持するインナプレートを合計２枚必要とし、構造が複 雑となるだけでなく、重量が大きくなるという問題点があった。

【０００９】 そこで、本考案はかかる問題点を解消できるサブマフラの新規な構造を提供す ることを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために本考案のサブマフラは、１本のインナパイプ（９） の中間部にバルジ加工で拡径した部分（９ｂ）を形成すると共に、インナパイプ （９）の両端をアウタプレート（２）、（２Ａ）に固定した。

【００１１】 拡径した部分（９ｂ）の形状がベローズ形状であると効果的である。 バルジ加工で拡径した部分（１２ｂ）を有するパイプ（１２）を、アウタプレ ート（２）、（２Ａ）にそれぞれ固定したインナパイプ（１０）（１１）に組み 付けてもよい。

【００１２】 そして、拡径した部分（１２ｂ）の形状がベローズ形状であると効果的である 。

【００１３】

【作用】 インナパイプの拡径した部分（９ｂ，１２ｂ）が、インナパイプの熱歪を吸収 するので、従来技術のようなスライド構造を必要としない。

【００１４】 又、インナパイプが全体として１本又は１体構造であるので、耐振性があり、 従来技術のようなセパレータを必要としない。

【００１５】

【実施例】

図１の第１実施例において、１は楕円筒形のアウタシェル、２、２Ａはアウタ プレート、９は両端をアウタプレート２、２Ａに溶接固定したインナパイプで、 その中間（中央部）にベローズ形状の拡形部分９ｂがバルジ加工で形成されてい る。

【００１６】 バルジ加工はインナパイプの素管の内側に液体を注入して、インナパイプの外 周を囲む型形状に合わせて素管を内側から拡げて拡径する周知のバルジ加工を用 いるが、プレス加工等の他の加工方法と比較して量産面で最良である。

【００１７】 又、拡径部分９ｂは、熱歪を吸収するには、図の実施例のようなベローズ形状 が最も効果的であるが、請求項１の考案ではベローズ形状に限ることはない。 ９ａはインナパイプ９に明けた多数の小穴、６はインナパイプ９の外周に巻き 付けた吸音材としてのステンレスウール、７は消音室としての共鳴室、８は共鳴 室７に充てんした吸音材としてのグラスウールである。

【００１８】 図２（ａ）（ｂ）は本考案の第２実施例で、インナパイプの細部構造だけが図 １の第１実施例と異なるので、その点を主に説明する。 １０は左端をアウタプレート２に溶接固定した第１のインナパイプ、１１は右 端をアウタプレート２Ａに溶接固定した第２のインナパイプ、１２はその中間に バルジ加工でベローズ形状に拡径した部分１２ｂを形成したパイプで、その左右 端はそれぞれ第１のインナパイプ１０の右端と第２のインナパイプ１１の左端に 嵌合されて溶接固着され、こうして第１と第２のインナパイプ１０、１１とパイ プ１２とは１体的に結合して組み付けてある。

【００１９】 １０ａと１１ａは夫々第１と第２のインナパイプ１０と１１に明けられた多数 の小穴である。 図２（ａ）（ｂ）の第２実施例ではパイプ１２の拡径部分１２ｂがベローズ形 状に形成されているが、必ずしもベローズ形状に限ることはない（請求項３）。

【００２０】

【考案の効果】

本考案は上述のように構成されているので、車輌の振動に対応するためにイン ナパイプを支持する２枚のセパレータが不要で、アウタプレートの支えのみで支 持できるため、組立が簡単で、重量が軽減できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１実施例の縦断面。

【図２】本考案の第２実施例で、（ａ）は同図（ｂ）の
Ａ−Ａ断面（横断面）、（ｂ）は同図（ａ）のＢ−Ｂ断
面（縦断面）。

【図３】従来技術の縦断面。

【図４】図３の一部拡大図。

【符号の説明】

２，２Ａ アウタプレート ９，１０，１１ インナパイプ ９ｂ，１２ｂ 拡径した部分

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 １本のインナパイプ（９）の中間部にバ
   ルジ加工で拡径した部分（９ｂ）を形成すると共に、イ
   ンナパイプ（９）の両端をアウタプレート（２）、（２
   Ａ）に固定したサブマフラ。
2. 【請求項２】 拡径した部分（９ｂ）の形状がベローズ
   形状である請求項１のサブマフラ。
3. 【請求項３】 バルジ加工で拡径した部分（１２ｂ）を
   有するパイプ（１２）を、アウタプレート（２）、（２
   Ａ）にそれぞれ固定したインナパイプ（１０）（１１）
   に組み付けたサブマフラ。
4. 【請求項４】 拡径した部分（１２ｂ）の形状がベロー
   ズ形状である請求項３のサブマフラ。