JPH0542496B2 - - Google Patents

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JPH0542496B2
JPH0542496B2 JP60078538A JP7853885A JPH0542496B2 JP H0542496 B2 JPH0542496 B2 JP H0542496B2 JP 60078538 A JP60078538 A JP 60078538A JP 7853885 A JP7853885 A JP 7853885A JP H0542496 B2 JPH0542496 B2 JP H0542496B2
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Ujihiro Nishiike
Masayuki Sakaguchi
Isao Ito
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Kawasaki Steel Corp
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21DMODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
    • C21D8/00Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment
    • C21D8/12Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment during manufacturing of articles with special electromagnetic properties
    • C21D8/1244Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment during manufacturing of articles with special electromagnetic properties the heat treatment(s) being of interest
    • C21D8/1255Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment during manufacturing of articles with special electromagnetic properties the heat treatment(s) being of interest with diffusion of elements, e.g. decarburising, nitriding

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、高周波帯域で優れた電磁特性が要
求される高周波変圧器、高周波発電機および高周
波電動機の鉄心や磁気シールド材などの用途に用
いて好適な高周波特性に優れたけい素鋼薄鋼板お
よび製造方法に関するものである。
(従来の技術) 従来、高周波用薄電磁鋼板の製造法としては、
まずほとんどの粒がいわゆるゴス方位(110)
〔001〕に近い方位を有する2次再結晶粒からなる
方向性けい素鋼板の表面のフオルステライトを含
む酸化物を一旦酸洗等で除去し、地鉄のみの状態
にしてから、改めて冷間圧延を加えて、150μm以
下程度の板厚とした後、さらに再結晶焼鈍を施し
て(110)〔001〕方位の集積度を高める方法が一
般的であつた(たとえば米国特許2473156号明細
書)。
この方法は(110)〔001〕方位を有する結晶粒
(2次再結晶粒)に冷延を施こしたのち再び再結
晶焼鈍を施こすと、(110)〔001〕方位の集積度が
一層高まるという現象を利用したものである。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら上記の方法で得られる薄電磁鋼板
では、B10を1.8T以上に高くしたり、またW15/400
で代表される高周波鉄損を低くすることは困難で
あつた。
さらに最終冷延工程前の板の結晶粒を、(110)
〔001〕方位を有する2次再結晶粒とする必要があ
ることから、高温での2次再結晶焼鈍をおこなう
のが通常であり、このため鋼板表面にはシリカあ
るいはシリカと焼鈍分離剤が反応してできる酸化
物層が存在しているが、この酸化物層は次の冷間
工程で、板の表面性状やプロフイルを悪化させる
不利があり、またロールの摩耗を促進するので酸
洗等によつて除去する必要があることから、歩留
りの低下を含めてコストアツプを招くところにも
問題を残していた。
加えて積層して使用する用途に用いる場合に
は、各鋼板間の絶縁が必要であるため、その後に
コーテイング処理が必要となる。
この発明は、上述の問題を有利に解決するもの
で、コストアツプを招くことなく、また絶縁のた
めにコーテイング処理の省略または軽減下に、
B10の向上ならびにそれに基づく高周波鉄損特性
の有利な改善を可能ならしめた高周波特性に優れ
たけい素鋼薄板およびその製造方法に提案するこ
とを目的とする。
(発明を解決するための手段) さて、従来の高周波用けい素鋼薄鋼板では、最
終製品において磁束密度(一般にB10で代表され
る)を高くすることは困難であつた。というのは
高周波用けい素薄鋼板においては、鉄損の支配的
要因はうず電流損であるため、製品板の結晶粒が
小さい方が鉄損の低減には有利であり、それ故結
晶粒の粗大化を伴うB10の向上にはあまり努力が
払われなかつたからであり、しかも板厚150μm以
下と薄い場合に、正常な2次再結晶を行わせるこ
とは事実上、極めて難しかつたからである。
しかしながら、製品の結晶粒径が等しければ、
B10が高いほど低い鉄損が得られることはよく知
られた事実である。
そこで発明者らは、この点に着目して、結晶粒
径およびB10値と高周波鉄損特性(一般にW15/400
で代表される)との関係を再吟味したところ、た
とえ製品の平均結晶粒径を大きくしたとしても、
最終冷延条件および焼鈍条件に工夫を加えること
によつて、鉄損の低減につき、従来の予想に反し
て望外の成果が得られることを突止めたのであ
る。
この発明は、上記の知見に由来するものであ
る。すなわちこの発明はC:0.01wt%以下および
Si:2.0〜6.0wt%を含み、残部は実質的にFeの組
成になり、平均結晶粒径:0.5mm以上でかつ厚
み:150μm以下の含けい素鋼板であつて、その表
面にフオルステライト被膜を酸素目付量換算で
2.0〜6.0g/m2の範囲においてそなえ、B10≧1.8T
でかつW15/400≦12.0W/Kgであることを特徴とす
る高周波特性の優れたけい素鋼薄鋼板である。
またこの発明は、C:0.02〜0.1wt%、Si:2.0
〜6.0wt%、Mn:0.01〜0.20wt%ならびにSおよ
びSeのうちから選んだ少なくとも一種:0.008〜
0.100wt%を含有し、残部は実質的にFeの組成に
なる溶湯を、造塊−分塊圧延または連続鋳造によ
つてスラブとしたのち、熱間圧延ついで最終冷間
圧延の圧下率が55〜80%の範囲になる1回以上の
冷間圧延を施して厚み:150μm以下の最終製品板
厚とし、ついで湿水素雰囲気中で脱炭焼鈍を施し
て鋼中C量を0.01wt%以下に低減すると共に、鋼
板表面に酸素目付量換算で1.5〜2.5g/m2のシリ
カを主とする酸化物層を生成させたのち、MgO
を主成分とする焼鈍分離剤を塗布してから、1000
℃以上の温度で焼鈍を施すことを特徴とする高周
波特性の優れたけい素鋼薄鋼板の製造方法であ
る。
さらにこの発明は、C:0.02〜0.1wt%、Si:
2.0〜6.0wt%、Mn:0.01〜0.20wt%ならびにSお
よびSeのうちから選んだ少なくとも一種:0.008
〜0.100wt%を含有し、残部は実質的にFeの組成
になる溶湯を、急冷法によつて直接薄帯としたの
ち、最終冷間圧延の圧下率が55〜80%の範囲にな
る1回以上の冷間圧延を施して厚み:150μm以下
の最終製品板厚とし、ついで湿水素雰囲気中で脱
炭焼鈍を施して鋼中C量を0.01wt%以下に低減す
ると共に、鋼板表面に酸素目付量換算で1.5〜
2.5g/m2のシリカを主とする酸化物層を生成させ
たのち、MgOを主成分とする焼鈍分離剤を塗布
してから、1000℃以上の温度で焼鈍することを特
徴とする高周波特性の優れたけい素鋼薄鋼板の製
造方法である。
この発明においては、B10が1・8T以上でかつ
W15/400が12.0W/Kg以下の、高磁束密度で低鉄損
の薄鋼板を対象とする。
以下この発明を由来するに至つた実験結果に基
づき、この発明を具体的に説明する。
C:0.04wt%(以下単に%で示す)、Si:3.3
%、Mn:0.07%およびS:0.025%を含有し、残
部実質的にFeの組成になる溶鋼を連続鋳造によ
つてスラブとしたのち、熱間圧延を施し、ついで
最終圧延圧下率:65%の条件下に2回の冷間圧延
を施して厚み:100μmの最終板厚とした。
次に湿水素中で脱炭焼鈍を施したのち、MgO
を主成分とする焼鈍分離剤を塗布してから、種々
の温度で最終焼鈍を施した。
得られた各鋼板(鋼A〜F)の最終焼鈍温度と
平均粒径および平均粒径と鉄損W15/400との関係
を、第1図および第2図に示す。
なお比較のため従来法に従い得られた鋼板につ
いての調査結果も同図に併せて示す。
第1図および第2図より明らかなように、従来
法に従う場合は、最終焼鈍温度の上昇と共に平均
粒径は大きくなり、またかかる平均粒径の増大に
伴つて、鉄損特性は劣化した。
これに対し上記の製造プロセスを経たものは、
従来材に比べて平均粒径は増大したものの、鉄損
値はむしろ低下し、とくに鋼D、EおよびFの場
合には極めて良好な鉄損特性を示した。
このように製品の平均粒径が粗大化したにもか
かわらず良好な鉄損特性が得られた理由の一つ
は、B10の向上にあると考えられる。すなわち従
来品は前述したようにB10値は一般に低く、最良
値でも1.8T程度であつたのに対し、上述した製
造履歴を経たものとくに、鋼D、EおよびFは
1.87〜1.91Tもの高い値を呈していることから、
結晶粒の粗大化によるデメリツトよりもB10の増
大によるメリツトが勝つたことによるものと考え
られる。
さらにもう一つの主要な理由は、上記の製造プ
ロセスでは製品板表面に適当量のフオルステライ
ト被膜が得られているとによることが判明した。
第3図に、上述の製造工程に準じて最終冷間圧
延を施したのち、脱炭焼鈍工程において雰囲気を
種々に変化させて最終製品におけるフオルステラ
イト量を変化させたときの製品の鉄損値について
調べた結果を、製品板の酸素目付量との関係で示
す。
なお図中A、Bは、第1図に同記号で示した条
件に対応し、その他は1100℃で最終焼鈍を行つ
た。
第3図より明らかなように、酸素目付量や少な
い場合には、製品板の2次再結晶は不完全なもの
が多く、また完全であつてもフオルステライトに
よる鉄損低減効果が小さいために鉄損値は大き
い。一方酸素目付量が多すぎる場合は、B10値は
いずれも1.80〜1.81Tと良好であつたが、鉄損特
性は好ましくなかつた。
これに対し、製品板の酸素目付量が2.0〜
6.0g/m2の範囲にある場合は、B10値は1.87〜
1.90Tと高く、またW15/400も12.0W/Kg以下と極
めて良好な値が得られた。
ところで上記の脱炭焼鈍において、ただ単に酸
素目付量を所定の範囲に制限しただけでは、必ず
しも高B10値ひいては低鉄損が得られるわけでは
なく、最終冷間圧延におけるC量含有量および圧
下率が重要な意味ともつことが判明した。
そこで発明者らは、この点につき鋭意研究を重
ねた結果、以下に述べる知見を得た。
すなわち厚み150μm以下のけい素鋼薄鋼板にお
いて、良好な鉄損特性を得るためには、(110)
〔001〕方位粒の集積度を高めることが肝要なわけ
であるが、そのためには最終冷延時において、鋼
中に0.02%以上好ましくは0.03%以上のCを含有
させておき、かかるC含有量の下に最終圧下率を
55〜80%望ましくは60〜70%の範囲に制限するこ
とが極めて有効であり、かくしてその後に適切な
脱炭焼鈍を施して、鋼中C量を低減すると共に鋼
板表面に適正量の酸化物を生成させることによつ
て、B10が高くかつW15/400が低い良好なけい素鋼
薄鋼板が得られることを突止めたのである。
第4図および第5図に、脱炭焼鈍後の酸素目付
量および最終冷間圧延における圧下率が製品板の
B10値に及ぼす影響について調べた結果を、整理
して示す。
第4図より、最終冷延時における鋼中C量が少
ないと脱炭焼鈍後の酸素目付量の如何にかかわら
ず高いB10値は得られないのに対し、最終冷延時
におけるC量は比較的高くしておき、その後に脱
炭焼鈍においてC量を低減した場合には、酸素目
付量1.5〜2.5g/m2の範囲において極めて高いB10
値が得られることが判る。
また、第5図から明らかなように、最終冷間圧
延における圧下率が55〜80%の範囲においてとり
わけ高いB10値が得られた。
この点従来法においては、最終冷延前にC量を
低減させていたこともあつて、特性向上のために
は、最終冷延前に(110)〔001〕方位粒の集積度
を予め高めておく必要があり、従つてかかる2次
粒組織を得るための高温焼鈍が不可欠とされ、そ
れ故かような焼鈍によつて生成する表面酸化物層
を除去するための酸洗処理など、繁雑な工程が必
要だつたのである。
以上、素材鋼板として連鋳スラブの熱延板を用
いた場合について主に説明したが、その他分塊ス
ラブの熱延板、またさらには溶湯から直接製板化
されるいわゆる急冷薄帯を用いた場合も、同等の
結果が得られることが確められた。
以下この発明鋼板において、成分組成範囲なら
びに平均結晶粒径、板厚およびフオルステライト
被膜量を前記の範囲に限定した理由について説明
する。
C:0.01%以下 Cが、製品板において0.01%を超えて含有され
ると、低い磁束密度(B10≦1.76T)しか得られ
ず、また時効劣化を起こし易いので、C含有量は
0.01%以下の範囲に限定した。
Si:2.0〜6.0% Siは、電気抵抗を高めてうず電流損を低減させ
るのに有効に寄与するが、含有量が2.0%に満た
ないとその添加効果に乏しく、一方6.0%を超え
て多量に含有されると加工性が劣化するので、
2.0〜6.0%より好ましくは2.0〜4.0%の範囲で含
有させることにした。
また結晶粒の平均粒径が0.5mmに満たないと、
この発明で初期した高B10値すなわちB10≧1.8T
を達成するのは難しいので、平均結晶粒径は0.5
mm以上に限定した。ここに製品板厚が150μmより
大きいと良好な高周波特性は得られないので、製
品板厚は150μm以下にする必要がある。
さらに鋼板表面のフオルステライト被膜量が、
酸素目付量換算で2.0g/m2に満たないと、180゜磁
区の拡がりが生じてうず電流損が増大し、一方
6.0g/m2を超えると占積率の低下を招き実使用に
耐え得なくなるので、フオルステライト被膜量は
酸素目付量で2.0〜6.0g/m2の範囲に限定した。
次にこの発明の製造法につき、工程順に具体的
に説明する。
まず素材の成分組成について説明する。
C:0.02〜0.1% 最終冷延時におけるC含有量が0.02%に満たな
いと、該冷延時における圧下率をいかように調整
したとしても(110)〔001〕方位の高い集積は見
られず、一方0.1%を超えて多量に含有されてい
ると、その後の脱炭焼鈍において満足いく脱炭が
難しくなるので、素材中におけるC含有量は0.02
〜0.1%とする必要がある。
しかしながらこのCが製品板にまで残存する
と、磁束密度が低下すると共に時効劣化も起き易
いので、脱炭焼鈍時において0.01%以下まで低減
させることが肝要である。
Si:2.0〜6.0% Siについては、上に発明鋼板について説明した
のと同じ理由による。
Mn:0.01〜0.02%、Sおよび/またはSe:
0.008〜0.100% MnならびにS、Seは、それぞれ結合してイン
ヒビターMnS、MnSeを形成し、最終焼鈍におい
て(110)〔001〕方位の集積度が高い集合組織の
形成に有効に寄与するが、それぞれが下限に満た
ないとその添加効果に乏しく、一方上限を超える
とインヒビターとして適切な析出が阻害されるの
で、それぞれ上記の範囲において添加するものと
した。
なおこれらの元素は最終焼鈍において鋼中から
除去されるものである。
さて上記の成分組成に調整した溶湯から鋼板を
作製するが、この板の作製に当たつては、造塊−
分塊法や連続鋳造法によつて得たスラブに熱間圧
延を施す方法、ならびに溶湯から直接薄板を得る
いわゆる急冷法いずれもが利用できる。
ついでかくして得られた薄板に1回または2回
の冷間圧延を施して150μm以下の最終板厚とする
が、この冷間圧延において、最終冷延の圧下率は
55〜80%とする必要がある。というのは前掲第5
図にも示したとおり、最終冷延圧下率が55%に満
たなかつたり、80%を超えた場合には良好なB10
値が得られないからである。
脱炭焼鈍は必らず、最終板厚に冷延後に施す必
要がある。というのはそれ以前に施すと最終冷延
時おけるC量が不足し、所望の特性が得られない
からである。
この脱炭焼鈍においては、C含有量を0.01%以
下まで低減させる必要がある。
また、この脱炭焼鈍において生じる表面酸化物
の量は、酸素目付量換算で1.5〜2.5g/m2の範囲
に限定する必要がある。というのは脱炭焼鈍後に
おける酸素目付量が1.5g/m2に満たないと、生成
するフオルステライト量が少なくて前掲第3図に
示したようにフオルステライトによる鉄損低減効
果が望み得ず、一方2.5g/m2を超えるほど多量の
酸化物が生じると特性の劣化を招くからである。
さらに最終焼鈍温度は1000℃以上とする必要が
ある。というのは1000℃に満たないと充分なフオ
ルステライト量が確保できず、また満足いくほど
強い(110)〔001〕集合組織が得られないことに
よる。
(作用) この発明において、結晶粒が粗大化するにもか
かわらず低鉄損が達成されるのは、表面に存在す
るフオルステライト被膜が、結晶粒が増大した時
におこるうず電流損の増大を防止するからであ
る。その理由は、フオルステライトが存在する場
合、うず電流損の要因である180゜磁区の幅を減少
させるためと考えられる。
このフオルステライト被膜は適正量存在してい
なければならず、その必要量はすでに述べたとお
りである。
(実施例) 実施例 1 C:0.035%、Si:3.2%、Mn:0.08%および
Se:0.015%を含有し、残部実質的にFeの組成に
なる連鋳スラブに、熱間圧延を施して厚み:1.2
mmの熱延板とした。ついで途中に再結晶焼鈍を含
む2回の冷延圧延を施して100μm厚の冷延板とし
た。このとき2回目の冷延圧下率は70%であつ
た。次に水分量を調整し露点を変化させた2種類
の湿水素雰囲気中で脱炭焼鈍を施した。脱炭後の
鋼板中の炭素量はどちらも0.001%であつたが、
表面の酸素目付量はそれぞれ2.0g/m2(適合例)、
0.8g/m2(比較例)であつた。
続いてこれらの鋼板の表面にそれぞれMgOの
主成分とする焼鈍分離剤を塗布してから、1200℃
の温度で最終焼鈍を施した。
かくして得られた各けい素鋼薄鋼板のフオルス
テライト量は、酸素目付量換算でそれぞれ4g/
m2、1.5g/m2であつた。また2次再結晶粒の平均
粒径はそれぞれ5.0mm、0.4mmであり、さらに磁気
特性は次のとおりであつた。
W10/400 W15/400 B10(T) (W/Kg) (W/Kg) 適合例 1.90 4.7 9.8 比較例 1.78 6.0 20.0 実施例 2 C:0.05%、Si:4.0%、Mn:0.05%および
Se:0.027%を含有し、残部実質的にFeの組成に
なるけい素鋼溶湯を、急冷法によつて直接鋼帯と
した。鋼帯の厚みは0.25mmであつた。この鋼帯を
冷間圧延によつて0.18mmとした後、再結晶焼鈍を
900℃で3分間行ない、その後冷延によつて0.07
mmの板厚とした。次に水分量を調整し露点を変化
させた2種類の湿水素雰囲気中で脱炭焼鈍を施し
た。脱炭後の鋼板中の炭素濃度はいずれも0.001
%以下であつたが、表面の酸素目付量は適合例は
1.8g/m2比較例は0.7g/m2であつた。
続いて、こさらの鋼板の表面にそれぞれMgO
を主成分とする焼鈍分離剤を塗布してから、1200
℃温度で最終焼鈍を施した。
かくして得られた各鋼板表面をフオルステライ
ト量は酸素目付量でそれぞれ4g/m2、1.2g/m2
であつた。また2次再結晶粒の平均粒径はそれぞ
れ1.5mm、0.2mmであり、さらに磁気特性は次のと
おりであつた。
W10/400 W15/400 B10(T) (W/Kg) (W/Kg) 適合例 1.84 4.4 9.3 比較例 1.76 5.7 18.7 (発明の効果) かくしてこの発明によれば、従来のように表面
酸化物の酸洗除去処理などの繁雑な工程を必要と
せず、効率の良いプロセスで、高周波特性にすぐ
れたけい素鋼薄鋼板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、最終焼鈍温度と製品の平均粒径との
関係を示したグラフ、第2図は、製品の平均粒径
と鉄損W15/400との関係を示したグラフ、第3図
は、製品板における酸素目付量と鉄損W15/400
の関係を示したグラフ、第4図は、脱炭焼鈍後の
酸素目付量が製品のB10に及ぼす影響を最終冷延
時における鋼中C量をパラメータとして示したグ
ラフ、第5図は、最終冷延圧下率がB10に及ぼす
影響を脱炭後の酸素目付量をパラメータとして示
したグラフである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 C:0.01wt%以下および Si:2.0〜6.0wt% を含み、残部は実質的にFeの組成になり、平均
    結晶粒径:0.5mm以上でかつ厚み:150μm以下の
    含けい素鋼板であつて、その表面にフオルステラ
    イト被膜を酸素目付量換算で2.0〜6.0g/m2の範
    囲においてそなえ、B10≧1.8TでかつW15/400
    12.0W/Kgであることを特徴とする高周波特性の
    優れたけい素鋼薄鋼板。 2 C:0.02〜0.1wt% Si:2.0〜6.0wt% Mn:0.01〜0.20wt%ならびに SおよびSeのうちから選んだ少なくとも一
    種:0.008〜0.100wt% を含有し、残部は実質的にFeの組成になる溶湯
    を、造塊−分塊圧延または連続鋳造によつてスラ
    ブとしたのち、熱間圧延ついで最終冷間圧延の圧
    下率が55〜80%の範囲になる1回以上の冷間圧延
    を施して厚み:150μm以下の最終製品板厚とし、
    ついで湿水素雰囲気中で脱炭焼鈍を施して鋼中C
    量を0.01wt%以下に低減すると共に、鋼板表面に
    酸素目付量換算で1.5〜2.5g/m2のシリカを主と
    する酸化物層を生成させたのち、MgOを主成分
    とする焼鈍分離剤を塗布してから1000℃以上の温
    度で焼鈍を施すことを特徴とする高周波特性の優
    れたけい素鋼薄鋼板の製造方法。 3 C:0.02〜0.1wt% Si:2.0〜6.0wt% Mn:0.01〜0.20wt%ならびに SおよびSeのうちから選んだ少なくとも一
    種:0.008〜0.100wt% を含有し、残部は実質的にFeの組成になる溶湯
    を、急冷法によつて直接薄帯としたのち、最終冷
    間圧延の圧下率が55〜80%の範囲になる1回以上
    の冷間圧延を施して厚み:150μm以下の最終製品
    板厚とし、ついで湿水素雰囲気中で脱炭焼鈍を施
    して鋼中C量を0.01wt%以下に低減すると共に、
    鋼板表面に酸素目付量換算で1.5〜2.5g/m2のシ
    リカを主とする酸化物層を生成させたのち、
    MgOを主成分とする焼鈍分離剤を塗布してから
    1000℃以上の温度で焼鈍することを特徴とする高
    周波特性の優れたけい素鋼薄鋼板の製造方法。
JP60078538A 1985-04-15 1985-04-15 高周波特性の優れたけい素鋼薄鋼板およびその製造方法 Granted JPS61238939A (ja)

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