JPH054220Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、電線端の端子を収容するコネクタハ
ウジングに係るもので、詳しくは収容した端子の
半挿入を防止すると共に、端子の抜けを防止する
係止構造に関するものである。

「従来の技術」および「考案が解決しようとする
問題点」 従来、前記の係止構造には多数の公知例があ
り、ヒンジを介して開閉するロツクカバーによつ
て収容した端子の抜けを防止する構造、或は挿入
した端子の後方からスペーサを挿着し、端子の半
挿入の発見と正常な位置に挿入された端子の抜け
防止を図る構造に類別される。

そして、前者に属するものとして特開昭58−
212082号公報の様に、スリツトを介して端子の対
応孔又は凹部に係合する突起を有する可撓性の係
止アームを設けると共に、該係止アームを上方か
ら押えこむロツクカバーを設けた構造のものがあ
る。この公知構造によると、端子が半挿入状態
（端子の挿入量が不足し、正しい挿入位置にない
状態）のとき、前記のロツクカバーが閉鎖できな
くなり、端子の挿入不良を感知し完全挿入をなす
様に注意を喚起するが、ロツクカバーの閉鎖によ
つて半挿入端子の姿勢を自動矯正する作用に欠け
る不具合点がある。

本考案は、以上の従来技術の難点を解消するの
が目的である。

「問題点を解決するための手段」 以上の目的を達成する本考案は、「中間に段差
部を有する端子を収容するコネクタハウジングに
おいて、該端子の挿入方向と逆方向に下降する傾
斜からなる案内傾斜部を先端下方に有する係止片
を、該端子の挿入軌道上から外れた位置に配置
し、該係止片を端子収容室に押し込み装着して、
該端子収容室内の半挿入姿勢の端子の前記段差部
に前記案内傾斜部を押し当て、該押し込み力に基
づく前進分力を付与して正常挿入姿勢になすと共
に、正常挿入姿勢の前記段差部の後方に前記係止
片の先端を係合して端子抜け防止する構造」が要
旨である。

「実施例」および「作用」 以下実施例によつて詳しく説明する。その一実
施例を示す第１，２図において、本考案のコネク
タハウジング１は、前半部分に管状に膨出した接
触部３を有し、接触部３の後端が段差部４となる
雌形端子２を、上下二段にして横方向に並列した
端子収容室５に挿着収容する様に成つている。そ
して、収容した雌形端子２の上方壁となる周壁１
７には、雌形端子２と平行して伸長し、かつ雌形
端子２の前方方向に自由端８を有する片持梁状の
係止片６が、端子収容室５ごとに個別に設けてあ
る。即ち、係止片６は雌形端子２が端子収容室５
へ挿入されるときの挿入軌道上（端子２が端子収
容室５の所定位置に挿入されるときに、端子２が
通過する空間部分）を外れた位置（この実施例は
端子収容室５の外部上方）に配置されている。そ
して、横方向に整列する係止片６の上方には、係
止片６の基部７の近傍に位置する回転端１２を介
して開閉自在のロツクドアー１１が設けてある。
即ち、ロツクドアー１１はコネクタハウジング１
の周壁１７を切欠いた開口部に、薄肉ヒンジ状の
回転端１２を介してコネクタハウジング１の周壁
１７に連設したもので、ロツクドアー１１を閉鎖
すると横一列に配列した下方の係止片６群を同時
に押え込み、開口部を閉鎖する様に成つている。

そして、前記の係止片６の自由端８は、雌形端
子２に臨み、かつ基部７の方向に肉厚となる、即
ち、雌形端子２の挿入方向と逆方向に下降する傾
斜からなる案内傾斜部９が形成してあり、係止片
６はロツクドアー１１によつて下方へ押し込まれ
て撓んだとき、第１図下段のように自由端８が正
常な挿着位置にある雌形端子２の接触部３の段差
部４に当接する形状と大きさにしてあり、自由端
８の背面にはロツクドアー１１による押し込み用
の突起部１０が形成してある。

なお、前記のロツクドアー１１の左右側縁に
は、閉鎖したときにコネクタハウジング１の側壁
の係止爪１４に掛止する係止部１３が設けてあ
り、その閉鎖状態をロツクする様になつている。
また、この実施例には収容した雌形端子２の下方
に、片持梁状の公知の係止アーム１５が設けてあ
り、係止アーム１５が設けてあり、係止アーム１
５の自由端の係止突起１６が接触部３の下面の係
止孔に嵌合し、係止アーム１５によつて挿入した
雌形端子２を一次係止する様にしてある。

以上の第１図示実施例のコネクタハウジング
は、挿入した雌形端子２の上方に、自由端下方に
案内傾斜部９を有する係止片６が個々に設けてあ
り、その係止片６の上方には、係止片６の自由端
８を下方に撓ませて押え込み、閉鎖ロツクするロ
ツクドアー１１が設けられて、かつ押え込まれた
自由端８が雌形端子２の接触部３の後端段差部４
に当接する様に構成されているので、第２図点線
の様に挿入量不足の雌形端子２があるときは、端
子２の段差部４と係止片６の案内傾斜部９が接触
し、係止片６の押し込み力によつて雌形端子２の
前進分力が生じ、前方へ押し出されて半挿入の雌
形端子２が図示実線位置に自動矯正される作用が
ある。即ち、本考案のコネクタハウジングは、案
内傾斜部９を設けた係止片６を有し、その係止片
６は端子２の挿入軌道上から外れた位置に配置さ
れているので、端子２の挿入を妨害しないと共
に、端子２を挿入した端子収容室５に押し込み装
着されると、半挿入姿勢の端子２の段差部４に案
内傾斜部９が押し当てられて前記の前進分力が半
挿入端子に付与され、正常挿入姿勢に自動強制さ
れる。そして正しい位置に挿入された雌形端子２
は、接触部３の後端がロツクドアー１１によつて
閉鎖ロツクした係止片６の自由端８によつて後方
から当接係止され、抜けが完全に防止される。

なお、前記の位置矯正作用は、ロツクドアー１
１の回転端１２と係止片６の基部７が、実質的に
同一部位にあり、かつ、両者が同一方向へ回転変
位する構成を有するので、ロツクドアー１１の閉
鎖回転に連動して係止片６の基部７も同一方向へ
回転変位し、ロツクドアー１１の回転量が係止片
６の自由端８に効果的に伝達され、ロツクドアー
１１を軽く押え込むのみで雌形端子２を前進させ
る分力が生じ、前記の位置矯正作用が簡便的確に
行なわれる特徴がある。

また、本考案のコネクタハウジング１は、公知
の係止アーム１５による一次係止と、前記の係止
片６による二次係止からなる二重係止機構となる
ので、雌形端子２の係止力が特に安定向上する。

なお、前記構成の係止片６の突起部１０は、係
止片６の自由端８を接触部３の上縁より下方まで
撓ませ、前記の作用を図る為に設けたもので、突
起部１０をロツクドアー１１の下面に設けたり、
突起部１０に代えて係止片６を先太状にしても良
い。

「考案の効果」 以上の様に本考案のコネクタハウジングによる
と、収容した雌形端子２の係止力が向上し的確に
抜けを防止すると共に、半挿入端子の位置を自動
矯正してワンタツチ的に係止ロツクできるので、
従来の挿入位置修正の作業が廃止され、端子挿着
作業の作業性が向上すると共に、端子挿入品質の
信頼性が向上する効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図：本考案一実施例のコネクタハウジング
を示す斜視図、第２図：第１図実施例の作用状態
を示す斜視図。 主な符号、１……コネクタハウジング、２……
雌形端子、３……接触部、４……段差部、５……
端子収容室、６……係止片、７……係止片の基
部、８……自由端、９……案内傾斜部、１０……
突起部、１１……ロツクドアー、１２……ロツク
ドアーの回転端、１５……係止アーム、１８……
電線。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中間に段差部を有する端子を収容するコネクタ
   ハウジングにおいて、該端子の挿入方向と逆方向
   に下降する傾斜からなる案内傾斜部を先端下方に
   有する係止片を、該端子の挿入軌道上から外れた
   位置に配置し、該係止片を端子収容室に押し込み
   装着して、該端子収容室内の半挿入姿勢の端子の
   前記段差部に前記案内傾斜部を押し当て、該押し
   込み力に基づく前進分力を付与して正常挿入姿勢
   になすと共に、正常挿入姿勢の前記段差部の後方
   に前記係止片の先端を係合して端子抜け防止する
   構造を特徴とするコネクタハウジング。