JPH037897Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、電線端の端子を収容するコネクタハ
ウジングに係るもので、詳しくは収容した端子の
半挿入を防止すると共に、端子の抜けを防止する
係止構造に関するものである。

「従来の技術」および「考案が解決しようとする
問題点」 従来、前記の係止構造には多数の公知例があ
り、ヒンジを介して開閉するロツクカバーによつ
て、収容した端子の抜けを防止する構造、或は挿
入した端子の後方からスペーサを挿着し、端子の
半挿入の発見と正常な位置に挿入された端子の抜
け防止を図る構造に類別される。

そして、前者に属するものとして特開昭58−
212082号公報の様に、スリツトを介して端子の対
応孔又は凹部に係合する突起を有する可撓性の係
止アームを設けると共に、該係止アームを上方か
ら押えこむロツクカバーを設けた構造のものがあ
る。この公知構造によると、端子が半挿入状態
（端子の挿入量が不足し、正しい挿入位置にない
状態）のとき、前記のロツクカバーが閉鎖できな
くなり、端子の挿入不良を感知し完全挿入をなす
様に注意を喚起するが、ロツクカバーの閉鎖によ
つて半挿入端子の姿勢を自動矯正する作用に欠け
る不具合点がある。

本考案は、以上の従来技術の難点を解消するの
が目的である。

「問題点を解決するための手段」 以上の目的を達成する本考案は「前半部分に膨
出した接触部を有し、かつ前記接触部の後端に段
差部を有する雌形端子を収容するコネクタハウジ
ングにおいて、周壁には前記雌形端子に並行し、
かつ前記雌形端子の後方方向に自由端を有する片
持梁状の係止片が設けられると共に、前記係止片
の基部に回転端を有し、前記係止片を覆うロツク
ドアーが設けてあり、前記係止片の中間には、前
記雌形端子に臨む係止部が隆設してあり、前記ロ
ツクドアーを閉鎖して前記係止片を押え込み、前
記係止部の後端部が、前記雌形端子の接触部の軸
心と概ね直交して前記段差部に当接係止する構
造」から成つている。

「実施例」および「作用」 以下実施例によつて詳しく説明する。その一実
施例を示す第１、２図において、本考案のコネク
タハウジング１は、前半部分に管状に膨出した接
触部３を有し、接触部３の後端が段差部４となる
雌形端子２を、上下二段にして横方向に並列した
端子収容室５に挿着収容する様に成つている。そ
して、収容した雌形端子２の上方壁となる周壁１
４には、雌形端子２と並行して伸長し、かつ雌形
端子２の後方方向に自由端を有する片持梁状の係
止片６が、端子収容室５ごとに個別に設けてあ
る。そして、横方向に整列する係止片６の上方に
は、係止片６の基部７の近傍に位置する回転端１
２を介して開閉自在のロツクドアー１１が設けて
ある。即ち、ロツクドアー１１はコネクタハウジ
ング１の周壁１４を切欠いた開口部に、薄肉ヒン
ジ状の回転端１２を介してコネクタハウジング１
の周壁１４に連設したもので、ロツクドアー１１
を閉鎖すると横一列に配列した下方の係止片６群
を同時に押え込み、開口部を閉鎖する様に成つて
いる。

そして、係止片６の中間下面には、雌形端子２
に臨ませて隆起部８が形成してあり、隆起部８の
後端部９（基部７寄りの端面）は、ロツクドアー
１１によつて係止片６が下方に押し込まれたと
き、第１図下段のように正常な挿入位置にある雌
形端子２の接触部３の段差部４に当接し、かつ、
後端部９が成す平面が、雌形端子２の軸心２′に
対して概ね直交するように形成してある。そし
て、ロツクドアー１１の先端下面には、係止片６
の押し込み用の突起部１０が隆設してある。ま
た、ロツクドアー１１の左右側縁には、閉鎖した
ときにコネクタハウジング１の側壁の係止爪（図
示しない）と係合する係止部１３が形成してあ
り、ロツクドアー１１を閉鎖ロツクする様にして
ある。なお、係止片６は弾性片持梁となつてお
り、挿入される雌形端子２の接触部３と隆起部８
が千渉すると、係止片６が上方へ弾性変形し、雌
形端子２の挿入を許容するに成つている。

以上の構成の本考案のコネクタハウジング１
は、挿入した雌形端子２の上方に、下方に隆起部
８を有する係止片６が設けてあり、その係止片６
の上方には、係止片６を下方に押え込むロツクド
アー１１が設けられ、正常な位置に挿入された雌
形端子２の接触部３の段差部４と、押え込まれた
係止片６の隆起部８の後端部９が当接係合し、か
つ、後端部９が成す平面は雌形端子２の軸心２′
に対して直交して当接するので、雌形端子２は係
止片６によつて的確に係止され、その抜けが完全
に防止される。そして、第２図点線の様に挿入量
不足の雌形端子２があるときは、接触部３と隆起
部８が千渉して係止片６が傾斜して上方へ起きて
おり、隆起部８の後端部９が成す平面が雌形端子
２の軸心２′に対して傾斜するので、傾斜状の後
端部９と段差部４が係合することとなり、ロツク
ドアー１１の押えによる係止片６の下降力が接触
部３の前進分力となつて作用し、雌形端子２が前
方へ押し出され、半挿入の位置から図示実線の正
常位置に自動矯正される作用がある。

なお、以上の位置矯正作用は、ロツクドアー１
１の回転端１２と係止片６の基部７が、実質的に
同一部位にあり、かつ、両者が同一方向へ回転変
位する構成を有するので、ロツクドアー１１の閉
鎖回転に連動して係止片６の基部７も同一方向へ
回転変位し、ロツクドアー１１の回転力が係止片
６の自由端に効果的に伝達され、かつ、係止片６
の隆起部８の後端部９は基部７に近く、押え込む
ときの力点と作用点のレバー比が大きくなるの
で、ロツクドアー１１を軽く押え込むのみで、半
挿入の雌形端子２を前進させる前記分力が増幅的
に生じ、前記の矯正作業が簡便的確に行なわれる
特有作用がある。

さらに、本考案のコネクタハウジング１は、係
止片６によつて挿入された雌形端子２を一次係止
し、ロツクドアー１１の閉鎖によつて二次係止す
るので、例えば接触部３の下部の係止孔と端子収
容室５内の係止アームによる公知の一次係止機構
を設ける必要がなく、その上係止片６は外方に撓
み、内側に撓み代を設ける必要がないので、コネ
クタハウジングがシンプル化小形化する利点があ
る。

なお、前記構成のロツクドアー１１の突起部１
０は係止片６の上部に設けたり、突起部１０に代
えて係止片６を先太状にしても良い。

「考案の効果」 以上の様に本考案のコネクタハウジングによる
と、収容した雌形端子２の係止力が向上し的確に
抜けを防止すると共に、半挿入端子の位置を自動
矯正してワンタツチ的に係止ロツクできるので、
従来の挿入位置修正の作業が廃止され、端子挿着
作業の作業性が向上すると共にコネクタハウジン
グの小形化シンプル化を促進し、併せて端子挿入
品質の信頼性が向上する等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図：本考案一実施例のコネクタハウジング
を示す斜視図、第２図：第１図実施例の作用状態
を示す斜視図。 主な符号、１……コネクタハウジング、２……
雌形端子、３……接触部、４……段差部、５……
端子収容室、６……係止片、７……係止片の基
部、８……隆起部、９……隆起部の後端部、１０
……突起部、１１……ロツクドアー、１５……電
線。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前半部分に膨出した接触部を有し、かつ前記接
   触部の後端に段差部を有する雌形端子を収容する
   コネクタハウジングにおいて、周壁には前記雌形
   端子に並行し、かつ前記雌形端子の後方方向に自
   由端を有する片持梁状の係止片が設けられると共
   に、前記係止片の基部に回転端を有し、前記係止
   片を覆うロツクドアーが設けてあり、前記係止片
   の中間には、前記雌形端子に臨む係止部が隆設し
   てあり、前記ロツクドアーを閉鎖して前記係止片
   を押え込み、前記係止部の後端部が、前記雌形端
   子の接触部の軸心と概ね直交して前記段差部に当
   接係止する構造を特徴とするコネクタハウジン
   グ。