JPH0542166Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は天井吊り構造、特にデツキプレート用
天井吊り構造の改良に関する。

（従来技術とその問題点） 従来、組天井下地の施工は、第１２図に示すよ
うに、階上床構造１のコンクリートＣ内に埋め込
まれたインサート部材Ｉに釣りボルトＢの上端を
差し込み、該釣りボルトＢの下端を天井下地２の
野縁受け２１に対して調節ハンガー２２を介して
取付け、吊り構造を形成するのが一般である。
尚、２３は野縁受け２１に対してクリツプ等によ
り取付けられる野縁で、該野縁２３に対して天井
板２４が敷設される。

近年、上記床構造１を形成するのに、デツキプ
レートを使用した複合床構造が採用されている。
この場合でも上記施工方法を利用して吊り天井構
造を施工することができるが、デツキプレートの
下面にインサート部材Ｉを溶接等で取りつける
か、あるいはコンクリート打設前にデツキプレー
トに穴を開け、インサート部材Ｉをセツトする作
業は天井施工作業を著しく非能率にする原因とな
り、その改善が望まれている。

（考案の課題） 本考案はデツキプレートの構造を有効利用して
簡易施工の可能な吊り天井構造を提供することを
課題とする。

（課題解決のための手段） 本考案は、階上床構造１とその下方にハンガー
システム３により天井下地２を吊り下げにて施工
する天井吊り構造において、 上記床構造１としてデツキプレート１０を使用
する場合、デツキプレート１０としてコンクリー
トとの噛み合いを確実にする目的で、その両傾斜
ウエブ条辺１１の下方に長手方向に延びる凹部１
２が形成されるが、 かかる凹部１２を利用すると、上記ハンガーシ
ステム３として上記凹部１２，１２間に渡る全体
として上方に湾曲または屈曲した横長の止め金具
３１を用いることにより、該止め金具３１の中央
部にナツト３２を介して上下に螺進退可能に連結
される釣りボルト３３は止め金具３１のデツキプ
レート凹部１２への回転嵌め込み動作により、デ
ツキプレート１０への所望位置に容易に仮取付け
可能である一方、 天井下地の取付け完了と同時に、釣りボルト３
３を介して作用する天井下地の荷重により止め金
具３１の湾曲または屈曲が延びる結果、止め金具
３１の両端がデツキプレート１０の両凹部１２，
１２にきつちりと嵌まり込み、確実に固定される
ことに着目してなされたものである。

以下、本考案を添付図面に示す具体例に基づ
き、詳細に説明する。

（実施例） 第１図は本考案に係る天井構造の全体を示す断
面図で、第２図はデツキプレート凹部と止め金具
の取付け状態を示す−線断面図、第３図〜第
５図は本考案において使用する止め金具３１の具
体例を示す平面図、正面図および右側面図で、第
６図〜第８図および第９図〜第１１図は上記止め
金具の変形例を示す平面図、正面図および右側面
図である。

図面、第４図、第７図および第１０図に示すよ
うに、本考案はハンガーシステムとして「く」の
字状に両端が下がるように屈曲または円弧状に湾
曲している横長の止め金具３１を使用することが
肝要である。即ち、止め金具３１はデツキプレー
ト１０の両凹部１２に回転動作により容易に嵌め
込み仮固定可能であるためには、デツキプレート
１０の両凹部１２底間隔ｌ１と同等に形成し、第
２図に示すように端部３５を円弧状に形成する
か、またはｌ１より短く、かつ入口間隔ｌ２より
長く形成するとよいが、止め金具３１が全体とし
て「く」の字状に両端が下がるように屈曲または
円弧状に湾曲していると、吊り下げ荷重により湾
曲部が長手方向に延びるので、デツキプレート１
０両凹部１２にきつちりと嵌合固定されるように
なるからである。

尚、図面上では止め金具３１の中央上部には釣
りボルト３３の上部ネジが螺合するナツト３２が
一体的に溶接固定され、釣りボルト３３の垂下長
さの調節を可能とするとともに釣りボルト３３に
対して止め金具３１を回転自在に連結するように
なつている。また、左右両端部には切り込み部３
４が形成され、上述した吊り下げ荷重により長手
方向に延びた際、デツキプレート１０両凹部１２
底に対して噛み合うようにしているが、上記ナツ
ト３２は止め金具３１と釣りボルト３３を回転自
在に連結する他の連結構造に変更しても支障な
く、また、切り込み部３４は必ずしも必要な要素
ではないことは勿論である。

本考案を適用して階上床構造１のデツキプレー
ト１０の下方に天井下地２を吊り下げ施工するに
あたつては、 まず、デツキプレート１０の両傾斜ウエブ条辺
１１，１１間の空間内で横長の止め金具３１を第
２図一点鎖線に示す位置から矢印方向に回転さ
せ、デツキプレート両凹部１２，１２を渡るよう
に屈曲または湾曲した横長の止め金具３１を位置
決め仮固定する。

次いで、止め金具３１の中央ナツト３２に螺合
した釣りボルト３３を螺進退させ、垂下長さを調
節した後、釣りボルト３３の下端に天井下地２の
野縁受け２１を調節ハンガー２２を介して取付
け、該野縁受け２１に対してクリツプ等により野
縁２３を取付け、該野縁２３に対して天井板２４
が敷設される。

天井下地２の取付け完了と同時に、釣りボルト
３３を介して作用する天井下地２の荷重により、
止め金具３１の湾曲または屈曲が延び、その結
果、止め金具３１の両端がデツキプレート１０の
両凹部１２，１２にきつちりと嵌まり込み、確実
に固定される。

（考案の作用効果） 以上の説明で明らかなように、本考案によれ
ば、階上床構造１とその下方にハンガーシステム
３により天井下地２を吊り下げ施工するにあた
り、デツキプレートの構造を有効利用し、上記ハ
ンガーシステム３として全体として上方に湾曲ま
たは屈曲した横長の止め金具３１を用いるので、
デツキプレート１０の所望位置への仮付けがその
回転嵌め込み動作により可能である一方、天井下
地の取付け完了と同時に、天井下地の荷重により
止め金具３１の湾曲または屈曲が延び、その結
果、両端がデツキプレート１０の両凹部１２，１
２にきつちりと嵌まり込み、確実に固定され、天
井吊り構造の施工を著しく簡易にすることができ
るので、その実用価値は頗る大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る天井構造の全体を示す断
面図で、第２図はデツキプレート凹部と止め金具
の取付け状態を示す−線断面図、第３図、第
４図及び第５図は各々本考案において使用する止
め金具３１の具体例を示す平面図、正面図及び右
側面図で、第６図、第７図及び第８図は各々上記
止め金具の変形例を示す平面図、正面図及び右側
面図、第９図、第１０図、第１１図は各々上記止
め金具の他の変形例を示す平面図、正面図及び右
側面図、第１２図は従来の天井吊り構造を示す概
要図である。 １……床構造、２……天井下地、３……ハンガ
ーシステム、１０……デツキプレート、１２……
凹部、３１……止め金具、３３……釣りボルト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 階上床構造１とその下方にハンガーシステム３
   により天井下地２を吊り下げにて施工する天井吊
   り構造において、 上記床構造１がその両傾斜ウエブ条辺１１の下
   方に長手方向に延びる凹部１２を有するデツキプ
   レート１０にて形成される一方、 上記ハンガーシステム３が上記凹部１２，１２
   間に渡る全体として上方に湾曲または屈曲した横
   長の止め金具３１と該止め金具３１の中央部にナ
   ツト３２を介して上下に螺進退可能に連結され、
   下方に垂下して上記天井下地２の野縁受け２１を
   支持するハンガー部材２２に連結する吊りボルト
   ３３からなることを特徴とするデツキプレート用
   天井吊り構造。