JPS6324195Y2 -

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【考案の詳細な説明】この考案は地下工事あるいは擁壁工事等におい
て鉄筋を利用して簡単、かつ確実に型枠用セパレ
ーターを取付ける構築用セパレーターの取付金具
に関する。

従来、地下工事等におけるセパレーターの取付
作業についてはそのほとんどが既設のコンクリー
ト壁あるいは地中等にアンカーを打込んで施工す
る場合や、補強鉄筋にセパレーターを直接溶接す
る等して取付ける場合がほとんどであつた。

しかし、前者は施工に当つて非常に面倒でしか
も施工費が高く経済的でない。

また、後者は構造体の一部となる鉄筋の品質性
能を著しく低下させると共に経済的でない等、い
ずれも実用上多大の問題点を有する。

この考案は上述した従来の問題点に鑑みなされ
たもので、その目的は、鉄筋性能に影響を与えず
合理的、かつ経済的に施工し得て十分な取付けに
よつて優れた施工性が得られる構築用セパレータ
ーの取付金具を提供することにある。

上記目的を達成するために、この考案は、筒状
の金具本体の一端小径部にその金具本体の軸心に
沿つて雌ねじ部を設けると共に、他端の所要範囲
を扁平に形成してフツク状の鉄筋係止部を設け、
該鉄筋係止部の両腕片に相対向するクサビ打込孔
を穿設したことを特徴とする。

以下、この考案の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。

第１図は本考案の一実施例による取付金具の一
部切断斜視図である。

図中における１は筒状の金具本体で、一端小径
部２にその金具本体１の軸心に沿つて雌ねじ部３
を設けると共に、他端の所要範囲を扁平に潰して
形成してフツク状の鉄筋係止部４を設ける。

５は上記フツク状の鉄筋係止部４の両腕片４
ａ，４ａに相対向して穿設したクサビ打込孔であ
る。

上記のように構成した取付金具では、第２図の
使用状態を示す平面図のように例えば擁壁Ａに近
接して予め配筋された構造用の鉄筋Ｂに対して取
付金具本体１のフツク状の鉄筋係止部４を引掛け
ると共に一方から所要のクサビ板Ｋを打込んで水
平に取付ける。

さらに、その突端の雌ねじ部３に通常のセパレ
ーターＳを螺入すると共に先端の型枠受片Ｓ１に
型枠Ｐを取付けて外側からバタ材Ｃ，Ｃを介して
締付金具Ｆにより締付けることができる。

なお、擁壁Ａに対する型枠Ｐの角度によつては
上記のクサビの打込み時に任意に変えて適応する
ことができる。

また、該クサビの打込み方向についてはクサビ
打込孔の位置を変えることによつて自由に変更で
きる。

さらに、フツク状の鉄筋係止部４の内面側に適
宜な凸凹面を形成して鉄筋とのなじみを良くする
こともこの考案から容易に推考し得る。

以上詳細に説明したように、この考案によれば
従来のように溶接によつて鉄筋の品質性能を低下
させることがなく、鉄筋のどの位置でも確実にか
つ簡単、容易に取付けて施工し得るから作業能率
が一段と向上し、しかも経済的に有利である。

特に筒状の金具本体によつて、溶接等の繋ぎ部
分が全くなく一体に構成するからセパレーターを
通じて直接鉄筋側に透水を起す心配もなく防水性
に優れる等、実用上極めて優れた構築用セパレー
ターの取付金具を得ることができるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の斜視図、第２図は
同上の使用状態を示す平面図である。１……取付金具本体、３……雌ねじ部、４……
鉄筋係止部、Ｂ……鉄筋、Ｓ……セパレーター、
Ｐ……型枠。

【実用新案登録請求の範囲】