JPH0541932A - インジエクタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 動物の固体差に無関係に、動物の体内にトラ
ンスポンダ等の目的物を挿入するための挿入針の位置決
めを可能とするインジェクタを提供することにある。 【構成】 トランスポンダ（４）等の対象物を生物内に
挿入するためのインジェクタであって、挿入針（９）の
生物に対する位置を固定する位置決め手段を有してい
る。位置決め手段は、ピン（５）で構成され、このピン
は軸部において生物の、例えば頭部等の部分に当接して
挿入針９の位置を、動物の各個において生じる相違に無
関係に決定する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、グリップと、中空針
と、前記針を介して対象物を体に移送する手段と、針の
前記本体に対する位置を固定する位置決め手段とで構成
され、前記位置決め手段が針と実質的に平行に取り付け
られたピン形部材と、ピン形部材が一方の側に連結され
ているインジェクタに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】この種のインジェクタは、オランダ特許
出願第９，０００，９４８号により周知である。ピン形
部材の他端は、この場合、取付部材に接続されている。
この取付部材の形状は、ピンが挿入される、例えば、豚
の耳の後側部分等の体の一部の形状に対応している。取
付部材は僅かに湾曲している。こうしたインジェクタに
よって挿入されるトランスポンダ等の対象物を所定の位
置に正確に位置させることが重要である。トランスポン
ダは、皮膚下の所定の深さ及び所定の位置に正確に位置
させることが好ましいものとされている。

【０００３】

【発明の解決しようとする課題】例えば豚等の頭は、年
齢や飼育状態に応じて異なるので、オランダ特許出願第
９，０００，９４８号による装置の場合には、異なる取
付部材を用いない限り、トランスポンダを確実に正確な
所望の位置に位置させることが出来ない。一方、オラン
ダ特許出願による取付装置は、対象となる頭部分で僅か
に変位して、隣接する皮膚に対して針の挿入位置が僅か
に異なる位置となることがあり、時として好ましくない
ことがある。異なる形状の取付部材を製造し、保管する
ためにコスト面その他において不都合が生じる。本発明
の目的は、こうした欠点を解消することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】この目的は、上記した形
式のインジェクタにおいては、ピン形部材が一方の側に
自由端を設け、針を生物に挿入する瞬間に、自由端を針
の端部よりもインジェクタから離れた位置に位置させ、
ピン形部材の軸部が、自由端の近傍では、体に接するよ
うに設計されることによって達成される。本発明におい
ては、取付部材は使用されず、ピン部材自体、特に軸部
が、動物の頭部に対する止め具として使用される。止め
具として機能するピン部材の軸部と中空針との距離によ
って、体の皮膚に対する対象物の距離を決定される。こ
の距離は、実質的に一定であり、動物の年齢や飼育状
態、即ち頭部の幾何学的特性によって変化しない。本発
明によるピン形部材は、頭部と動物の耳の付け根の部分
の境界空間に配置することが出来る。この方法により、
非常に正確で、不明確でない位置決めを行うことが可能
となる。この位置決めは、ピン形部材のインジェクタと
の接続位置に止め具を設けることによりさらに改良する
ことが出来る。また、これによって、動物の頭部に対す
るインジェクタの高さ位置を固定することが可能とな
る。

【０００５】本発明の有利な実施例によれば、ピン形部
材は、止め具手段の近傍に溝が形成されており、インジ
ェクタの注射状態において、この溝は体に向けられる。
針の挿入時における皮膚のたるみがこの溝に吸収され、
こうした皮膚のたるみによってピン形部材が頭部から離
れてしまい挿入する対象物の位置が不正確となることを
防止する。たるみは、また動物の耳をつかむことによっ
ても生じる。針を所定位置に挿入するための毛を刈る量
を制限して、刈り取った毛が動物の開口への伝搬を防止
するために、傾斜した端部を持つ針を使用する場合に
は、先端部は好ましくはピン形部材に出来る限り近接し
て配置するか、もしくは出来るだけ遠くにどけておくこ
とが好ましい。後者の構成は、針の頭部への係合を最適
化することが出来るという利点を有している。これは、
針及びピン形部材が、相互に近接する方向に動くことを
効果的に防止する。

【０００６】本発明の実施例の利点によれば、ピン形部
材はインジェクタに対して実質的に長さ方向に移動可能
に設けられる。これは、好ましくは、プリテンション手
段によって達成され、このプリテンション手段はインジ
ェクタに対してピン形部材を外側に押し出す。ピン形部
材が対象物を挿入しようとする生物に対して正確な位置
となると、インジェクタの移動によって中空針を挿入す
る間、ピン形部材は実質的に移動せず、生物に対して固
定した位置を保持する。

【０００７】動物から針を容易に取り除くことが出来る
ようにし、挿入された対象物が針と一緒に抜け落ちるこ
とを確実に防止するために、ピン形部材にはピン形部材
を針を通って移動させる手段を有している。すなわち、
この針を通って移動させる手段は、挿入する対象物が正
確な位置に配置された後に、中空針を生物から押し出
す。この手段は、対象物が体内に配置されるまでは結合
されないことを意味する。針の引き抜き動作の間、ピン
形部材は生物に対して固定位置に保持される。ピン形部
材を、中空針の挿入及び抜き出しの異なる工程に固定位
置に保持することによって、皮膚のしわ等による摩擦や
抵抗の発生を確実に防止することが出来るものとなり、
注射作業を容易とすることが出来る。これらのすべての
実施例において、ピン形部材の自由端にブレードを設け
るとともに、このブレードが生物の体に対して実質的に
平に接合するように構成することが出来る。このブレー
ドは、生物に対してインジェクタの回転方向にのみ固定
されており、インジェクタの生物に対するための位置
は、ピン形部材の軸部と、止め具手段が設けられている
場合の止め具手段とによって決定されるので、オランダ
特許出願第９，０００，９４８号の開示された取付部材
とは区別されなければならない。

【０００８】

【実施例】図１には、豚の頭部の概略背面図が示されて
おり、豚の頭部全体は１で示されている。 頭部１に
は、耳２がある。本発明によるインジェクタ３は、一部
のみが示されており、頭部の耳の付け根位置から離間し
た位置に配置されている。こうしたインジェクタ３によ
って、例えばトランスポンダ４等の対象物が、動物の皮
膚の下側に挿入される。こうしたトランスポンダは、な
かんずく、登録の目的で使用される。

【０００９】図２は、本発明によるインジェクタの全体
を示している。インジェクタは、止め具６の一端に接着
されたピン５を有しており、止め具は、スペーサ７によ
ってインジェクタのハウジング２４に接続されており、
スプリング８によって外向きに付勢されている。

【００１０】さらに、中空針９がトランスポンダ４を収
容するために設けられている。トランスポンダ４は、カ
ートリッジ１０に収容されており、このトランスポンダ
はいかなる種類の周知の手段によってもインジェクタハ
ウジング２４を通って移動することが可能である。トラ
ンスポンダ４は、カートリッジ１０のプッシュロッド１
１によって、生物の体内の所定の位置に注入するために
中空針９内に移動される。もちろん、トランスポンダ４
を他の方法によって中空針９に配置することも可能であ
る。ここにおいて必須な事項は、プッシュロッド１１
が、トランスポンダ４を生物内の正確な位置に位置させ
ることである。プッシュロッド１１は、グリップ１２及
びレバー１３，１４によって操作される。グリップ１２
を絞ることによって、プッシュロッド１１が図２の左方
に移動する。また、レバー１４は、圧力ブロック１５に
接続されている。

【００１１】図３は、図１に示すように生物の体内に導
入されたインジェクタの状態を示している。止め具６
が、頭部の耳の付け根部分に位置し、ピン５が耳に近接
した頭部の部分に当接した図１の状態から、針９が体内
に押し込まれる。この針の押し込みは、インジェクタハ
ウジング２４に力を加えることによって行われる。針の
先端部は、ピン５から離間しているので、動物の頭部上
に先端部が、頭部より滑り落ちることなく、良好に保持
される。こうした針の配置は、他の状態において配置し
た場合に比べて確実に毛の刈り取り量を減少することが
出来るものとなる。この方法によって、対象物を挿入す
るための開口に導入される汚染物質の量をさらに制限す
ることが可能となる。針９が動物の頭部内に移動される
と、インジェクタハウジング２４は、これに伴って移動
するが、ピン５と止め具６はスペーサ７がインジェクタ
ハウジング２４に対して変位可能なので動物に対して同
一の位置に保持される。針の挿入時に生じる可能性のあ
る皮膚のたるみによりピン５が離脱するのを防止するた
めに、ピン５には凹部１７が形成されている。

【００１２】図４は、グリップ１２の移動経路の第一の
部分が完了した状態を示している。これにより、プッシ
ュロッド１１がトランスポンダ４をカートリッジから中
空針に押し出している状態が明瞭に示されている。図３
と同様に、ピン５は、この状態においても頭部と耳の付
け根部分の間に当接した状態に保持されている。

【００１３】グリップ１２がさらに移動すると、圧力ブ
ロック１４がスペーサ７に作用して、ピン５が同期して
外向きに移動される。この結果、インジェクタ３が生物
の頭部に対して外向きに移動して、針９が引き抜かれ
る。この間、ピン５は元の位置に保持される。プッシュ
ロッド１１の外向きの移動によって、トランスポンダ４
はもはや後ろに引き戻されないものとなり、動物の皮膚
の下の正確な位置に保持される。必要に応じて、ブレー
ドやベーンをピン５の自由端に固定して、生物に対する
インジェクタの回転を規制することも可能である。こう
した回転のほとんどは、止め具６によって規制される。

【００１４】なお、本発明は上記に好適実施例を参照し
て説明したが、本発明の範囲を逸脱することなく種々の
変更が可能であることが理解されなければならない。動
物の頭部に対して、皮膚に対して取付部材を平に当接す
るのではなく、ピンを当接することによってインジェク
タと生物の相対位置を決定することは必須である。イン
ジェクタは、技術的に可能なすべての要領で設計され
る。

【００１５】

【発明の効果】上記のように、本発明によれば、動物の
固体差に無関係に、動物の体内にトランスポンダ等の対
象物を挿入するための挿入針の位置決めを可能とするイ
ンジェクタを提供することが出来る。

【００１６】以上の説明に関して更に以下の項を開示す
る。 (1） グリップと、中空針と、前記針を介して対象物を
体内に移送して位置決めを行う手段と、前記体に対する
前記針の位置を決定する位置決め手段とで構成され、前
記位置決め手段は、前記針と実質的に平行に配置された
ピン形部材で構成され、前記ピン形部材が一方において
連結されたインジェクタにおいて、前記ピン形部材が、
他方に自由端を有しており、該自由端は、前記針を生物
に導入する時に、前記針の端部よりも実質的に長くイン
ジェクタより突出し、前記ピン形部材の軸部は、体に当
接するように自由端の近傍に設けられていることを特徴
とするインジェクタ。

【００１７】(2) 前記ピン形部材はインジェクタとの
接続部に止め具手段を有している第１項記載のインジェ
クタ。

【００１８】(3) 止め具手段とインジェクタの間にス
ペーサ手段が設けられている第２項記載のインジェク
タ。

【００１９】(4) 前記ピン形部材は止め具手段の近傍
に凹部を有し、該凹部はインジェクタの体への導入状態
において体に向けられる第２項または第３項記載のイン
ジェクタ。

【００２０】(5) 針の端部は傾斜して形成されてお
り、針の先端部は、ピン形部材に対して近接して配置さ
れる第１項乃至第４項のいずれかに記載のインジェク
タ。

【００２１】(6) 針の端部は傾斜して形成されてお
り、針の先端部が前記ピン形部材より離間して配置され
る第１項乃至第４項のいずれかに記載のインジェクタ。

【００２２】(7) 前記自由端にブレードが、体に当接
するように配設されている第１項乃至第６項のいずれか
に記載のインジェクタ。

【００２３】(8) ピン形部剤は、インジェクタに対し
て実質的に長手方向に変位可能である第１項乃至第７項
のいずれかに記載のインジェクタ。

【００２４】(9) ピン形部材は、ピン形部材をインジ
ェクタに対して外向きに付勢する付勢手段を有している
第８項記載のインジェクタ。

【００２５】(10) 針を通して移送する手段が、ピン形
部材に結合される第１項乃至第９項のいずれかに記載の
インジェクタ。

【００２６】(11) 前記結合は、対象物が体内に位置決
めされた時点から行われ、前記針を通して移送する手段
及びピン形部材の動作が同期される第１０項記載のイン
ジェクタ。

【００２７】(12) トランスポンダ等の対象物を生物内
に挿入するためのインジェクタであって、このインジェ
クタは、挿入針９の生物に対する位置を固定する位置決
め手段を有しており、位置決め手段は、ピン５を含み、
このピンは軸部において生物の、例えば頭部等の部分に
当接し、挿入針９の位置は、動物の各個において生じる
相違に無関係に決定される。

【図面の簡単な説明】

【図１】挿入位置に配置された本発明のインジェクタと
生物を示す概略背面図である。

【図２】操作力解除状態の本発明によるインジェクタを
示す図である。

【図３】図１に示す状態の図２のインジェクタを示す図
である。

【図４】トランスポンダを変位させている状態のインジ
ェクタの状態を示す図である。

【図５】中空針の外向きへの移動終端におけるインジェ
クタを示す図である。

【符号の説明】

３ インジェクタ ４ トランスポンダ ５ ピン ６ 止め具 ７ スペーサ ９ 中空針 １０ カートリッジ １２ グリップ １３，１４ レバー

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 グリップと、中空針と、前記針を介して
   対象物を体内に移送して位置決めを行なう手段と、前記
   体に対する前記針の位置を決定する位置決め手段とで構
   成され、前記位置決め手段は、前記針と実質的に平行に
   配置されたピン形部材で構成され、前記ピン形部材が一
   方において連結されたインジェクタにおいて、前記ピン
   形部材が、他方に自由端を有しており、該自由端は、前
   記針を生物に導入する時に、前記針の端部よりも実質的
   に長くインジェクタより突出し、前記ピン形部材の軸部
   は、体に当接するように自由端の近傍に設けられている
   ことを特徴とするインジェクタ。