JPH0541848B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は例えばUS−Ａ−3983764に明記したご
とき特許請求の範囲第１項の前文に明記したよう
な遊星歯車組を組立てる方法に関し、またかかる
組立て方法に適合した遊星歯車組に関する。

更に詳細には、本発明は前述したような組立て
方法と、それによる組立てのためのものであつて
自動化した操作で自動車変速機内での組立てを許
す遊星歯車組とに関する。

遊星歯車自動車変速機の組立てにおいては、内
部構成素子をケースの両端から設置できるよう
に、ケースの端対端逆立（end−for−end
inversion）を許す取付け具上に変速機ケースを
装着するのが慣行となつている。

また、遊星歯車組の遊星歯車および遊星キヤリ
ヤの設置前に遊星歯車組の太陽歯車および輪歯車
のケース上への設置を含むシーケンスで遊星歯車
組を設置することも慣行となつている。この最後
に挙げた工程の一要素として、すでにキヤリヤ上
に装着され互いに対して独立的に回転可能な遊星
歯車は、通常太陽歯車か輪歯車上で「調時」され
る。「調時」なる用語は、ここで遊星歯車のいず
れかの、それぞれ輪歯車または太陽歯車との係合
前におけるすべての遊星歯車と太陽歯車か輪歯車
（以下「タイミング歯車」と称する）との噛合し
を意味するのに用いられる。

遊星歯車はタイミング歯車（太陽歯車または輪
歯車）上で調時された後、他の歯車（それぞれ輪
歯車か太陽歯車）と容易に噛み合うが、これは調
時された遊星歯車は一斉に回転するからである。

この組立て工程を自動的に行なうためのロボツ
トは、キヤリヤを固定軸に沿つて前進させ、それ
をその軸のまわりに回転させるようにプログラム
されうる。しかし、この工程をうまく行なうため
には、ロボツトは高価な機械視覚技術を要する、
なぜならタイミング歯車の回転軸上での遊星ロボ
ツトの必要な精密心合は変速機の構成素子および
ケースの端対端逆立における製造公差のため容易
には達成されえないからである。更に、通常のご
とく輪歯車が円板クラツチ組立体の一部である場
合には、輪歯車は太陽歯車に対して著しく偏心し
た関係を持つことがあるから組立て手順は更にも
つと困難である。

本発明は遊星歯車組の遊星キヤリヤと、該遊星
キヤリヤの設置に先立つて、支持構体上に設置さ
れた該歯車組の太陽歯車と輪歯車の間の遊星歯者
との組立てにかかわるものである。

また、本発明はこの方法による組てに適した新
しく且つ改良された遊星歯車組にかかわるもので
ある。

この目的のために、本発明に係る遊星歯車組の
ための組立て方法は特許請求の範囲第１項の特徴
記載部分に明記された特徴を有する。

本発明の方法による組立てに適した、本発明に
係る新しく且つ改良された遊星歯車組は特許請求
の範囲第３項の主題をなす。

これにより、本発明に係る組立て方法および遊
星歯車組は遊星キヤリヤ組立て作業が遊星キヤリ
ヤを軸に沿つて前進させその軸のまわりにキヤリ
ヤを回転させるためにのみプログラムされた、機
械視覚技術なしのロボツトにより行なわれること
を可能とする。

本発明に係る新しく且つ改良された遊星歯車組
の好ましい一実施例は、遊星キヤリヤが回転せし
められるタイミング歯車に向けて軽く付勢される
と遊星歯車が迅速且つ容易にタイミング歯車との
噛合いを達成するように、キヤリヤおよびタイミ
ング歯車の回転軸が共線的に心合し遊星歯車の
各々はキヤリヤの回転軸に垂直な平面内に配置さ
れるステージ位置に遊星キヤリヤをタイミング歯
車に対して位置決めする位置決め手段をタイミン
グ歯車上に含む。

具体的には、遊星キヤリヤがタイミング歯車に
対してステージ（stage）されるための手段はタ
イミング歯車の回転軸に垂直な平面内でタイミン
グ歯車の一端上のステージング環と、このステー
ジング環に隣接する一方の縁を有するタイミング
歯車上の心出し肩部（同心面取り部）とを含み、
ステージング環はタイミング歯車の歯先円の歯元
円の間に画成されタイミング歯車歯間の歯空間に
より中断されている。

本発明に係る組立て方法（およびそれに対応し
て遊星歯車組）の好ましい一実施例においては、
タイミング歯車は太陽歯車であるので、キヤリヤ
の前進時に遊星歯車は同心面取り部と接触し太陽
歯車をカム動させて遊星キヤリヤの回転軸上に心
合させ、この心合は太陽歯車に対するキヤリヤの
ステージ位置で達成され、このステージ位置は各
遊星歯車の一端と太陽歯車とのステージング環内
での係合を特徴とする。

また、この好ましい実施例においては、輪歯車
と支持構体の間に円板クラツチが配置され、輪歯
車歯の端部と重なり合う輪歯車の一端上には円錐
台形斜面が形成され、キヤリヤの回転中に遊星歯
車が太陽歯車上で調時され輪歯車に向けて更に前
進せしめられた後に、遊星歯車上の歯が前記斜面
と係合し輪歯車をカム動させてキヤリヤの回転軸
上に心合させ次いで輪歯車歯とのほぼ同時的噛合
いを達成するようになつている。

さて、図面において、支持構体１２、具体的に
はケースに対して固定された主軸１４を画成する
変速機ケース上に組付けるべき本発明に係る遊星
歯者組１０が示されている。この遊星歯車組１０
は太陽歯車１６と、輪歯車１８と、複数の遊星歯
車２０ａないし２０ｄと、遊星キヤリヤ２２とを
含む。輪歯車１８は円板クラツチ２４によりケー
ス１２に連結可能である。

円板クランチ２４は複数の外側円板２６と該外
側円板の間にはさみ込まれた複数の内側円板２８
とから成るクラツチパツク２５を含む。各外側円
板は軸１４を中心とするケース１２内の対応する
複数のスプライン溝３２内に摺動自在に係合した
周方向アレイ状の外側スプライン歯３０を有す
る。内側円板２８の各々は、輪歯車が軸１４を中
心とするかあるいは軸１４上に心合したときに軸
１４と平行な輪歯車１８の対応する複数のスプラ
イン溝３６内に摺動自在に係合した内部周方向ア
レイ状のスプライン歯３４を有する。また、内側
円板２８の各々は外側円板２６の隣り合うものの
上の対向面と摺動自在に係合する円板の各面上に
摩擦裏ばり３８を有する。

クラツチパツク２５はケース１２上で環状支持
板４０に対して積み重ねられ、クラツチパツクを
支持板に対して圧縮する不図示の環状ピストンに
より係合される。このようにしてクラツチが係合
されると、輪歯車１８はケースに対して静止状態
に保持され、クラツチが解除されると、輪歯車１
８は内側円板２８が固定外側円板２６に対して回
転するにつれてケース１２に対して自由に回転可
能となる。輪歯車１８および付設された内側円板
２８は外側円板２６の内径とスプライン溝３６に
外接する輪歯車１８の外径との間の空隙に一般に
対応する量だけ軸１４に垂直な平面内で自由に並
進する。

遊星キヤリヤ２２は縦方向４３を有する円筒形
軸部分４２と、この軸部分と一体的な環状ケージ
部分４４とを含む。軸部分４２はその一端に内部
パイロツト孔４６を有し、その中にパイロツト軸
受４８が支持されている。ケージ部分４４は円筒
形軸部分４２の縦方向軸４３と平行で且つそのま
わりに円内に配置された複数の遊星軸５０ａない
し５０ｄを画成する。ケージ部分４４上には複数
の車軸ピン５２ａないし５２ｄが強固に支持され
遊星軸５０ａないし５０ｄのうちの対応するもの
の上に心合している。遊星歯車２０ａないし２０
ｄの各々は、車軸ピン５２ａないし５２ｄのうち
の対応するものの上に遊星軸のうちの対応するも
ののまわりに回転可能に支持されている。遊星歯
車は複数の環状スラスト軸受５４によりケージ部
分４４から分離されている。

遊星歯車の各々は遊星軸５０ａないし５０ｄに
平行な遊星歯車の長さにわたつて延びるアレイ状
の歯車歯５６ａないし５６ｄを有する。各遊星歯
車の一端は該歯車の歯先円５８ａないし５８ｄか
ら該歯車の歯元円５９ａないし５９ｄの内側まで
半径方向内向きに延びる環５７ａないし５７ｄを
形成すべく遊星軸５０ａないし５０ｄに垂直な平
面内で機械加工されている。環５７ａないし５７
ｄは、遊星歯車歯５６ａから５６ｄの間の歯空間
により中断されている。環５７ａないし５７ｄは
全体的に同平面である。しかし、それらはスラス
ト軸受５４および遊星歯車２０ａないし２０ｄの
製造公差により正確に同平面ではない。

輪歯車１８は遊星歯車上の歯車歯５６ａないし
５６ｄと噛み合うようになされた内部周方向アレ
イ状の歯車歯６０を有する。支持板４０とは、反
対側のその端において、輪歯車１８は輪歯車歯の
歯元円６３から輪歯車歯の歯先円６４までの半径
方向外側の環状ピーク６２から半径方向内向きに
延びる円錐台状斜面６１を画成する内部斜面を有
する。斜面６１は輪歯車歯６０間の歯空間により
中断されている。

太陽歯車１６はケース１２上に軸１４を中心に
回転可能に装着された変速機軸６６の端部上に配
置されている。太陽歯車は全体的にその長さにわ
たつて延びるアレイ状の歯車歯６７を有する。そ
して太陽歯車は、その半径方向最外端において太
陽歯車歯６７の歯先円６９で境界づけられ、その
最内端において太陽歯車歯の歯元円７０で境界づ
けられたステージング環６８を画成すべく歯車の
縦方向軸（特に図示せず）に垂直な平面内で一端
において機械加工されている。

歯車歯６７の各々はステージング環６８で終端
し、後者が歯車歯６７間の歯空間により規則的に
中断されるようになつている。

太陽歯車上の円錐台形案内肩部（同心面取り
部）７２はステージング環６８の最内縁を画成す
る歯元円７０と隣接する半径方向最外方縁７４を
有すると共に、半径方向最内方縁７６をも有す
る。第２図で見て平面図では、同心面は半径方向
深さｄを有する環として突出している。太陽歯車
１６は更に、太陽歯車の縦方向軸上に心合し且つ
太陽歯車の端面８０から突出する一体的な円筒形
パイロツト７８を含む。このパイロツト７８はパ
イロツト軸受４８と係合することにより、軸６６
の末端は遊星キヤリヤ２２上に回転可能に支持さ
れている。

典型的な変速機組立てにおいては、変速機ケー
ス１２は特定の変速機に対して最も好都合なシー
ケンスで構成素子を両端から設置しながら数回端
対端に逆さにされる。例えば、第１図に示すよう
に、スプライン溝３２を上向きにしてクラツチパ
ツク２５および輪歯車１８をケース上に組付け、
続いてケースを逆さにし太陽歯車１６をそなえた
軸６６をケースの反対端から設置し、更に続いて
ケースをもう１回逆さにし遊星キヤリヤ２２を最
終的に組付けることが好都合であろう。

逆さにするごとに、すでに組立てられた構成素
子はケースが回動する際に重力の影響でその公差
範囲内の一方の極端位置へ通常移動する。従つ
て、遊星歯車２０ａないし２０ｄを乗せたキヤリ
ヤ２２を太陽歯車と輪歯車の間に組付ける工程に
おいて、太陽歯車の縦方向軸が変速機ケースの縦
方向軸１４と典型的には一致せず、また輪歯車は
太陽歯車に対して著しい偏心を典型的に示すよう
な状況に出会う。

輪歯車と太陽歯車が軸１４上で心合していない
状態では、キヤリヤ組立て工程の単純なロボツト
的履行は以下のように進行する。軸部分４２の縦
方向軸４３を変速機ケースの縦方向軸１４と共線
的心合状態に保持してキヤリヤ２２を把持し、そ
のキヤリヤを軸に沿つて選択的に前進させ、それ
をその軸のまわりに回転させるためにプログラム
された組立てロボツトは、キヤリヤを把持しそれ
を太陽歯車および輪歯車の上方で軸１４上で心合
した位置へ輸送する。次いでキヤリヤ２２を遊星
歯車２０ａないし２０ｄのうちの１つまたはそれ
以上がその歯先円５８ａないし５８ｄにおいて同
心面取り部７２上の太陽歯車と係合するまで軸１
４に沿つて太陽歯車に向けて前進させる。どの特
定の遊星歯車（単数または複数）がまず太陽歯車
に係合するかは軸１４に対する太陽歯車のランダ
ムな偏心に依存する。同心面取り部の平面状突起
ｄは、遊星歯車がその歯先円において常にまず同
心面取り部上の太陽歯車と係合するように太陽歯
車が示す最大偏心量と相関している。

同心面取り部７２上での初期係合後に遊星キヤ
リヤ２２が太陽歯車に向けて前進しつづけると遊
星歯車と太陽歯車との間にカム力が発生し、これ
により後者は軸１４に垂直な方向に強制される。
遊星キヤリヤ２２は遊星歯車上の環５７ａないし
５７ｄが太陽歯車のステージング環６８と重なり
衝合するステージ位置を太陽歯車１６に対して達
成するまでカム作用を行なわせるに充分な縦方向
印加力の下で前進せしめられる。キヤリヤのステ
ージ位置では、遊星歯車の歯先円５８ａないし５
８ｄの各々は、太陽歯車１６が軸１４上でほぼ精
密に心合するように同心面取り部の外縁７４に一
般に正接する。

太陽歯車１６に対するキヤリヤのステージ位置
において、遊星軸５０ａないし５０ｄは変速機ケ
ースの主軸１４に平行である。しかし、遊星歯車
歯５６ａないし５６ｄのうちの１つまたはそれ以
上のものの端部は、遊星キヤリヤの継続された前
進が阻止されるようにステージング環６８内で太
陽歯車歯６７の端部上に存する。太陽歯車へ向け
てのキヤリヤ２２の比較的軽い付勢でもつて、キ
ヤリヤは遊星歯車歯５６ａないし５６ｄの縁がス
テージング環６８を横切つて過ぎるように軸１４
のまわりに回転する。太陽歯車へ向けてのその僅
かな付勢の故に、且つ遊星歯車上での環５７ａな
いし５７ｄの各々の精密な共面的心合が前述した
ように欠けている故に、遊星歯車歯がステージン
グ環を横切つて過ぎ太陽歯車６７間の歯空間に出
会うにつれて遊星歯車５６ａないし５６ｄの継起
的噛合いは迅速に達成される。

遊星歯車２０ａないし２０ｄが、太陽歯車上で
このように調時されキヤリヤの回転について一斉
に回転する状態では、遊星キヤリヤ２２は軸１４
に沿つて更に前進せしめられる。遊星歯車歯５６
ａないし５６ｄは遊星歯車のうち１つまたはそれ
以上のものがその歯先円５８ａないし５８ｄにお
いて円錐台形斜面６１上に偏心的に位置した輪歯
車１８と係合するにつれて漸次太陽歯車歯６７と
更に縦方向に重なり合う。

遊星歯車と円錐台形斜面との係合の位置は輪歯
車の特定の偏心率によりランダムに決定される。
円錐台形斜面６１上での遊星歯車の初期係合が輪
歯車歯６０の歯元円６３の半径方向外側であれ
ば、輪歯車１８上に遊星歯車によりカム力が発生
し、これにより輪歯車は輪１４に垂直な方向に並
進する。遊星歯車の歯先円５８ａないし５８ｄが
輪歯車歯の歯元円６３に正接するときには、遊星
歯車歯５６ａないし５６ｄは輪歯車に対する遊星
歯車の調時回転の故に輪歯車と同時に噛合う。次
いで、キヤリヤ２２は遊星歯車が輪歯車１８と太
陽歯車１６との間にまともに配置される完全組立
て位置へ前進する。

上述のような好ましい実施例の変形例は特許請
求の範囲内で可能である。例えば、太陽歯車１６
上ではなくて輪歯車１８上で遊星歯車２０ａない
し２０ｄを調時させるためには、太陽歯車の同心
面取り部７２に隣接する太陽歯車歯６７の端部に
形成されたステージング環６８の代わりに、輪歯
車の円錐台形斜面の６１に隣接する輪歯車歯６０
の端部に形成されたステージング環を用いればよ
い。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る組立て方法により組立て
中の本発明に係る遊星歯車組の好ましい一実施例
の一部断面で示す断片的立面図、第２図は第１図
の２−２線から矢印の方向に全体的に見た、一部
立面図で示す断片的断面図である。 ［主要部分の符号の説明］、遊星歯車組……１
０、変速機ケース……１２、変速機の主軸……１
４、太陽歯車……１６、輪歯車……１８、遊星歯
車……２０ａ〜２０ｄ、遊星キヤリヤ……２２、
遊星歯車歯……５６ａ〜５６ｄ、遊星歯車の歯先
円……５８ａ〜５８ｄ、輪歯車歯……６０、円錐
台形斜面……６１、輪歯車歯の歯元円……６３、
輪歯車歯の歯先円……６４、太陽歯車歯……６
７、ステージング環……６８、太陽歯車歯の歯先
円……６９、太陽歯車歯の歯元円……７０、円錐
台形同心面取り部……７２。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 主軸１４を画成する支持体１２上に、複数の
   歯６７を有する太陽歯車１６と、複数の歯６０を
   有する輪歯車１８と、輪歯車の歯６０と太陽歯車
   の歯６７とに噛合うようになされた複数の歯５６
   ａないし５６ｄを各々有する複数の遊星歯車２０
   ａないし２０ｄと、遊星歯車２０ａないし２０ｄ
   の各々を遊星キヤリヤ２２の対応する複数の平行
   な遊星軸５０ａないし５０ｄのそれぞれのまわり
   に回転可能に支持する遊星キヤリヤ２２とを含む
   遊星歯車組１０を組み立てる方法において、遊星
   歯車２０ａなしい２０ｄを太陽歯車１６と輪歯車
   １８に調時させるために、該方法は 前記太陽歯車１６を主軸１４のまわりに回転可
   能に且つ主軸１４に垂直な平面内で主軸１４に対
   して心合した位置と偏心した位置との間で並進を
   制御して支持体１２上に装着する工程と、 前記太陽歯車１６上の歯６７の歯先円６９と前
   記太陽歯車１６上の歯６７の歯元円７０とにより
   境界づけられる環部６８を前記太陽歯車１６の一
   端上で主軸１４に垂直な平面内に配置する工程
   と、 前記太陽歯車１６は更に環部６８の歯元円７０
   と連続する一方の縁を有する円錐台形同心面取り
   部７２を含み、 遊星キヤリヤ２２を主軸１４上に心合させ、遊
   星歯車２０ａないし２０ｄの各々の歯先円５８ａ
   ないし５８ｄが環部６８の歯元円７０に正接する
   ようにして遊星歯車２０ａないし２０ｄが前記太
   陽歯車１６と環部６８で衝合する位置を遊星キヤ
   リヤ２２が前記太陽歯車１６に関して達成するま
   でキヤリヤ２２を前記太陽歯車１６に向けて前進
   させ、これにより、前記太陽歯車１６が偏心位置
   にあるときに遊星歯車２０ａないし２０ｄの少な
   くとも１つが前記太陽歯車１６とその円錐台形同
   心面取り部７２で係合し、キヤリヤ２２が環部６
   ８上で前記位置を達成する際に前記太陽歯車１６
   を心合わせ位置へカム動させる工程と、 遊星キヤリヤ２２を前記太陽歯車１６に向けて
   付勢する工程と、 遊星キヤリヤ２２と前記太陽歯車１６との間で
   相対回転を行わせ、遊星歯車２０ａないし２０ｄ
   と前記太陽歯車１６との噛合いを達成させる工程
   と を有することを特徴とする組立て方法。 ２ 特許請求の範囲第１項において、該方法は更
   に、 輪歯車１８を太陽歯車１６のまわりに主軸１４
   を中心として回転可能に且つ主軸１４に垂直な平
   面内で主軸１４に対して心合した位置と偏心した
   位置との間で並進を制限して支持体１２上に装着
   する工程と、 該輪歯車１８は歯６０の端部に重なり合う円錐
   台形斜面６１を有し、 遊星キヤリヤ２２と太陽歯車１６との間で相対
   回転を行なわせる前記工程に続いて、遊星キヤリ
   ヤ２２を輪歯車１８に向けて更に前進させ、そし
   て遊星キヤリヤ２２を回転させて遊星歯車２０ａ
   ないし２０ｄの各々と輪歯車１８との間でほぼ同
   時的噛合いを達成し、これにより、輪歯車１８が
   偏心位置にあるときに遊星歯車２０ａないし２０
   ｄの少なくとも１つが輪歯車１８とその円錐台形
   斜面６１上で係合し、輪歯車１８を心合せ位置へ
   カム動させる工程とを有することを特徴とする方
   法。 ３ 変速機の主軸１４を画成する変速機ケース１
   ２を有する自動車変速機であつて、遊星歯車組１
   ０が歯６７を有する太陽歯車１６と、歯６０を有
   する輪歯車１８と、太陽歯車の歯６７と輪歯車の
   歯６０とに噛合うようになされた歯５６ａないし
   ５６ｄを各々有する複数の遊星歯車２０ａないし
   ２０ｄと、遊星キヤリヤ２２と、遊星歯車２０ａ
   ないし２０ｄの各々をキヤリヤ２２の複数の平行
   な遊星軸５０ａないし５０ｄのそれぞれのまわり
   に回転可能に遊星キヤリヤ２２上に装着する手段
   とを有する自動車変速機における遊星歯車組にお
   いて、 変速機ケース１２上には、輪歯車１８が、主軸
   １４のまわりに回転可能に且つ主軸１４に垂直な
   平面内で主軸１４に対して心合した位置と偏心し
   た位置との間で並進を制限されて装着されてお
   り、 輪歯車１８内の変速機ケース１２上には、太陽
   歯車１６が、主軸１４のまわりに回転可能に且つ
   主軸１４に垂直な平面内で主軸１４に対して心合
   した位置と偏心した位置との間で並進制限されて
   装着されており、 太陽歯車１６の一端上の主軸１４に垂直な平面
   内には、太陽歯車の歯６７の歯先円６９と歯元円
   ７０により境界づけられる環部６８が画成されて
   おり、 太陽歯車１６上には、環部６８の歯元円７０と
   連続する一方の縁を有する円錐台形同心面取り部
   ７２が画成されており、これにより、太陽歯車１
   ６が偏心位置にあり遊星キヤリヤ２２が主軸１４
   上に心合し太陽歯車１６に向けて前進せしめられ
   るときに、遊星歯車２０ａないし２０ｄの少なく
   とも１つが太陽歯車１６とその円錐台形同心面取
   り部７２で係合し、遊星歯車２０ａないし２０ｄ
   の各々の歯先円５８ａないし５８ｄが環部６８の
   歯元円７０に正接するようにして遊星歯車２０ａ
   ないし２０ｄが前記太陽歯車１６と環部６８で衝
   合する位置を遊星キヤリヤ２２が前記太陽歯車１
   ６に関して達成する際に遊星歯車２０ａないし２
   ０ｄが太陽歯車１６を心合位置へカム動させるよ
   うに構成されており、 輪歯車１８上には、輪歯車１８の歯６０の歯先
   円６４から輪歯車１８の歯６０の歯元円６３を越
   えた所まで伸びる円錐台形斜面６１が画成されて
   おり、これにより、輪歯車１８が偏心位置にある
   ときに遊星歯車２０ａないし２０ｄの少なくとも
   １つが輪歯車１８とその円錐台形斜面６１上で係
   合し、遊星キヤリヤ２２が主軸１４上に心合し輪
   歯車１８に向けて前進せしめられるときに遊星歯
   車２０ａないし２０ｄの少なくとも１つが輪歯車
   １８を心合位置へカム動させるように構成されて
   いることを特徴とする遊星歯車組。 ４ 特許請求の範囲第３項において、輪歯車１８
   は変速機ケース１２にスプライン連結された複数
   の外側クラツチ円板２６と、この外側クラツチ円
   板２６のそれぞれの対の間に配置され輪歯車１８
   の歯６０の半径方向側の位置において輪歯車１８
   にスプライン連結された複数の内側クラツチ円板
   ２８とを含む手段により変速機ケース１２上に装
   着されていることを特徴とする遊星歯車組。