JPH0541238A - 溶融炭酸塩型燃料電池 - Google Patents
溶融炭酸塩型燃料電池Info
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- JPH0541238A JPH0541238A JP3192889A JP19288991A JPH0541238A JP H0541238 A JPH0541238 A JP H0541238A JP 3192889 A JP3192889 A JP 3192889A JP 19288991 A JP19288991 A JP 19288991A JP H0541238 A JPH0541238 A JP H0541238A
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- H01M8/141—Fuel cells with fused electrolytes the anode and the cathode being gas-permeable electrodes or electrode layers
- H01M8/142—Fuel cells with fused electrolytes the anode and the cathode being gas-permeable electrodes or electrode layers with matrix-supported or semi-solid matrix-reinforced electrolyte
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明の目的は、溶融炭酸塩型燃料電池の立
ち上げ昇温時に、如何に酸化剤極のクリープ量を小さく
し、酸化剤極のポア構造を損なわないまま、電池作動を
実現することにある。 【構成】 本発明に係る溶融炭酸塩型燃料電池は、主成
分が金属ニッケルである多孔体を、電池立ち上げ昇温時
に内部酸化により酸化ニッケルとする電極を酸化剤極と
して使用し、主成分が炭酸カリウムと炭酸リチウムの混
合溶融塩を電解質として用いる溶融炭酸塩型燃料電池に
おいて、前記電解質に該電解質より低融点の溶融塩を加
えたことを特徴とする。
ち上げ昇温時に、如何に酸化剤極のクリープ量を小さく
し、酸化剤極のポア構造を損なわないまま、電池作動を
実現することにある。 【構成】 本発明に係る溶融炭酸塩型燃料電池は、主成
分が金属ニッケルである多孔体を、電池立ち上げ昇温時
に内部酸化により酸化ニッケルとする電極を酸化剤極と
して使用し、主成分が炭酸カリウムと炭酸リチウムの混
合溶融塩を電解質として用いる溶融炭酸塩型燃料電池に
おいて、前記電解質に該電解質より低融点の溶融塩を加
えたことを特徴とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶融塩を電解質とする
溶融炭酸塩型燃料電池に関するものである。
溶融炭酸塩型燃料電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来技術の構成の説明 従来、この種の溶融炭酸塩型燃料電池といえば、図4に
示される構造であった。図において、(1)はセルフレー
ム、(2)は集電とガス流路を兼ねるコルゲート板、(3)と
(4)は対向する一対のガス拡散電極の燃料極(3)と酸化剤
極(4)であり、(5)は燃料極(3)と酸化剤極(4)間に配置さ
れる電解質保持層である。電解質としての炭酸塩は、主
に炭酸リチウム、炭酸カリウム等の共晶塩が使用され、
最近ではカソード溶出抑制対策として炭酸マグネシウ
ム、炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属塩等が添加さ
れたものも採用されている。燃料極(3)及び酸化剤極
(4)、及び電解質保持層(5)は共に多孔体により形成され
ている。電池作動時に炭酸塩は溶解し、電解質保持層
(5)はポア内に100%電解質が満たされるように、燃
料極(3)と酸化剤極(4)より小さいポア径により構成され
る。これに対し、燃料極(3)及び酸化剤極(4)は電解質に
も濡れ、ガスの拡散も十分に行われるように、電解質保
持層よりも比較的大きなポア径をもつ構造をとる。燃料
極(3)は一般にニッケルを主体とし、耐クリープ性を上
げるためアルミニウム、クロム等を添加した合金による
多孔質体が用いられる。酸化剤極(4)は一般に酸化ニッ
ケルを主体とし、一部ニッケルがリチウムに置換された
(LixNi2+ 1-2xNi3+x)Oの多孔質体が用いられ
る。
示される構造であった。図において、(1)はセルフレー
ム、(2)は集電とガス流路を兼ねるコルゲート板、(3)と
(4)は対向する一対のガス拡散電極の燃料極(3)と酸化剤
極(4)であり、(5)は燃料極(3)と酸化剤極(4)間に配置さ
れる電解質保持層である。電解質としての炭酸塩は、主
に炭酸リチウム、炭酸カリウム等の共晶塩が使用され、
最近ではカソード溶出抑制対策として炭酸マグネシウ
ム、炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属塩等が添加さ
れたものも採用されている。燃料極(3)及び酸化剤極
(4)、及び電解質保持層(5)は共に多孔体により形成され
ている。電池作動時に炭酸塩は溶解し、電解質保持層
(5)はポア内に100%電解質が満たされるように、燃
料極(3)と酸化剤極(4)より小さいポア径により構成され
る。これに対し、燃料極(3)及び酸化剤極(4)は電解質に
も濡れ、ガスの拡散も十分に行われるように、電解質保
持層よりも比較的大きなポア径をもつ構造をとる。燃料
極(3)は一般にニッケルを主体とし、耐クリープ性を上
げるためアルミニウム、クロム等を添加した合金による
多孔質体が用いられる。酸化剤極(4)は一般に酸化ニッ
ケルを主体とし、一部ニッケルがリチウムに置換された
(LixNi2+ 1-2xNi3+x)Oの多孔質体が用いられ
る。
【0003】従来技術の作用、動作の説明 次に、動作について説明する。燃料電池は、水素などの
燃料ガスと空気などの酸化剤ガスのもつ化学エネルギー
を電気化学的な反応によって直接電気エネルギーに変換
し、電力を得る装置である。
燃料ガスと空気などの酸化剤ガスのもつ化学エネルギー
を電気化学的な反応によって直接電気エネルギーに変換
し、電力を得る装置である。
【0004】燃料極及び酸化剤極における電池作動時の
反応はそれぞれ化学式1及び2の通りである:
反応はそれぞれ化学式1及び2の通りである:
【0005】
【化1】
【0006】
【化2】
【0007】燃料極では化学式1に示されるように燃料
の水素は電解質中の炭酸イオンと反応し、水と二酸化炭
素と電子を生成する。この電子は燃料極を通して外部負
荷に送られた後、酸化剤極に流れ込む。酸化剤極では、
この電子と二酸化炭素及び酸素から炭酸イオンが生成
し、電解質中に溶解することによって電池反応が生成す
る。
の水素は電解質中の炭酸イオンと反応し、水と二酸化炭
素と電子を生成する。この電子は燃料極を通して外部負
荷に送られた後、酸化剤極に流れ込む。酸化剤極では、
この電子と二酸化炭素及び酸素から炭酸イオンが生成
し、電解質中に溶解することによって電池反応が生成す
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来技術の問題点の説
明 酸化剤極は、電池立ち上げ時には単に金属ニッケル、も
しくは酸化ニッケルであり、電池昇温過程に溶融した炭
酸塩中のリチウムと反応することによって導電性を有す
る(LixNi2+ 1-2xNi3+ x)Oが得られる。しかし、出
発原料を酸化ニッケルとした場合、経験的に電池特性が
低いことが知られ、現在は金属ニッケルによる多孔体が
用いられるのが主流である。
明 酸化剤極は、電池立ち上げ時には単に金属ニッケル、も
しくは酸化ニッケルであり、電池昇温過程に溶融した炭
酸塩中のリチウムと反応することによって導電性を有す
る(LixNi2+ 1-2xNi3+ x)Oが得られる。しかし、出
発原料を酸化ニッケルとした場合、経験的に電池特性が
低いことが知られ、現在は金属ニッケルによる多孔体が
用いられるのが主流である。
【0009】すなわち、両電極の主成分は共にニッケル
であるが、一方の燃料極は酸化を嫌い、もう一方の酸化
剤極は酸化を必要とすることが問題の発端である。例え
ば従来技術の溶融炭酸塩型燃料電池立ち上げ昇温方法の
一例として、この金属ニッケルを用いる方法を図5に示
す。ニッケルは一般に370〜380℃付近で酸化が始
まることから、燃料極は370℃以上の温度で酸化性ガ
スの混入を避け、酸化を防ぐ必要がある。一方の酸化剤
極は酸化性ガスが供給され、酸化されるべきものである
が、この温度では電解質融点以下であり、電解質保持層
はまだガス隔壁機能を有していないことから、図5に示
されるようにニッケルが酸化しない温度、すなわちこの
場合には300℃より両極共に不活性ガスの窒素雰囲気
としている。その後、電解質の融点を越え、溶融電解質
が電解質保持層に十分入り込み、ガスの隔壁を果たすい
わゆるウェットシールが形成されてから、初めて酸化剤
極側に酸素を含む空気が供給されている。すなわち、図
5に示される立ち上げ条件では酸化剤極は電解質融点を
越える比較的高い温度まで金属ニッケルの状態である。
この条件下での酸化剤極の高温クリープは初期厚みの7
〜8%程度であり、この結果、酸化剤極の空孔率が下が
り、電池特性の低下につながっている。
であるが、一方の燃料極は酸化を嫌い、もう一方の酸化
剤極は酸化を必要とすることが問題の発端である。例え
ば従来技術の溶融炭酸塩型燃料電池立ち上げ昇温方法の
一例として、この金属ニッケルを用いる方法を図5に示
す。ニッケルは一般に370〜380℃付近で酸化が始
まることから、燃料極は370℃以上の温度で酸化性ガ
スの混入を避け、酸化を防ぐ必要がある。一方の酸化剤
極は酸化性ガスが供給され、酸化されるべきものである
が、この温度では電解質融点以下であり、電解質保持層
はまだガス隔壁機能を有していないことから、図5に示
されるようにニッケルが酸化しない温度、すなわちこの
場合には300℃より両極共に不活性ガスの窒素雰囲気
としている。その後、電解質の融点を越え、溶融電解質
が電解質保持層に十分入り込み、ガスの隔壁を果たすい
わゆるウェットシールが形成されてから、初めて酸化剤
極側に酸素を含む空気が供給されている。すなわち、図
5に示される立ち上げ条件では酸化剤極は電解質融点を
越える比較的高い温度まで金属ニッケルの状態である。
この条件下での酸化剤極の高温クリープは初期厚みの7
〜8%程度であり、この結果、酸化剤極の空孔率が下が
り、電池特性の低下につながっている。
【00010】ここで、この現象を理解するために、金
属ニッケルよりなる酸化剤極の高温クリープ試験を行
い、その結果を図6に示した。試験条件として、荷重圧
力は3.5kg/cm2、ガス雰囲気はニッケルの酸化を防ぐ
ため窒素雰囲気とし、昇温速度は100℃/時間とし
た。この結果では、金属ニッケル酸化剤極は400℃前
後からクリープが始まり、図5に示される条件下でガス
を切り換える520℃付近時点での厚み減少量は初期の
10%弱であり、更に650℃で十分保持した後にはほ
ぼ半分に達することが分かる。なお、前もって酸化した
酸化ニッケル多孔質体を用い、同様のクリープ試験を行
った結果では、そのクリープ量はほぼ零であった。これ
らの結果から、従来の立ち上げ条件下で生じていた酸化
剤極クリープ量は金属ニッケルの酸化時期が大きな影響
を与えることがわかる。
属ニッケルよりなる酸化剤極の高温クリープ試験を行
い、その結果を図6に示した。試験条件として、荷重圧
力は3.5kg/cm2、ガス雰囲気はニッケルの酸化を防ぐ
ため窒素雰囲気とし、昇温速度は100℃/時間とし
た。この結果では、金属ニッケル酸化剤極は400℃前
後からクリープが始まり、図5に示される条件下でガス
を切り換える520℃付近時点での厚み減少量は初期の
10%弱であり、更に650℃で十分保持した後にはほ
ぼ半分に達することが分かる。なお、前もって酸化した
酸化ニッケル多孔質体を用い、同様のクリープ試験を行
った結果では、そのクリープ量はほぼ零であった。これ
らの結果から、従来の立ち上げ条件下で生じていた酸化
剤極クリープ量は金属ニッケルの酸化時期が大きな影響
を与えることがわかる。
【0011】従って、本発明の目的は、上記のような問
題点を解決するためになされたもので、溶融炭酸塩型燃
料電池の立ち上げ昇温時に、如何に酸化剤極のクリープ
量を小さくし、酸化剤極のポア構造を損なわないまま、
電池作動を実現することにある。
題点を解決するためになされたもので、溶融炭酸塩型燃
料電池の立ち上げ昇温時に、如何に酸化剤極のクリープ
量を小さくし、酸化剤極のポア構造を損なわないまま、
電池作動を実現することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係る溶融炭酸塩
型燃料電池は、主成分が金属ニッケルである多孔体を、
電池立ち上げ昇温時に内部酸化により酸化ニッケルとす
る電極を酸化剤極として使用し、主成分が炭酸カリウム
と炭酸リチウムの混合溶融塩を電解質として用いる溶融
炭酸塩型燃料電池において、前記電解質に該電解質より
低融点の溶融塩を加えたことを特徴とする。
型燃料電池は、主成分が金属ニッケルである多孔体を、
電池立ち上げ昇温時に内部酸化により酸化ニッケルとす
る電極を酸化剤極として使用し、主成分が炭酸カリウム
と炭酸リチウムの混合溶融塩を電解質として用いる溶融
炭酸塩型燃料電池において、前記電解質に該電解質より
低融点の溶融塩を加えたことを特徴とする。
【0013】また、より低い融点をもつ炭酸塩の添加量
を少なくするため、電解質保持層内に、より小さなポア
を有する多孔質層を配置させたものである。
を少なくするため、電解質保持層内に、より小さなポア
を有する多孔質層を配置させたものである。
【0014】
【作用】本発明における溶融炭酸塩型燃料電池は、電池
立ち上げ時にまず融点の低い電解質が先に溶け、電解質
保持層内の最もポア径の小さな層に吸引され、より低い
温度で燃料極、酸化剤極間のガスの隔壁層が形成され
る。その後、酸化剤極側に酸化性ガスが供給され、より
低い温度で酸化剤電極が耐クリープ性の高い酸化物とな
るため、クリープ量が低減され、空孔率の高い酸化剤極
が形成され、電池特性がより高いものとなる。
立ち上げ時にまず融点の低い電解質が先に溶け、電解質
保持層内の最もポア径の小さな層に吸引され、より低い
温度で燃料極、酸化剤極間のガスの隔壁層が形成され
る。その後、酸化剤極側に酸化性ガスが供給され、より
低い温度で酸化剤電極が耐クリープ性の高い酸化物とな
るため、クリープ量が低減され、空孔率の高い酸化剤極
が形成され、電池特性がより高いものとなる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の一実施例について説明する。
図1は溶融炭酸塩型燃料電池構造である。まず、(4')は
融点が397℃である三元系の共晶塩43.5モル%Li
2CO3、31.5モル%Na2CO3、25.0モル%K2
CO3を含浸した酸化剤極(金属ニッケル多孔質体)であ
る。また、(3')は電池反応の主体を担う二元系の共晶塩
62モル%Li2CO3、38モル%K2CO3を含浸した
燃料極である。三元系電解質は電解質重量全体の5%に
当たる量とした。
図1は溶融炭酸塩型燃料電池構造である。まず、(4')は
融点が397℃である三元系の共晶塩43.5モル%Li
2CO3、31.5モル%Na2CO3、25.0モル%K2
CO3を含浸した酸化剤極(金属ニッケル多孔質体)であ
る。また、(3')は電池反応の主体を担う二元系の共晶塩
62モル%Li2CO3、38モル%K2CO3を含浸した
燃料極である。三元系電解質は電解質重量全体の5%に
当たる量とした。
【0016】次に、比表面積およそ4m2/gのリチウ
ムアルミネート粉体を用い、ドクターブレード法により
電解質保持層(5A)を成形した。また、比表面積およそ2
0m2/gのリチウムアルミネートを用い、より小さな
ポア構造を有する電解質保持層(5B)を酸化剤極側になる
ように重ね合わせ、電池を組み立てた。厚み比率はより
小さなポアを有する電解質保持層の厚みは電解質保持層
全厚の1/5とした。
ムアルミネート粉体を用い、ドクターブレード法により
電解質保持層(5A)を成形した。また、比表面積およそ2
0m2/gのリチウムアルミネートを用い、より小さな
ポア構造を有する電解質保持層(5B)を酸化剤極側になる
ように重ね合わせ、電池を組み立てた。厚み比率はより
小さなポアを有する電解質保持層の厚みは電解質保持層
全厚の1/5とした。
【0017】図2は、この2種類のポアを有する電解質
保持層のポア分布を水銀圧入法により測定した結果であ
る。二段階のポア分布が存在していることが確認され、
毛細管力の違いにより、電池立ち上げ昇温時にはまずよ
り小さなポア層から溶融塩が保持される設計となってい
る。
保持層のポア分布を水銀圧入法により測定した結果であ
る。二段階のポア分布が存在していることが確認され、
毛細管力の違いにより、電池立ち上げ昇温時にはまずよ
り小さなポア層から溶融塩が保持される設計となってい
る。
【0018】次に、電池立ち上げ昇温方法を説明する。
図3は本実施例に示した低融点三元系電解質を用いた場
合の溶融炭酸塩型燃料電池の立ち上げ昇温条件である。
300℃までは従来方法と同じである。300℃を超え
た後、燃料極には窒素、酸化剤極には窒素と二酸化炭素
の混合ガスを供給して昇温を続け、三元系電解質融点を
超える420℃で温度保持を行った。この段階で燃料極
側の二酸化炭素濃度が充分に低くなり、ガスの隔壁がな
されたことを確認した後、定常の電池作動時ガス組成と
し、再び電池作動温度まで昇温を続けた。
図3は本実施例に示した低融点三元系電解質を用いた場
合の溶融炭酸塩型燃料電池の立ち上げ昇温条件である。
300℃までは従来方法と同じである。300℃を超え
た後、燃料極には窒素、酸化剤極には窒素と二酸化炭素
の混合ガスを供給して昇温を続け、三元系電解質融点を
超える420℃で温度保持を行った。この段階で燃料極
側の二酸化炭素濃度が充分に低くなり、ガスの隔壁がな
されたことを確認した後、定常の電池作動時ガス組成と
し、再び電池作動温度まで昇温を続けた。
【0019】以上の方法により、立ち上げられた溶融炭
酸塩型燃料電池の電池特性は、開路電圧1075mV、
150mA/cm2閉路電圧870mV(燃料利用率・酸
素利用率共に40%)と高い特性が得られた。また、2
000時間運転後、電池を降温し、酸化剤極の厚みを測
定したところ、厚み減少は1%以下と極めて小さい値で
あった。
酸塩型燃料電池の電池特性は、開路電圧1075mV、
150mA/cm2閉路電圧870mV(燃料利用率・酸
素利用率共に40%)と高い特性が得られた。また、2
000時間運転後、電池を降温し、酸化剤極の厚みを測
定したところ、厚み減少は1%以下と極めて小さい値で
あった。
【0020】なお、上記実施例では低融点溶融塩として
43.5モル%Li2CO3、31.5モル%Na2CO3、
25モル%K2CO3三元系のものを取り上げたが、他に
も同じような効果が期待できる低融点溶融塩は多くあ
る。表1はその例を示したものである。
43.5モル%Li2CO3、31.5モル%Na2CO3、
25モル%K2CO3三元系のものを取り上げたが、他に
も同じような効果が期待できる低融点溶融塩は多くあ
る。表1はその例を示したものである。
【0021】
【表1】
【0022】実施例と同様のアルカリ炭酸塩からなる組
成比の異なる混合物でも良く、また、実施例の三元系に
更に異なったアルカリ土類金属炭酸塩を加えたものは、
更に融点は下がり、本発明の効果が更に増す可能性があ
る。
成比の異なる混合物でも良く、また、実施例の三元系に
更に異なったアルカリ土類金属炭酸塩を加えたものは、
更に融点は下がり、本発明の効果が更に増す可能性があ
る。
【0023】更に炭酸塩に限らず、電池内で炭酸塩化で
きる塩の使用も可能である。例えば、水酸化物は炭酸ガ
ス雰囲気下で比較的容易に炭酸塩化が可能であり、ま
た、その融点は炭酸塩より低いため、本発明の効果を実
現しうる材料となりうる。従って、一部水酸化物を含む
もの、あるいは水酸化物のみで構成されるものでも、低
融点であれば、本発明に適用しうる。採用する低融点溶
融塩により最適な電池立ち上げ条件が図3に示した条件
と異なる場合もあるが、基本的な考え方は低融点溶融塩
が溶けた後、極力低い温度で酸化剤極に酸化ガスを加え
ることである。
きる塩の使用も可能である。例えば、水酸化物は炭酸ガ
ス雰囲気下で比較的容易に炭酸塩化が可能であり、ま
た、その融点は炭酸塩より低いため、本発明の効果を実
現しうる材料となりうる。従って、一部水酸化物を含む
もの、あるいは水酸化物のみで構成されるものでも、低
融点であれば、本発明に適用しうる。採用する低融点溶
融塩により最適な電池立ち上げ条件が図3に示した条件
と異なる場合もあるが、基本的な考え方は低融点溶融塩
が溶けた後、極力低い温度で酸化剤極に酸化ガスを加え
ることである。
【0024】また、実施例の電解質保持層構造は、より
小さなポアをもつ層が酸化剤極に面する構造としたが、
これに限らず、低融点溶融塩が溶融した際に燃料極、酸
化剤極の両極間にウェットシールが形成される構造であ
れば、小さなポアをもつ層はどこに位置しても良い。ま
た、そもそも小さなポア層を設けた理由は、主成分が炭
酸リチウムと炭酸カリウムからなる溶融炭酸塩型燃料電
池の電池反応に、低融点溶融塩が悪影響を与えない程度
に抑えるためにとられた措置であり、電解質保持層が充
分薄く、そのポア内を満たすために必要な溶融塩の量が
充分少ない程度であれば、この構造をとらなくても同様
の効果が期待できる。更に、電池反応に悪影響を与えな
い低融点溶融塩であれば、例えばKOH−LiOH系の
電池立ち上げ後は通常の溶融炭酸塩型燃料電池となんら
変わりないものであれば、比較的厚い単一ポアの電解質
保持層であっても、同様の効果が期待できることは言う
までもない。
小さなポアをもつ層が酸化剤極に面する構造としたが、
これに限らず、低融点溶融塩が溶融した際に燃料極、酸
化剤極の両極間にウェットシールが形成される構造であ
れば、小さなポアをもつ層はどこに位置しても良い。ま
た、そもそも小さなポア層を設けた理由は、主成分が炭
酸リチウムと炭酸カリウムからなる溶融炭酸塩型燃料電
池の電池反応に、低融点溶融塩が悪影響を与えない程度
に抑えるためにとられた措置であり、電解質保持層が充
分薄く、そのポア内を満たすために必要な溶融塩の量が
充分少ない程度であれば、この構造をとらなくても同様
の効果が期待できる。更に、電池反応に悪影響を与えな
い低融点溶融塩であれば、例えばKOH−LiOH系の
電池立ち上げ後は通常の溶融炭酸塩型燃料電池となんら
変わりないものであれば、比較的厚い単一ポアの電解質
保持層であっても、同様の効果が期待できることは言う
までもない。
【0025】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、低融点
をもつ溶融塩を添加し、電池立ち上げ時に酸化剤極であ
る金属ニッケルより低い温度で酸化させる方法をとれ
ば、酸化剤極のクリープを防ぐことができ、溶融炭酸塩
型電池の高特性を実現することが可能となる。なお、こ
れまで単セルを例にとり効果を述べたが、大面積、高積
層スタックの場合となると、温度分布、荷重圧力の増大
は不可避であり、本発明の効果は更に効果的なものとな
ることは言うまでもない。
をもつ溶融塩を添加し、電池立ち上げ時に酸化剤極であ
る金属ニッケルより低い温度で酸化させる方法をとれ
ば、酸化剤極のクリープを防ぐことができ、溶融炭酸塩
型電池の高特性を実現することが可能となる。なお、こ
れまで単セルを例にとり効果を述べたが、大面積、高積
層スタックの場合となると、温度分布、荷重圧力の増大
は不可避であり、本発明の効果は更に効果的なものとな
ることは言うまでもない。
【図1】本発明の実施例による溶融炭酸塩型燃料電池の
断面図である。
断面図である。
【図2】本発明の実施例に使用した2種類のポア径を有
する電解質保持層ポア分布テータを示すグラフである。
する電解質保持層ポア分布テータを示すグラフである。
【図3】本発明の実施例による低融点溶融塩を用いた溶
融炭酸塩型燃料電池の立ち上げ条件を示す図である。
融炭酸塩型燃料電池の立ち上げ条件を示す図である。
【図4】従来の溶融炭酸塩型燃料電池の断面図である。
【図5】従来の溶融炭酸塩型燃料電池の立ち上げ条件を
示す図である。
示す図である。
【図6】金属ニッケル酸化剤極のクリープ試験結果を示
すグラフである。
すグラフである。
1 セルフレーム 2 コルゲート板 3 燃料極 3’ 電解質が含浸された燃料極 4 酸化剤極 4’ 電解質が含浸された酸化剤極 5 電解質保持層 5A 比較的大きなポア径を有する電解質保持層 5B 比較的小さなポア径を有する電解質保持層
Claims (2)
- 【請求項1】 主成分が金属ニッケルである多孔体を、
電池立ち上げ昇温時に内部酸化により酸化ニッケルとす
る電極を酸化剤極として使用し、主成分が炭酸カリウム
と炭酸リチウムの混合溶融塩を電解質として用いる溶融
炭酸塩型燃料電池において、前記電解質に該電解質より
低融点の溶融塩を加えたことを特徴とする溶融炭酸塩型
燃料電池。 - 【請求項2】 電解質保持体が互いに異なるポア径を有
する二重以上の層から構成される請求項1記載の溶融炭
酸塩型燃料電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3192889A JP2957315B2 (ja) | 1991-08-01 | 1991-08-01 | 溶融炭酸塩型燃料電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3192889A JP2957315B2 (ja) | 1991-08-01 | 1991-08-01 | 溶融炭酸塩型燃料電池 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0541238A true JPH0541238A (ja) | 1993-02-19 |
JP2957315B2 JP2957315B2 (ja) | 1999-10-04 |
Family
ID=16298665
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3192889A Expired - Fee Related JP2957315B2 (ja) | 1991-08-01 | 1991-08-01 | 溶融炭酸塩型燃料電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2957315B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5871949A (en) * | 1996-12-04 | 1999-02-16 | Daiichi Pure Chemicals Co., Ltd. | Method of quantitative assay for 1,5-anhydroglucitol and reagent for quantitative assay |
US9193486B2 (en) | 2008-04-23 | 2015-11-24 | Signode Industrial Group Llc | Strapping device with a tensioner |
-
1991
- 1991-08-01 JP JP3192889A patent/JP2957315B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5871949A (en) * | 1996-12-04 | 1999-02-16 | Daiichi Pure Chemicals Co., Ltd. | Method of quantitative assay for 1,5-anhydroglucitol and reagent for quantitative assay |
US9193486B2 (en) | 2008-04-23 | 2015-11-24 | Signode Industrial Group Llc | Strapping device with a tensioner |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2957315B2 (ja) | 1999-10-04 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |