JPH0541179A - カラー受像管用シヤドウマスクおよびその製造方法 - Google Patents

カラー受像管用シヤドウマスクおよびその製造方法

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JPH0541179A
JPH0541179A JP3197644A JP19764491A JPH0541179A JP H0541179 A JPH0541179 A JP H0541179A JP 3197644 A JP3197644 A JP 3197644A JP 19764491 A JP19764491 A JP 19764491A JP H0541179 A JPH0541179 A JP H0541179A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 カラー受像管のシャドウマスクが電子ビーム
の射突によって熱膨張して、局部ドーミングすることを
安価な構成により減少させることができるようにする。 【構成】 シャドウマスク本体12の電子ビーム入射側
に、このシャドウマスク本体12よりも面積の小さい補
助マスク22を部分的に配置し、これら補助マスク22
を小さい溶接点14でのみシャドウマスク本体12に接
合している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はカラー受像管用シャド
ウマスクおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、シャドウマスク式カラー受像管に
おいては、電子ビームの射突によってシャドウマスクの
温度が上昇し熱変形を生じることが知られている。この
熱変形は一般にミスレジスターといわれる色ずれを起こ
すため、原因別に対策を施こすことが望まれる。上記熱
変形の一つに局部ドーミングといわれるものがある。こ
れは、カラー受像管の動作中に画像再生画面の一部分
(一般に全有効面面積の数分の一ないし数十分の一の広
さを有する比較的まとまった部分)だけが他の部分に比
べて著しく明るく、ほぼ静止した画像が長く続くと、こ
の明るい部分に対応したシャドウマスクが局部的に熱変
形をおこす現象である。
【0003】図5はカラー受像管の画面上に再生された
映像とシャドウマスクの局部ドーミングとの関係を示す
もので、同図において、1は内面に蛍光面が形成された
パネル、2は鉄など金属板からなるシャドウマスクで、
多数の整列した電子ビーム透過用の小孔3を有する。な
お、シャドウマスク2の保持機構、電子銃等の部分は周
知であるため、それらの記載を省略している。一方、同
図の画像図において、100は、たとえば青空の中の白
雲のように、他の部分に比べて著しく明るい映像部分を
示し、このような状態が少し長く(5秒以上)ほとんど
静止したまま続くと、シャドウマスク2の映像100に
対応する部分は他の部分に比較して電子ビームの射突量
が多いため、温度が局部的に上昇し、本来、点線101
で示す形状であるものが実線102で示すように変形し
てしまう。このため、シャドウマスク2にある小孔3が
定位置を保つことができなくなり、したがって、小孔3
を通過した電子ビームの蛍光体ドットへの照射点に移動
をもたらし(ミスレジスター)色ずれが発生する。この
変形は一般のシャドウマスクでは明るい画面に対応する
シャドウマスク部分が蛍光面側へ膨れあがる方向に生ず
る。この現象は偏向角が大きくなると急速に目立つもの
で、近年のように110°偏向のように広角化したり、
画面の平坦化したカラー受像管にあっては非常に大きな
問題となるものである。
【0004】このような局部ドーミング現象を減少させ
る方法として種々の方法が工夫されている。その代表的
なものとして、従来、ほとんど純鉄に近い材料から作ら
れていたシャドウマスク2を、熱膨張係数の小さいイン
バーと呼ばれる合金で作る方法が知られている。インバ
ーはニッレルが約36%で、残部を鉄とする合金であ
る。
【0005】ドーミング現象を減少させる別の方法とし
て、たとえば特公昭61−6969号公報にも開示され
ているように、シャドウマスク2に電子ビームが射突し
たとき、マスク温度が上昇しないようにマスク表面に電
子を反射させる物質を塗布する方法が知られている。そ
の代表的なものがシャドウマスク2の電子ビーム入射側
に鉛やビスマス等の重金属の酸化物を塗布する方法であ
る。これは原子量の大きい物質は電子を反射させる性質
が強いことを利用したものである。酸化物を用いるの
は、単位金属が空気中の加熱に対して不安定であった
り、溶解して定位置にとめておくのが困難であったりし
て,カラー受像管の工程後に所定の性能を発揮させるの
が困難なためである。
【0006】ドーミング対策として前述したインバー合
金は、熱膨張係数が従来の鉄の約1/9であり、シャド
ウマスク2が局部的に電子ビーム射突によって昇温して
も、その部分の膨張量が小さいためドーミング量が小さ
く、従来の鉄の場合のドーミング量を100として、約
30程度の値まで低減させることができる。ここで、ド
ーミング量が従来の鉄の場合と比べて膨張係数の比と同
じように小さくならないのは、この材料の熱伝導率が鉄
の約1/5であり、従って、電子ビームの射突による熱
が材料中を伝導して逃げる量が少なく、電子ビーム射突
部の温度が鉄の場合に比べて大きいためである。
【0007】また、ドーミング対策として、先に述べた
電子反射物質を塗布する方法はシャドウマスク2に射突
した電子ビームのほとんどのものが相当のエネルギーを
持って塗布物質によってはね返えされるため、射突部分
の昇温が抑えられる。たとえば鉄からなるシャドウマス
ク2の上に前述の酸化鉛や酸化ビスマスを適当量塗布し
た場合は、これを塗布しない単なる鉄から成るシャドウ
マスク2のドーミングを100として、これを約70程
度まで減少させることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ドーミング対策として
先に述べたインバー合金を用いる方法は、高価なニッケ
ルを多く用いるために、材料費が高く、またシャドウマ
スク2として加工するためのエッチングによる孔明けや
プレスによる成形などが困難で、加工費と歩留りの悪い
欠点があり、著しいコストアップをともなうものであっ
た。しかも、これを実施して見ると、熱膨張係数から予
想されるほどの局部ドーミング減少効果が得られなかっ
た。
【0009】また、電子反射物質をシャドウマスク2に
塗布する方法は、効果が充分に発揮できないうえ、この
物質のために電子ビーム透過孔3が目詰まりを起こすな
ど、製造上の問題があり、結局、コスト高になる。
【0010】本発明はこのような従来のものの問題点を
解決するためになされたもので、電子ビームの射突によ
るドーミング現象を抑制でき、しかも安価にして作り易
いカラー受像管用シャドウマスクおよびその製造方法を
提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明に係るカラー受
像管用シャドウマスクは、パネル内面側のシャドウマス
ク本体の電子ビーム入射面側に、電子ビーム透過孔を有
し、上記シャドウマスク本体よりも小面積の複数の補助
マスクを部分的に対向して配設するとともに、スポット
状に接合したものである。
【0012】また、この発明に係るカラー受像管用シャ
ドウマスクの製造方法は、シャドウマスク本体をプレス
成形した後、このシャドウマスク本体に補助マスクを取
り付け、この後、黒化処理を施こすものである。
【0013】
【作用】この発明においては、補助マスクがシャドウマ
スク本体に射突するはずの電子ビームの少なくとも一部
を受け止め昇温する。この昇温による熱はシャドウマス
ク本体に放射熱によって伝わるが、熱放射は補助マスク
の両側から行なわれるため、補助マスクに対向するシャ
ドウマスク本体部分へ入射する熱は補助マスクのない場
合に比べて小さくなる。
【0014】また、シャドウマスク本体に補助マスクを
取り付けてから黒化処理を施こすことにより、局部ドー
ミングの起きにくいシャドウマスクを容易に得ることが
できる。
【0015】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面にもとづいて
説明する。図1はこの発明に係るカラー受像管用シャド
ウマスクの一例を示す斜視図である。
【0016】図1において、12はパネル1の内面側に
対向して配設されるシャドウマスク本体であり、このシ
ャドウマスク本体12には、規則的に配列された多数の
電子ビーム透過用の小孔3が設けられている。この小孔
3は、通常、平坦な薄い金属板(シャドウマスク原板)
にエッチング法により形成されるもので、この後、金属
板をプレス成形してシャドウマスク本体12が作成され
る。4はシャドウマスク本体12の全体としての形状を
保たせるためと、これをパネル内面の所定の位置に保持
させるためにシャドウマスク本体12の周辺に取り付け
られるフレームであり、これは通常やや厚肉の金属板か
ら形成される。上記シャドウマスク本体12とフレーム
4は、通常、溶接で接合し固定されている。上記フレー
ム4には、パネル内面の所定の場所に保持するためのバ
ネ等の機構が取り付けられるが、ここでは、その説明も
図示も省略する。
【0017】22は補助マスクである。この補助マスク
22はシャドウマスク本体12と同様の薄い金属板から
なり、シャドウマスク本体12の電子ビーム透過用の小
孔3(図にはその一部のみを示す)と同様で、これより
僅かに大きい電子ビーム透過用の小孔13(図にはその
一部のみを示す)が全面に、かつ小孔3を通過する電子
ビームを妨げないように設けられている。また、補助マ
スク22は、その面積がシャドウマスク本体12の小孔
3の設けられている部分の面積(カラー受像管のスクリ
ーンの大きさに対応する部分の面積)より相当に小さ
く、かつ実質的に複数個、たとえば6個がそれぞれ独立
してシャドウマスク本体12の内面に溶接14によりス
ポット状に固定されている。
【0018】上記補助マスク22の大きさは、一例とし
て、カラー受像管の大きさが25吋形であるとき、10
0×100mm2 程度であって、シャドウマスク本体1
2の比較的周辺に近い部分、つまり偏向角の大きい電子
ビームの入射する部分に互いに重なり合わないようにレ
ーザーなどで溶接されている。この時、溶接点14は補
助マスク22の比較的中央部に近い部位において2、3
個所だけであり、その他の部位では、シャドウマスク本
体12と補助マスク22との間は通常の接触程度であっ
て、いわゆる密着もしくは接着の状態にはなっていな
い。
【0019】電子ビームの透過孔3は、図2に示すよう
に、電子ビームの不要な散乱を防止するため、パネル1
の蛍光面側へ向かって先広がり状の断面形状となってい
る。電子ビームが通常の状態では、シャドウマスク本体
12側の小孔3により実質的に規制されるように、補助
マスク22側の小孔13は、上記小孔3よりも大径に形
成され、かつ電子ビームの入射の方向を考えて必要に応
じて若干ずれるように重合されている。また、上記溶接
点14は、上記シャドウマスク本体12の非孔部12a
と補助マスク22の非孔部22aに位置している。さら
に、非孔部12aおよび22aは相当に幅が狭いので、
補助マスク22をシャドウマスク本体12に完全に接合
させておくために、補助マスク22の小片一個あたりに
複数個の溶接点14を設けるのが望ましい。そして、こ
の溶接点14は各補助マスク22の略中央部付近に設け
るのが望ましい。
【0020】つぎに、以上述べた実施例の作用について
述べる。一般に、前に述べた局部ドーミングは、カラー
受像管としての電子ビームの偏向角の比較的大きい所、
つまりシャドウマスク本体12の比較的周辺に近い所で
問題になる。ところが、電子ビームがシャドウマスク本
体12の比較的周辺部に局部的に射突した時、補助マス
ク22が配置されていると、シャドウマスク12に射突
すべきこの部分の電子ビームの大部分が補助マスク22
に射突してこの部分の温度を上昇させる。これにより、
補助マスク22が熱放射を発生するが、これは補助マス
ク22の両面に現われる。このうち、補助マスク22の
シャドウマスク本体12に対向する部分から発生したも
のの何割かがシャドウマスク本体12に吸収され、この
部分の温度を上昇させる。しかし、補助マスク22から
発せられる熱放射のうちの略1/2程度は、シャドウマ
スク本体12と対向しない部分、つまり当該カラー受像
管の管壁などに向かい、ここで吸収されシャドウマスク
本体12には入射しない。補助マスク22とシャドウマ
スク本体12はスポット状の溶接点14以外は完全な密
着状態ではないので熱伝導はいたって悪く、したがっ
て、補助マスク22の熱のシャドウマスク本体12への
熱伝導はほとんど無視できる。この結果、シャドウマス
ク本体12に吸収される熱は略1/2程度になり、その
分だけドーミングも減少する。
【0021】ところで、これまでシャドウマスク本体1
2に直接射突していた電子ビームは今度は補助マスク2
2に射突することになり、このため、補助マスク22に
熱変形が起ることになる。しかし、これは次のような理
由で、先に述べたような局部ドーミング現象とは異った
ものとなり、実用的な意味での害にはならない。
【0022】まず第1の理由としては、先に述べたよう
な局部ドーミングはシャドウマスク本体12上の電子ビ
ームの射突した部分が局部的に膨張するのに対してその
周辺の部分全体が膨張しないために電子ビーム射突部分
が膨れあがって生ずるものである。また、局部ドーミン
グはそれが実用上害となるほどに目立って発生するため
には、電子ビームの射突領域がある程度以上の面積(た
とえば板の厚さが0.25mmであるシャドウマスクに
おいては、2500mm2 程度以上)であることが知ら
れている。しかし、上記補助マスク22は個々の面積が
それ程大きくないので、このうちの一個に従来であれば
局部ドーミングが問題になったであろう程度の面積の部
分に電子ビームが射突しても、たいていはその少なくと
も一部は1つの補助マスク22からはみ出してしまう。
すなわち、「電子ビームの射突により膨張する部分の周
辺全体が膨張しないため電子ビーム射突部分が膨れあが
る」と言う状態が現出しにくいのである。
【0023】第2の理由としては、たとえ補助マスク2
2にドーミング現象が起っても、シャドウマスク本体1
2が変形さえしなければ、シャドウマスク本体12の小
孔3を通った電子ビームが一部欠けることはあっても、
それが蛍光面上の本来射突してはいけない所に射突する
ことはない。すなわち、蛍光面上の問題の場所は通常単
に暗くなるだけで、他色発光のような非常に好ましくな
い現象を呈しはしないのである。
【0024】以上述べた第2の理由はあるものの、上記
補助マスク22はそれ自身にはドーミングが起きにくい
ことが望まれる。したがって、第1の理由から補助マス
ク22の1個の大きさをあまり大きくすることは好まし
くなく、また、シャドウマスク本体12との溶接をでき
るだけ狭い面積の少ない点数でおこなうのが望ましい。
さらに、第2の理由に関連する補助マスク22のドーミ
ングの熱変形の影響を最小限にとどめるのは溶接点14
が個々の補助マスク22の中央部付近にあることが望ま
れる。また、補助マスク22の大きさについても、あま
り大きいと、溶接強度の点で保持に問題が生じるほか、
補助マスク22の全体にわたって小孔3と小孔13を一
致させるように高精度に作成するのが難しくなる。逆に
補助マスク22があまり小さいと、個数が増えて取り付
け工数が増え、小孔3、13とを一致させる作業回数も
増える。したがって、補助マスク22の大きさは、シャ
ドウマスク本体12の曲面や曲率などによっても異なる
が、形状が円形ないしは正方形に近いものでは、おおよ
そシャドウマスク本体12の板厚をtとするとき、4×
104 2 〜4×105 2 が適当である。
【0025】なお、図1の実施例では、複数個取りつけ
られている補助マスク22相互の間に隙間があり、ここ
へ入射する電子ビームは補助マスク22にさえぎられず
に直接、シャドウマスク本体12に射突することになる
が、局部ドーミングはそれが害になるにはある程度の電
子ビーム射突面積を必要とし、少々の隙間は問題になら
ない。
【0026】図3はこの発明の他の実施例を示すもので
ある。同図において、補助マスク22として、帯形のも
のをシャドウマスク本体12の両側に配置したもので、
溶接点14もシャドウマスク本体12の周辺部に設定し
ている。この例の補助マスク22は、たとえば25吋型
カラー受像管において、100×370mm2 程度であ
る。この場合も、補助マスク22とシャドウマスク本体
12の間が伝熱的に完全密着状態でさえなければ、先に
述べたシャドウマスク本体12の局部的昇温を相当に防
げるので、その他に述べた補助マスク22自身にドーミ
ングまたはそれに類似の熱変形が起ることによる悪影響
は前述の実施例のものよりはやや大きくなるが、総合的
にそれなりの効果を期待できるものである。
【0027】ところで、シャドウマスク本体12の補助
マスク22との対向面側の表面の熱放射率を、両者1
2,22が重なり合っていない部分よりも両者12,2
2が重なり合っている部分で小さく設定するのがよい。
これはシャドウマスク本体12と補助マスク22の重な
り部分は、放射による熱伝達ができるだけ少ないことが
望まれる一方、シャドウマスク本体12が補助マスク2
2に重なっていない部分は電子ビーム射突により発生す
る熱ができるだけ放射によって逃げてくれることが望ま
しいためである。
【0028】また、補助マスク22のシャドウマスク本
体12との対向面側の熱放射率がその反対側の電子ビー
ムが入射する側の面よりも小さく設定するのがよい。そ
の理由は、電子ビームの射突により補助マスク22に発
生する熱のほとんどを補助マスク22の電子ビーム入射
面側へ逃がすことができる。この結果、シャドウマスク
本体12の局部ドーミングを、単に補助マスク22を取
り付けたのみの状態より大場に減らすことができる。
【0029】上記のように熱放射率を設定するシャドウ
マスクの製造方法について図4で説明する。図4におい
て、シャドウマスクの製造には、シャドウマスク原板か
ら小孔3を有するシャドウマスク本体12を作成するプ
レス成形工程41と、補助マスク22をシャドウマスク
本体12に対して接合する溶接工程42と、黒化処理工
程43とを経ることになる。
【0030】ここで、黒化処理と言うのは、従来のシャ
ドウマスクでもおこなわれていた工程であって、表面の
熱放射特性を改善するなどの目的のため、酸化雰囲気中
で熱処理を行ない材料表面に黒色の酸化被膜を形成する
工程である。この実施例にあっては、シャドウマスク本
体12になる金属板のプレス成形工程41と黒化処理工
程43との間に、補助マスク22の溶接が行なわれる。
こうすると、黒化のための酸化雰囲気がシャドウママス
ク本体12と補助マスク22の間ではほとんど停留して
しまい、この面には酸化力のある雰囲気が絶えず入れ変
わり、供給されることが少ないので、両者12,22が
対向している面では非常に不完全な酸化被膜しか形成さ
れず、結果的に特に他の細工をしなくても両者12,2
2の対向面での熱放射率を反対面側より小さくすること
ができる。
【0031】なお、補助マスク22はプレス成形されシ
ャドウマスク本体12に溶接するとしたが、補助マスク
22は特にわざわざわん曲成形しなくても、個々の面積
が小さければシャドウマスク本体12に沿わせて撓わま
せるだけで適正な孔位置の重ね合わせが可能であり、か
つ、こうすることによって、両者12,22の間に完全
密着でない適度の隙間を自然に設けることが可能である
ためである。勿論、補助マスク22を前もって別に成形
加工しておいても良い。要は溶接後に、両者12,22
を一体的にプレス成形したのではほとんど完全密着にな
ってしまい本発明の効果が減失される。
【0032】この発明はその他に種々の変形例が考えら
れる。たとえば、通常鉄で作られるシャドウマスク本体
12に対して補助マスク22を36〜42%のニッケル
を含む熱膨張係数の小さい鉄合金で作成し、補助マスク
22のドーミングに似た熱変形を極力減らすことも考え
られる。
【0033】補助マスク22はニッケルを含む合金など
通常の鉄材を黒化処理する条件では黒化(酸化膜)が形
成されにくい材料で作り、予め、別の工程で予備的に片
面だけを重点的に黒化しておいてもよい。
【0034】
【発明の効果】以上のように、この発明の請求項1によ
れば、シャドウマスク本体の電子ビーム入射面側に部分
的に補助マスクを取り付けたので、コストアップをとも
なうことなく、局部ドーミングを十分に抑制できるカラ
ー受像管を製作容易にして提供することができる。
【0035】また、この発明の請求項2によれば、シャ
ドウマスクの成形後、補助マスクを溶接し、その後黒化
処理を施こすようにしたので、補助マスクによる局部ド
ーミング防止効果を容易に発揮させ得るカラー受像管の
シャドウマスクの製造方法を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るカラー受像管用シャドウマスク
の一例を示す斜視図である。
【図2】同シャドウマスクの拡大断面図である。
【図3】この発明の他の実施例を示すカラー受像管用シ
ャドウマスクを示す斜視図である。
【図4】この発明のカラー受像管用シャドウマスクの製
造工程を示す図である。
【図5】従来のカラー受像管用シャドウマスクの説明図
である。
【符号の説明】
1 パネル 3 13 電子ビーム 12 シャドウマスク本体 22 補助マスク 41 プレス成形工程 42 補助マスク取付工程 43 黒化処理工程

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数の電子ビーム透過用の小孔を有する
    金属板で構成されて、蛍光面が形成されたパネル内面に
    対向して配設されたシャドウマスク本体と、電子ビーム
    透過用の小孔を有し、かつ上記シャドウマスク本体より
    も小面積で、該シャドウマスク本体の電子ビーム入射面
    側に部分的に対向して配設されてスポット状に接合され
    る複数の金属製の補助マスクとを備えたことを特徴とす
    るカラー受像管用シャドウマスク。
  2. 【請求項2】 シャドウマスク本体を成形するプレス成
    形工程と、成形されたシャドウマスク本体に補助マスク
    を取り付ける工程と、シャドウマスク本体に補助マスク
    を取り付けた後、黒化処理する工程とを備えたことを特
    徴とするカラー受像管用シャドウマスクの製造方法。
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