JPH0541061Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、折りたたみシートに係り、詳しく
は、例えば荷客兼用のバン型車両のリヤシートの
支持装置に関する。

（従来の技術） 従来、例えばバン型車両の荷客兼用室２に設置
されるリヤシート３はシートクツシヨン４とシー
トバツク５とがリクライニング装置６を介してシ
ートバツク５の傾斜角度を調整可能に連結される
とともに、シートバツク５をシートクツシヨン４
上に重ね状に折りたたみ可能に設けられ、また、
シートクツシヨン４の下面前部はヒンジ部材７を
介してアロア８に取付けられ、同シート３は折り
たたんだ状態でヒンジ部材７を中心として前方へ
倒立状にしてフロア８のスペースを拡大可能に設
けられ、この倒立した状態でフロア８に荷物を積
載した場合に、同倒立した状態のリヤシート３が
後方へ倒れることを防止するため、例えば図示の
ようにシートバツク５の後端部にその一端が取付
けられ、他端にフツク１０を有するベルト９をフ
ロア８に取付けた掛け金具８ａに掛合するもので
あつた。

（解決しようとする課題） しかしながら、このベルト９による倒れ防止構
造ではシート３の折りたたみ、展開の都度、ベル
ト９を人手により着脱しなければならず、また、
シート３の展開時にはベルト９の格納に格別の手
段を設けなければならない等の問題点があつた。

本考案は、上記従来の問題点を解決すべくなさ
れたもので、シートの折りたたみ倒立操作に連動
して折りたたんだ状態でシートを倒立状態に支持
し得るとともに、シートの展開操作に連動してシ
ートクツシヨンの下面側に格納することのできる
折りたためシートの支持装置を提供することを目
的とするものである。

（課題を解決するための手段） 本考案は、上記技術課題を解決するため、シー
トクツシヨンとシートバツクとをリクライニング
装置を介して折りたたみ可能に設け、前記シート
クツシヨンの前部を対をなすヒンジ部材を介して
フロアに固定して折りたたみ状態で前方へ倒立状
に移動可能に設けた折りたたみシートであつて、
前記シートクツシヨンの背面側には同シートクツ
シヨンの前部であつて、かつ前記対をなす一方の
ヒンジ部材に近接して前部ブラケツトを設け、同
前部ブラケツトと対応して所定の間隔を隔てた後
部寄りに後部ブラケツトを設けるとともに、両ブ
ラケツト間にはフロアに接地して前記倒立状のシ
ートを支持可能なストツパー部材を枢着し、前記
前部ブラケツトには前記ストツパー部材を前記シ
ートクツシヨンの背面に当接状に付勢するスプリ
ングを装着し、同前部ブラケツトを近接したヒン
ジ部材のシートクツシヨン側のヒンジ金具と前記
ストツパー部材とを前記シートの倒立・展開動作
に連動可能にワイヤにより連繋する構成とした折
りたたみシートの支持装置に存する。

（作用） 重ね状に折りたたんだシートをヒンジ部材を介
して前方へ回動して倒立操作することで、シート
クツシヨンに取付けたヒンジ金具とワイヤを介し
て連繋され、かつシートクツシヨンの背面にブラ
ケツトを介してスプリングの付勢力により同シー
トクツシヨンの背面に当接状に格納されたストツ
パー部材はスプリングの付勢力に抗してシートク
ツシヨンの背面に対しほぼ直角状に、かつフロア
面にほぼ直角状に接地してシートを倒立状に保持
し、シートの倒立状態より後方へ展開操作するこ
とでワイヤが緩められて、ストツパー部材はスプ
リングに付勢力によりシートクツシヨンの背面に
当接状に格納される。

（実施例） 次に、本考案の一実施例を図面にしたがつて説
明すると、図中３はバン型車両１の荷客兼用室２
に設置されたリヤシートであつて、該リヤシート
３はシートクツシヨン４とシートバツク５とがリ
クライニング装置６を介してシートバツク５の傾
斜角度を調整可能に連結されるとともに、シート
バツク５をシートクツシヨン４上に重ね状に折り
たたみ可能に設けられ、また、シートクツシヨン
４の下面前部は対をなすヒンジ部材１１を介して
アロア８に取付けられている。

このヒンジ部材１１はフロア８へ取付ける固定
金具１２とシートクツシヨン４に取付けられる可
動金具１３とからなり、固定金具１２は取付片１
２ａと同取付片１２ａの両側には縁片１２ｂが設
けられて断面略コ字形状に形成され、この縁片１
２ｂの一端には対応してヒンジピン１４を挿通す
る孔１２ｄを貫設した隆起状の枢着部１２ｃが形
成され、また、可動金具１３は固定金具１２とほ
ぼ同様の形状で若干短尺に形成されて固定金具１
２の枢着部１２ｃ間に納め得るもので、取付片１
３ａの両側には縁片１３ｂが形成され、同縁片１
３ｂの端部には固定金具１２の枢着部１２ｃ間に
納められて同孔１２ｄと整合する孔１３ｄを有す
る隆起状の枢着部１３ｃが形成され、同取付片１
３ａの内側面には略Ｌ形状で後述の作動ワイヤ２
１の一端を取付ける掛け止め金具１５ａが止着さ
れている。かくして形成された固定金具１２と可
動金具１３とは相互の枢着部１２ｃ，１３ｃが嵌
合されて孔１２ｄ，１３ｄに頭部１４ａを有する
ヒンジピン１４が挿通されてＥリング２３により
抜け止めされて回動可能に連結されている。ま
た、この対をなすヒンジ部材１１の一方のヒンジ
部材１１Ａの内側となる縁片１２ｂの端部寄りに
は切欠き１２ｅが形成されている。

このように形成された対をなすヒンジ部材１１
を介してフロア８に取付けられたリヤシート３の
シートクツシヨン４の背面側には対をなすブラケ
ツト１６，１７を介してストツパー部材１８が取
付けられている。この図示下部側のブラケツト１
６は切欠き１２ｅを有するヒンジ部材１１Ａに近
接状に取付けられるもので、取付片１６ａの上下
には所定の間隔で支持片１６ｂ，１６ｃが対応し
て突出形成され、両支持片１６ｂ，１６ｃにはス
トツパー部材１８を回動可能に挿通支持する挿通
孔１６ｄが貫設されている。また、取付片１６ａ
の支持片１６ｂの基部にはねじりコイルばね１９
の一方の腕部１９ａを挿通係合する凸部１６ｅが
形成されている。また、上部側のブラケツト１７
の取付片１７ａにはストツパー部材１８を回動可
能に挿通支持する凸部１７ｂが折曲形成されてい
る。このように形成された上部ブラケツト１７は
下部ブラケツト１６に対しその凸部１７ｂを挿通
孔１６ｄと対応して図示上部の所定位置（シート
Ｓを倒立した状態で）に取付けられ、両ブラケツ
ト１６，１７間にはストツパー部材１８が回動可
能に取付けられている。

このストツパー部材１８は例えば丸鋼材を折曲
成形してなるもので、該ストツパー部材１８はフ
ロア８に接地さける所定の長さを有する接地片１
８ａと同接地片１８ａの端部より所定の角度αで
斜状に折曲される支持片１８ｂとによりシートク
ツシヨン４の背面を底辺とする略三角形状を形成
する略かぎ形状に形成され、両片１８ａ，１８ｂ
の端部には対向状にブラケツト１６，１７の挿通
孔１６ｄおよび凸部１７ｂに回動可能に挿通支持
されるピン部１８ｃ，１８ｄが折曲形成されてい
る。このように形成されたストツパー部材１８の
ピン部１８ｄは上部ブラケツト１７の凸部１７ｂ
に挿通され、また、ピン部１８ｃは下部ブラケツ
ト１６の下方より挿通孔１６ｄに挿通されるとと
もに、同下部ブラケツト１６の支持片１６ｂ，１
６ｃ間には両端部に相互に反対方向へ延出する所
定長さの腕部１９ａ，１９ｂを有し、所定のばね
圧に設定されたねじりコイルばね１９がその一方
の腕部１９ａが下部ブラケツト１６の凸部１６ｅ
に挿通係合されて納められて同ピン部１８ｃは同
コイルばね１９に挿通されてＥリング２３により
抜け止めされている。また、コイルばね１９の他
方の腕部１９ｂの端部はストツパー部材１８の接
地片１８ａに掛け止めされて、ストツパー部材１
８はコイルばね１９のばね圧により常にシートク
ツシヨン４の背面に当接状に付勢されている。

２０は作動ワイヤ２１の案内保護管であつて短
尺管２０ａと長尺管２０ｂとが略Ｌ形状に折曲形
成され、この長尺管２０ｂの外周にはねじが螺設
されて２個のナツト部材２２が螺着され、同長尺
管２０ｂはヒンジ部材１１の固定金具１２に形成
した切欠き１２ｅに嵌込まれ、ナツト部材２２に
より縁片１２ｂを挟着して短尺管２０ａは可動金
具１３に指向して取付けられている。このように
取付けられた案内保護管２０には所定の長さを有
する作動ワイヤ２１が挿通されて、同作動ワイヤ
２１の一端部はヒンジ部材１１の可動金具１３に
取付けた掛け止め金具１５ａに掛け止め固定さ
れ、他端部はストツパー部材１８の接地片１８ａ
の所定位置に取付けられた掛け止め金具１５ｂに
掛け止め固定されている。

なお、２４はシートクツシヨン４に背面の後部
に取付けられた後脚部である。

このように設けられたリヤシート３が展開状態
にあるときにはストツパー部材１８はシートクツ
シヨン４の背面に格納されている。この展開状態
よりシートバツク５をシートクツシヨン４上に重
ね状にしてヒンジ部材１１を介して前方へ回動し
て倒立操作していくと、シートクツシヨン４を取
付けた可動金具１３もともに回動して同可動金具
１３に一端部を取付けた作動ワイヤ２１が引張ら
れ、同ワイヤ２１に連繋されたストツパー部材１
８はねじりコイルばね１９に抗して上下のブラケ
ツト１６，１７の支持部を中心としてヒンジ部材
１１Ａ側へ回動され、折りたたみ状のリヤシート
３が倒立状態となると同ストツパー部材１８はシ
ートクツシヨン４の背面およびフロア８面に対し
ほぼ直角状に作動ワイヤ２１を介して保持される
とともに、その接地片１８ａはフロア８に当接さ
れて倒立状態のリヤシート３を倒立保持する。次
に、倒立状態のリヤシート３を後方へ展開操作し
ていくと、作動ワイヤ２１が緩められるととも
に、ねじりコイルばね１９の復元力によりストツ
パー部材１８はシートクツシヨン４の背面側へ回
動されて当接状に格納され、シートクツシヨン４
はフロア８に接地されてリヤシート３は展開され
る。

このように本例によれば、リヤシート３の倒立
操作および展開操作に連動してストツパー部材１
８の引出しと格納を行なうことができるので、従
来のようにベルト等による手数をなくすことがで
きてその操作性を向上することができ、また、ベ
ルト等の格納手段を必要としない経済性を有する
ものである。

なお、上記実施例においてはストツパー部材１
８を丸鋼材を略三角形状に折曲成形して例示した
が、これに限定するものではなく、例えば板状の
三角形状のもの、あるいは不等辺四辺形に折曲し
たもの、または同板状のものであつてもよい。

（考案の効果） さて、本考案はシートクツシヨンとシートバツ
クとをリクライニング装置を介して折りたたみ可
能に設け、前記シートクツシヨンの前部を対をな
すヒンジ部材を介してフロアに固定して折りたた
み状態で前方へ倒立状に移動可能に設けた折りた
たみシートであつて、前記シートクツシヨンの背
面側には同シートクツシヨンの前部であつて、か
つ前記対をなす一方のヒンジ部材に近接して前部
ブラケツトを設け、同前部ブラケツトと対応して
所定の間隔を隔てた後部寄りに後部ブラケツトを
設けるとともに、両ブラケツト管にはフロアに接
地して前記倒立状のシートを支持可能なストツパ
ー部材を枢着し、前記前部ブラケツトには前記ス
トツパー部材を前記シートクツシヨンの背面に当
接状に付勢するスプリングを装着し、同前部ブラ
ケツトを近接したヒンジ部材のシートクツシヨン
側のヒンジ金具と前記ストツパー部材とを前記シ
ートの倒立・展開動作に連動可能にワイヤにより
連繋する構成としたことにより、リヤシートの倒
立操作および展開操作に連動してストツパー部材
の引出しと格納を行なうことができるので、従来
のようにベルト等による手数をなくすことができ
てその操作性を向上することができ、また、ベル
ト等の格納手段を必要としない経済性を有するも
のである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は折り
たたみシートを倒立状態にした斜視図、第２図は
支持装置の分解斜視図、第３図は動作説明図、第
４図は従来例である。 ３……リヤシート（折りたたみシート）、４…
…シートクツシヨン、５……シートバツク、６…
…リクライニング装置、８……フロア、１１……
ヒンジ部材、１３……可動金具、１６，１７……
ブラケツト、１８……ストツパー部材、１９……
ねじりコイルばね、２１……作動ワイヤ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シートクツシヨンとシートバツクとをリクライ
   ニング装置を介して折りたたみ可能に設け、前記
   シートクツシヨンの前部を対をなすヒンジ部材を
   介してフロアに固定して折りたたみ状態で前方へ
   倒立状に移動可能に設けた折りたたみシートであ
   つて、前記シートクツシヨンの背面側には同シー
   トクツシヨンの前部であつて、かつ前記対をなす
   一方のヒンジ部材に近接して前部ブラケツトを設
   け、同前部ブラケツトと対応して所定の間隔を隔
   てた後部寄りに後部ブラケツトを設けるととも
   に、両ブラケツト間にはフロアに接地して前記倒
   立状のシートを支持可能なストツパー部材を枢着
   し、前記前部ブラケツトには前記ストツパー部材
   を前記シートクツシヨンの背面に当接状に付勢す
   るスプリングを装着し、同前部ブラケツトを近接
   したヒンジ部材のシートクツシヨン側のヒンジ金
   具と前記ストツパー部材とを前記シートの倒立・
   展開動作に連動可能にワイヤにより連繋する構成
   とした折りたたみシートの支持装置。