JPH0540581Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、カーオーデイオ製品において、特に
高音域レベルを自動的に補正するようにした自動
音場調整回路に関するものである。

［従来の技術］ 自動車等の車内に取り付けられたカーオーデイ
オ製品のミユージツクスペースは、ウインドウガ
ラスと金属板ボデイとによつて囲まれた狭い空間
に限定されるために、リスナーの耳に伝達される
音はスピーカからの直接音とウインドウガラス等
により反射された反射音とが干渉し合つたものと
なる。この結果、一般的にこのようなカー空間に
おいては、音域のうち低音域が高レベルで再生さ
れた反面高音域は低レベルで再生されるようにな
つて、カー空間独特の再生状態となる。

このためこれらの不具合を緩和するためにカー
コンポあるいはハイグレード・オーデイオ・シス
テムにおいては、トーンコントロールシステムと
してバス・トレブルコントロール回路を具備し、
高音域および低音域を別々に調整するようにして
音域のアンバランスを防止している。

［考案が解決しようとする課題］ しかしながら実際の走行においては乗車人員が
増加するにつれて、特に高音域レベルがダウンす
る現象が生じ、上記コントロール回路を調整して
もうまくバランスをとることは困難となる。特に
10kHz以上の音域においてはその傾向が著しく、
再生音は高域落ち中域抜けのブーミーな音となつ
てしまうので音場特性は著しく劣化したものとな
る。

本考案の目的は上述した従来の問題点を解決す
るため、着座人数が多くなるに従つて音質調整回
路の高域カツトオフ周波数を、高域強調するよう
に制御する自動音場調整回路を提案することにあ
る。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するため、本発明は、車両内の
各座席に対応して設けられた着座状況検出手段を
有し、前記検出手段からの着座状況に応じた検出
信号に基づいて前記音響信号の出力レベルを制御
する自動音場調整回路において、音響機器からの
音響信号の音質を、所定カツトオフ周波数の制御
により制御する音質制御手段と、前記検出信号に
より、前記音質制御手段のカツトオフ周波数を、
着座人数の増加に伴つて高域成分を強調するよう
に制御する高域成分強調手段を設けたことを特徴
とする。

［作用］ 着座人数が増加すると、着座状況検出手段から
の検出信号により音質制御手段のカツトオフ周波
数が高域成分を強調するように制御される。

［実施例］ 以下図面に示す本考案の実施例を説明する。

第１図は本考案の一実施例による自動音場調整
回路を示すブロツク図で、１ａ〜１ｄはフエザー
タツチスイツチ等から成るタツチセンサーで車両
座席の乗車人員に相当した任意位置に設けられ、
前記着座状況検出手段を構成する。２ａ〜２ｄは
各タツチセンサー１ａ〜１ｄに接続されたドライ
ブ回路、３は各ドライブ回路２ａ〜２ｄが共通に
接続された制御回路、Q₁〜Q₄は各タツチセンサ
ー１ａ〜１ｄに対応して制御回路３に共通に接続
されたNPN形トランジスタ、Q₅〜Q₆は各NPN
形トランジスタQ₁〜Q₄に直列に接続されたNPN
形トランジスタでこれらNPN形トランジスタQ₁
〜Q₈は各々Q₁〜Q₅，Q₂〜Q₆，Q₃〜Q₇，Q₄〜Q₈
をペアとして上記タツチセンサー１ａ〜１ｄに対
応した並列のスイツチング素子を構成している。

また、R₁〜R₈は抵抗、C₁〜C₄は各々NPN形ト
ランジスタQ₅〜Q₈に直列に接続されたコンデン
サで、これらトランジスタQ₁〜Q₈、抵抗R₁〜
R₈、コンデンサC₁〜C₄でスイツチング回路４を
構成する。５はラジオ受信回路、６はラジオ出力
回路、７はテープ再生回路、８はテープ再生出力
回路、９は前記音質制御手段としてのバス・トレ
ブルコントロール回路、１０は音質コントロール
回路、１１はパワーアンプである。

以上の構成で、例えば、車両の運転席と助手席
に２名乗車したとして上記タツチセンサー１ａ，
１ｂがオンしたとすると、ドライブ回路２ａ，２
ｂも動作してその出力を加算回路３に加える。こ
の結果加算回路３はその出力に相当した合成電圧
を出力しトランジスタQ₁，Q₂のみをオンするよ
うな電圧を出力する。これによりトランジスタ
Q₅，Q₆はオフし、また、トランジスタQ₇，Q₈が
オンするようになるのでスイツチング回路４は第
２図のような等価回路となり、バス・トレブルコ
ントロール回路９に対するコンデンサC₁〜C₄の
合成容量値は（C₃＋C₄）となる。この場合、バ
ス・トレブルコントロール回路９の高域カツトオ
フ周波数_H1は、 _H1＝１／２π（C₃＋C₄）R₀（Hz） ……(1) となる（但し、R₀はバス・トレブルコントロー
ル回路９の高域カツトオフ決定用抵抗）。

次に、この状態で車両の例えば後部座席に更に
１名乗車したとして、更にタツチセンサー１ｃが
オンしたとすると、ドライブ回路２ｃが動作して
その出力が加算回路３に加えられる。

この結果、上記と同じ理由によつてトランジス
タQ₃もオンされるのでトランジスタQ₇はオフす
る。またトランジスタQ₈はオンしたままなので、
スイツチング回路４は第３図のような等価回路と
なり、バス・トレブルコントロール回路９に対す
るコンデンサC₁〜C₄の合成容量値はC₄のみとな
る。

この場合、バス・トレブルコントロール回路９
の高域カツトオフ周波数_H2は、 _H2＝１／２πC₄R₀（Hz） ……(2) となる。

この(2)式の値は上記(1)式の値よりも高くなるこ
とは明らかである。

即ち、乗車人員が増加してタツチセンサーがオ
ンするごとに、バス・トレブルコントロール回路
９の高域カツトオフ周波数_Hは高くなり高音域レ
ベルの減衰は防止される。

以上述べて明らかなように上記実施例によれ
ば、上記複数のタツチセンサーの動作に応じて複
数のコンデンサの合成容量値を変化させることに
より高温域レベルを自動的に補正するように構成
したものであるから、従来欠点を除去することが
できる。

これにより乗車人数に応じて自動的に高音域レ
ベルの補正ができるようになるので、常に一定の
音場空間を形成することができる。

タツチセンサーの数は目的、用途に応じて任意
数設定することができる。

［考案の効果］ 以上説明したように本考案によれば、着座人数
が多くなるのに従つて音質調整回路の高域カツト
オフ周波数が高くなるように制御されるので、乗
車人数の増加に従つて車室内の音響信号の高域レ
ベルの低下を防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示すブロツク図、
第２図および第３図は本考案を説明するための等
価回路である。 １ａ〜１ｄ……タツチセンサー、３……ドライ
ブ回路、４……スイツチング回路、９……バス・
トレブルコントロール回路、Q₁〜Q₈……トラン
ジスタ、R₁〜R₈……抵抗、C₁〜C₄……コンデン
サ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車両内の各座席に対応して設けられた着座状況
   検出手段を有し、前記検出手段からの着座状況に
   応じた検出信号に基づいて前記音響信号の出力レ
   ベルを制御する自動音場調整回路において、音響
   機器からの音響信号の音質を、所定カツトオフ周
   波数の制御により制御する音質制御手段と、前記
   検出信号により、前記音質制御手段のカツトオフ
   周波数を、着座人数の増加に伴つて高域成分を強
   調するように制御する高域成分強調手段と、を設
   けたことを特徴とする自動音場調整回路。