JPH054044A - 酸素含有ガス処理方法及びこの方法に使用される酸素含有ガス処理材料 - Google Patents

酸素含有ガス処理方法及びこの方法に使用される酸素含有ガス処理材料

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JPH054044A
JPH054044A JP3279080A JP27908091A JPH054044A JP H054044 A JPH054044 A JP H054044A JP 3279080 A JP3279080 A JP 3279080A JP 27908091 A JP27908091 A JP 27908091A JP H054044 A JPH054044 A JP H054044A
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gas
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JP3279080A
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Shoji Doi
祥司 土肥
Akio Nakashiba
明雄 中芝
Koji Moriya
浩二 守家
Katsutoshi Nakayama
勝利 中山
Shigeru Morikawa
茂 森川
Takashi Kobayashi
小林  孝
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Osaka Gas Co Ltd
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Osaka Gas Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 酸素供給側ガスあるいは酸素受入れ側ガスを
特別なガス圧状態とする必要がなく、比較的広い温度域
において酸素の分離除去、富化等の酸素含有ガスの処理
が可能な酸素含有ガス処理方法を得、さらにこの方法に
使用される酸素含有ガス処理材料を得る。 【構成】 一般式ABOX(AはSr,La,Ba,P
b,Caから選ばれた1つ、BはCo,Fe,Zrから
選ばれた1つ、x=1〜3)で表されるペロブスカイト
型化合物に対してA及びB以外の金属をドープしたドー
プ処理済ペロブスカイト型化合物(p)を酸素含有ガス
処理材料とし、これを0〜900℃の範囲で酸素を含有
する処理対象ガスと接触させることによって、ドープ処
理済ペロブスカイト型化合物(p)に酸素を収着させ
て、前記処理対象ガスより酸素を除去し、さらにこの化
合物より酸素を脱離させて酸素富化をおこなう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば大気中あるいは
燃焼排ガス中等に含まれる酸素の分離除去もしくは酸素
濃縮といった処理を行う酸素含有ガスの処理方法および
この方法に使用される酸素含有ガス処理材料に関する。
【0002】
【従来の技術】このような酸素含有ガスの処理方法とし
ては、酸素富化装置に採用されている方法がある。この
酸素富化装置は、処理対象ガスである酸素を含有する酸
素供給側からその酸素を分離除去する機能と、分離され
た酸素を所望の酸素受入れ側ガスに供給して、このガス
の酸素濃度を上げる機能を有しており、これらの機能が
一体として備えられている。以下に、従来の酸素富化装
置を説明することにより、このような酸素含有ガスの処
理方法について説明する。酸素富化装置に採用されてい
る方法としては、所謂、酸素富化膜を使用する方法と、
固体電解質を加熱状態で使用する方法とがある(ここ
で、酸素富化膜、固体電解質が酸素含有ガス処理材料と
なる)。前者の方法は、酸素富化膜を介して、その一方
側に酸素供給側ガス(処理対象ガス)を配し、この部位
を酸素富化膜の他方側に対して高圧状態とすることによ
り、酸素のみを選択的に他方側へ透過させて、他方側に
ある酸素受入れ側ガスを酸素富化状態とするものであ
る。一方、後者の方法は固体電解質を1000℃程度の
加熱状態として、電気的な反応により酸素を、この固体
電解質を介した一方側から他方側に移送するものであ
る。ここで、この方法においては両側のガス間に圧力差
を設ける必要は特にない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前者の方法に
おいては、酸素富化膜の両側に圧力差を生じさせる必要
があり、この方法を採用した場合、圧力差を生じさせる
ための機構が必要であるとともに、これを駆動させるた
めの多くの動力が必要で運転経費が高い。さらにこの方
法においては、酸素富化膜の耐熱性から環境温度として
250℃程度以下でないと使用できず、これ以上の温度
域に対して使用できない。また、後者の方法において
は、固体電解質を上述の温度域(1000℃付近)まで
加熱する必要があるため、加熱に要するエネルギーが多
い割りには、酸素の輸送効率が低い。さらに、この方法
は、1000℃程度の温度域以下では使用することがで
きず、この方法においてもまた適応温度域に限界があっ
た。即ち、酸素供給側ガスから酸素を分離除去する場
合、また酸素受入れ側ガスを酸素富化の状態とする場合
ともに、このような問題が介在していたのである。そこ
で、本発明の目的は、酸素供給側ガスあるいは酸素受入
れ側ガスを特別なガス圧状態とする必要がなく、比較的
広い温度域において酸素の分離除去、富化等の酸素含有
ガスの処理が可能な酸素含有ガス処理方法を得、さらに
この方法に使用される酸素含有ガス処理材料を得ること
にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
の本発明による酸素含有ガスの処理方法の第一の特徴手
段は、一般式ABOX(AはSr,La,Ba,Pb,
Caから選ばれた1つ、BはCo,Fe,Zrから選ば
れた1つ、x=1〜3)で表されるペロブスカイト型化
合物に対してA及びB以外の金属をドープしたドープ処
理済ペロブスカイト型化合物を、0〜900℃の範囲で
酸素を含有する処理対象ガスと接触させることによっ
て、前記ドープ処理済ペロブスカイト型化合物に酸素を
収着させて、前記処理対象ガスより酸素を除去すること
とされていることであり、さらに本願の第二の特徴手段
は、第一の特徴手段の酸素含有ガス処理方法で得られた
酸素収着状態のドープ処理済ペロブスカイト型化合物
を、20〜900℃に加熱することによって、ドープ処
理済ペロブスカイト型化合物より酸素を脱離させて酸素
欠陥状態にし、さらに酸素の収着および酸素の脱離を繰
り返して行うことにある、そして上記の方法に採用され
る化合物を、酸素含有ガス処理材料として採用すること
にあり、その作用・効果は次のとおりである。
【0005】
【作用】まず、ペロブスカイト型化合物について説明す
る。一般に、ペロブスカイト型化合物は、理想ペロブス
カイト型と酸素欠陥型ペロブスカイト型に分類される。
ここで、理想ペロブスカイト型化合物は、その化学式が
ABO3で示されるように酸素が化学量論的に入ってお
り、結晶構造中に酸素欠陥が僅少のものである。一方、
酸素欠陥ペロブスカイト型はABOX(x=1〜3)で
示されるように、酸素が化学量論量より少ないため、結
晶構造中に酸素の欠損した欠陥が存在している。そし
て、こういった酸素欠陥を有するペロブスカイト型化合
物(一般式ABOX(x=1〜3))は理想ペロブスカイ
ト型の立方晶から酸素原子を抜いた構造となっており、
この結晶中にある空格子点が酸素に対して収着、脱離性
能を有するのであるが、本願においては、この空格子点
の数が一般式においてA、あるいはBで表される金属以
外の金属をペロブスカイト型化合物にドープ処理するこ
とにより、化合物内で増加させられているのである。こ
の結果、この処理を行なったペロブスカイト型化合物
は、その結晶格子に前述の空格子点を多く含むこととな
り、この空格子点が酸素に対する収着性能を発揮するこ
ととなるのである。ここで、この収着、脱離は、処理対
象となるガスの圧力状態を特別な状態とする必要はな
く、さらにこれらの性能を示す処理温度は、従来の方法
では使用できなかった温度域(250〜900℃)をも
含むものとなっている。即ち、このドープ処理済ペロブ
スカイト型化合物は酸素に対して、0〜900℃の温度
域で収着性能を示す。そこで、本願における第一の特徴
手段においては、先ずこの収着性能を利用して、処理対
象ガス(酸素供給側ガスとなる。)から酸素を分離除去
するのである。さらに、第二の特徴手段においては、酸
素を収着状態のドープ処理済ペロブスカイト型化合物を
昇温状態として、酸素をドープ処理済ペロブスカイト型
化合物から脱離させ元の酸素欠陥状態とするのである。
さらに、酸素の収着(処理対象ガスからの酸素の分離除
去)および酸素の脱離(酸素受入れ側ガスへの酸素の供
給)を繰り返して、ガス処理を繰り返すのである。前述
のように、この操作は処理対象ガスである酸素供給側ガ
スと、酸素受入れ側ガスの間にガス圧の差をつける必要
はない。そして、上記の方法において使用される一般式
ABOX(x=1〜3)で表されるペロブスカイト型化
合物に対してA及びB以外の金属をドープしたドープ処
理済ペロブスカイト型化合物が、酸素含有ガス処理材料
とされる。
【0006】
【発明の効果】このような酸素含有ガス処理材料を利用
して、開示の方法で処理をおこなうことにより、酸素供
給側ガスあるいは酸素受入れ側ガスを特別なガス圧状態
とする必要なく、酸素の分離除去を行なうことが可能と
なるとともに、脱離される酸素が供給されるガスを酸素
富化の状態とすることが可能となった。さらに、ドープ
処理済ペロブスカイト型化合物における収着反応あるい
は脱離反応を起こす反応温度が、比較的広いとともに、
従来その対象とされた温度(250℃程度以下もしくは
1000℃程度以上)の空隙域を満たしているため、こ
のような温度域において有効に酸素の分離除去、あるい
は酸素富化を行なうことが可能となったのである。さら
に、従来の方法にくらべて少ない運転経費で効率よく酸
素富化を行なうことができ、経済性及び処理能力を向上
させることができる。
【0007】
【実施例】本願の実施にあたっては、SrCoOX(x
=1〜3)等のペロブスカイト型化合物にLaをドープ
処理する。そして、このドープ処理済ペロブスカイト型
化合物を0〜900℃の温度状態とし、この状態のドー
プ処理済ペロブスカイト型化合物に酸素含有ガスを接触
させる。このようにすると、このドープ処理済ペロブス
カイト型化合物は酸素を収着し、酸素含有ガスから酸素
が分離除去される。さらに、この工程に引き続いて前述
の収着状態のドープ処理済ペロブスカイト型化合物(L
0.2Sr0.8CoOX(x=1〜3))をその収着反応温
度よりも高い温度(20〜900℃)にする。このよう
にすると、収着状態の酸素がドープ処理済ペロブスカイ
ト型化合物から脱離されて雰囲気中に送り出されてく
る。そして、これらの収着、脱離操作を行う場合にこの
ドープ処理済ペロブスカイト型化合物と接触するガスを
変更し(一方を酸素供給側ガス、他方を酸素受入れ側ガ
スと呼ぶ。)、この操作を繰り返すことにより、処理対
象ガスとしての酸素供給側ガスから酸素を分離除去する
とともに、酸素受入れ側ガスに酸素を供給して、酸素富
化状態とするのである。
【0008】〔実験例〕本願の酸素含有ガス処理方法の
検証のために行なった実験について以下に説明する。先
ず、使用した実験装置1について説明する。図8にその
実験装置1が示されている。この実験装置1には実験対
象となるドープ処理済ペロブスカイト型化合物p及びペ
ロブスカイト型化合物が配設されるU字型石英製の反応
管2が備えられており、この反応管2は、その温度が電
気炉3により自由に設定できる構成とされている。さら
に、この反応管2の上流側には酸素供給源4及びヘリウ
ム供給源5が接続されている。そして、この酸素供給源
4の近傍に酸素供給状態にある酸素反応系40のガス圧
を測定する圧力計6が設けられている。また反応管2の
下流側はロータリー真空ポンプ7に接続されている。そ
して、前述のヘリウム供給源5の下流側にガスクロ分析
装置8に接続されており、このガスクロ分析装置8から
前述の反応管2にガスクロ検出系80が形成できるよう
に構成されている。ここで、各切り換え弁vは必要に応
じて適切な管路系を形成するように切り換え操作するこ
とができるのである。
【0009】以下に実験の手順を箇条書きする。 酸素収着工程 (イ)反応管2中に実験対象のドープ処理済ペロブスカ
イト型化合物pあるいはペロブスカイト型化合物を一定
量り取り、電気炉3中に挿入する。 (ロ)前記反応管2をロータリー真空ポンプ7で減圧し
(読み0.00torrまで)、電気炉3の温度を90
0℃にして化合物に既に付着している酸素や水分等を脱
離する。 (ハ)電気炉3の温度を各別に酸素収着温度(0℃,1
50℃,350℃,500℃,600℃,750℃,9
00℃)に設定し、酸素ガスを反応管2に注入する。反
応系の圧力は、270torrになるように調整し、4
0分間酸素を化合物に収着させる。 (ニ)酸素圧を圧力計6で測り、収着前後の差圧と酸素
反応系40の体積から収着酸素量を求める。
【0010】酸素脱離工程 (ホ)反応管2を室温に冷却してから減圧し、ヘリウム
置換する。 (ヘ)ガスクロ分析装置8のキャリヤーガスHeを反応
管2につなぎ、反応管2の出口からのガスをモレキュラ
シーブス(MS−SA)カラムを通し、ガスクロ分析装
置8のTCDにつないだあと、TCDが安定するまでヘ
リウムガスを流しつづける。 (ト)反応管2を電気炉3の中に挿入し、加熱を始め
る。この昇温操作は、20℃から900℃まで60分で
昇温し、さらに900℃で20分保持する。この間、脱
離された酸素ガスを定量的に調べるため、ガスクロ分析
装置8のTCDピークを記録し、GCピーク面積から脱
離酸素量を求める。実験結果を図1〜図7に示した。図
1には実験対象となった各化合物(La0. 2Sr0.8Co
X(x=1〜3),Mg0.2Sr0.8CoOX(x=1〜
3),Ba 0.2Sr0.8CoOX(x=1〜3),SrC
oOX(x=1〜3)ただし、図7は、図1,2に示さ
れないLa0.2Sr0.8FeyCo1-y x の結果を示
す。)の酸素収着温度(℃)に対する脱離酸素量(cc
及びmg単位)の関係が示されている。さらに図2には
実験対象の各化合物の酸素収着温度(℃)に対する脱離
酸素量(wt%単位)の関係が示されている。実質上、
この図は、図1のグラフの単位を変換したものである。
さらに図3〜図7には、各化合物における収着温度を異
にした酸素の脱離状態が、脱離温度との関係から示され
ている。
【0011】以下に各化合物に対する実験結果を説明す
る。 実験結果 1 La0.2Sr0.8CoOX(x=1〜3) この化合物の脱離酸素量が図1、図2に、さらに図3に
収着温度を異にした収着状態の酸素の脱離状態(脱離温
度に対する)が示されている。図1、図2には、この化
合物の収着温度(横軸)と脱離酸素量(縦軸□)の関係
が示されている。ここで、比較対象として、SrCoO
X(x=1〜3)の結果が、○で示されている。図3
は、脱離温度(脱離時間)(横軸)に対する検出GC図
である。先ず、各収着温度に対する脱離酸素量の関係を
説明すると、この化合物においては、収着温度の上昇と
ともに0〜900℃に到るまで徐徐にその収着量が上昇
している。ここで、酸素脱離量はほぼ2.3〜2.5%
程度のwt%を示している。この値と、SrCoO
X(x=1〜3)の結果とを比較すると、SrCoO
X(x=1〜3)においては、0.2wt%から1.4
wt%までの値をとっているとともに、収着温度の変化
に対してかなり大きく変化している。即ち、SrCoO
X(x=1〜3)と比較して、脱離酸素量がほぼ倍程度
に増加、改良されているとともに、その温度特性も安定
することとなっている。次に、図3に基づいて収着温度
を異にした酸素の脱離状態について説明する。この図に
おいては、各収着温度に対してそのグランドレベル(図
中、破線で示す。)が縦方向に移動して示されている。
収着温度が0℃のものは、その脱離酸素量(GC線の下
部面積)が少なく、200〜900℃の領域において脱
離されてでてきている。さらに、150、300℃と収
着温度が上昇するとともに、その脱離酸素量が増加する
とともに、脱離開始の脱離温度が150℃,200℃と
上昇してきている。今このように脱離してくる酸素を
α,β,γの3種の酸素として分類する。ここで、α酸
素は、100℃以上300℃未満で脱離してくる酸素で
あり、概ね結晶表面に水分子の形で吸着されていると考
えられている酸素であり、β酸素は300℃以上700
℃未満で離脱してくる酸素であり、概ね結晶表面に酸素
分子として吸着していると考えられているものである。
さらに、γ酸素は、700℃〜900℃で脱離してくる
酸素であり、概ね結晶格子内に原子のまま組み込まれて
いる酸素である。このような分類に従うと、この実験例
においてはβ酸素量が低温の状態で脱離してくるととも
に、γ酸素が高温域で脱離されることとなっている。
【0012】 実験結果 2 Mg0.2Sr0.8CoOX(x=1〜
3) この化合物の脱離酸素量が、図1、図2に、さらに図4
に収着温度を異にした収着状態の酸素の脱離状態(脱離
温度に対する)が示されている。図1、図2には、この
化合物の収着温度(横軸)と脱離酸素量(縦軸△)の関
係が示されている。ここで比較対象として、SrCoO
X(x=1〜3)の結果が、○で示されている。図4
は、脱離温度(脱離時間)(横軸)に対する検出GC図で
ある。先ず、各収着温度に対する脱離酸素量の関係を説
明すると、この化合物においては、収着温度の上昇とと
もに0〜600℃程度に至るまでその収着量が上昇して
おり、600〜900℃においては僅かな減少傾向がみ
られる。ここで、酸素脱離量はほぼ0.3〜1.2%程
度のwt%を示している。SrCoO X(x=1〜3)
の結果と比較すると、この化合物の酸素脱離傾向は、か
なりSrCoOX(x=1〜3)と類似した傾向を有し
ており、その脱離量は低い値を示している。この減少の
原因は、Mgのイオン半径が小さいことに起因するもの
と考えられる。いずれにしても、この化合物によっても
処理対象ガスに対してその酸素を分離することが可能で
ある。次に、図4に基づいて収着温度を異にした酸素の
脱離状態について説明する。この図においては、各収着
温度に対してそのグランドレベル(図中、破線で示
す。)が縦方向に移動して示されている。収着温度が3
00℃のものは、その酸素量(GC線の下部面積)が少
なく、800℃〜900℃の領域において脱離されて出
てきている。さらに500、700、900℃の収着温
度を上昇させると、その脱離酸素量が増加している。全
ての収着温度において、脱離開始の脱離温度は400℃
程度を示しており、β酸素が脱離してくる温度域と、γ
酸素が脱離してくる温度域が明確に分離されてきてお
り、GC図が二つの明らかなピークを示すようになって
いる。
【0013】 実験結果 3 Ba0.2Sr0.8CoOX(x=1〜
3) この化合物の脱離酸素量が、図1、図2に、さらに図5
に収着温度を異にした収着状態の酸素の脱離状態(脱離
温度に対する)が示されている。図1、図2には、この
化合物の収着温度(横軸)と脱離酸素量(縦軸●)の関
係が示されている。ここで比較対象として、SrCoO
X(x=1〜3)の結果が、○で示されている。図5
は、脱離温度(脱離時間)(横軸)に対する検出GC図で
ある。先ず、各収着温度に対する脱離酸素量の関係を説
明すると、この化合物においては、収着温度の上昇とと
もに0〜900℃程度に至るまで除々にその収着量が上
昇している。ここで、酸素脱離量はほぼ1.3〜1.7
%程度のwt%を示している。SrCoOX(x=1〜
3)の結果と比較すると、この化合物の酸素脱離傾向
は、収着温度の変化に対して、その脱離量の変化が安定
しており、その脱離量も低温域(300〜500℃)で
大幅に増加しており、結果が近づく700℃において
も、なお高い値を示している。いずれにしても、この化
合物によってもより処理対象ガスに対してその酸素を分
離することが可能である。次に、第5図に基づいて収着
温度を異にした酸素の脱離状態について説明する。この
図においては、各収着温度に対してそのグランドレベル
(図中、破線で示す。)が縦方向に移動して示されてい
る。収着温度が300、500、700、900℃に変
化するに従って、その脱離酸素量が増加している。全て
の収着温度において、脱離開始の脱離温度は200℃程
度を示しており、β酸素が脱離してくる温度域と、γ酸
素が脱離してくる温度域が明確に分離されてきており、
GC図が二つの明らかなピークを示すようになってい
る。さらに、収着温度の上昇に従って、γ酸素の量が増
加することがわかる。γ酸素を対象とする場合、この化
合物においては比較的低い収着温度(300、500、
700℃)でこの化合物において収着を起こさせてや
り、この温度よりも高い温度(900℃)にこの化合物
を設定することにより、収着状態の酸素を脱離させるこ
とができるのである。一方、図3、図4、図5に対する
比較例として、前述のSrCoOX(x=1〜3)の脱
離状態の図6には、GC図を示している。この図と比較
するとドープ処理済のペロブスカイト型化合物が、脱離
温度の変化に対して偏りなく酸素を脱離してきているこ
とがわかる。
【0014】実験結果 4 La0.2Sr0.8FeyCo
1-yX(y=0〜1.0,x=1〜3) 配合割合を異にしたこの化合物に於ける酸素の脱離状態
が、図7に示されている。この図は、脱離温度(脱離時
間)(横軸)に対する検出GC図である。ここで、図にお
いて、化合物は上段からコバルト酸塩(鉄(Fe)を含
まない)のもの、中段のものは鉄・コバルト酸塩(鉄
(Fe)及びコバルト(Co)を半々に含んだ)のも
の、さらに下段のものは鉄酸塩(コバルト(Co)を含
まない)のものを示している。ここで、これらの酸素収
着温度は、300℃である。また各化合物の酸素脱離量
は、ほぼ900℃まででコバルト酸塩及び、鉄・コバル
ト酸塩のものについては、約15cc/g(2.1wt
%)であり、鉄酸塩のものについては約11cc/g
(1.6wt%)である。次に、図7に基づいて組成を
異にした酸素の脱離状態について説明する。この図にお
いては、各組成に対してそのグランドレベル(図中、破
線で示す。)が縦方向に移動して示されている。コバル
ト酸塩及び、鉄・コバルト酸塩のものについては、20
0〜900℃の領域において酸素が脱離されて出てきて
いる。この脱離については、脱離温度による偏りはな
い。ここで、最低の脱離温度は200℃であり、鉄・コ
バルト酸塩の化合物が脱離酸素量が多い。さらに、鉄酸
塩のものについては、160〜900℃の領域において
酸素が脱離されて出てきている。この脱離については、
脱離温度による偏りはない。最低の脱離温度は160℃
であり、前記2者のものと比較して酸素量は少ないもの
の、さらに低温側から脱離してくることに利点がある。
【0015】〔別実施例〕前述の実施・実験例において
は、SrCoOX(x=1〜3)をドープの対象となる
化合物の例として示したが、本願の場合ドープ操作に従
ってペロブスカイト型化合物内の酸素欠陥部が形成され
ればよく、一般式ABOX(x=1〜3)で示される化
合物であればいかなるものでも可能である。これらの例
としては、LaCoOX,BaCoOX,PbCoOX
CaCoOX,LaFeOX,BaFeOX,PbFe
X,CaFeOX,LaZrOX,PbZrOX,CaZ
rOX(x=1〜3)等が考えられる。さらに、ドープ
用の金属としては、La,Ba,Mgの他Ca等も考え
られる。ここで、比較的イオン半径の大きい金属が前述
の空格子点を形成するのに有利なようである。
【0016】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】各実験対象の特定化合物の酸素脱離量(cc,
mg単位)を示す図
【図2】各実験対象の特定化合物の酸素脱離量(wt%
単位)を示す図
【図3】La0.2Sr0.8CoOX(x=1〜3)の脱離
状態のGC図
【図4】Mg0.2Sr0.8CoOX(x=1〜3)の脱離
状態のGC図
【図5】Ba0.2Sr0.8CoOX(x=1〜3)の脱離
状態のGC図
【図6】SrCoOX(x=1〜3)の脱離状態のGC
【図7】La0.2Sr0.8FeyCo1-yX(y=0〜
1.0,x=1〜3)の脱離状態のGC図
【図8】実験装置の図
【符号の説明】
p ドープ処理済ペロブスカイト型化合物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C01G 51/00 A 9151−4G (72)発明者 中山 勝利 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内 (72)発明者 森川 茂 京都府京都市下京区中堂寺南町17 株式会 社KRIインターナシヨナル内 (72)発明者 小林 孝 京都府京都市下京区中堂寺南町17 株式会 社KRIインターナシヨナル内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式ABOX(AはSr,La,B
    a,Pb,Caから選ばれた1つ、BはCo,Fe,Z
    rから選ばれた1つ、x=1〜3)で表されるペロブス
    カイト型化合物に対してA及びB以外の金属をドープし
    たドープ処理済ペロブスカイト型化合物(p)を、0〜
    900℃の範囲で酸素を含有する処理対象ガスと接触さ
    せることによって、前記ドープ処理済ペロブスカイト型
    化合物(p)に酸素を収着させて、前記処理対象ガスよ
    り酸素を除去する酸素含有ガス処理方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の酸素含有ガス処理方法で
    得られた酸素収着状態のドープ処理済ペロブスカイト型
    化合物(p)を、20〜900℃に加熱することによっ
    て、前記ドープ処理済ペロブスカイト型化合物(p)よ
    り酸素を脱離させて酸素欠陥状態にし、さらに前記酸素
    の収着および酸素の脱離を繰り返して行う酸素含有ガス
    処理方法。
  3. 【請求項3】 前記ペロブスカイト型化合物がSrCo
    X(x=1〜3)である請求項1あるいは2のいずれ
    かに記載の酸素含有ガス処理方法。
  4. 【請求項4】 前記ペロブスカイト型化合物に対してド
    ープする金属が、La、Ba、Mg、Caの少なくとも
    一種からなる請求項3記載の酸素含有ガス処理方法。
  5. 【請求項5】 前記ドープ処理済ペロブスカイト型化合
    物がLa0.2Sr0.8FeyCo1-yx(0<y<1.
    0,x=1〜3)である請求項1あるいは2のいずれか
    に記載の酸素含有ガス処理方法。
  6. 【請求項6】 一般式ABOX(AはSr,La,B
    a,Pb,Caから選ばれた1つ、BはCo,Fe,Z
    rから選ばれた1つ、x=1〜3)で表されるペロブス
    カイト型化合物に対してA及びB以外の金属をドープし
    たドープ処理済ペロブスカイト型化合物(p)であっ
    て、請求項1〜5に記載の酸素含有ガス処理方法に使用
    される酸素含有ガス処理材料。
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