JPH05403Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ （産業上の利用分野） 本考案は、自動車の進行方向や太陽の高度にか
かわらず、常に正確な日射量を検出できるように
した自動車用空気調和装置の日射センサに関す
る。

（従来の技術） 一般に自動車には、車室内の空気調和を行うた
めに自動車用空気調和装置が装着してある。最近
の自動車用空気調和装置では、車室内外の気温を
自動的に検知し、これに応じて車室内へ吹出され
る空気の温度を調節するようにしている。しかな
がら、車室内外の気温が変化しなくとも、日射の
程度によつて乗員が感じる空調フイーリング（空
気調和に対する快適性）が変化することから、例
えば実開昭58−37，694号公報のように、日射セ
ンサによつて日射量を検出し、この検出した日射
量に応じて車室内の空調状態を変化させるように
したものが提案されている。

第５図に示すように、このような自動車用空気
調和装置に用いられる日射センサ３は、通常で
は、車室内前方に装着してあるインストルメント
パネル１のアツパーガーニツシユ２上に設置して
ある。

（考案が解決しようとする問題点） しかして、このように日射センサ３をアツパー
ガーニツシユ２上に設置すると、たとえ同一の日
射量が車室内に射し込む場合でも、自動車の進行
方向や太陽の高度等によつては、アツパーガーニ
ツシユ２上に設置された日射センサ３の検知する
日射量が異なる虞れがあつた。これは、アツパー
ガーニツシユ２上には、自動車の進行方向や太陽
の高度等によつて日射が射し込む場合とそうでな
い場合があり、これによつて日射センサ３が受光
する日射の直接光が大幅に変化するためであつ
た。したがつて、従来の日射センサでは、自動車
の進行方向や太陽の高度によつて、検知する日射
量が変化し、正確に車室内に射し込む日射量を検
知することができず、これに基づいて空気調和を
行う場合に、必ずしも快適な空気調和が得られな
い虞れがあつた。

本考案は、このような実情に鑑みてなされたも
のであり、自動車の進行方向や太陽の高度に拘わ
ず、常に正確な日射量を検知することが可能であ
り、したがつて、快適的な空気調和を実現するこ
とができる自動車用空気調和装置の日射センサを
提供することを目的とする。

［考案の構成］ （問題点を解決するための手段） かかる目的を達成するために、本考案は、受光
面に受けた光量を検出する光検出素子の当該受光
面の周囲を、所定方向の光のみが当該受光面まで
到達するように遮光体で覆い、当該遮光体の内周
側を光の反射が少ない性質に構成してなる日射セ
ンサを、車室内に入射した日射の反射光のみが前
記光検出素子の受光面に到達するように、車室内
所定位置に設置したことを特徴とする。

（作用） このような本考案に係る日射センサにあつて
は、車室内に入射する直接光を検出するのではな
く、常にその反射光を検出するようにしたため、
その反射光の検出量は、自動車の進行方向や太陽
の高度等の影響を受けることなく、車室内に射し
込む全日射量に略比例することになる。したがつ
て、このような日射センサを用いれば、車室内に
射し込む全日射量を略正確に検出することが可能
となる。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に
説明する。

第１図は本考案の一実施例に係る日射センサの
取付部を示す要部断面図、第２図Ａは実施例に係
る日射センサの全体斜視図、同図Ｂは他の実施例
に係る日射センサの全体斜視図である。第２図Ａ
に示すように、本実施例に係る日射センサ１０
は、受光面１１に受けた光量を光電変換してその
受光量を検出する光検出素子１２と、受光面１１
の周囲を所定方向の光のみが当該受光面１１まで
到達するように覆う筒状遮光体１３とから成る。
光検出素子１２としては、フオトダイオードや
CDS素子（硫化カドミウム材を用いた素子）等
が用いられる。この光検出素子１２は、受光面１
１で受光した光量を電気信号としてハーネス１４
を介して例えば空調用オートアンプ等に伝達する
ようになつている。一方、筒状遮光体１３は、光
を通過させないようにするためと、この内周側で
光が乱反射しないようにするために、その内周側
を黒色塗装してある。したがつて、光検出素子１
２における受光面１１には、筒状遮光体１３の開
口部である入射口１５を通してその略軸線方向か
ら入射する光のみが射し込むようになつている。

このように構成してある日射センサ１０は、例
えば第１図に示すように、入射口１５が車室内天
井の所定位置に向くように、センターコンソール
１６内に埋め込まれる。センターコンソール１６
は、第５図に示すように、チエンジレバー１７の
基端部近辺に位置する部位である。この位置に日
射センサ１０を設置すれば、第１図に示すよう
に、車室内に射し込む直接光Ａは受光面１１まで
届かず、車室内天井位置から入射してくる日射の
反射光Ｂのみが受光面１１に射し込むことにな
る。車室内天井からの反射光の量、すなわち車室
内天井の明るさは、車室内に射し込む全日射量に
略比例することから、日射センサ１０における光
検出素子１２は、自動車の進行方向や太陽の高度
によらず、車室内に射し込む全日射量を略正確に
検知することとなる。

なお、本考案は上述した実施例に限定されるも
のではなく、種々に改変することが可能である。

例えば第２図Ｂに示すように、日射センサ１０
ａを、光検出素子１２と、この光検出素子１２の
受光面１１を覆う円柱状遮光体１３ａとから構成
しても良い。この円柱状遮光体１３ａは、透明物
質で形成し、この外周面のみ黒色塗装してある。
このように構成すれば、円柱状遮光体１３ａの略
軸心に沿つて入射口１５から入射してくる光のみ
が受光面１１に到達するので、前記日射センサ１
０と同様な作用を有することになる。しかも、こ
のように構成すれば、遮光体１３ａ内部にゴミ等
が入り込まないのでさらに都合が良い。

また、このような日射センサ１０，１０ａを取
付ける位置は、センターコンソール１６に限定さ
れるものではなく、例えば第３，４図に示すよう
に、アスピレータダクト４内であつても良い。ア
スピレータダクト４は、第５図に示すように、イ
ンストルメントパネル１中に装置されて、車室内
の空気をグリル５から吸込み、その温度を、内部
に設置してある内気センサ６で計測するためのも
のである。特に第３図に示す実施例では、日射セ
ンサ１０の入射口１５を後部座席方向に向け、こ
の後部座席から反射してくる反射光Ｂのみを受光
面１１に射し込むようにしている。また第４図に
示す実施例では、入射口１５を車室内天井の所定
位置に向け、ここから反射してくる反射光Ｂのみ
を受光面１１に射し込むようにしている。このよ
ぷな実施例にあつても、自動車の進行方向や太陽
の高度にかかわらず、常に正確な日射量を検知す
ることが可能である。

［考案の効果］ 以上説明してきたように、本考案によれば、日
射センサの受光面に、車室内に入射する直接光を
入射せず常にその反射光を入射させるようにした
ので、自動車の進行方向や太陽の高度等に影響を
受けることなく、車室内に射し込む全日射量を正
確に検出することが可能となり、この日射センサ
が検知する日射量に基づいて快適な空気調和を実
現することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係る日射センサの
取付部を示す要部断面図、第２図Ａは同実施例に
係る日射センサの全体斜視図、同図Ｂは他の実施
例に係る日射センサの全体斜視図、第３，４図は
その他の実施例に係る日射センサの取付部を示す
要部断面図、第５図は一般的な自動車の内部を示
す要部斜視図である。 ３，１０，１０ａ……日射センサ、４……アス
ピレータダクト、６……内気センサ、１１……受
光面、１２……光検出素子、１３，１３ａ……遮
光体、１５……入射口、１６……センターコンソ
ール。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 受光面１１に受けた光量を検出する光検出素
   子１２の当該受光面１１の周囲を、所定方向の
   光のみが当該受光面１１まで到達するように遮
   光体１３，１３ａで覆い、当該遮光体１１の内
   周側を光の反射が少ない性質に構成してなる日
   射センサ１０，１０ａを、車室内に入射した日
   射の反射光のみが前記光検出素子１２の受光面
   １１に到達するように、車室内所定位置に設置
   したことを特徴とする自動車用空気調和装置の
   日射センサ。 ２ 前記日射センサ１０，１０ａを車室内のセン
   ターコンソール１６部内に装着し、当該日射セ
   ンサ１０，１０ａにおける受光面１１に、車室
   内天井からの反射光のみが入射するようにして
   なる実用新案登録請求の範囲第１項に記載の日
   射センサ。 ３ 前記日射センサ１０，１０ａを、内気センサ
   ６が内部に設置されるアスピレータダクト内４
   に設置し、当該日射センサにおける受光面１１
   に、車室内天井若しくは後部座席からの反射光
   のみが入射するようにしてなる実用新案登録請
   求の範囲第１項に記載の日射センサ。