JP2606818Y2 - 自動車用日射検出センサ - Google Patents

自動車用日射検出センサ

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JP2606818Y2
JP2606818Y2 JP1993055837U JP5583793U JP2606818Y2 JP 2606818 Y2 JP2606818 Y2 JP 2606818Y2 JP 1993055837 U JP1993055837 U JP 1993055837U JP 5583793 U JP5583793 U JP 5583793U JP 2606818 Y2 JP2606818 Y2 JP 2606818Y2
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英樹 須永
貴久 長友
久永 平林
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カルソニックカンセイ株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、自動車用空気調和装置
などの温度制御に用いられる日射量検出センサに関し、
特に上方からの日射光に対する感度より、斜め方向から
の日射光に対する感度が高い日射検出センサに関する。
【0002】
【従来の技術】最近の自動車用空気調和装置は、外気温
度や内気温度の他に車両が受ける日射量を感知して車室
内の気温を所望の温度に自動調整する温度制御部を有し
ている。車室内にいる乗員の体感温度は、単に自動車用
空気調和装置からの吹出し温度のみでなく、日射量によ
っても変化するので、車両が受ける日射量を日射量検出
センサにより検知し、室温を微調整している。
【0003】しかし、太陽光の最も強い真上つまり鉛直
上方向からの日射光の場合、斜め日射光に比べて車室内
に入る日射量は少なく、体感温度にあまり影響しないの
で、日射量検出センサの出力のピークをこの鉛直上方向
からの日射のときには減衰させ、斜め日射に合わせる必
要がある。このような日射量の出力の補正を行って体感
温度に応じた日射状態を検出する自動車用の日射検出セ
ンサとして、従来から、図4(a)、(b)に示すもの
が提案されている。
【0004】図4(a)に示す自動車用の日射検出セン
サ21は、日射光を受光すると共に受光した日射光の量
に応じた出力信号を出力する光電変換素子などからなる
受光素子2a2bを有している。それぞれの受光素子
2a,2bは、透明な樹脂などの光透過性材料からなる
モールド体25a,25bによって封止されており、封
止された状態で保護カバー26に覆われている。
【0005】両受光素子2a,2bのうち、図面右側に
配置される第1受光素子2aは、主に図面左側からの日
射光を受光しており、図面左側に配置される第2受光素
2bは、主に図面右側からの日射光を受光している。
そして、両受光素子2a,2bから出力される光量信号
の値を基に日射の強さや方向を検出している。また、受
光素子2a,2bを保護する保護カバー26は、光透過
部27の内側面が凹面形状に形成されている。つまり
受光素子2a,2bに照射される日射光を透過する光透
過部27は、日射光を拡散させる凹レンズの機能を有し
ている。
【0006】このように、図4(a)に示される日射検
出センサ21は、凹レンズ形状の保護カバー26によっ
て鉛直上方向から照射される日射光Lvを拡散させるこ
とにより受光部材2a,2bに到達する日射量を減少さ
せ、鉛直上方向からの日射光Lvに対する検出感度を相
対的に低下させている。
【0007】また図4(b)には別の自動車用の日射
検出センサ31が示されている。この日射検出センサ3
1は、光透過部37の内側面に円錐状の凹部38a
8bが形成される保護カバー36を有している。なお
凹部の形状は凹面形状であってもよい。この凹部38
a、38bは、各凹部38a、38bの最も窪んだ位置
が、その下方に位置する受光素子2a,2bの中心位置
より外周側に位置するようになっている。また保護カ
バー36は、両受光素子2a,2bを区画する仕切部3
9を有している。このような構造にすると、鉛直上方向
からの日射光Lvは凹部38a,38bにおいて拡散さ
れるので、受光素子2a,2bに到達する日射光の量が
減少する。したがって、鉛直上方向からの日射光Lvに
対する検出感度は相対的に低下する。
【0008】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
日射検出センサ21,31は、各受光素子2a,2bを
それぞれ別個に固定する構造である。したがって日射
検出精度は、日射検出センサ21,31の組立てを行う
現場での組付け精度に大きく依存することになり、組付
け精度に起因する検出精度の低下や、製品欄の検出精度
のばらつきが生じるおそれがある。
【0009】また、このような日射検出センサ21,3
1では、特定の方向からの日射光を散乱あるいは拡散さ
せることにより所望の方向からの日射光に対する受光感
度を相対的に向上させて所望の受光特性を得るようにし
ている。このように従来の日射検出センサ21,31
は、受光部材の受光量を減少させて受光量の差を減少さ
せる構造であり、検出精度の向上の妨げになっている。
【0010】この一方で、鉛直上方向からの日射光を、
保護カバー26,36に設けた凹部により散乱あるいは
拡散させて、受光素子2a,2bに到達する日射光を減
衰させるには、両受光素子2a,2bをある程度保護カ
バー26,36から離反させる必要がある。また日射
方向をより正確に検出するためには、両受光素子2a,
2bをある程度離反させる必要がある。このようなこと
から、自動車用の日射検出センサをさらに小形化するこ
とは困難である。
【0011】本考案は、このような問題点に鑑みてなさ
れたものであり、組付け精度がより向上されると共に日
射検出精度が向上され、より小形化された自動車用日射
検出センサを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るための本考案の自動車用日射検出センサは、受光する
日射光の量に応じた光量信号を出力する第1受光素子及
び第2受光素子を所定の間隔を置いてかつ受光面が同一
平面上になるように配置して成る自動車用日射検出セン
サであって、前記第1受光素子及び前記第2受光素子か
ら等距離の位置に設けられ前記第1受光素子及び前記
第2受光素子に照射される日射光を、鉛直上方向からの
日射光の一部が前記第1受光素子と前記第2受光素子の
間に照射されるように、透過させて集光する集光手段を
有し、前記第1受光素子及び前記第2受光素子は受光
センサとして一体的に構成されていることを特徴とす
る。
【0013】
【作用】受光量に応じた光量信号を出力する2つの受光
素子所定の間隔を置いてかつ受光面が同一平面上にな
るように配置しており、それぞれの受光素子から出力さ
れる光量信号を比較して、日射方向を検出する。また、
2つの受光素子から等距離の位置に集光手段が設けられ
ており、鉛直上方向からの日射光の一部は集光手段で集
光されて2つの受光素子に照射され貫通する。した
がって、受光素子そのものに照射される鉛直上方向から
の日射光の量は相対的に減少する。
【0014】また、例えば受光素子を封止する保護体
の上面に集光手段を形成するなどして両受光素子を受光
センサとして一体化した場合は、自動車用日射検出セン
サを製造する際に組付精度が確保されると共に、一体化
しない場合に比べて受光素子間や集光手段と受光素子
間との相対的な組付作業を現場においてする必要がなく
なる。そして保護カバーの形状を特に加工する必要が
なくなるので、保護カバーが小型化し、あるいは不要に
なり、相対的に自動車用日射検出センサを小型化でき
る。
【0015】
【実施例】以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明
する。なお、すでに説明した部材と共通の部材には、同
一の符号を付し、その説明を省略する。図1(a)は、
本考案の第1の実施例の自動車用の日射検出センサを示
す断面図であり、図1(b)は、モールド体の平面図で
ある。
【0016】図1(a)に示されるように、自動車用日
射検出センサ1は、それぞれ受光量に応じた光量信号を
出力する第1受光素子2a第2受光素子2bとを有し
ている。これらの受光素子2a,2bは、図1(b)に
示されるように、出力される光量信号を電気的に伝達す
るリード3に接続された状態で、基板4に取り付けられ
ている。そして基板4に取り付けられた状態で、透明
樹脂などの光透過性材料に封止されると共に保護され、
モールド体(受光センサ)5として一体に形成されてい
る。したがって、両受光素子2a,2bの受光面は、同
一平面に位置することになる。このように、両受光素子
2a,2bを製造時に一体に成形すると、現場での組付
け作業が不要になるので、組付け精度が高い精度で安定
する。換言すると、モールド体5を成形する際に、組付
け精度を確定することができるということである。な
、受光素子2a,2bは、ワイヤボンディングなどを
用いて、半田や導電ペーストなどの導電性接着材料によ
り、銅などの導体からなるリード3に接続されている。
【0017】また、自動車用日射検出センサ1は、これ
らの受光素子2a,2bが封止されるモールド体5をカ
バーする保護カバー6を備えている。この保護カバー6
は、光透過性材料からなる光透過部(集光手段)7を有
している。図示されるように、光透過部7の下側面は、
図中下側に向けて膨らんだ凸面形状に形成されており、
光透過部7全体で凸レンズの機能を果たすようになって
いる。したがって、鉛直上方向から照射される日射光L
vは、凸形状の光透過部7において屈折されて、主に、
所定の距離離反されて設置される両受光素子2a,2b
の間に照射される。つまり、鉛直上方向から日射光Lv
を受けた際の受光素子2a,2bの受光量は減少する。
一方、図中右側から照射される斜め方向の日射光Ls
は、凸形状の光透過部7で屈折されて、その大部分が第
受光素子2aに照射される。したがって、第1受光素
2aから出力される光量信号の大きさは、鉛直上方向
からの日射光Lvを受ける場合に比較して、斜め方向か
らの日射光Lsを受ける場合の方が大きくなる。なお、
光透過部7に所望の形状の抜取り部を有する遮蔽部材
(図示せず)を取り付けて、光透過部7を透過する日射
光の光束の大きさを調整してもよい。
【0018】このように、この実施例の自動車用日射セ
ンサ1の構造は、受光する日射光などの光を、散乱ある
いは拡散させるのではなく集光する構造であり、受光量
の違いを、より拡大する構造である。したがって、より
高い精度で受光量の差を検出することができる。また、
より高い精度で検出できるので、従来と同等の検出精度
の製品であれば、より小形化することができる。
【0019】図2は、この実施例の自動車用日射検出セ
ンサ1に備えられる受光素子2a,2bの出力特性を示
す図であり、図中faが第1受光素子2aの出力特性を
表す曲線、またfbが第2受光素子2bの出力特性を表
す曲線である。この出力特性図は、日射方向を示す角度
と、この方向からの日射光を受光した受光素子2a,2
bから出力される光量信号の強度との関係を示すもので
ある。なお、日射方向を示す鉛直上方向からの角度は出
力特性図の縦軸Yからの角度で表され、光量信号の強度
は出力特性図の原点Oからの距離で表される。
【0020】したがって、例えば、実施例の自動車用日
射センサ1に鉛直上方向からの角度がβ°の日射光Lβ
が照射されると、第1受光素子2aは、同じ強度の鉛直
上方向からの日射光Lvを受けた場合に比較して、より
大きな強度の光量信号を出力するということを、この出
力特性図から読み取ることができる。なお、この出力特
性図は、各受光素子2a,2bが両受光素子2a,2b
を同時に二等分すると共に受光素子2a,2bの受光面
に垂直である平面に対して平行に進む光を受光する際の
出力特性図である。
【0021】このような出力特性と、自動車用日射セン
サ1の各部材の位置関係とを説明する。
【0022】まず図2に示される曲線faから、第1
受光素子2aは、鉛直軸からの角度がα1 (°)の日
射光Lsを受光した際に、最大の光量信号を出力すると
いうことを読取ることができる。
【0023】また図1から、第1受光素子2aの中心
位置に照射される日射光の方向を、光透過部7の光学的
中心すなわち光心15と第1受光素子2aとを結ぶ線分
Sとした場合で、鉛直軸とのなす角がα1 (°)である
場合に、第1受光素子2aからの光量信号が最大になる
とみなし得ることが分かる。このようなことから、式
(1)が導かれる。
【0024】 α1 = α1 ’ ……(1) ここで、両受光素子2a,2bの中心点8として、この
中心点8から第1受光素子2aの中心とを結ぶ線分Sの
長さをs1 とし、中心点8と光透過部7の光心15とを
結ぶ線分Hの長さをh1 とすると、式(2)が成り立
つ。
【0025】 s1 /h1 = tanα1 = tanα1 ’ ……(2) そして、この式(2)から式(3)が導かれる。
【0026】 α1 = α1 ’= tan-1(s1 /h1 ) ……(3) したがって、日射方向の鉛直軸からの角度がα1 (°)
の場合に、第1受光素子2aから出力される光量信号が
最大になるように設定すると、式(2)から、第1受光
素子2aと光透過部7の位置関係を示す値、つまり長さ
1 と長さh1の比が求まる。また、自動車用日射セン
サ1において、線分Sの長さs1 と、線分Hの長さh1
とが判明すれば、式(3)から、第1受光素子2aから
出力される光量信号の値が最大になる日射方向と鉛直軸
とのなす角αが求まる。
【0027】図2に示すように、両受光素子2a,2b
の出力特性は、鉛直軸に関して軸対称である。また、第
受光素子2bから出力される光量信号の値が最大にな
る日射方向とは、鉛直軸とのなす角がα2 (°)の方向
である。したがって、中心点8と第2受光素子2bの中
心位置とを結ぶ線分の距離をs2 と、また光心15と
第2受光素子2bの中心位置との距離をh2 と表すと、
以下に示す式が成り立つ。
【0028】 α2 = α2 ’ ……(4) s2 /h2 = tanα2 = tanα2 ’ ……(5) α2 = α2 ’= tan-1(s2 /h2 ) ……(6) したがって、第1受光素子2aと同様、これらの式
(4)〜(6)を用いて、部材の相対位置を決定した
り、部材の寸法から出力が最大になる位置を求めたりす
ることができる。
【0029】また、図3は、本考案の他の実施例を示す
断面図である。
【0030】図3に示されるように、この実施例の自動
車用日射検出センサ11にあっては、2つの受光素子
a,2bを封止する光透過性材料からなるモールド体1
4の上面に、凸レンズ形状の集光部14aが一体に形成
されており、この集光部14aにおいて、両受光素子
a,2bに到達する前に日射光が集光される。したがっ
て、鉛直上方向からの日射光Lvは、この集光部14a
において集光されて、両受光素子2a,2bの間に照射
されることになる。このように、モールド体14に集光
部14aを一体に形成することによって、図2に示され
る出力特性と同様の特性を得ることができる。また、こ
の自動車用日射検出センサ11が備える保護カバー16
の光透過部17は平板状であり、光を拡散させたり集光
させたりするものではなく、モールド体15を保護する
ことを主な目的としている。したがって、他の部材など
によりモールド体15を保護し得る場合、この保護カバ
ー16は不要であり、より小さな設置スペースに自動車
用日射検出センサ11を設置することができるようにな
る。さらに、そのまま車のダッシュボードなどに直接配
置してもよい。なお、自動車用日射検出センサ11のこ
れ以外の構造は、先に説明した自動車用日射検出センサ
1と同様であり、高い組付け精度および高い日射検出精
度が実現されている。
【0031】
【考案の効果】上記のように本考案にあっては、照射さ
れる日射光を減衰させる構造ではないので、受光量に応
じて受光素子から出力される光量信号の強さの違いを、
より高い精度で検出することができる。したがって、よ
り細かい空気調和装置の制御に対応できる。
【0032】また受光素子を一体に保持する受光セ
ンサを用いているので、組付け時に、両受光素子を相互
に位置決めする必要がない。つまり受光センサを形成
する際に、両受光素子の位置精度が確定するのであり、
受光素子相互の位置決め精度が極めて向上する。ま
自動車用日射検出センサ自体の大きさが小型にな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本考案の自動車用日射検出センサの一
実施例を示す図であり、図1(a)はその側断面図、図
1(b)は平面図である。
【図2】 受光素子の出力特性を示す図である。
【図3】 自動車用日射検出センサの他の実施例を示す
側断面図である。
【図4】 従来の自動車用日射検出センサを示す側断面
図である。
【符号の説明】
1…日射検出センサ、 2a,2b…受光素子
5…モールド体、 6…保護カバ
ー、7…光透過部、 8…中心
点。
フロントページの続き (56)参考文献 実開 平4−38532(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60H 1/00 101

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 受光する日射光の量に応じた光量信号を
    出力する第1受光素子(2a)及び第2受光素子(2
    b)を所定の間隔を置いてかつ受光面が同一平面上にな
    るように配置して成る自動車用日射検出センサであっ
    て、 前記第1受光素子(2a)及び前記第2受光素子(2
    b)から等距離の位置に設けられ前記第1受光素子
    (2a)及び前記第2受光素子(2b)に照射される日
    射光を、鉛直上方向からの日射光の一部が前記第1受光
    素子(2a)と前記第2受光素子(2b)の間に照射さ
    れるように、透過させて集光する集光手段(7)を有
    し、 前記第1受光素子(2a)及び前記第2受光素子(2
    b)は受光センサ(5)として一体的に構成されてい
    ることを特徴とする自動車用日射検出センサ。
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