JPH053986A - ドラム式洗濯乾燥機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、洗剤を水で溶かして水槽内に供給
し、洗剤受け室や水槽内に残留する洗剤の量を少なくし
て乾燥時の高温が作用したときにも異臭が発生しないよ
うにするとともに、掃除が容易な洗剤投入部材を備えた
ドラム式洗濯乾燥機を提供する。 【構成】 上面板に設けられた凹部に、堰止め板によっ
て洗剤受け室と洗剤溶液供給とに区分された洗剤投入部
材を着脱可能に取り付け、洗剤受け室の側壁に給水用ホ
ースを接続するとともに、洗剤溶液供給室の排水穴を供
給ホースによって水槽と接続し、洗剤投入部材の上部開
口に洗剤投入口を備えた蓋部材と取り付けた構成とした
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、洗剤を溶かしながら洗
濯水槽内に供給することができるドラム式洗濯乾燥機に
関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のドラム式洗濯乾燥機（図５参照）
において、ドラム３による洗濯は、外箱１の上面に設け
られた洗剤投入部材１５に洗剤を投入し、この洗剤を洗
剤投入部材１５の側壁部に接続された給水用ホース１６
から供給される水により、溶かして洗剤溶液とし、この
洗剤溶液を洗剤投入部材１５の排水穴１９に接続された
供給ホース１８を通して水槽２内に押し流し、所定量の
洗剤溶液が供給された後に、ドラム３を低速回転させる
ことにより行われていた。洗濯後の脱水はドラム３を高
速回転させることにより行われ、被洗濯物の乾燥は、ド
ラム３を低速回転させた状態で乾燥ユニットを作動させ
ることにより行われていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来のドラム式洗濯乾
燥機のように、洗剤投入部材１５に投入された洗剤を給
水用ホース１６から供給される水により水槽２内に押し
流す方式では、洗剤が洗剤投入部材１５内に残留した
り、内周面や隅等にこびりついたりする他、水槽２内に
押し流された洗剤溶液の中にも水に溶けていない洗剤が
あり、この不溶性の洗剤は、被洗濯物の洗濯、脱水等の
工程後にも水槽２内に残留し、乾燥工程における熱風に
より化学変化を起こして異臭を発生し使用者に不快感を
与えていた。また、洗剤投入部材１５が外箱１と一体に
形成されたものでは、掃除がしにくいといった不都合が
あった。

【０００４】この発明はこのような事情を考慮してなさ
れたもので、洗剤投入部材の受け部に投入された洗剤を
受け部に供給される水によって溶かしたのち水槽内に供
給するとともに、受け部で発生した泡が外側に漏れない
ようにしたドラム式洗濯乾燥機を提供するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この本発明は、外箱と、
外箱内に弾性・吸振的に保持される水槽と、水槽内に保
持される多数の小孔を有するドラムと、ドラム駆動モー
タと、外箱の上部を覆う被洗濯物の投入口を形成された
上面板と、上面板の凹部に着脱可能に取り付けられる洗
剤投入部材とを備え、前記洗剤投入部材は、堰止め板に
よって洗剤受け室と洗剤溶液供給室とに区分される投入
部本体と、洗剤受け室の側壁に接続される給水用ホース
と、洗剤受け室の上側開口部に設けられて洗剤投入口を
狭くする投入ガイド板を備えた蓋部材と、洗剤溶液供給
部の底壁と水槽とを接続する供給ホースとからなるドラ
ム式洗濯乾燥機を提供するものである。

【０００６】

【作用】この発明では、洗剤投入部の洗剤受け室に洗剤
を供給して洗剤受け室の側壁に接続された給水用ホース
から水を供給すると、水は洗剤を溶かしつつその量を増
加し、堰止め板を越えて洗剤溶液供給室に移動した後、
供給ホースを通って水槽内に供給される。また、洗剤受
け室で洗剤が溶かされるときに発生した泡は、洗剤投入
口の開口部を狭くするよう設けられた投入ガイド板によ
り、開口部から外側に漏れるのを防止されて水槽内に供
給される。

【０００７】

【実施例】以下、図に示す実施例に基づき詳述する。な
お、これによて本発明が限定されるものではない。

【０００８】図１において、１は脚１ａを有する外箱
で、この外箱１内には、水槽２と、洗濯槽及び脱水槽を
兼ねるドラム３とが収納されている。水槽２は、上部を
複数個のばね４によって外箱１の内面に弾性的に支持さ
れるとともに、下部を複数個のダンパー７とばね４ａと
により外箱１の内面に取り付けられ、ドラム３が高速に
回転されるときに、ドラム３の振動が水槽２を介して外
箱１に伝わることを防止する構成となっている。

【０００９】水槽２の底部に形成された排水部２ａに
は、電磁排水弁１２を備えた排水ホース１３が一端を外
箱１の外側に突出するように保持されており、洗濯後の
洗濯水や脱水時に分離された水分は、この排水ホース１
３を通して水槽２から機外に排出される。

【００１０】水槽２内には、周壁に被洗濯物を出し入れ
する蓋１０を有するドラム３が、その両側端面に固着さ
れたドラム軸６，６により、水槽２の軸受１１，１１に
回転可能に保持されている。ドラム３は、その内周面に
被洗濯物を持ち上げて落下させる複数個のバッフル５が
ドラム軸６と平行に突設されている他、周壁面と端面と
に通水用の多数の小孔（図示省略）が設けられている。

【００１１】ドラム３の駆動は、水槽２の底部に取り付
けられたドラム駆動モータ１４と、モータ軸に固定され
たベルトプーリ２６と、ドラム軸６側に固定されるベル
トプーリ２７と、これらのベルトプーリ間に張設される
ベルト２８とからなる回転駆動手段によって行われる。

【００１２】外箱１の上部は、被洗濯物の投入口を形成
された上面板３０によって覆われている。外箱１は、上
面板３０の投入口に扉８が取り付けられるとともに、上
面板３０の投入口と水槽２の上部に設けられた開口部
は、防水パッキン９によって接続されている。

【００１３】図２に示すように、外箱１の上面板３０に
は、被洗濯物の投入口と別個に、洗剤投入用の凹部２９
が設けられている。１５は、凹部２９の段落受け部２９
ａに、フランジ部２３を着脱可能に保持された洗剤投入
部材である。この洗剤投入部材１５は、堰止め板２０に
よって洗剤受け室１５ａと洗剤溶液供給室１５ｂとに区
分される投入部本体１５−１と、この投入部本体１５−
１の上側開口部に取り付けられて洗剤投入口３１を狭く
する投入ガイド板２２を備えた蓋部材１５−２とから、
主として構成されている。

【００１４】前記洗剤受け部１５ａの側壁部に設けられ
た給水口１７の外側には、給水用ホース１６が接続され
ており、また、堰止め板２０によって区分された隣りの
洗剤溶液供給室１５ｂの底部に設けられた排水穴１９
は、上面板３０に形成された凹部２９の排水管２９ｂと
水槽２の上部とを接続する供給ホース１８により、水槽
２に連通されている（図１参照）。

【００１５】洗剤受け室１５ａの一番低い部分には、そ
こに残った洗剤溶液を洗剤受け室１５ａと前記凹部２９
との間に形成された通路２４から供給ホース１８を経て
水槽２内に移動させるサイホン２１が設けられている。
サイホン２１は、洗剤受け室１５ａの底壁から上向きに
突出する短管２１ａと、この短管２１ａの上端開口部、
周側面および洗剤受け室１５ａの底壁に対しそれぞれ狭
い隙間を形成するように取り付けられるキャップ２１ｂ
とにより構成されている。

【００１６】次に、装置の動作について説明する。洗濯
時には、外箱１の扉８を開いた状態でドラム３の蓋１０
を開き、被洗濯物をこれらの開口部を通してドラム３内
に投入する。これと前後して上面板３０の凹部２９に保
持された洗剤投入部材１５の洗剤投入口３１から洗剤を
投入し、給水用ホース１６から水を供給する。

【００１７】洗剤受け室１５ａに給水口１７から水が供
給されると、仕切り壁２０によって洗剤受け室１５ａ内
に溜められていた洗剤２５は、矢印Ｐで示すような水流
の働きによって水と混ざり合い溶けることになる。この
ときに発生する泡は、上方に上がっていこうとするが、
斜め下向きに傾斜している投入ガイド板２２によって外
部に漏れるのを防止されている間に、堰止め板２０を越
えるようになった洗剤溶液とともに、洗剤溶液供給室１
５ｂ側に移動し、矢印Ｑで示すように供給ホース１８を
通って水槽２内に送り込まれる。

【００１８】水槽２内に所定量の洗剤溶液が供給される
と、給水用ホース１６から給水を停止し、洗剤受け室１
５ａ内に残存している洗剤溶液をサイホン２１により通
路２４、供給ホース１８を通して水槽２内に落とした
後、ドラム３を低速回転させる。この回転により、ドラ
ム３内に投入されていた被洗濯物は、バッフル５によっ
て持ち上げられ、途中で自由落下するタンブリングを繰
り返すことにより、洗濯が行われる。

【００１９】洗濯後の脱水は、ドラム３を高速回転させ
て行われる。この回転により、被洗濯物に含まれていた
水分は、遠心力によって被洗濯物から分離され、ドラム
３の周面に設けられた多数の小孔から水槽２内に放出さ
れた後、排水部２ａに回収されて電磁排水弁１２と排水
ホース１３を通して機外に排出される。

【００２０】また、脱水後の乾燥は、ドラム３を低速回
転させて被洗濯物をタンブリングさせながら、ヒータ
ー、ファン、熱交換器等からなる乾燥ユニット（図示せ
ず）により、水槽２からドラム３内に熱風を吹き込み、
乾燥後の温風をドラム３から排気して再度乾燥温度に加
熱する循環を繰り返すことにより行われる。

【００２１】

【発明の効果】本発明によれば、上面板の凹部に着脱可
能に取り付けられる洗剤投入部材は、堰止め板によって
洗剤受け室と洗剤溶液供給室とに区分される投入部本体
と、この投入部本体の上側開口部に設けられて洗剤投入
口を狭くする投入ガイド板を備えた蓋部材とから構成さ
れているので、洗剤受け部に投入された洗剤は、洗剤受
け室に供給される水によって溶かされて洗剤溶液とな
り、堰止め板をオーバーフローして洗剤溶液供給部から
水槽内に供給される。

【００２２】このため、洗剤投入部材の洗剤受け室や水
槽内に残留する洗剤の量を低減することができるだけで
なく、乾燥工程において異臭が発生し易かった従来の不
都合を解消することができる。また、洗剤を洗剤受け室
で溶かしたときに発生する泡は、投入ガイド板にとて開
口部から外側に漏れるのを防止して水槽に供給すること
ができる。しかも、洗剤投入部材は、外箱の上面板に着
脱可能に取り付けられているので、洗剤投入部材を上面
板から取り外すと、その掃除は簡単に、かつ能率良く行
うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す縦断面図である。

【図２】図１のＡ部を拡大して示した断面図である。

【図３】図２に示す洗剤投入部材において、洗剤が水に
溶かされる状態を示した図面である。

【図４】図２のＢ部（サイホン部分）を拡大して示した
断面図である。

【図５】従来例の構成を示す縦断面図である。

【符号の説明】

１ 外箱 ２ 水槽 ３ ドラム １４ ドラム駆動モータ １５ 洗剤投入部材 １５−１ 投入部本体 １５−２ 蓋部材 １５ａ 洗剤受け室 １５ｂ 洗剤溶液供給室 １６ 給水用ホース １８ 供給ホース ２０ 堰止め板 ２２ 投入ガイド板 ２９ 上面板の凹部 ３０ 上面板 ３１ 洗剤投入口

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 【請求項１】 外箱と、外箱内に保持される水槽と、水
   槽内に保持される多数の小孔を有するドラムと、ドラム
   駆動モータと、被洗濯物の投入口が形成され外箱の上部
   を覆う上面板と、上面板の凹部に着脱可能に取り付けら
   れた洗剤投入部材とを備え、前記洗剤投入部材は、堰止
   め板によって洗剤受け室と洗剤溶液供給室とに区分され
   る投入部本体と、洗剤受け室の側壁に接続される給水用
   ホースと、洗剤受け室の上側開口部に設けられて洗剤投
   入口を狭くする洗剤投入ガイド板を備えた蓋部材と、洗
   剤溶液供給室の側壁と水槽とを接続する洗剤供給ホース
   とからなるドラム式洗濯乾燥機。