JPH0539491A - 石炭液化用添加剤及びその製造方法 - Google Patents

石炭液化用添加剤及びその製造方法

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JPH0539491A
JPH0539491A JP21937691A JP21937691A JPH0539491A JP H0539491 A JPH0539491 A JP H0539491A JP 21937691 A JP21937691 A JP 21937691A JP 21937691 A JP21937691 A JP 21937691A JP H0539491 A JPH0539491 A JP H0539491A
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compound
hydrocarbon
coal
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JP21937691A
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Sadataka Kanejima
節隆 金島
Kazuhiro Matsubara
一博 松原
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 (A)ヘテロポリ酸やその金属塩からなるモ
リブデン化合物と、(B)C8 以上の炭化水素基少なく
とも1個を有する脂肪族アミンや脂肪族アンモニウム化
合物との反応により得られたモリブデン化合物からなる
石炭液化用添加剤であり、このものは、前記(A)成分
又はこれを含む親水性媒体溶液と、前記(B)成分を分
散させた炭化水素油とを混合して製造される。 【効果】 石炭液化反応において、使い捨て出来る程度
の少量で優れた水素化触媒活性を発揮する分散型触媒と
なる石炭液化用添加剤(触媒前駆物質)が容易に効率的
に得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な石炭液化用添加
剤及びその製造方法に関するものである。さらに詳しく
いえば、本発明は、石炭を溶剤及び水素の存在下で液体
油に転換する石炭液化法において、液化反応場で優れた
水素化触媒活性を発揮する高分散触媒に変化できる添加
剤(触媒前駆物質)及びこのものを容易に効率よく製造
する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】石炭を水素化分解して液体油に変換しよ
うとする試みは、ベルギウス法以来、研究開発が活発に
行われ、これまで新IG法、H−Coal法、SRC−
II法、EDS法、NEDOL法等多くの石炭液化法が
提案されている。触媒を使用する石炭液化法において、
触媒は、液化反応塔で沸騰床式とする方法や、石炭スラ
リーに添加する方法で採用され、前者の代表触媒とし
て、ニッケル、コバルト、モリブデン等をアルミナ等の
担体に担持した粒状触媒が知られ、後者の代表触媒とし
て、硫化鉄、酸化鉄、赤泥、鉄鉱石などの粉状鉄化合物
が知られている。
【0003】しかし、前者の触媒は主に触媒劣化の観点
から、後者の触媒は主に触媒活性の観点から問題が残さ
れている。最近、石炭スラリーに触媒またはその前駆物
質を添加する方法において、石炭や溶剤と触媒との接触
効率を上げて、石炭液化を効率的に進行させるために、
高分散性金属化合物を使用する提案がなされるようにな
ってきた。
【0004】使われる金属としては、モリブデンが代表
的であり、例えば特開昭53−5211号公報ではナフ
テン酸モリブデンや燐モリブデン酸が、特開昭59−2
06481号公報では硫酸鉄とモリブデン酸アンモニウ
ムとの組み合わせが、特開昭62−277152号公報
ではモリブデンジチオフォスフェート等が挙げられてい
る。しかしながら、従来提案されているものは、水素化
触媒活性と触媒製造法との観点から未だ満足し得るもの
がなく、その改良が望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、石炭液化反
応の場において、優れた水素化触媒活性を発揮する触媒
に転換できる高分散性モリブデン化合物及びそれらの効
率的な製造方法を提供することを目的としてなされたも
のである。優れた水素化触媒活性が発揮されることによ
って、使い捨てできる少量の触媒使用で高い石炭転化率
や高い液収率、さらには高い軽質油収率や液化油性状の
質的向上を達成することが可能になる。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、高分散性
モリブデン化合物からなる石炭液化用添加剤(触媒前駆
物質)を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、ヘテロポリ
酸に、特定の脂肪族アミノ化合物を作用させることによ
って、モリブデンを炭化水素油中に効率よく高分散でき
ること及びこのものを添加剤(触媒前駆物質)として用
いて、石炭液化反応を行った場合に、優れた水素化触媒
活性が発揮されることを見出し、この知見に基いて本発
明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は: (A)ヘテロポリ酸及びその金属塩の中から選ばれ
た少なくとも1種のモリブデン化合物と、(B)炭素数
8以上の炭化水素基少なくとも1個を有する脂肪族アミ
ン及び脂肪族アンモニウム化合物の中から選ばれた少な
くとも1種の窒素化合物との反応生成物からなる石炭液
化用添加剤であり、また
【0008】 (a)ヘテロポリ酸及びその金属塩の
中から選ばれた少なくとも1種のモリブデン化合物又は
該化合物を酸素原子を含む親水性媒体に溶解した溶液
と、(b)炭素数8以上の炭化水素基1個を有する脂肪
族第一級、第二級及び第三級アミン並びに炭素数8以上
の炭化水素基少なくとも1個を有する脂肪族アンモニウ
ム化合物の中から選ばれた少なくとも1種の窒素化合物
を分散した炭化水素油とを混合することを特徴とする、
石炭液化用添加剤の製造方法であり、また
【0009】 (a)ヘテロポリ酸及びその金属塩の
中から選ばれた少なくとも1種のモリブデン化合物又は
該化合物を酸素原子を含む親水性媒体に溶解した溶液
と、(c)炭素数8以上の炭化水素基少なくとも2個を
有する脂肪族第二級及び第三級アミンの中から選ばれた
少なくとも1種の窒素化合物を分散した炭化水素油とを
混合することを特徴とする、石炭液化用添加剤の製造方
法である。
【0010】本発明に従えば、前記石炭液化用添加剤
は、(a)ヘテロポリ酸及びその金属塩の中から選ばれ
た少なくとも1種のモリブデン化合物又は該化合物を酸
素原子を含む親水性媒体に溶解した溶液と、(b)炭素
数8以上の炭化水素基1個を有する脂肪族第一級、第二
級及び第三級アミン並びに炭素数8以上の炭化水素基少
なくとも1個を有する脂肪族アンモニウム化合物の中か
ら選ばれた少なくとも1種の窒素化合物を分散した炭化
水素油とを混合することにより、活性成分のモリブデン
化合物が炭化水素油に懸濁した状態で効率よく製造する
ことや、或いは(a)ヘテロポリ酸及びその金属塩の中
から選ばれた少なくとも1種のモリブデン化合物又は該
化合物を酸素原子を含む親水性媒体に溶解した溶液と、
(c)炭素数8以上の炭化水素基少なくとも2個を有す
る脂肪族第二級及び第三級アミンの中から選ばれた少な
くとも1種の窒素化合物を分散した炭化水素油とを混合
することにより、炭化水素油に活性成分のモリブデン化
合物が溶解した状態で容易に効率よく製造することがで
きる。
【0011】本発明に使用されるモリブデン化合物は、
ポリ原子としてモリブデンを含有するヘテロポリ酸(以
下、ヘテロポリモリブデン酸と称する)から選ばれる。
また、ヘテロポリモリブデン酸の陽イオンが、プロトン
から金属カチオンに置換した金属塩から選んでも差し支
えない。
【0012】該ヘテロポリモリブデンアニオンは、ポリ
原子であるモリブデンの酸素酸が元素周期律表I〜VI
II族元素を中心原子(ヘテロ原子)として取り込んで
縮合したものであり、縮合比(ヘテロ原子数に対するポ
リ原子数の比率)の異なる種々のもの(約2.5〜12
の範囲)が存在し、明確な単一のアニオン構造と結晶内
配列を有することができる特異なアニオンである。
【0013】これらのヘテロポリモリブデン酸又はヘテ
ロポリモリブデンアニオンは、例えば“ヘテロポリ・ア
ンド・イソポリ・オキソメタレーツ”,エム・テイー・
ポープ,スプリンジャー・ベルラグ(“Heteropoly and
Isopoly Oxometalates",M.T.Pope,Springer-Verlag)(19
83) に記載されている。
【0014】このヘテロポリモリブデンアニオンの具体
例としては、リンモリブデンアニオン、ケイモリブデン
アニオン、ゲルマニウムモリブデンアニオン、セリウム
モリブデンアニオン、ヒ素モリブデンアニオン、コバル
トモリブデンアニオン、ニッケルモリブデンアニオン、
マンガンモリブデンアニオンなどが挙げられる。これら
のヘテロポリモリブデンアニオンを構成するポリ原子
は、すべてモリブデン原子であるが、ポリ原子の一部が
モリブデン原子以外の遷移金属原子に置き換えられた、
いわゆる混合ヘテロポリモリブデンアニオンも、総ポリ
原子数に対するモリブデン原子数の割合が、約0.7程
度以上に高いものは包含できる。
【0015】この混合ヘテロポリモリブデンアニオンの
具体例としては、リンモリブドタングステンアニオン、
リンモリブドバナジンアニオン、リンモリブドニオブア
ニオン、ケイモリブドタングステンアニオン、ケイモリ
ブドバナジンアニオン、ケイモリブドタングストバナジ
ンアニオン、ゲルマニウムモリブドタングステンアニオ
ン、ゲルマニウムモリブドバナジンアニオン、ゲルマニ
ウムモリブドタングストバナジンアニオンなどの中で、
総ポリ原子数中のモリブデン原子数が0.7程度以上の
ものが挙げられる。
【0016】例えば、ヘテロ原子1個、ポリ原子12個
を有するケギン(Keggin) 型の混合ヘテロモリブデンア
ニオンである[ X Mo12-m Mm O40 ]アニオン(X: ヘテロ
原子、M=W 又は/ 及びV)の場合、添字mが1〜3のもの
が該当する。
【0017】該ヘテロモリブデンアニオンの多くのもの
は、還元されやすい性質を有しており、電解還元法や種
々の還元剤による化学還元法などによって、2,4又は
6電子などに還元されるが、これらの還元体も本発明に
包含される。例えば、ヘテロ原子がリンであるケギン
(Keggin) 型のリンモリブデンアニオン[ PM012 O40 ]
-3 の場合、2電子還元体は[ PM012 O40 ]-5で、4電
子還元体は[ PM012 O40] -7で、6電子還元体は[ PM
012 O40 ]-9で表される。
【0018】ヘテロポリモリブデン酸の金属塩を用いる
場合、金属カチオンの元素について特に制限はなく、例
えば元素周期表の第I族、II族、III族、VIII
族やSn、Pb、Bi、Cr、Mnなど種々の金属のカ
チオンの中から選ぶことができる。 これらヘテロポリ
モリブデン酸及びその金属塩の中から選ばれた少なくと
も1種のモリブデン化合物を本発明の添加剤を製造する
ために使用する場合には、固体(結晶)状態で用いても
よいし、媒体に溶解した溶液状態で用いてもよい。固体
(結晶)状態では、通常、ヘテロポリアニオン単位当た
り、20〜40分子数程度の配位水(結晶水)を有する
が、使用に当たってこの配位水量に制限はない。溶液状
態で使用する場合には、ヘテロポリ酸を溶解しうる媒
体、具体的には、酸素原子を含む親水性媒体である水や
低級のアルコール、エーテル、ケトン類などを用いれば
よい。
【0019】ヘテロポリモリブデンアニオンは、ポリ原
子を構成する無機酸素酸又はその塩とヘテロ原子を構成
する酸化モリブデンやモリブデン酸塩とを、水媒体中で
加熱縮合して製造する方法が知られているが、その生成
物は、溶液中から固体(結晶)として分離する工程や金
属カチオンなどをプロトンにイオン交換する工程を施す
ことなく、そのまま本発明による添加剤の製造に用いる
ことができる。
【0020】本発明に使用される窒素化合物は、炭素数
が8以上の炭化水素基少なくとも1個を有する脂肪族ア
ミノ化合物の中から選ばれる。より望ましい炭化水素基
の炭素数は10以上であり、該炭化水素基の炭素数は多
い方が好ましい。
【0021】ここで脂肪族とは、芳香族以外を意味し、
炭素原子骨格が直線状のものや分枝状のもの、また、飽
和炭化水素や不飽和炭化水素のもの、さらには、脂環式
炭化水素のものなどすべてのものを含む。
【0022】脂肪族アミノ化合物の種類には、第一級ア
ミン〔(R1 )NH2 〕、第二級アミン〔(R1 )(R
2 )NH〕、第三級アミン〔(R1 )(R2 )(R3
N〕、さらには、第四級アンモニウム化合物〔(R1
(R2 )(R3 )(R4 )NX〕があり(R1 は炭素数
が8以上の脂肪族炭化水素基、R2 ,R3 ,R4 は炭素
数が1(メチル)以上の脂肪族炭化水素基、Xはハロゲ
ンアニオンや水酸基アニオンなどのアニオンであ
る。)、それらのすべてが包含される。第一級アミン以
外のアミノ化合物は、脂肪族炭化水素基がすべて同じで
ある、いわゆる対称アミンと脂肪族炭化水素基が異な
る、いわゆる非対称(混成)アミンとがあり、いずれも
用いることができる。
【0023】炭素数が8以上の炭化水素基(R1 )の具
体例としては、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシ
ル、ドデシル(ラウリル)、トリデシル、テトラデシ
ル、ペンタデシル、ヘキサデシル(セチル)、ヘプタデ
シル、オクタデシル(ステアリル)、オレイル、オクタ
デカジエニル、エイコシル、ドコシルなどが挙げられ
る。また、炭素数が1以上の炭化水素基(R2 ,R3
4 )の具体例としては、前記の炭化水素基以外に、メ
チル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec-
ブチル、イソブチル、tert- ブチル、ペンチル、イソペ
ンチル、tert- ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イ
ソヘキシル、ヘプチルなどが挙げられる。
【0024】これらの炭化水素基の種々の組み合わせか
らなる脂肪族アミノ化合物が用いられるが、これらのア
ミノ化合物は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わ
せて用いてもよい。これらの脂肪族アミノ化合物を前記
モリブデン化合物に作用させることにより、所望の親油
性モリブデン化合物が得られる。この場合、媒体として
炭化水素油が用いられる。
【0025】該炭化水素油としては、例えば有機溶剤と
して知られているヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの
パラフィン系溶剤;シクロヘキサン、メチルシクロヘキ
サンなどのナフテン系溶剤;ベンゼン、トルエン、キシ
レン、テトラリンなどのアロマ系溶剤が使用できる。ま
た、石油留分であるナフサ、灯油、軽油、潤滑油、重油
なども使用できる。当然のことであるが、石炭液化に供
する特定の溶剤自身も使用できる。これらの炭化水素油
中で、前記したモリブデン化合物〔固体(結晶)状態又
は水溶液などの溶液状態〕と、脂肪族アミノ化合物とを
混合し、接触させることによって、炭化水素油に分散状
態にある親油性モリブデン化合物が形成される。
【0026】該脂肪族アミノ化合物として、2つの炭化
水素基のいずれもが炭素数8以上である第二級アミン又
は2つ若しくは3つの炭化水素基のいずれもが炭素数8
以上である第三級アミンを使用した場合には、炭化水素
油に溶解状態のモリブデン化合物が得られる傾向にあ
り、製造法の観点からも、使用状態の観点からも好まし
い。一方、本発明に包含されるその他の脂肪族アミノ化
合物を使用した場合には、炭化水素油に懸濁状態(コロ
イド状態)のモリブデン化合物が得られる傾向にある。
【0027】これら分散状態にある親油性モリブデン化
合物の製造において、さらに、油中への分散作用を促進
する界面活性剤を補助的に使用することもできる。この
ような界面活性剤としては、例えば石油スルホン酸塩、
脂肪酸アミド、ナフテン酸塩、アルキルスルホコハク酸
塩、アルキルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレン脂
肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エ
ステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸
エステル、ポリカルボン酸アミン塩型高分子界面活性剤
などが挙げられる。
【0028】また、炭化水素油に溶解状態のモリブデン
化合物が得られる場合は考慮する必要がないが、炭化水
素油に懸濁状態のモリブデン化合物が得られる場合に
は、分散性を高めた懸濁液を得るために、製造段階で、
一般に知られている高剪断力がかかる分散機や湿式微粉
砕機を使用して実施することが効果的である。
【0029】この製造方法におけるモリブデン化合物と
窒素化合物の使用割合については特に制限はないが、親
水性のヘテロポリモリブデン酸又はその金属塩から親油
性モリブデン化合物を定量的に製造しようとする場合に
は、モリブデン化合物であるヘテロポリ酸又はその金属
塩をヘテロポリアニオンの価数に基づいた多塩基酸と
し、一方、窒素化合物である脂肪族アミノ化合物を一酸
塩基とし、これら両化合物による酸塩基反応が化学量論
的に進むとして、これら両化合物の使用割合を設定する
のが望ましい。
【0030】しかし、この使用割合よりもさらに過剰の
脂肪族アミノ化合物を使用することは、一向に構わな
い。ただし、第四級アンモニウム化合物の場合は、過剰
に使用してもさらに反応は進まず、親油性モリブデン化
合物も変化しないため、過剰の使用は無意味である。第
一級、第二級及び第三級アミンの場合は、過剰に使用し
ていくとさらに反応が進み、得られる親油性モリブデン
化合物の組成や構造が次第に変化していく。
【0031】これらにおいて、化学量論的な使用割合で
は、アロマ系溶剤に易溶解するが、パラフィン系溶剤に
は易溶解しにくかったものが、過剰量を作用させると、
パラフィン系溶剤にも易溶解するなど、得られるモリブ
デン化合物の親油性向上が認められる場合がある。使用
するアミン量に厳密な上限値はないが、あまり大過剰に
加えても、もはや得られる親油性モリブデン化合物に好
ましい変化は起こらないし、実用的でなくなるので、モ
リブデン原子単位当たり2分子程度のアミン使用量まで
にしておくのが妥当であろう。
【0032】得られる親油性モリブデン化合物は、前記
の脂肪族アミノ化合物の種類に従って、一般式、〔(R
1 )NH4 〕〔A〕、〔(R1 )(R2 )NH2
〔A〕、〔(R1 )(R2 )(R3 )NH〕〔A〕、
〔(R1 )(R2 )(R3 )(R4)N〕 〔A〕で表される化合物及び該化合物を含有するものと
なる。
【0033】ここで、〔A〕は、ヘテロポリモリブデン
アニオン或いはイソポリモリブデンアニオンを表す。酸
塩基反応の化学量論に見合う量比関係までは、〔A〕は
元のヘテロポリモリブデンアニオンに相当する。過剰の
第一級、第二級又は第三級アミンを使用した場合、増量
するに従って、元のヘテロポリモリブデンアニオンが壊
れていき、縮合比が下がったヘテロポリモリブデンアニ
オンや、ヘテロ原子を排除したイソポリモリブデンアニ
オンの存在比率が増加していく。いずれにしても、使用
するアミン量を変化させて得られるヘテロポリモリブデ
ンアニオン組成やイソポリモリブデンアニオン組成を有
する親油性モリブデン化合物のすべてが本発明に包含さ
れる。
【0034】モリブデン化合物と脂肪族アミノ化合物と
によって製造される親油性モリブデン化合物の炭化水素
油中での濃度については、親油性モリブデン化合物に使
用する炭化水素油量を軽減して製造設備の規模を小さく
するためには高濃度に、また炭化水素油の流動性を保持
してハンドリングをし易くするためには低濃度にするの
が望ましく、この両者のバランスを勘案してモリブデン
化合物と脂肪族アミノ化合物の種類、それらの量比関
係、さらには、炭化水素油の種類などに応じて適当な濃
度を選ぶことが望ましい。通常、親油性モリブデン化合
物の炭化水素油中での濃度は、モリブデン換算約1〜2
0重量%濃度の範囲で選び、濃縮液とするのがよい。た
だし、石炭液化に供する溶剤自身を使用し、しかも、石
炭液化原料工程で、その場で(in situ) 製造するような
場合には、石炭液化用添加剤として使用する適切な希薄
濃度の状態で製造すればよい。
【0035】この親油性モリブデン化合物の製造におけ
る操作温度として、該親油性モリブデン化合物を早く形
成するためには、室温(20℃)以上、好ましくは40
℃以上の温度を採用するのが望ましい。
【0036】操作温度の上限は、使用する炭化水素油種
の沸点や流動点を考慮して設定すればよく、特に制限は
ないが、親油性モリブデン化合物の濃縮液を製造する場
合には、通常150℃以下の温度を採用するのが実用的
である。モリブデン化合物を親水性媒体を用いた溶液で
使用する場合などに、採用する操作温度によっては、親
水性媒体の蒸発が起こるが、本発明においては、この親
水性媒体が存在したままの状態であってもよいし、蒸発
により除去された状態であってもよい。ただし、炭化水
素油と均一溶液にならない親水性媒体を製品中に残存さ
せておくことは無意味であり、また、貯蔵、輸送などの
取り扱いの観点からも望ましくないので、該親水性媒体
を実質上除去しておくことは実用的である。
【0037】親水性媒体を除去する方法としては、例え
ば蒸発分離法や比重差液分離法を採用することができ
る。特定の第二級又は第三級アミンを使用して、炭化水
素油中に溶解状態の親油性モリブデン化合物を得るよう
な場合には、使用する炭化水素油種親水性媒体種、親油
性モリブデン化合物濃度などによって、炭化水素油層が
上層になったり下層になったりするが、比重差による液
液分離により親水性媒体の除去が容易に実施できるの
で、製造法としても好ましい。
【0038】このようにして得られた炭化水素油に高分
散懸濁状態又は溶解状態の親油性モリブデン化合物は、
そのままの状態で石炭液化用原料に適正量添加して使用
できる。この親油性モリブデン化合物は、いわゆる触媒
前駆物質であり、石炭液化反応開始前の予熱帯域、或い
は石炭液化反応帯域において、石炭液化用原料油に含ま
れるイオウ化合物、或いは必要に応じて助剤成分として
新たに加えたイオウ化合物、さらには、これから生成し
てくる硫化水素ガスなどにより、高分散状態の硫化モリ
ブデン様化合物に変化して、触媒作用を発揮するものと
推定される。
【0039】一方、タングステンをポリ原子とする多く
のヘテロポリ酸化合物も知られており、これらのタング
ステン化合物を用いても、本発明によってモリブデンと
同様の親油性タングステン化合物を得ることができる。
しかしながら、このものを石炭液化様添加剤として用い
た場合には、石炭液化反応帯域で硫化タングステン様化
合物に変化しにくくて、モリブデンに比べて触媒作用が
著しく劣るため、石炭液化用添加剤としては使えない。
【0040】本発明の添加剤を用いて、石炭液化反応を
行う場合、石炭の種類については特に制限はなく、無煙
炭、歴青炭、半歴青炭、褐炭、泥炭及びそれらの混合物
の如きすべての等級の石炭を用いることができる。
【0041】石炭は通常50〜400メッシュ(タイラ
ー篩)の所望粒径範囲に粉砕し、乾燥して使用に供す
る。溶剤は、通常、石炭液化工程から誘導される液化生
成油の一部が使用され、このものは、沸点範囲が、例え
ば200〜500℃などからなる中間留分である。これ
らの代わりに、またはこれらに加えて、水素の供与と移
動能力及び再水素化が可能ないずれの溶剤も本発明に使
用でき、例えばテトラリン、水素化或いは非水素化のク
レオソート油やアントラセン油などが挙げられる。ま
た、水素供与性溶剤を石油系重質油或いはビチューメン
(オイルサンド油)で代替して使用することもできる。
【0042】このことは、石炭の液化と重質油或いはビ
チューメンのアップグレーディングとを同時に実施する
いわゆるコプロセッシングに適用できることを意味す
る。コプロセッシングは、基本的にワンススルー反応で
溶剤循環工程を不要にすることができるため、プロセス
の容積効率が高く、装置が簡略であるなどの特徴がで
る。溶剤/石炭の重量比は、通常1〜4の範囲内から選
定し、流動性スラリー原料とする。
【0043】スラリー原料に加えられる該添加剤の使用
量は、添加剤種、石炭種、溶剤種や石炭液化反応の程
度、石炭液化反応装置の型式などによって影響される
が、通常、スラリー原料中にモリブデン換算量として5
〜500ppm(重量)の範囲になるように選定すれば
よい。もちろん、液化生成油への水素添加や液化生成油
からの脱ヘテロ原子などの所望の機能を促進して、液化
生成油の性状をさらに改質するために、前記の使用量よ
りもさらに増量して用いてもよい。
【0044】添加剤を加えて混合したスラリー原料は、
水素もしくは水素含有気体と混合され、高温、高圧下で
石炭液化反応が行われる。液化反応は、回分式又は連続
式のどちらの反応でも実施することができ、液化反応条
件は、公知の条件範囲が採用できる。すなわち、反応温
度は、400〜480℃の範囲で、反応時間は、スラリ
ー原料容量基準で30分〜2時間の範囲で、水素圧は、
100〜300kg/cm2 の範囲でそれぞれ選ばれ
る。また、水素若しくは水素含有気体の供給量として
は、使用する反応装置に応じて気液固混合が十分に行わ
れるように配慮して供給するのが有利であり、一般にス
ラリー原料に対する水素量が300〜2,000Nm3
/kl程度の範囲から選んで供給し、消費した水素量に
見合う分だけ補給して循環使用する方法が用いられる。
【0045】ただし、これらの液化反応条件は、厳密な
ものではなく、また、それぞれ単独に適正値をとるので
はなくて、相互に関連することから、好適な条件の範囲
は個々の条件の組合せによって左右される。連続式液化
反応器の型式については、スラリー反応を実施しうる型
式のものであれば、塔型、槽型など特に制限することな
く採用でき、通常、予熱領域と反応領域とから構成され
る。
【0046】生成物は、液化反応帯域から、気液固の三
相の状態で出てくるので、それぞれ分離、回収される。
気相は、未反応水素と生成ガス(C1 〜C4 を含有する
炭化水素ガスとH2 S、CO、CO2 、NH3 のような
ヘテロ原子ガス)であるが、回収された未反応水素は、
液化反応器に再循環される。固相は、主に未反応石炭と
灰分さらには少量の触媒を含む。液相は、石炭液化生成
油と溶剤とからなる液体油であり、通常、蒸留塔で各種
等級の留分に分留されて回収される。
【0047】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものではない。なお、以下の実施例及び比較例中で使
用されるヘテロポリ酸及びその塩は、公知の方法によっ
て合成及び精製を行い、発光分析法による金属量測定、
X線回折法や核磁気共鳴法や赤外スペクトル法による構
造解析、熱分析法による分解パターン解析と結晶水量測
定、ポーラログラフ法による酸化還元電位測定などによ
り、同定を行った後、使用に供した。脂肪族アミン及び
脂肪族アンモニウム化合物は、試薬又は工業製品を入手
してそのまま使用に供した。
【0048】
【実施例1】ヘテロポリ酸として H3 [ PM012 O40 ]・
29H2 O 100gを脱イオン水100gに加えて溶解さ
せることにより、50重量%水溶液を作製した。別途、
炭化水素油として脱晶アントラセン油〔沸点範囲200
〜470℃ 96.4重量%、470℃+3.6重量
%〕600gを60℃に加熱保温した。このC重油に第
一級アミンとしてセチルアミンC 16H 33NH2 60gを加
えて分散液を得た。この分散液に前記水溶液全量を加え
て、高速かくはん機〔タービン(径28mm)とステー
ターの間のクリアランス(0.4mm)を流体が通過す
るとき、高剪断力をかけることができる分散機〕によ
り、回転数10,000rpm、周速16m/s、ター
ビン吐出量33L/分の条件で2時間かきまぜて混合し
た。かきまぜ混合操作中、攪拌熱と加熱とにより水分蒸
発を行い、操作終了後の液温を120℃に到達させた。
【0049】なお、この実施例において、ヘテロポリ酸
に対するアミンのモル比は約6である。得られた懸濁液
は、蛍光X線法によるモリブデン測定の結果、6.7重
量%のモリブデン濃度であった。また、カールフィシャ
ー法により水分含有量を測定したところ、0.1重量%
未満であった。
【0050】
【実施例2〜4】ヘテロポリ酸とアミンとを表1に示す
ものを使用して、実施例1と同様に実施し懸濁液を得
た。これら懸濁液中のモリブデン濃度についての測定結
果を表1に記載する。なお、実施例3については、さら
に、界面活性剤としてソルビタンモノオレエート30g
を使用した。
【0051】
【表1】
【0052】
【実施例5】ヘテロポリ酸として H3 [ PM012 O40 ]・
29H2 O 50gを脱イオン水150gに加えて溶解さ
せることにより、25重量%水溶液を作製した。別途、
炭化水素油としてトルエン50gを80℃に加熱し、こ
れに、第二級アミンとしてジオレイルアミン( C18
H352 NH38gを加えて分散液を得た。この分散液に
前記水溶液全量を流し込んで、翼径45mmの三枚翼を
有する定速攪拌機により、回転数800rpmで2時間
かきまぜた。かきまぜ操作中、液温80℃にて温調し、
凝縮器で液蒸発飛散を防いだ。
【0053】なお、この製造例において、ヘテロポリ酸
に対するアミンのモル比は約3.5である。かきまぜ終
了後、得られた液は2時間静置することにより、上相に
水溶液、下相にトルエン溶液の2相に分離した。下相の
トルエン溶液を分取することにより、溶液状態の添加剤
を得た。蛍光X線法によるトルエン溶液中のモリブデン
濃度は、18.9重量%であり、一方、発光分析法によ
る水溶液中のモリブデン濃度は、60ppmであった。
【0054】このことから、モリブデンは水溶液中から
トルエン溶液中に定量的に移行していることが確認でき
た。また、カールフィシャー法により、トルエン溶液中
の水分濃度を測定したところ、0.9重量%であった。
【0055】
【実施例6〜8】ヘテロポリ酸とアミンと炭化水素溶剤
について、表2に示すものを使用して、実施例5と同様
に実施し、炭化水素溶剤に溶解状態のモリブデン溶液を
得た。これら溶液中のモリブデン濃度についての測定結
果も表2に記載する。
【0056】
【表2】
【0057】
【実施例9】脱イオン水800gに、三酸化モリブデン
粉体M 0 O 3 300gとモリブデン酸ナトリウムNa2 Mo
O4 ・2H 2 O 45gとケイ酸ナトリウムNa2 SiO3
・9H2 O 55gとを加えて、還流条件下2時間の反応
を行った。得られた水溶液に10規定塩酸水溶液75g
を加えた。発光光度分析法によるこの溶液中のモリブデ
ン濃度は17.1重量%であった。
【0058】別途、炭化水素油として、JIS−K−2
204に規定されている2号軽油200gを80℃に加
熱し、これに第三級アミンとしてジ硬化牛脂メチルアミ
ン(C18 H32 )2 ( CH3 )N 125gを加えて分散液を
得た。この分散液に前記溶液200gを流し込んで、実
施例3に記載したのと同じ定速攪拌機と操作条件により
かきまぜ操作を行った。かきまぜ操作終了後、2時間の
静置により水溶液相と軽油相の2相に分離した。蛍光X
線法による軽油溶液中のモリブデン濃度は8.7重量%
であり、一方、発光分析法による水溶液中のモリブデン
濃度は0.43重量%であった。また、カールフィシャ
ー法により軽油中の水分濃度を測定したところ、0.5
重量%であった。
【0059】
【比較例1〜4】比較例1〜3は、ヘテロポリ酸の水溶
液とアミンとを表3に示すものを使用して、実施例1と
同様に実施し、懸濁状態の添加剤を得た。比較例4は、
ヘテロポリ酸の水溶液とアミンとを表3に示すものを使
用して、実施例5と同様に実施し、溶液状態の添加剤を
得た。なお、これらの比較添加剤中のモリブデン又はタ
ングステン濃度についての測定結果も表3に記載する。
【0060】
【表3】
【0061】
【実施例10〜18及び比較例5〜8】反応装置とし
て、外部加熱コイルヒーターを有する内容積1LのSU
S316ステンレス鋼製、電磁攪拌式オートクレーブを
用い、回分実験を行った。原料の石炭は、乾燥して10
0メッシュ以下(タイラー篩)に微粉砕したイリノイN
O.6(灰分12.0wt% 含有)を使用した。溶剤は、脱
晶アントラセン油を使用し、石炭と溶剤を十分に混合す
ることによりスラリー原料を得た。オートクレーブ中に
スラリー原料200g(石炭80g及び溶剤120gの
組成物)と添加剤とを仕込んだ。添加剤の仕込み量は、
スラリー中でモリブデン換算濃度として80ppmWに
なるように分取して仕込んだ。オートクレーブ内を水素
で加圧して室温で100kg/cm2 にし、密閉した
後、気液固接触のために、回転数1,000rpmでか
きあげ式プロペラ羽根を有する攪拌機によりかきまぜな
がら、内温450℃で80分間反応を行った。反応時間
80分間は、反応温度450℃に到達してから、その温
度に保持した時間とし、昇温(昇温速度約6℃/分)及
び降温(降温速度15℃/分)に要した時間の補償は加
味しなかった。反応後の生成物は、気体及び懸濁液とも
全量回収して分析に供した。ガス成分はガスクロマトグ
ラフィー分析により、生成油はASTM D−1160
に準拠して蒸留装置での蒸留分析により、固形物質は溶
剤抽出分析により、それぞれ行った。
【0062】添加剤として、実施例1〜9のものを使用
した結果を表4に、比較例1〜4のものを使用した結果
を表5に、それぞれ示す。その結果は、脱晶アントラセ
ン油が、反応前後で変化しないと仮定し、水分、灰分を
除去した石炭100重量%ベースで示す。
【0063】アスファルテンとプレアスファルテンは、
ヘキサン抽出に不溶でテトラヒドロフラン抽出に溶解す
る高分子物質として定義し、未反応炭は、テトラヒドロ
フラン抽出に不溶の物質のうち燃焼できる炭素質物質と
して定義した。
【0064】
【表4】
【0065】
【表5】
【0066】
【発明の効果】本発明によると、特異な親油性モリブデ
ン化合物が、親水性ヘテロポリ酸を経由して容易に効率
的に製造できる。製造された親油性モリブデン化合物を
石炭液化に添加剤として用いると、反応の場で高い水素
化触媒活性を発揮する。
【0067】従って、触媒分離を不要とする使い捨て可
能な少量の使用量で、高い石炭転化率や高い液収率を得
ることができる石炭液化プロセスが可能になる。このよ
うに、技術的、実用的な面を満足させうる石炭液化用転
化剤を本発明により提供できることは、炭化水素資源の
有効利用の点から産業上の価値が極めて高い。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成3年9月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】該ヘテロポリモリブデンアニオンの多くの
ものは、還元されやすい性質を有しており、電解還元法
や種々の還元剤による化学還元法などによって、2,4
又は6電子などに還元されるが、これらの還元体も本発
明に包含される。例えば、ヘテロ原子がリンであるケギ
ン(Keggin)型のリンモリブデンアニオン[PM
01240−3の場合、2電子還元体は[PM
01240−5で、4電子還元体は[PM012
40−7で、6電子還元体は[PM01240
−9で表される。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正内容】
【0032】得られる親油性モリブデン化合物は、前記
の脂肪族アミノ化合物の種類に従って、一般式、〔(R
)N 〕〔A〕、〔(R)(R)NH
〔A〕、〔(R)(R)(R)NH〕〔A〕、
〔(R)(R)(R)(R)N〕〔A〕で表さ
れる化合物及び該化合物を含有するものとなる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正内容】
【0048】
【実施例1】ヘテロポリ酸としてH[PM012
40]・29H0100gを脱イオン水100gに加
えて溶解させることにより、50重量%水溶液を作製し
た。別途、炭化水素油として脱晶アントラセン油〔沸点
範囲200〜470℃ 96.4重量%、470℃+
3.6重量%〕600gを60℃に加熱保温した。この
脱晶アントラセン油に第一級アミンとしてセチルアミン
1633NH60gを加えて分散液を得た。この
分散液に前記水溶液全量を加えて、高速かくはん機〔タ
ービン(径28mm)とステーターの間のクリアランス
(0.4mm)を流体が通過するとき、高剪断力をかけ
ることができる分散機〕により、回転数10,000r
pm、周速16m/s、タービン吐出量33L/分の条
件で2時間かきまぜて混合した。かきまぜ混合操作中、
攪拌熱と加熱とにより水分蒸発を行い、操作終了後の液
温を120℃に到達させた。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ヘテロポリ酸及びその金属塩の中
    から選ばれた少なくとも1種のモリブデン化合物と、
    (B)炭素数8以上の炭化水素基少なくとも1個を有す
    る脂肪族アミン及び脂肪族アンモニウム化合物の中から
    選ばれた少なくとも1種の窒素化合物との反応生成物か
    らなる石炭液化用添加剤。
  2. 【請求項2】 (a)ヘテロポリ酸及びその金属塩の中
    から選ばれた少なくとも1種のモリブデン化合物又は該
    化合物を酸素原子を含む親水性媒体に溶解した溶液と、 (b)炭素数8以上の炭化水素基1個を有する脂肪族第
    一級、第二級及び第三級アミン並びに炭素数8以上の炭
    化水素基少なくとも1個を有する脂肪族アンモニウム化
    合物の中から選ばれた少なくとも1種の窒素化合物を分
    散した炭化水素油とを混合することを特徴とする、石炭
    液化用添加剤の製造方法。
  3. 【請求項3】 (a)ヘテロポリ酸及びその金属塩の中
    から選ばれた少なくとも1種のモリブデン化合物又は該
    化合物を酸素原子を含む親水性媒体に溶解した溶液と、 (c)炭素数8以上の炭化水素基少なくとも2個を有す
    る脂肪族第二級及び第三級アミンの中から選ばれた少な
    くとも1種の窒素化合物を分散した炭化水素油とを混合
    することを特徴とする、石炭液化用添加剤の製造方法。
JP21937691A 1991-08-06 1991-08-06 石炭液化用添加剤及びその製造方法 Withdrawn JPH0539491A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003520892A (ja) * 2000-01-21 2003-07-08 ザ ルブリゾル コーポレイション ヘテロポリ酸に由来のモリブデン酸塩分散剤
US9739314B2 (en) 2014-06-30 2017-08-22 Shinano Kenshi Kabushiki Kaisha Bearing unit and motor

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Effective date: 19981112