JPH0539471U - 電気バリカン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 格別の熟練を要することなく、家庭の主婦な
どの素人でも綺麗な仕上がりの刈り上げを、簡易にでき
るようにした電気バリカンを提供する。 【構成】 切れ刃２に対しその刃先側から刃元側に向か
って厚さが次第に大きくなる切れ刃ガイド５を備えて成
る電気バリカンであって、その切れ刃ガイド５を、切れ
刃２の刃先側から刃元側に向かって設けられた案内部位
３，３にスライド可能に装着し、コイルばね７で電気バ
リカン本体１の後端部側に付勢する。そして、切れ刃ガ
イド５をコイルばね７のばね力に抗して切れ刃２の刃先
側に指の操作で前進させる前進手段を備える。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、電気（動）バリカンに関し、詳しくは、理容や美容などにおける調 髪に使用される電気バリカン（以下、単にバリカンともいう）に関する。

【０００２】

【従来の技術】

この種の電気バリカンは、その先端部である切れ刃部であって使用時に頭皮側 となる部位（面）に対し、切れ刃の刃先側から刃元側に向かって厚さが次第に大 きくなるように形成された切れ刃ガイドを備えている。これは、頭皮と切れ刃の 間に一定の間隔をおき、刈り上げなどに際し、頭髪を所定の長さ、或いはそれ以 上に保持するためのものである。 ところで従来のバリカンでは、頭皮から切れ刃までの間隔（寸法）は、切れ刃 ガイドの位置を一定の間隔で段階的に動かすことで、例えば、三分刈りとか五分 刈りとか、或いは３ｍｍとか６ｍｍとかに調整、設定できるように構成されてい る。そして、使用時には予め切れ刃ガイドの位置を仕上がりに応じて適宜の設定 にしておき、その一定の設定の下で調髪を行っている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記したように従来のバリカンでは、切れ刃ガイドを動かすことにより、相対 的に切れ刃を出し入れすることで髪の長さを調整できるようにされてるものの、 切れ刃ガイドの位置は段階的にしか調整、設定することができない。

【０００４】 このため、所定の長さで丸刈りをするような場合には適するものの、例えば、 うなじを刈上げるような場合には、切れ刃ガイドの位置を適宜の位置に設定した 状態の下で、切れ刃が頭皮から次第に遠ざかるように、バリカンを把握する手首 を微妙に回す等するいわゆるテクニックを必要としていた。したがって、綺麗な 調髪のためには相当の熟練が必要で、一般の素人にとっては容易なことではなか った。 そこで本考案は、こうした従来の電気バリカンのもつ問題点に鑑み、格別の熟 練を要することなく、家庭の主婦などの素人でも綺麗な仕上がりの刈上げを、簡 単、容易にできるようにした電気バリカンを提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するために、本考案は、切れ刃に対しその刃先側から刃元側 に向かって厚さが次第に大きくなる切れ刃ガイドを備えて成る電気バリカンであ って、その切れ刃ガイドを、切れ刃の刃先側から刃元側に向かって設けられた案 内部位にスライド可能に装着するとともに、ばね等の弾性部材で電気バリカン本 体の後端部側に付勢し、かつ、その切れ刃ガイドを前記弾性部材のばね力に抗し て切れ刃の刃先側に指等の操作で前進させる前進手段を備えたものである。

【０００６】

【作用】

上記のように構成された本考案に係る電気バリカンにおいては、例えば、うな じを刈り上げる場合、刈り進みに合せて適量づつその前進手段を指等で操作する と、それに応じて切れ刃ガイドは、弾性部材のばね力に抗して切れ刃の刃先側に 押出されることとなり、したがって、その分、頭皮から切れ刃までの間隔が次第 に大きくなる。一方、指先等による前進手段の操作を解除すると、ばね力により 切れ刃ガイドは後退し元の位置に戻る。 つまり、頭皮に沿って電気バリカンを前進させながら、その前進手段を指等で 操作することで、切れ刃ガイドを適宜に押し出し、カット量を次第に小さくでき 、またその前進手段の操作を解除することで、切れ刃ガイドを元の位置に戻すこ とができる。

【０００７】 かくして、本考案に係る電気バリカンによれば、従来の電気バリカンのように 手首を微妙に回して前進させるようなことを要せずして、頭皮から切れ刃までの 間隔を次第に大きくできるので、高度な技術ないし格別の熟練を要することなく して簡単、容易に綺麗に刈り上げることができる。したがって、一般家庭での調 髪には、とりわけ好適である。

【０００８】

【実施例】

本考案に係る電気バリカンを具体化した第１実施例について、図１ないし図５ を参照して詳細に説明する。

【０００９】 図中１は、電気バリカン本体（単に本体ともいう）であって、その先端には、 本体内に装置された図示しない作動手段により作動するよう構成された切れ刃２ を備えている。そして、本例では、本体１両側に沿い刃先側から刃元側に直線状 に形成された案内部位３，３が形成されている。ただし、本例では、一端部（本 体後端部側）が横部材４で接続され、コ字状に形成されている（図２参照）。 一方、切れ刃２の頭皮側となる側面に沿い、切れ刃２の刃先側から刃元側に向 かって厚さが次第に大きくなるように形成された切れ刃ガイド５が、頭皮側を凸 とする円弧状として、複数、略等間隔で一体的に形成されている。そして、その 両側の片５ａ，５ａには、各々矩形板部６が一体的に設けられ、その内側に形成 された溝６ａ，６ａを介し、案内部位３，３にスライド自在に嵌着されている（ 図３、図４参照）。

【００１０】 また、本例では、案内部位３，３の横部材４の中央と、切れ刃ガイド５の後部 の中央とが引張りコイルばね７で接続され、そのばね力により切れ刃ガイド５を 後端部側に引張り、案内部位３，３に沿って本体１の後端側に付勢している。た だし本例では、切れ刃ガイド５は、その先端が切り刃２の先端部より若干突出し た位置で止まるよう、ストッパー８が配設されている。 また、切れ刃ガイド５の両側の矩形板部６，６からはフレームが延設され、そ の端部を横部材９で連結しており、この横部材９の中央には線（紐）状体１１の 一端部が固着されている。この線状体１１は、切れ刃２寄り側に略Ｕ字状に曲げ られ本体１に一体的に張り付けられたＵ管体１２内を挿通され、そして後端側に 略Ｌ字状に曲げられて本体１に張り付けられたＬ管体１３内を挿通されて他端部 を作動用のボタン１４の舌片１４ａに接続されている。

【００１１】 しかして、本例では、本体１を右手で把握し、このボタン１４を親指で押すこ とで、コイルばね７のばね力に抗して線状体１１がその押し方向に引き寄せられ 、したがって、それに応じて切れ刃ガイド５が前進、つまり前方へ引き出される ように前進手段が構成されている。なお、ボタン１４を操作しない限り、切れ刃 ガイド５は後退しストッパー８に当たる位置におかれている。

【００１２】 さて次に、こうして構成された本例の電気バリカンの作用ないし効果について 説明する。 例えば、右手で本体１を把握し、うなじを刈り上げる場合には、刈り進みに合 せて少しづつ、ボタン１４を押すと、それに応じて切れ刃ガイド５は、切れ刃２ の刃先側に押出される。したがって、その分、頭皮から切れ刃２までの間隔が次 第に大きくなる。かくては、別段手首を回す等のテクニックを使うことなく、バ リカンを前進させれば、図５中の２点鎖線Ｓで示すように刈り上げられる。なお 、ボタン１４の押し操作を解除すると、切れ刃ガイド５は後退し元の位置に戻る ので、以後はこうしたことを繰り返し行うことで、所望とする調髪を簡易にする ことができる。

【００１３】 本例では、切れ刃ガイド５をスライド自在にして装着した場合を例示したが、 図６及び図７に示すように案内部位３，３の両側に、適宜のピッチで穴Ｈ，Ｈを 設けておき、かつ切れ刃ガイド５に続く矩形板部６に貫通穴Ｋを設けておき、こ れらの穴Ｈ，Ｋを合わせ、略Ｃ字形に形成され、ばね性を有する線体（図７中２ 点鎖線で示す）Ｔを両端部が係止されるようにしておいてもよい。こうして、適 宜の位置で切れ刃ガイド５を固定する固定手段を設けておき、所定の位置で切れ 刃ガイド５をロック（固定）できるようにしておくと、従来における一定長さの 丸刈り等も簡易にできるので便利である。

【００１４】 上記した実施例では、切れ刃ガイド５の頭皮側となる部位は、円弧状にしたも のとしたが、切れ刃に対しその刃先側から刃元側に向かって厚さが次第に大きく なるものであれば適宜の構成とすることができるし、切れ刃ガイド５の先端部に おける角度（接線角）も適宜のものに設定することができる。 また、案内部位３，３を本体１の両側に設けたが、当然のことながらこの位置 に限定されるものでない。さらに、切れ刃ガイド５を本体１の後端部側に付勢す る手段は弾性部材であれば適宜のものを選択して用いることができる。

【００１５】 なお、上記実施例においては、切れ刃ガイド５の前進手段を便宜上、本体１の 外部に備えているとして説明したが、当然のことながら、その内部に装置するこ ともできる。

【００１６】 さて次に本考案を具体化した第２実施例について、図８を参照して説明するが 、本例は、前記第１実施例における切れ刃ガイド５の前進手段を簡略化したもの で、その点のみが相違するので、相違点のみ説明し、同一の部位には同一の符号 を付し説明を省略する。

【００１７】 すなわち、本例では、切れ刃ガイド５の前進手段を切れ刃ガイド５から延設さ れた横部材９に対し、略三角に形成された三角片２１を一体的に設けたものであ る。しかして、使用時には、例えば、右手で本体１を把握する場合には、この三 角片２１の傾斜辺部２２を親指の腹で横方向に押すようにしさえすれば、カム作 用により切れ刃ガイド５は案内部位３，３に沿って前方にスライドする。つまり 、本例では、三角片２１をカムとし、指の横方向への押し操作で、切れ刃ガイド ５を前進させるようにしたものである。なお、傾斜辺部２２の傾斜角は、切れ刃 ガイド５のストロークに応じ適宜に設定される。 本例においては、構造の簡略化を図ることができるので、取扱いが容易となる 上、製造コストの低減も期待される。

【００１８】

【考案の効果】

本考案は、以上説明したように構成されているので、以下に記載した効果があ る。 すなわち、本考案に係る電気バリカンによれば、頭皮に沿って電気バリカンを 前進させながら、その前進手段を指等で操作することで切れ刃ガイドを適宜に押 し出すことができるので、従来の電気バリカンのように手首を微妙に回して前進 させるようなことを要せずして、頭皮から切れ刃までの間隔を円滑に大きくでき 、これによりカット量を次第に小さくできる。また、その前進手段の操作を解除 することで、切れ刃ガイドを元の位置に戻すことができる。

【００１９】 かくして、本考案に係る電気バリカンにおいては、高度な技術ないし格別の熟 練を要することなくして簡単、容易に綺麗に刈り上げることができ、とりわけ一 般家庭での調髪に好適である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の電気バリカンを具体化した第１実施例
を示す斜視図である。

【図２】第１実施例の電気バリカン本体の案内部位を示
す斜視図である。

【図３】第１実施例における切れ刃ガイドの案内部位に
対するスライド状態を説明するための要部の側面図であ
る。

【図４】図３におけるＡ−Ａ線断面図である。

【図５】第１実施例の電気バリカンによる刈り上げの要
領を説明する概念図である。

【図６】第１実施例の図３において切れ刃ガイドを段階
的に固定する固定手段を付加したものの要部の側面図で
ある。

【図７】図６におけるＢ−Ｂ線断面図である。

【図８】本考案の電気バリカンを具体化した第２実施例
を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ 電気バリカン本体 ２ 切れ刃 ３ 案内部位 ５ 切れ刃ガイド ７ ばね（弾性部材）

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 切れ刃に対しその刃先側から刃元側に向
   かって厚さが次第に大きくなる切れ刃ガイドを備えて成
   る電気バリカンであって、その切れ刃ガイドを、切れ刃
   の刃先側から刃元側に向かって設けられた案内部位にス
   ライド可能に装着するとともに、ばね等の弾性部材で電
   気バリカン本体の後端部側に付勢し、かつ、その切れ刃
   ガイドを前記弾性部材のばね力に抗して切れ刃の刃先側
   に指等の操作で前進させる前進手段を備えてなることを
   特徴とする電気バリカン。