JPH0539368Y2

JPH0539368Y2 -

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Publication number: JPH0539368Y2
Application number: JP1987179396U
Authority: JP
Priority date: 1987-11-25
Filing date: 1987-11-25
Publication date: 1993-10-06
Anticipated expiration: 2002-11-25
Also published as: JPH0188219U

Description

【考案の詳細な説明】（技術分野）この考案は、トイレ用空調ユニツトに関するも
のである。さらに詳しくは、この考案は、必要な
時に瞬時に温度制御された冷温風が得られる安価
なトイレ用空調ユニツトに関するものである。

（背景技術）従来、トイレの空調には、ヒートポンプによる
空調や熱線ヒーター等を用いた空調機器が用いら
れてきている。

しかしながら、これらの従来のトイレ用空調機
器の場合には、特にヒートポンプの場合に顕著で
あるように、その起動時には冷温風の吹出しまで
に時間を要し、トイレ使用の短時間の用便時には
十分な冷暖房の効果が得られないという欠点があ
つた。また熱線ヒーターの場合には、この欠点に
加えて、空調が局所的であるという問題もあつ
た。

このような欠点を解消するために、ヒートポン
プや熱線ヒーター等によつて、連続的に冷暖房を
行うことも考えられるが、このような方策による
場合には、電気消費量が大きなものとなり、経済
的ではないなどの問題があり、現実的にはほとん
ど採用されていない。

このため、電気消費量が少なく、安価であつ
て、しかもトイレ使用時にすぐに温度制御された
冷温風を得ることができる新しいトイレ空調の実
現が望まれている。

（考案の目的）この考案は、以上の通りの事情に鑑みてなされ
たものであり、従来のヒートポンプ、熱線ヒータ
ー等による空調機器システムの欠点を改善し、ト
イレ使用時に瞬時のうちに所望の温度制御された
冷温風を得ることができる、電気消費量の少ない
安価なトイレ空調ユニツトを提供することを目的
としている。

（考案の開示）この考案のトイレ用空調ユニツトは、上記の目
的を実現するために、トイレ壁面に埋設または近
接して設けたダクト内に、吸気口および放熱器に
続いて、該放熱器の起動時にも送風空気に定常熱
量を与える蓄熱容量の蓄熱材を配し、放熱器およ
び蓄熱材を経由した冷温風をダクト吐出口よりト
イレ室内に循環させることを特徴としている。

また、この考案は、吸気口に続いて循環フアン
を設けること、およびダクト内に脱臭フイルター
を設けることを好ましい態様としてもいる。

添付した図面に沿つて、この考案のトイレ空調
ユニツトについて説明する。

第１図および第２図は、この考案のトイレ空調
ユニツトの一実施例を示した外観斜視図と断面図
である。この例においては、第１図に示したよう
に、便器を設置したトイレの壁面１に一部を埋設
したトイレ空調ユニツト２において、ダクト３に
トイレ室内に向けて下部に循環空気の吸気口４お
よび上部に空気吐出口５を設けている。第２図に
示したように、ダクト３内には、この吸気口４お
よび吐出口５とともに、空気の流れに沿つて、脱
臭フイルター６、循環フアン７、放熱器８および
蓄熱材９を吸気口４に続いて順次に配している。

このトイレ空調ユニツト２においては、トイレ
内の空気は、吸気口４、脱臭用フイルター６を介
して、循環フアン７によつて放熱器８に送られ、
放熱器８により冷却または暖房され、蓄熱材９を
通つて吐出口５よりトイレ内へと循環される。こ
のトイレ空調ユニツト２において重要な役割を果
たすのが、放熱器８と蓄熱材９である。

第３図に示したダクト３内の詳しい配置に沿つ
て説明すると、放熱器８は、通常は、ヒートポン
プ等の熱源に連設された放熱フイン、もしくはヒ
ーター等の熱源自身からなるものとすることがで
きる。だが、この放熱器８については、ヒートポ
ンプ熱源の場合にはコンプレツサーの立上りによ
る起動時の冷暖房作用の遅れがある。また、放熱
器８の熱容量による立上りの遅れ等によつて、起
動後すぐには所定の冷温風を送ることができない
という制約がある。

そこで、定常状態にある冷温風からの冷暖房の
熱を蓄熱材９に蓄熱しておく。この蓄熱した冷温
熱によつて、放熱器８の起動時の立上りの遅れを
補完し、トイレ使用時にただちに所定の温度の冷
温熱を放出し、トイレ内に冷温風を送る。

蓄熱材９には、アルミニウム板等を用いること
ができるが、断熱材１０を配することによつて、
より効果的に保温することができる。さらに好ま
しくは、蓄熱材９に近接して設けたサーミスター
等の温度センサー１１によつて蓄熱材９の蓄熱温
度を測定し、設定温度からズレている場合には熱
源１２を起動させて、トイレ使用時ではなくとも
自動的に放熱器８を稼動させて、所定の温度とな
るように制御することができる。

蓄熱材９については、上記の通りの放熱器８の
起動時の立上りの遅れを補うという重要な役割を
有している。この点については、蓄熱材９に、放
熱器８が定常的に送風空気に与えている熱量を供
与することができるようにする。つまり、瞬時に
トイレ室内に循環送風される空気の温度を一定と
するように、蓄熱材９の蓄熱容量を定める。

たとえば、放熱器８の出力がQkcal／時に設定
されている場合には、放熱器８の起動時の立上り
の遅れに、蓄熱材９から供給すべき熱量Q′は、
放熱器８の立上りに要する時間をｔ（分）とする
と、 Q′＝Ｑ×ｔ／60（kcal）の関係を満たすことが必要になる。Ｑ＝
1000kcal、ｔ＝３分の場合には、Q′は、50kcal
となり、蓄熱材９は、送風空気にこの50kcalの熱
量を供給する必要がある。

実際のこのQ′の決定には、蓄熱材９の自然放
熱による熱損失を考慮し、断熱性能、設置時間等
を踏まえて行うことができる。このような必要熱
負荷を決めることによつて、蓄熱材９の大きさを
適切なものとすることができ、無駄なスペースや
材料コストを低減し、しかも温度制御を容易とす
ることができる。

第４図は、この考案のトイレ用空調ユニツトに
おけるトイレ室内への送風空気の温度と時間との
関係を例示したものである。トイレの使用開始と
ともに、ただちに15〜18℃程度の空気が送風され
る。第４図に示したように、時間ｔ＝０〜ｔ＝３
分の間は、蓄熱材９の放出した熱Ａによつて所定
の温度に維持され、次いで、ｔ＝３〜ｔ＝８分の
間は放熱器８の放出する熱Ｂによつて維持され
る。

通常、この考案のトイレ用空調ユニツトでは、
たとえば第２図に示したトイレドア１３部上方に
設けた人体検知センサー１４によつて、またはタ
イマーや手動スイツチ等の手段によつて起動する
ことができる。この場合、上述のように、トイレ
使用の用便開始時には、蓄熱材９からの冷温風に
よつて、その後の終了時までは放熱器８からの冷
温風によつて、快適な環境が得られる。特に、冬
期、寒冷地においては、トイレの空調は格別に向
上する。

また、トイレを使用しない時間帯には、無駄に
通電して電気を消費する必要もないことから、極
めて経済性に優れたトイレ空調が実現される。

なお、この考案のトイレ空調ユニツトは、上記
の具体的な例示に限定されるものではない。ユニ
ツトの形状、構造、トイレ壁面への取付け法につ
いては様々な態様が可能であり、たとえば、図に
示した例の吸気口と吐出口の位置を逆転すること
や、縦型配置の代わりに、壁面に対して横にダク
トを取付けること、さらには個々の細部の構造や
配置に変更を加えることは容易である。脱臭フイ
ルターについても、吐出口の前段や、さらにダク
ト中間部に配置してもよい。

（考案の効果）この考案によつて、以上詳しく説明したよう
に、トイレ使用時にただちに温度制御された冷温
風が得られる快適なトイレ環境が実現され、しか
も、電気消費量は最小限なものとなり、極めて安
価な空調システムが実現される。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案の一例を示した外観斜視図
である。第２図は、その断面図である。第３図
は、この考案のトイレ空調ユニツトのダクト内の
配置を示した斜視図である。第４図は、この考案
のユニツトによるトイレ室内の温度と時間とを示
した温度−時間相関図である。１……トイレ壁面、２……トイレ空調ユニツ
ト、３……ダクト、４……吸気口、５……吐出
口、６……脱臭フイルター、７……循環フアン、
８……放熱器、９……蓄熱材、１０……断熱材、
１１……温度センサー、１２……熱源、１３……
トイレドア、１４……人体検知センサー。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】 (1) トイレ壁面に埋設または近接して設けたダク
ト内に、吸気口および放熱器に続いて、該放熱
器の起動時にも送風空気に定常熱量を与える蓄
熱容量の蓄熱材を配し、放熱器および蓄熱材を
経由した冷温風をダクト吐出口よりトイレ室内
に循環させることからなるトイレ用空調ユニツ
ト。 (2) 吸気口に続いて循環フアンを設けた実用新案
登録請求の範囲第１項記載のトイレ用空調ユニ
ツト。 (3) ダクト内に脱臭フイルターを設けた実用新案
登録請求の範囲第１項記載のトイレ用空調ユニ
ツト。