JPH0539183U - リニア誘導電動機の鉄心構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】コイルを挿入する各スロット間に鉄心重量軽減
のため設けられた孔に、コイル絶縁樹脂含浸作業時に絶
縁樹脂が侵入することを防止することにある。 【構成】重量軽減用孔を設けた鉄心板を積層して鉄心を
構成するに当たり、鉄心の積層方向両端面に、孔を設け
ない鉄心板を配設しして孔を防ぐよう構成したものであ
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はリニア誘導電動機一次側鉄心板積層構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来のリニア誘導電動機一次側鉄心においては、鉄心の重量軽減のため、鉄心 を構成する鉄心板のコイルを挿入する各スロット間に孔が設けられている。この ような鉄心板を積層して構成する鉄心構造においては、積層方向の両端部には孔 が外部表面に露出している。 図３はその従来の一例を示す図２に類した図１のＡ−Ａ線矢視方向断面図であ る。 図３において、鉄心板４のスロット１相互間には孔２が設けられ、鉄心板積層 長さ方向の両端面は孔２を設けた鉄心板４で構成されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、孔２が外部に直接露出している鉄心構造では、鉄心にコイルを挿入し コイル部分に樹脂を含浸させ絶縁処理を行う場合、樹脂が孔部分への侵入を防ぐ ため、含侵前処理に多大の工数を必要とする欠点があった。 この樹脂含侵工程中孔部に樹脂の侵入を防ぐ手段として、片面粘着テープ材を 貼付し孔をふさぐ方法もあるが、樹脂含侵工程の作業中、テープ材に力がかかっ てはがれたり、破損したりすることがあり適当な手段ではない。

【０００４】 実際の手段としては、孔をふさぐための薄鉄板製盲板を準備し、溶接あるいは 接着剤により、この盲板を取付ける手段がとられている。しかし、このような手 段では盲板製作、接着作業などに多大の工数を必要とする。なお、孔２は電動機 の重量軽減のため設けられたものであり、孔を省略することはできない。 本考案は、上述した点に鑑みて創案されたもので、その目的とするところは、 前述したような絶縁樹脂の侵入を防止することが可能なリニア誘導電動機の鉄心 構造を提供するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

つまり、その目的を達成するための手段は、コイルの絶縁樹脂含侵の前処理作 業を省略するため、孔２を設けた鉄心板４の代わりに、孔２を設けない鉄心板５ を使用することにある。

【０００６】

【作用】

その作用は、孔２を設けない鉄心板５を鉄心板積層端面に孔部が露出すること がなくなり、含侵樹脂が鉄心の孔部への侵入を防止することができる。 以下、考案の一実施例を、図面に基づいて詳述する。

【０００７】

【実施例】

図１は本考案のリニア誘導電動機の一次側鉄心構造の一実施例を示す説明図、 図２は、そのＡ−Ａ線矢視方向断面図である。 図１および図２においては、両端面の鉄心板５を除く鉄心板４に孔２が貫通さ れたものを積層し、その両端面には孔２をふさぐことを目的とした孔２を設けな い鉄心板５を配設して一次側鉄心を構成する。 前記孔２を設けない鉄心板５は、鉄心板４のプレス作業において孔２の打ち抜 き作業を省略したものとして製作される。

【０００８】

【考案の効果】

以上述べた本考案によれば、従来、鉄心板を積層した鉄心にコイルを挿入し、 コイルの絶縁樹脂含侵工程の前に鉄心両端面に露出した孔に、樹脂侵入を防ぐ前 処理を行う必要があったが、樹脂侵入を防ぐ前工程を行う必要がなくなり、工数 を大きく低減することができる。

【０００９】

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す断面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線矢視図方向断面図である。

【図３】従来の一例を示す図２に類した図１のＡ−Ａ線
矢視方向断面図である。

【００１０】

【符号の説明】

１ スロット ２ 孔 ３ コイル ４ 鉄心板 ５ 鉄心板 Ｌ 鉄心板積層方向長さ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 コイルを挿入する各スロット間に孔を設
   けた鉄心板を積層するリニア誘導電動機の一次側鉄心構
   造において、鉄心板の積層方向両端面に、前記孔を設け
   ない鉄心板を配設させたことを特徴とするリニア誘導電
   動機の鉄心構造。