JPH0539114U

JPH0539114U - ガス絶縁開閉装置

Info

Publication number: JPH0539114U
Application number: JP8500091U
Authority: JP
Inventors: 信夫箱井; 敬博片岡; 一夫平山; 俊博馬場
Original assignee: Mitsubishi Electric Corp
Current assignee: Mitsubishi Electric Corp
Priority date: 1991-10-18
Filing date: 1991-10-18
Publication date: 1993-05-25

Abstract

(57)【要約】【目的】温度変化による締結力の変動を少なくする事
ができるガス絶縁開閉装置の金属製フランジ接合部の接
続装置を提供する。【構成】金属製フランジ間を締結する締結ボルトを貫
通する圧縮バネを配設する。【効果】温度変化による締結力の変動を圧縮バネの押
圧力により略一定にすることにより常に安定した締結力
を確保し、SF₆ガスのシール性能が得られる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、SF₆ガス等高圧の絶縁ガスを封入するガス絶縁開閉装置の金属製フランジ接合部の接続装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

図４及び図５は例えば実開昭62-132629号に示された従来のガス絶縁開閉装置の接続装置を示す断面図である。

【０００３】図４において片側の圧力容器１の一端に金属製フランジ３を有し、もう一方の圧力容器２の一端に金属製フランジ４を有する。金属製フランジ３と金属製フランジ４の間に内部の導体等を支持する絶縁物の絶縁フランジ５を配置し、絶縁フランジ５の溝5aには高圧のSF₆ガス９を密封する気密リング８を配置している。金属製フランジ３と金属製フランジ４は締結ボルト６、ナット７により締結されている。

【０００４】図５は金属製のアダプタフランジ10、11を絶縁フランジ５の両端に配置した例を示す。アダプタフランジ10,11の絶縁フランジ５と接触する部分が耐電圧性能上、精度のよい曲面加工仕上を施されている。アダプタフランジ10、11は電流による温度上昇を抑制するため非磁性であるアルミニウムを材質とし、アダプタフランジ10の内部には鉄製の締結ボルト６を収納する。アダプタフランジ10、内部の導体等を支持する絶縁物の絶縁フランジ５、アダプタフランジ11および圧力容器２の金属製フランジ４は締結ボルト６、ナット７により締結されている。締結ボルト６及びナット７により締結され、内部の導体等を支持する絶縁物、圧力容器２及びアダプタフランジ10,11を備えたガス絶縁開閉装置は、アダプタフランジ10と金属製フランジ３とが図５に示す断面とは異なる位置で別の締結ボルト13によりアダプタフランジ10に締結される。これにより圧力容器１を備えたガス絶縁開閉装置が作業性よく締結される。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

絶縁フランジは金属と線膨張係数が大きく異なり、各部材には締結後の温度変化により各線膨張係数に比例した熱伸縮が発生する。したがって締結力が変化することになる。これは締結ボルトの長さＬ₂と絶縁フランジの長さＬ₁の比に大きく影響している。例えば図４の例で締結後に温度が低下すると、絶縁フランジは金属より線膨張係数が大きいので締結ボルト及び金属フランジに比較してより多く熱収縮するため、その厚み方向の収縮によって締結時の締結力が低下することになり、SF₆ガスのシール性能が低下することになる。図５の例ではアダプタフランジが非磁性であるアルミニウムを材質としているので締結ボルトの線膨張係数より大きく、さらに締結力の低下が大きくなる問題点があった。

【０００６】この考案は上記のような問題点を解消するためになされたものであり、温度変化による締結力の変動を少なくすることのできるガス絶縁開閉装置の金属製フランジ接合部の接続装置を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

請求項１のガス絶縁開閉装置は、内部にSF₆ガス等絶縁ガスを封入する圧力容器の一対の金属製フランジ、前記一対の金属製フランジ間に配置され、内部の導体等を支持する絶縁物の絶縁フランジ、前記一対の金属製フランジと前記絶縁フランジ間に配置され絶縁ガスを密封する気密リング、前記一対の金属製フランジ間を締結する締結ボルト、前記締結ボルトを貫通して配設され、前記一対の金属製フランジ間の距離を縮める方向に押圧力を与えるための圧縮バネ、を具備する。請求項２のガス絶縁開閉装置は、内部の導体等を支持する絶縁物の絶縁フランジ、前記絶縁フランジの一側面に配置され、内部にSF₆ガス等絶縁ガスを封入する一方の圧力容器の金属製フランジ、前記金属製フランジとは反対の側の前記絶縁フランジの他の側面に配置され、隣接する他方の圧力容器の金属製フランジを接続支持するアダプタフランジ、前記金属製フランジと前記絶縁フランジの間及び前記アダプタフランジと前記絶縁フランジの間に配置され、絶縁ガスを密封する気密リング、前記アダプタフランジと前記金属製フランジの間を締結する締結ボルト、前記締結ボルトに貫通して配設され、前記アダプタフランジと前記金属製フランジの距離を縮める方向に押圧力を与える圧縮バネ、を具備する。請求項３のガス絶縁開閉装置は、内部の導体等を支持する絶縁物の絶縁フランジ、前記絶縁フランジの片側に配置され、内部にSF₆ガス等絶縁ガスを封入する一方の圧力容器の金属製フランジ、前記絶縁フランジと前記金属製フランジ間に配置されたアダプタフランジ、前記金属製フランジとは反対の側の前記絶縁フランジの他の側面に配置され、隣接する他方の圧力容器の金属製フランジを接続支持するアダプタフランジ、前記金属製フランジと前記アダプタフランジの間及び前記絶縁フランジの両端に配置されたアダプタフランジと前記絶縁フランジの間に配置され、絶縁ガスを密封する気密リング、前記絶縁フランジの両端に配置されたアダプタフランジと前記金属製フランジを締結する締結ボルト、前記締結ボルトを貫通して配設され、前記絶縁フランジの両端に配置されたアダプタフランジと前記金属製フランジの距離を縮める方向に押圧力を与える圧縮バネ、を具備する。

【０００８】

【作用】

請求項１、請求項２及び請求項３のガス絶縁開閉装置は圧縮バネの押圧力により絶縁フランジ及び絶縁フランジとアダプタフランジの熱伸縮にかかわらず常に所定の力で押圧してガス絶縁開閉装置の金属製フランジ接合部を締結する。

【０００９】

【実施例】

以下この考案の一実施例を図１について説明する。図１において圧力容器１、２、金属製フランジ３、４、内部の導体等を支持する絶縁物の絶縁フランジ５、締結ボルト６、ナット７、気密リング８、及び高圧のSF 6ガス９の構成は従来と同一である。

【００１０】図１の実施例では締結ボルト６とナット７の間に締結ボルト６を貫通して圧縮バネ12を配設する。締結ボルト６とナット７の締結時の締結力により前記圧縮バネ12を圧縮しておき、締結ボルト６に圧縮バネ12の押圧力を加えておく構造としている。

【００１１】この構造によれば絶縁フランジ５等線膨張係数の大きい材料を含むフランジ接合部において締結ボルト６との熱伸縮量の相違により絶縁フランジ５が大きく変動しても、圧縮バネ12を押圧する事により、締結ボルト６へは常に圧縮バネ12の押圧力が加わっている。したがって金属製フランジ３、４及び絶縁フランジ５の熱伸縮にかかわらず略一定の押圧力をこれら相互間に与え、それによりこれらの間の締結力を実質的に一定とすることが可能となる。

【００１２】図２は金属製アダプタフランジ10,11を配設した例を示し、圧力容器１、２、金属製フランジ３、４、内部の導体等を支持する絶縁物の絶縁フランジ５、締結ボルト６、ナット７、気密リング８、高圧のSF₆ガス９及びアダプタフランジ10,11 の構成は従来と同一である。アダプタフランジ10,11の絶縁フランジ５と接触する部分が耐電圧性能上、精度の良い曲面加工仕上を施されている。なおアダプタフランジ10,11は電流による温度上昇を抑制するため非磁性であるアルミニウムを材質とし、アダプタフランジ10の内部に鉄製の締結ボルト６を収納する。アダプタフランジ 10、絶縁フランジ５、アダプタフランジ11及び金属製フランジ４は締結ボルト６を貫通して配設された圧縮バネ12を圧縮して締結ボルト６、ナット７により締結されている。締結ボルト６及びナット７により締結され、内部の導体等を支持する絶縁物、圧力容器２及びアダプタフランジ10,11を備えたガス絶縁開閉装置は、アダプタフランジ10と金属製フランジ３とが図２に示す断面とは異なる位置で別の締結ボルト13によりアダプタフランジ10に締結される。これにより圧力容器１を備えたガス絶縁開閉装置が作業性よく締結される。この構造によれば絶縁フランジ５、アダプタフランジ10,11等の線膨張係数の大きい材料を含むフランジ接合部において締結ボルト６との熱伸縮量の相違により絶縁フランジ５、アダプタフランジ10,11が大きく変動しても圧縮バネ12を押圧することにより締結ボルト６へは常に圧縮バネ12の押圧力が加わっている。したがって金属製フランジ４、絶縁フランジ５及びアダプタフランジ10,11の熱伸縮にかかわらず略一定の押圧力をこれら部材間に与え、それによりこれら部材間の締結力を実質的に一定とすることが可能となる。図３は図２の実施例における締結ボルト６を貫通して配設された圧縮バネ12をアダプタフランジ10内部に収納した実施例を示す。

【００１３】この考案による図２、図３の実施例では、耐電圧性能上のため絶縁フランジ５の両側にアダプタフランジ10,11を配置したが、金属製フランジ４の絶縁フランジ５と接する部分が精度の良い曲面加工仕上を施されることによりアダプタフランジ11をなくすることもできる。

【００１４】

【考案の効果】

この考案によれば絶縁フランジ、金属製フランジを含む金属製フランジ接合部又は絶縁フランジ、アダプタフランジ、金属製フランジを含む金属製フランジ接合部に於ける温度変化による締結力の変動を圧縮バネの押圧力により略一定にすることにより常に安定した締結力を確保し、SF₆ガスのシール性能が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例によるフランジ接合部の構
成を示す断面図。

【図２】この考案の他の実施例を示すアダプタフランジ
を設置した構成の断面図。

【図３】この考案のさらに他の実施例を示すアダプタフ
ランジを設置した構成の断面図。

【図４】従来のフランジ接合部の構成を示す断面図。

【図５】従来のアダプタフランジを設置した構成の断面
図。

【符号の説明】

１圧力容器２圧力容器３金属製フランジ４金属製フランジ５絶縁フランジ６締結ボルト８気密リング９絶縁ガス 10 アダプタフランジ 11 アダプタフランジ 12 圧縮バネ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者馬場俊博尼崎市塚口本町８丁目１番１号三菱電機株式会社伊丹製作所内

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】内部にSF₆ガス等絶縁ガスを封入する圧
力容器の一対の金属製フランジ、前記一対の金属製フランジ間に配置され、内部の導体等
を支持する絶縁物の絶縁フランジ、前記一対の金属製フランジと前記絶縁フランジ間に配置
され絶縁ガスを密封する気密リング、前記一対の金属製フランジ間を締結する締結ボルト、前記締結ボルトを貫通して配設され、前記一対の金属製
フランジ間の距離を縮める方向に押圧力を与えるための
圧縮バネ、を具備するガス絶縁開閉装置。
【請求項２】内部の導体等を支持する絶縁物の絶縁フ
ランジ、前記絶縁フランジの一側面に配置され、内部にSF₆ガス
等絶縁ガスを封入する一方の圧力容器の金属製フラン
ジ、前記金属製フランジとは反対の側の前記絶縁フランジの
他の側面に配置され、隣接する他方の圧力容器の金属製
フランジを接続支持するアダプタフランジ、前記金属製フランジと前記絶縁フランジの間及び前記ア
ダプタフランジと前記絶縁フランジの間に配置され、絶
縁ガスを密封する気密リング、前記アダプタフランジと前記金属製フランジの間を締結
する締結ボルト、前記締結ボルトに貫通して配設され、前記アダプタフラ
ンジと前記金属製フランジの距離を縮める方向に押圧力
を与える圧縮バネ、を具備するガス絶縁開閉装置。
【請求項３】内部の導体等を支持する絶縁物の絶縁フ
ランジ、前記絶縁フランジの片側に配置され、内部にSF₆ガス等
絶縁ガスを封入する一方の圧力容器の金属製フランジ、前記絶縁フランジと前記金属製フランジ間に配置された
アダプタフランジ、前記金属製フランジとは反対の側の前記絶縁フランジの
他の側面に配置され、隣接する他方の圧力容器の金属製
フランジを接続支持するアダプタフランジ、前記金属製フランジと前記アダプタフランジの間及び前
記絶縁フランジの両端に配置されたアダプタフランジと
前記絶縁フランジの間に配置され、絶縁ガスを密封する
気密リング、前記絶縁フランジの両端に配置されたアダプタフランジ
と前記金属製フランジを締結する締結ボルト、前記締結ボルトを貫通して配設され、前記絶縁フランジ
の両端に配置されたアダプタフランジと前記金属製フラ
ンジの距離を縮める方向に押圧力を与える圧縮バネ、を具備するガス絶縁開閉装置。