JPH0539100U - ステレオ音声再生装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 スポーツ中継などの放送の際に、アナウンサ
や解説者の声を除去しながら臨場感を上げる。 【構成】 左右入力信号の和信号を取り出す（Ｌ＋Ｒ）
検出回路３と、差信号を取り出す（Ｌ−Ｒ）検出回路４
と、（Ｌ＋Ｒ）検出回路３の取り出した信号から音声帯
域成分を除去する帯域除去フィルタ回路５と、この帯域
除去フィルタ回路５の出力と（Ｌ−Ｒ）検出回路４の出
力を加算して左信号として出力する加算回路６と、帯域
除去フィルタ回路５の出力から（Ｌ−Ｒ）検出回路４の
出力を引き算して右信号として出力する減算回路７と、
で音声キャンセル回路１００を構成する。そして、この
音声キャンセル回路１００の出力から（Ｌ−Ｒ）成分を
取り出してサラウンド処理を施して音声キャンセル回路
１００の出力に加算するサラウンド回路２００を設け
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ステレオ音響装置や音声多重テレビジョン等のステレオ音声再生装 置に係り、特に音声キャンセル回路とサラウンド回路とを組み合わせたステレオ 音声再生装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の音声キャンセル回路は、例えば図４あるいは図５に示すように構成され ている。音声キャンセルは、ボーカルやアナウンスがステレオ信号のモノラル成 分（センター定位）であることに着目し、入力信号の（Ｌ＋Ｒ）成分の音声帯域 を除去するものである。

【０００３】 図４に示すものでは、端子１より入力するＬ信号、端子２より入力するＲ信号 から、（Ｌ＋Ｒ）検出回路３により（Ｌ＋Ｒ）成分を取り出し、バンドパスフィ ルタ１６によりこの（Ｌ＋Ｒ）信号のうちの音声帯域のみ通過させ、これを減算 器１３へ入れて、元のＬ信号及びＲ信号からモノラルの音声成分を除去して出力 端８及び９に出力している。

【０００４】 また、図５に示すものでは、端子１からのＬ信号、端子２からのＲ信号を各々 帯域除去フィルタ５に通して音声帯域をすべて除去し、拡がり成分は（Ｌ−Ｒ） 検出回路４を通してバイパスさせ、加算器１２、減算器１３により、Ｌ、Ｒ信号 に戻して音声キャンセルを実現している。この場合の帯域除去フィルタ５は、図 ６に示すように、ハイパスフィルタＨＰＦとローパスフィルタＬＰＦを並列に組 み合わせて構成される。

【０００５】 一方、従来、野球やサッカー等の試合のステレオ放送を、その場にいるような 臨場感で再生する手段として、図７に示すようなサラウンド回路が用いられてい る。この回路では、入力Ｌ、Ｒ信号から検出器１７により（Ｌ−Ｒ）または（Ｌ ＋Ｒ）成分を取り出し、位相シフターまたは遅延回路よりなるサラウンド処理回 路１１を通して、元のＬ、Ｒ信号に加算器１２、減算器１３により足し込むこと で、端子１４、１５へ出力している。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、図４に示す音声キャンセル回路では、バンドパスフィルタ１６の出 力に位相回転が生じると、引き算しても完全に音声除去できない。特に、バンド パスの急俊さを求めると位相が回りやすくなるため、音声除去率が低くなるとい う問題がある。

【０００７】 また、図５に示す音声キャンセル回路では、帯域除去フィルタ５を、Ｌ側及び Ｒ側で別々に使っている。このフィルタ５は、図６に示すようにハイパスフィル タＨＰＦとローパスフィルタＬＰＦを並列に組み合わせたものであるから、２系 統設けることでコストアップを招くという問題がある。

【０００８】 また、従来のサラウンド回路では、臨場感は増すものの、アナウンサや解説者 の声が大きいと、これが却ってうるさく耳障りになるという問題がある。

【０００９】 本考案は、そのような事情を考慮し、スポーツ中継などの放送の際に、アナウ ンサや解説者の声を除去しながら臨場感を上げることのできるステレオ音声再生 装置を提供することを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

本考案のステレオ音声再生装置は、左右入力信号の和信号を取り出す（Ｌ＋Ｒ ）検出回路と、差信号を取り出す（Ｌ−Ｒ）検出回路と、上記（Ｌ＋Ｒ）検出回 路の取り出した信号から音声帯域成分を除去する帯域除去フィルタ回路と、この 帯域除去フィルタ回路の出力と上記（Ｌ−Ｒ）検出回路の出力を加算して左信号 として出力する加算回路と、上記帯域除去フィルタ回路の出力から上記（Ｌ−Ｒ ）検出回路の出力を引き算して右信号として出力する減算回路と、からなる音声 キャンセル回路と、上記音声キャンセル回路の出力から（Ｌ−Ｒ）成分を取り出 してサラウンド処理を施して上記音声キャンセル回路の出力に加算するサラウン ド回路を有している。

【００１１】

【作用】

本考案の装置においては、音声キャンセル回路により耳障りなアナウンスの声 を除去し、拡がり成分をサラウンド回路により処理して臨場感を出す。

【００１２】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図面を参照しながら説明する。 図１は、実施例のステレオ音声再生装置のうち、音声キャンセル回路１００の 構成を示すブロック図である。この図において、帯域除去フィルタ５は、人の声 の帯域１００Ｈｚ〜５ＫＨｚを除去するものである。この回路１００では、端子 １からの入力信号及び端子２からの入力信号は、（Ｌ＋Ｒ）検出回路３、（Ｌ− Ｒ）検出回路４により（Ｌ＋Ｒ）信号、（Ｌ−Ｒ）信号になる。（Ｌ＋Ｒ）信号 は帯域除去フィルタ５に通され、この帯域除去フィルタ５を通過した（Ｌ＋Ｒ） 信号と、（Ｌ−Ｒ）検出回路４から出力される（Ｌ−Ｒ）信号は、加算回路６、 減算回路７により、それぞれ加算、減算され、Ｌ出力端８、Ｒ出力端９に出力さ れる。

【００１３】 帯域除去フィルタ５がない場合を考えてみると、Ｌ側出力は加算回路６により （Ｌ＋Ｒ）＋（Ｌ−Ｒ）＝２Ｌ となり、Ｒ側出力は減算回路７により （Ｌ＋Ｒ）−（Ｌ−Ｒ）＝２Ｒ となる。つまり、入出力関係が正常になっていることが分かる。したがって、こ の場合の（Ｌ＋Ｒ）信号を帯域除去フィルタ５を通すことで簡単に音声キャンセ ルを行うことができるのである。この音声キャンセル回路は、従来のようにバン ドパスフィルタを用いていないので音声除去率が高い。また、帯域除去フィルタ ５を１つ用いるだけであるから、コスト面でも有利である。

【００１４】 図２は、実施例のステレオ音声再生装置３００の全体構成を示す図である。こ のステレオ音声再生装置３００は、音声キャンセル回路１００の端子８、９に、 サラウンド回路２００の入力端を接続したものである。このサラウンド回路200 では、音声キャンセル回路１００より出力された信号から、（Ｌ−Ｒ）検出回路 １０により拡がり成分を抽出し、その拡がり成分をサラウンド処理回路１１によ りサラウンド処理する。そして、サラウンド処理した信号を、加算器１２、減算 器１３により、元の信号に足し込んでＬ出力端子１４、Ｒ出力端子１５に最終出 力している。

【００１５】 このステレオ音声再生装置３００によれば、アナウンサや解説者の音声が除去 された状態でサラウンド処理されるので、余計な声に邪魔されずに試合場にいる ような臨場感を味わうことができる。

【００１６】 なお、上記実施例ではサランド回路２００内の（Ｌ−Ｒ）検出回路１０を音声 キャンセル回路１００内のそれとは別個に設けているが、音声キャンセル回路 １００内の（Ｌ−Ｒ）検出回路４を両方に兼用させることもできる。図３は、そ のように構成した変形例である。この例でも全く同じ効果が得られる。

【００１７】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案によれば、ステレオ放送中継のスポーツ番組のア ナウンサや解説者の声を除去して拡がり成分を広げることで、画面の中の試合場 にいるような臨場感を味わうことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例のステレオ音声再生装置３０
０のうちの音声キャンセル回路１００の構成を示すブロ
ック図である。

【図２】本考案の一実施例の全体構成を示すブロック図
である。

【図３】本考案の他の実施例の全体構成を示すブロック
図である。

【図４】従来の音声キャンセル回路の一例を示すブロッ
ク図である。

【図５】従来の音声キャンセル回路の他の例を示すブロ
ック図である。

【図６】図５の回路における帯域除去フィルタの構成を
示す図である。

【図７】従来のサラウンド回路の構成を示すブロック図
である。

【符号の説明】

３ … （Ｌ＋Ｒ）検出回路 ４ … （Ｌ−Ｒ）検出回路 ５ … 帯域除去フィルタ ６ … 加算回路 ７ … 減算回路 １１ … サラウンド処理回路 １２ … 加算器 １３ … 減算器 １００ … 音声キャンセル回路 ２００ … サラウンド回路 ３００ … 本考案のステレオ音声再生装置

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 左右入力信号の和信号を取り出す（Ｌ＋
   Ｒ）検出回路と、差信号を取り出す（Ｌ−Ｒ）検出回路
   と、上記（Ｌ＋Ｒ）検出回路の取り出した信号から音声
   帯域成分を除去する帯域除去フィルタ回路と、この帯域
   除去フィルタ回路の出力と上記（Ｌ−Ｒ）検出回路の出
   力を加算して左信号として出力する加算回路と、上記帯
   域除去フィルタ回路の出力から上記（Ｌ−Ｒ）検出回路
   の出力を引き算して右信号として出力する減算回路と、
   からなる音声キャンセル回路と、 上記音声キャンセル回路の出力から（Ｌ−Ｒ）成分を取
   り出してサラウンド処理を施して上記音声キャンセル回
   路の出力に加算するサラウンド回路とを有することを特
   徴とするステレオ音声再生装置。