JPH0538969Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、エンジンへの吸気量を確保しながら
比較的清浄な空気がエアクリーナを通して吸気で
きるように構成したハーベスタのエンジンルーム
構造に関する。

〔従来の技術〕

かかるハーベスタのエンジンルーム構造にあつ
ては、例えば実開昭61−203827号公報に開示され
ているように、側部に防塵カバーが設けられたエ
ンジンルーム内に、エンジン、エアクリーナ及び
ラジエータ等をそれぞれ配設して、前記防塵カバ
ーで除塵された比較的きれいな空気をエアクリー
ナより吸引するようにしているが、従来では上記
のようにエンジンルームにエアクリーナを配設し
ているために次のような不都合があつた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

すなわち、上記構成によればエンジンルーム内
にエアクリーナが配置されているために、エアク
リーナの清掃や点検をする場合には、前記防塵カ
バーを取り外す必要があつて、操作が煩わしいも
のであり、またエンジンルーム内のエンジンで加
熱された空気を吸引することになるので、エンジ
ン性能が低下し易いものであつた。

ちなみに、この種ハーベスタでは各部材の配置
の制約を受けるために、防塵カバーがエンジンル
ームの側面側しか設けられていないのが一般的で
あり、防塵カバー部分だけから外気を導入するの
ではエンジンの吸気量が確保でき難いものであ
る。そこで、エアクリーナの吸気口をエンジンル
ームの外側に露出させたり、防塵カバーの網目を
粗く形成することも考えられるが、このように構
成すると、脱穀作業中に舞い上がる粉塵を吸気し
易く、エアクリーナや、ラジエータの目詰まりの
原因となる欠点がある。

本考案は上記の実情に着目してなされたもので
あつて、エンジンへの吸気量を確保しながら、目
詰まりを極力防止し、またエンジン性能が低下す
ることなく、しかもエアクリーナの掃除や点検が
比較的容易なものを提供することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

すなわち、本考案に係るハーベスタのエンジン
ルーム構造の特徴構成は、エンジンルームの側部
に設けた防塵カバーに開口部を貫通して設け、こ
の開口部にエアクリーナを装着するとともに、該
エアクリーナと開口部との間にエアクリーナへの
吸気路を形成し、前記エアクリーナの本体に被せ
たキヤツプを前記開口部を通して機体外側より着
脱自在に取付け、エアクリーナに形成した空気導
入部とエンジンに連設された吸気パイプとを前記
防塵カバー閉止及び開放に伴つて接合、分離自在
に構成してある点にあり、その作用及び効果は次
の通りである。

〔作用〕

防塵カバーに設けた開口部にエアクリーナを装
着するとともに、該エアクリーナと開口部との間
にエアクリーナへの吸気路を形成したので、エア
クリーナの吸気口が外側へ露出することなく、エ
アクリーナと開口部との間に形成された吸気路を
通して吸引することになるから、比較的粉塵の少
ない空気を空気抵抗小さい状態で吸引することが
できる。また、このエアクリーナの本体に被せた
キヤツプを、開口部を通して機体外側より着脱自
在に取付けたので、防塵カバーを取り外すことな
く、機体外部からエアクリーナ内の点検や掃除を
行うことができる。さらに、エアクリーナに形成
した空気導入部とエンジンに連設された吸気パイ
プとを防塵カバーの閉止及び開放に伴つて接合、
分離自在に構成したので、上記のようにエアクリ
ーナを防塵カバーに装着したにもかかわらず、防
塵カバーを適宜開閉することができてエンジンル
ーム内部の点検等を行うこともできる。

〔考案の効果〕

その結果、従来のように防塵カバーを通して外
部の空気を吸引するものではないために、エンジ
ンへの吸気がスムーズに行え、吸気量を確保する
ことができるとともに、比較的低温の空気をエン
ジンに供給することによつてエンジン性能が低下
するのを防止することができるようになつた。し
かも、エアクリーナやラジエータの目詰まりを防
止できるとともに、エアクリーナの掃除、点検も
比較的容易に行えるようになつた。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第３図にはハーベスタが示され、このハーベス
タは、クローラ走行装置１、原動部２、操縦部３
等を備えた走行型運搬車の前記原動部２の前方に
荷台４を設けるとともに、この荷台４上に、脱穀
装置５を前記原動部２から動力伝達される状態で
搭載して構成されている。

前記脱穀装置５は前記荷台４の上面に載設され
た支持フレーム６の上面に搭載され、この支持ア
ーム６を前傾させることにより荷台４から前方へ
容易に下ろすことができるようになつている。

すなわち、第３図に示すように、前記支持フレ
ーム６の後端側にはブラケツト８が後端支点P₁
周りで揺動自在に枢着され、荷台４後端部に枢着
されたオイルスプリング１０の前端部が前記ブラ
ケツト８の前端に連結されており、また支持フレ
ーム６の前後中央部に形成された長孔９には荷台
４の前部に突設した枢支部１３の枢支ピン３０が
前後移動自在に枢支されている。そして、前記支
持フレーム６は枢支部１３を支点として荷台４の
先端部周りで上下揺動自在に枢着されているとと
もに、支持フレーム６を荷台４の上面に水平に載
設した状態では前記オイルスプリング１０が圧縮
されるように設定されている。また、支持フレー
ム６上に前記脱穀装置５を設定位置に搭載した際
の支持フレーム６及び脱穀装置５を合わせた重心
の前後位置が、前記長孔９の前後略中央位置に設
定されている。

従つて、脱穀装置５を支持フレーム６の正規の
位置に搭載している場合には、前記重心位置が枢
支部１３よりやや後側にあつて、支持フレーム６
を荷台４上に水平に載置した状態で、荷台４の後
端に設けたロツク金具２８によりこの状態をロツ
ク固定することができる。そして、前記ロツク金
具２８を解除するとともに、脱穀装置５をやや前
側へ移動させた場合には、前記重心位置が長孔９
の揺動支点より前側へ移行して支持フレーム６が
前傾し、脱穀装置５を支持フレーム６より容易に
降ろすことができるものである。前記脱穀装置５
の前後端部にはそれぞれ接地スタンド１１，１２
が揺動及び固定可能に枢着され、支持フレーム６
から引き降ろした際には下方へ突出して第４図乃
至第６図に示すように、両接地スタンド１１，１
２上に脱穀装置５を使用状態に設置することがで
きる。

次に、前記原動部２について説明すると、第１
図及び第２図に示すように、機体の外側面に防塵
カバー１４が開閉自在に取付けられた箱状のエン
ジンルーム１５内には、エンジンラジエータ１
６、フアン１７及びエンジン１８などが配設さ
れ、エンジン１８の駆動軸にベルト連動された前
記フアン１７がエンジンラジエータ１６の一側に
配設されていて、フアン１７の回転駆動により前
記防塵カバー１４を通して機体外部の空気を吸入
して、エンジンラジエータ１６を冷却するように
なつている。前記防塵カバー１４は、外側の網部
１４ａと壁部１４ｂとを備えたダクト状に構成さ
れ、防塵カバー１４に開口部１９が貫通して設け
られている。そして、この開口部１９にはエアク
リーナ２０の本体２０ａが挿入され、本体２０ａ
に形成したフランジ２１が前記防塵カバー１４の
内面にネジ固定されている。

エアクリーナ２０の周側面と前記開口部１９の
内面に設けられた内壁面１９ａとの間には吸気路
２５が形成され、この吸気路２５を通して外部の
空気をエアクリーナ２０の側部に形成された吸気
部２０ｂへ導入できるようになつている。そし
て、エアクリーナ２０の本体２０ａを外側から覆
うキヤツプ２６がボルト２９により外側から着脱
自在に取付けられ、前記開口部１９からキヤツプ
２６を適宜外すことができるように構成されてい
る。また、エアクリーナ２０のエンジンルーム１
５内面側に形成した通気部２７がエルボ２３を介
してエンジン１８に連設された吸気パイプ２２に
連結されている。

前記、通気部２７の前記吸気パイプ２２側には
パツキン３１付きのフランジ３２が連設され、前
記防塵カバー１４をエンジンルーム１５に取付け
る際には、通気部２７と吸気パイプ２２と気密的
に連通接合し、防塵カバー１４を開放した際に
は、通気部２７が前記エルボ２３先端から外れる
ようになつている。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対
照を便利にする為に符号を記すが、該記入により
本考案は添付図面の構造に限定されるものではな
い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るハーベスタのエンジンルー
ム構造の実施例を示し、第１図はエンジンルーム
内の縦断側面図、第２図はその横断平面図、第３
図はハーベスタの全体側面図、第４図乃至第６図
は脱穀装置を荷台から降ろす場合の作用説明図で
ある。 １４……防塵カバー、１５……エンジンルー
ム、１８……エンジン、１９……開口部、２０…
…エアクリーナ、２０ａ……エアクリーナ本体、
２２……吸気パイプ、２６……キヤツプ、２７…
…通気部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. エンジンルーム１５の側部に設けた防塵カバー
   １４に開口部１９を貫通して設け、この開口部１
   ９にエアクリーナ２０を装着するとともに、該エ
   アクリーナ２０と開口部１９との間にエアクリー
   ナ２０への吸気路２５を形成し、前記エアクリー
   ナ２０の本体２０ａに被せたキヤツプ２６を前記
   開口部１９を通して機体外側より着脱自在に取付
   け、エアクリーナ２０に形成した空気導入部２７
   とエンジン１８に連設された吸気パイプ２２とを
   前記防塵カバー１４の閉止及び開放に伴つて接
   合、分離自在に構成してあるハーベスタのエンジ
   ンルーム構造。