JPH0538780U - 防水コネクタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 組付け作業の容易化を図ると共に、シール機
能の向上を可能とする。 【構成】 コネクタハウジングの前部に端子収容室、後
部に防水栓装着部、後端開口部に係止部を形成し、前記
後端開口部に挿入される防水栓ホルダを有し、前記防水
栓ホルダに前記係止部に係止される仮係合用の仮係合部
及び本係合用の本係合部を前記挿入の方向に前後して連
設すると共に、前記防水栓装着部に連通する端子挿通孔
を設け、前記防水栓装着部に前記後端開口部から挿入さ
れた電線との間の封止を行なう蛇腹状の防水栓を装填
し、前記本係合部が前記係止部に係合する位置まで前記
防水栓ホルダを挿入して前記防水栓の蛇腹状を潰すこと
特徴する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、コネクタハウジングと電線との間を封止する防水栓を備えた防水 コネクタに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の防水コネクタとしては、例えば実開昭６３−６１７７６号公報に記載さ れたものと類似の図８に示すものがある。図８は防水コネクタとして雌型コネク タ１の断面図を示すもので、先端にフード３を備えたコネクタハウジング５内の 前部に端子収容室７が形成され、後部に防水栓装着部９が形成されている。そし て、前記端子収容室７には電線１１に加締め接続された雄型端子１３が収納され 、その雄型電気接続部１５がフード３内に臨まされている。図９で示すように前 記雄型端子１３の直後において電線１１にゴム製の防水栓１７が嵌合されており 、その外周部がコネクタハウジング５の防水栓装着部９に弾接している。また図 示はしないが雌型コネクタ１に結合させる雄型コネクタも同様な構造によってシ ールが行なわれており、雌型コネクタ１に図示しない雄型コネクタを結合させる ことにより、雌型コネクタ１の防水栓１７と図示しない雄型コネクタの防水栓と でコネクタ内の防水を行なうことができる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、このような構造では、電線１１に予め装着した防水栓１７を雄 型端子１３の収納と共に、防水栓装着部９へ強制的に押し込め、これを径方向に 潰すことによって防水栓装着部９内周、及び電線１１に密着させ、シールを行な う構造であるため、シール機能が不十分になるか、押し込め作業が困難となり、 更には電線１１の太さの変更に対応できないという問題があった。

【０００４】 すなわち、前記のように防水栓１７を防水栓装着部９へ強制的に押し込めるだ けでシールを行なうものであるため、押し込め作業を容易にしようとすると、防 水栓装着部９の内径に対し防水栓１７の外径をそれ程大きくすることはできず、 十分な潰し代を確保することができず、シール機能が不十分となるおそれがあっ た。

【０００５】 逆にシール機能を十分に確保する場合は、防水栓装着部９の内径に対し防水栓 １７の外径を大きくして十分な潰し代を確保するが、防水栓１７の防水栓装着部 ９に対する押し込め作業が困難になるという問題がある。

【０００６】 また、電線１１の太さが防水栓１７の内径に対し規定寸法を有し、前記防水栓 １７の押し込めによって十分なシール機能を確保することができる場合はよいが 、仕様の変更によって図９のように防水栓１７の内径に対し電線１１の太さが細 くなり、防水栓１７と電線１１との間に隙間ｅが形成されるような場合、十分な シール機能を発揮することができず、電線の太さの変更に対応できないという問 題があった。

【０００７】 さらに、防水栓１７は電線１１に雄型端子１３を加締め接続する前に電線１１ に嵌め込んでおかなければならず、装着作業の自由度が制約されるという問題が あった。

【０００８】 そこでこの考案は、シール機能を十分に確保し、防水栓装填作業を容易にする と共に、装着作業の自由度を増大し、さらに電線の太さの変更に対応することが できる防水コネクタの提供を目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するためにこの考案は、コネクタハウジングの前部に端子収容 室、後部に防水栓装着部、後端開口部に係止部を形成し、前記後端開口部に挿入 される防水栓ホルダを有し、前記防水栓ホルダに前記係止部に係止される仮係合 用の仮係合部及び本係合用の本係合部を設けると共に、前記防水栓装着部に連通 する端子挿通孔を設け、前記防水栓装着部に前記後端開口部から挿入された電線 との間の封止を行なう蛇腹状の防水栓を装填し、前記本係合部が前記係止部に係 合する位置まで前記防水栓ホルダを挿入して前記防水栓の蛇腹状を挿入方向へ圧 縮すること特徴する。

【００１０】

【作用】

装着に際しては防水栓装着部に蛇腹状の防水栓を収納し、防水栓ホルダをコネ クタハウジングの後端開口部に挿入し、仮係合部を後端開口部の係止部に係止さ せ、仮係合状態とする。ついで、防水栓ホルダの端子挿通孔から電線に接続させ た端子を挿入し、蛇腹状の防水栓の内径部を通して端子収容室に収納する。この 状態で、端子の後側の電線が蛇腹状の防水栓の内径部を挿通した状態となってい る。

【００１１】 ついで防水栓ホルダをさらに押込め、本係合部を後端開口部の係止部に係止さ せ本係合状態とする。これによって蛇腹状の防水栓が挿入方向へ圧縮され、その 外周が広がると共に、内周が縮まる状態となる。従って防水栓の外周が防水栓装 着部の内周に密接すると共に内周が電線に密接する状態となる。

【００１２】

【実施例】

以下この考案の実施例を説明する。

【００１３】 図１はこの考案の一実施例に係る防水コネクタの防水栓装着前の斜視図を示し 、図２は仮係合状態の要部断面図を示すもので、例えば図６と同様に雌型コネク タ１を示している。従ってコネクタハウジング５は先端にフード３を備え、前部 に端子収容室７ａ，７ｂを備え、後部に防水栓装着部９を備えている。防水栓装 着部９は端子収容室７ａ，７ｂの後端に円筒状のシールキャビティ１９ａ，１９ ｂを突設して構成され、その周囲にコネクタハウジング５の後部２１が位置して おり二重構造となっている。

【００１４】 そしてコネクタハウジング５の後端開口部２３は、前記シールキャビティ１９ ａ，１９ｂよりも若干後方へ突出し、その左右両側に矩形の貫通孔で形成された 係止部２５ａ，２５ｂが設けられている。

【００１５】 さらに雌型コネクタ１は前記防水栓装着部９に装填される蛇腹状の防水栓２７ ａ，２７ｂを備え、前記コネクタハウジング５の後端開口部２３に挿入される防 水栓ホルダ２９を備えている。

【００１６】 前記防水栓ホルダ２９の側面には前記後端開口部２３の係止部２５ａ，２５ｂ に係止される仮係合用の仮係合部３１ａ，３１ｂ、及び本係合用の本係合部３３ ａ，３３ｂが挿入方向に前後して連設されている。また、防水栓ホルダ２９には 前記防水栓装着部９のシールキャビティ１９ａ，１９ｂに連通する端子挿通孔３ ５ａ，３５ｂが設けられている。

【００１７】 組付けに際しては、防水栓２７ａ，２７ｂを予め防水栓装着部９の各シールキ ャビティ１９ａ，１９ｂに装填し、図２のように防水栓ホルダ２９をコネクタハ ウジング５の後端開口２３に挿入し、仮係合状態とする。

【００１８】 すなわち、防水栓ホルダ２９を後端開口部２３に対向させ、そのまま押込んで 仮係合部３１ａ，３１ｂを係止部２５ａ，２５ｂに係止させる。この状態では防 水栓２７ａ，２７ｂは圧縮されておらず、防水栓装着部９のシールキャビティ１ ９ａ，１９ｂから突出した状態で、防水栓ホルダ２９の端面に軽く接触した状態 となっている。従って、防水栓２７ａ，２７ｂの蛇腹部２８ａ，２８ｂは何等変 形しておらず、その内周が広がった状態となっているため、電線１１に結合した 雄型端子１３を防水栓ホルダ２９の端子挿通孔３５ａ，３５ｂから挿入し、各防 水栓２７ａ，２７ｂの内周部を通して端子収容室７ａ，７ｂへ収容する。このと き、図３のように雄型端子１３の直後の電線１１が防水栓２７ａ，２７ｂの内周 部に位置する。このような雄型端子１３の挿入に際し、前記のように防水栓２７ ａ，２７ｂは広がった状態となっているので、挿入作業が極めて容易である。

【００１９】 前記防水栓ホルダ２９をさらに押し込め、本係合部３３ａ，３３ｂを図４のよ うに係止部２５ａ，２５ｂに係止させると、防水栓ホルダ２９は本係合状態とな り、防水栓２７ａ，２７ｂはその全体がシールキャビティ１９ａ，１９ｂ内に押 し込められ、圧縮された状態となる。

【００２０】 このとき図５で示すように、蛇腹部２８ａ，２８ｂの点Ｐは円弧ｌの軌跡を描 き内外合わせてｘだけ膨らんだ状態となる。このため、防水栓２７ａ，２７ｂの 内外周は電線１１及びシールキャビティ１９ａ，１９ｂの内周に確実に密接しシ ールを行なうことができる。同時にシールキャビティ１９ａ，１９ｂへの防水栓 ２７ａ，２７ｂの装填時には防水栓２７ａ，２７ｂの内外周は膨らんでいないた め、装填作業が極めて容易となる。また、防水栓２７ａ，２７ｂは予め電線１１ に装着する必要がなく、作業自由度が増大する。さらに蛇腹部２８ａ，２８ｂの 潰しによってシールを確保するため、電線１１の太さに変更があってもこれに対 応することができる。

【００２１】 なお、上記実施例では、防水栓ホルダと防水栓とを別体のものとして構成した が、一体に成形することも可能である。この場合、防水栓と防水栓ホルダとを一 体に取扱うことができるので防水栓の装填作業をさらに容易に行なうことが可能 となる。

【００２２】 図６，図７はこの考案の他の実施例を示すもので、図６は防水栓ホルダ２９及 び防水栓３７の正面図を示すもので、防水栓３７は大径単一の第１防水栓３９と 小径で４個の第２防水栓４１ａ〜４１ｄとからなっている。第１，第２防水栓３ ９，４１ａ〜４１ｄは１つ山形状の蛇腹状を呈し、その一端が防水栓ホルダ２９ に対し接着等によって固定されいている。但し、上記実施例同様に第１，第２防 水栓３９，４１ａ〜４１ｄと防水栓ホルダ２９とは分離構造とすることもできる 。

【００２３】 一方、シールキャビティ４３は外周部がリング状を呈し、その内側が第２防水 栓４１ａ〜４１ｄの収容部４３ａとなっている。

【００２４】 そして、前記防水栓ホルダ２９を図７のようにコネクタハウジング５の後端開 口部２３に挿入して仮係合状態にすると第１防水栓３９はシールキャビティ４３ の外周とコネクタハウジング５の後部２１内周との間に挿入され、各第２防水栓 ４１ａ〜４１ｄは各収容部４３ａに収容される。

【００２５】 従って、防水栓ホルダ２９を本係合状態とすれば、第１防水栓３９の挿入方向 への圧縮によってシールキャビティ４３の外周とコネクタハウジング５の後部２ １内周との間がシールされ、各第２防水栓４１ａ〜４１ｄの挿入方向への圧縮に よってシールキャビティ４３と電線１１との間がシールされる。

【００２６】 こうして、上記実施例と同様の作用効果を奏する他、シールキャビティ４３の 内外双方でシールを行うことができ、よりシール性が向上する。

【００２７】

【考案の効果】

以上より明らかなように、この考案の構成によれば、防水栓の装填作業、端子 挿通作業を容易にすることができながら、シール機能の向上を図ることができる 。また、電線の太さの変更にも容易に対応することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例に係る分解斜視図である。

【図２】同要部断面図である。

【図３】同作用説明図である。

【図４】同作用説明図である。

【図５】同作用説明図である。

【図６】他の実施例に係る防水栓及び防水栓ホルダの正
面図である。

【図７】防水栓を図６のVII −VII 線矢視断面で示すと
共に、雌型コネクタに装着した状態を示す断面図であ
る。

【図８】従来例に係る断面図である。

【図９】同電線径変更時の説明図である。

【符号の説明】

１ 雌型コネクタ（防水コネクタ） ５ コネクタハウジング ７ａ 端子収容室 ７ｂ 端子収容室 ９ 防水栓装着部 ２１ コネクタハウジングの後部 ２３ 後端開口部 ２５ａ 係止部 ２５ｂ 係止部 ２７ａ 防水栓 ２７ｂ 防水栓 ２９ 防水栓ホルダ ３１ａ 仮係合部 ３１ｂ 仮係合部 ３３ａ 本係合部 ３３ｂ 本係合部 ３５ａ 端子挿通孔 ３５ｂ 端子挿通孔 ３７ 防水栓 ３９ 第１防水栓 ４１ａ 第２防水栓 ４１ｂ 第２防水栓 ４１ｃ 第２防水栓 ４１ｄ 第２防水栓

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 コネクタハウジングの前部に端子収容
   室、後部に防水栓装着部、後端開口部に係止部を形成
   し、前記後端開口部に挿入される防水栓ホルダを有し、
   前記防水栓ホルダに前記係止部に係止される仮係合用の
   仮係合部及び本係合用の本係合部を設けると共に、前記
   防水栓装着部に連通する端子挿通孔を設け、前記防水栓
   装着部に前記後端開口部から挿入された電線との間の封
   止を行なう蛇腹状の防水栓を装填し、前記本係合部が前
   記係止部に係合する位置まで前記防水栓ホルダを挿入し
   て前記防水栓の蛇腹状を挿入方向へ圧縮すること特徴す
   る防水コネクタ。