JPH0538423Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は、ビデオテープレコーダ（以下VTR
と略称）の記録モード切換を円滑化したサーボ回
路に関する。

(ロ) 従来の技術 VHS方式のVTRは、通常標準記録モードの他
に３倍の長時間記録モードを設定可能にしている
が、長時間記録モードのトラツクピツチは、標準
記録モードのトラツクピツチの1/3であり共通の
ビデオヘツドによつて、両記録モードの記録再生
をするためにはビデオヘツドのギヤツプ幅を標準
モードのトラツクピツチ以下に設定しなければな
らず、仮に設定したとしても良好な再生画面が得
られないと云う欠点があつた。

そこで、最近のVTRは、標準記録モードと長
時間記録モードのそれぞれに専用のビデオヘツド
を設けることが多い。標準記録モード専用の標準
録再ビデオヘツド対と、長時間記録モード専用の
長時間録再ビデオヘツド対の配置方法に付いて
は、両ビデオヘツド対を90度隔て配設する方法
と、両ビデオヘツド対を近接配置する方法とがあ
るが、前者は後者に比しヘツド切換パルス発生回
路が複雑になると云う欠点がある。

後者の配置を採用するVTRに付いては、例え
ば、第３図に示す様なサーボ回路が採用されてい
る。この回路によれば、標準記録モードに於て、
ヘツド切換パルスＡはドラム側の第１位相比較回
路１の比較入力とされる。また、記録映像信号を
同期分離回路２に入力して得られる垂直同期信号
は、フリツプフロツプ３に入力され、このフリツ
プフロツプ出力Ｄが前記第１位相比較回路１の基
準入力とされる。一方前記フリツプフロツプ出力
Ｄは、記録アンプ４を経てコントロールヘツド
CHに供給されると共にキヤプスタン側の第２位
相比較回路５の基準入力とされる。前記第２位相
比較回路５の比較入力端子には、キヤプスタンモ
ータCMが導出するFGパルスFGを分周回路６に
入力して得られる分周出力が入力される。尚、こ
の分周回路６は、記録モードに応じてその分周値
を切換えるものとする。

上述する標準記録モードより長時間記録モード
にモード切換を為す場合、長時間録再ビデオヘツ
ドのアジマス配置は、標準録再ビデオヘツドの逆
であるが故に、記録するコントロール信号の極性
を逆極性にする必要がある。而もビデオヘツドを
駆動するドラムモータDMの回転はモード切換に
関係なく安定に回転する必要がある。上述する２
つの要請に鑑み、第１位相制御回路１に対する入
力はそのままに、記録コントロール信号の極性を
反転している。即ち、長時間記録モードでは、ヘ
ツド切換パルスを第１モノマルチ７に入力して垂
直同期信号相当タイミング（約6H）の遅延を為
し、更にこの第１モノマルチ出力Ｂを第２モノマ
ルチ８に入力し、前記フリツプフロツプ出力を極
性反転した波形に等しい第２モノマルチ出力Ｃを
形成し、モード切換に連動してフリツプフロツプ
出力Ｄに代えて第２モノマルチ出力Ｃを記録アン
プ４に供給している。尚、再生時再生コントロー
ル信号は再生アンプ９とトラツキング回路１１を
介して第２位相比較回路の比較入力とされる。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 しかし、上述する従来例は、記録コントロール
信号形成のために２個のモノマルチを採用するた
め、長時間記録モードに於ける記録コントロール
信号の位相が温度変化を呈する。

(ニ) 問題点を解決するための手段 そこで本考案では、長時間記録モードの設定に
際してキヤプスタン側の位相比較回路の基準入力
側と比較入力側に、記録モードに応じて極性を反
転する第１・第２極性反転回路を設け、前記第１
極性反転回路出力を記録コントロール信号として
記録することを特徴とする。

(ホ) 作用 よつて、本考案によれば、記録モード切換時に
ヘツドモータ側に位相比較回路の両入力が同時に
極性反転を来し、ヘツドモータに対する位相制御
は連続的に為され、記録コントロール信号のみが
記録トラツクのアジマス変更に合わせて極性反転
される。

(ヘ) 実施例 以下、本考案を図示せる一実施例に従い説明す
る。

本実施例は、第５図に模式的に図示する様に、
互に逆アジマスの標準録再ビデオヘツドSA，SB
を180°対向位置に配し、更に、この各標準録再ビ
デオヘツドSA，SBに対してアジマスを逆にする
長時間録再ビデオヘツドLA，LBを近接配置して
180°対向せしめるVHS方式のVTRに本考案を採
用するものである。

第１図は、本実施例の要部回路ブロツク図を又
第２図は要部波形説明図をそれぞれ示す。尚、従
来と同一構成要素に付いては図番を共通にして重
複説明を割愛する。この図より明らかな様に、本
実施例では、ヘツド切換パルスが第２極性切換回
路１２を経て第１位相比較回路１の比較入力とさ
れ、またフリツプフロツプ出力が第１極性切換回
路１１を経て前記位相比較回路１の基準入力とさ
れると共に記録アンプ４にも入力されている。

従つて、標準記録モードでは、ヘツド切換パル
スａとフリツプフロツプ出力ｂとが第１位相比較
回路に入力され、フリツプフロツプ出力ｂがコン
トロール信号として記録されると同時に、第２位
相比較回路の基準入力とされる。

一方、標準記録モードより長時間記録モードに
モード切換が為されたとき、前記第１・第２極性
切換回路１１，１２内のモード切換スイツチはＬ
側に切換わりインベータ出力，を選択する。
従つて、前記第１位相比較回路１の２入力には極
性反転出力，が入力されることになり、位相
比較出力がモード切換に連動して変動することは
ない。

更に、コントロール信号は、モード切換に伴う
ヘツドアジマスの変更に追従して極性反転出力
を記録しており、記録トラツクアジマスと、コン
トロールラツクの位相関係は正しく保たれる。
尚、キヤプスタンモータCMは、このモード切換
に際して基準入力が反転されることになるが分周
回路６の分周比も同時に切換られるため、基準入
力が極性反転することに伴つて同期が特別に乱れ
ることはない。

(ト) 効果 よつて、本考案によれば、回路中にトラツキン
グ回路を除きモノマルチを採用しないためIC化
に好都合であるばかりか、温度特性も安定であり
その効果は大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す回路ブロツク
図、第２図は同要部波形説明図であり、第３図は
従来回路の回路ブロツク図、第４図は同要部波形
説明図であり、第５図は本考案のヘツド配置を示
す模式的説明図を、それぞれ示す。 １１……第１極性反転回路、１２……第２極性
反転回路、１……（第１）位相比較回路、DM…
…ドラムモータ、SA，SB……標準録再ビデオヘ
ツド、LA，LB……長時間録再ビデオヘツド。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 アジマスを異にする標準録再ビデオヘツドに対
   し逆アジマスの長時間録再ビデオヘツドを近接配
   置して成るビデオテープレコーダに於て、 ヘツドドラムモータ側の位相比較回路の基準入
   力側と比較入力側に、標準記録モードと長時間記
   録モードとの記録モード切換に伴い入力信号の極
   性を反転する第１極性切換回路と第２極性切換回
   路をそれぞれ配し、前記第１極性切換回路出力を
   コントロールヘツドに供給することを特徴とする
   サーボ回路。