JPH0538405Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はカセツト式消磁装置に係り、リールの
間に各リールを同一方向に回転可能とする連動体
を介設し、かつ該連動体の動作状態を外方から視
認することにより、機器の駆動を容易に確認でき
るようにしたものである。

〔考案の背景〕

録音再生装置の磁気ヘツドの消磁を手軽に行え
るようにした装置として、カセツト式消磁装置が
広く使用されている。この種消磁装置は消磁ヘツ
ドと消磁回路を配線した基板を本体ケースに収納
して構成されており、これを録音再生装置（以下
デツキという）にセツトしてデツキ側のプレイボ
タンを操作し、デツキ側の磁気ヘツドをケース内
に侵入させてその前面を消磁ヘツドの前面に当接
せしめ、消磁ヘツドに発生する交番漸減磁界によ
りその帯磁を消去するようになつている。ところ
で上記消磁を行う際、デツキ側の磁気ヘツドが本
体ケース内の所定位置まで進入していないと、消
磁ヘツドによる磁気ヘツドの消磁は行われないか
ら、消磁作業時には消磁が行われていることを確
認できる手段が必要となる。

また近年は、デツキの回転従動軸の回転速度を
検出して制御するいわゆるオートストツプ機能付
のものも多く、このようなオートストツプ機能付
のデツキにおいても、あたかも通常のカセツトテ
ープがセツトされたかのように作動させ、磁気ヘ
ツドを本体ケース内の所定位置まで進入させなく
てはならない。

そこで、例えば第７図に示すように通常のオー
デイオテープと同様に、有端のテープＴをテープ
パス部Ｐを経由して各ハブ１０ａ，１０ａに巻回
巻回したものであれば、各リールが同一方向に回
転し、オートストツプ機能付のカセツトデツキに
も使用できるものであるが、このテープＴはヘツ
ドクリーニング機能を有するものであつて、消磁
ヘツド４ａの上面、すなわち磁気ヘツド５ａと消
磁ヘツド４ａの間を挾まれた状態で走行するの
で、消磁ヘツド４ａと磁気ヘツド５ａの間が不安
定で消磁作用に悪影響を与え、消磁にとつて好ま
しいものではない。

〔考案の目的〕

そこで本考案は、この種消磁装置においてオー
トストツプ機能付のデツキにおいても磁気ヘツド
が本体ケース内の所定位置まですみやかに進入し
て、さらには消磁ヘツドによる磁気ヘツドの消磁
が行われているのを簡単に確認できるようにした
装置を提供することを目的としてなされたもので
あつて、上記連動体によりデツキ側の両方の回転
軸が回転を開始して、いわゆるオートストツプ機
能付のデツキにおいても磁気ヘツドが本体ケース
内の所定位置まで進入し、さらにはこの連動体が
動作している状態は、上記視認用窓を通して外方
から容易に視認できるようにして、機器の駆動を
確認できるようにしたものである。

〔実施例〕

以下、図面を参照しながら本考案の実施例の説
明を行う。

第１図〜第３図は本考案にかかるカセツト式消
磁装置を示すものであつて、１は上ケース２と下
ケース３から成るフイリツプス型コンパクトカセ
ツトと同寸同形状の本体ケースであり、その前面
中央にはデツキ側の磁気ヘツド４の挿入口５が、
またその両側にはピンチローラ挿入口６，６が開
設されている。７，７はキヤプスタン挿入口であ
る。８は上記磁気ヘツド挿入口５に臨設された消
磁ヘツドであり、その背面を線バネ９により前進
後退自在に弾持されている。１０は消磁ヘツド８
の後方に配設されたリミツトスイツチであつて、
そのレバー１１は消磁ヘツド８の背面に当接して
おり、消磁ヘツド８が磁気ヘツド４に押されて後
退すると、該レバー１１はON側へ投入される。
１２は消磁回路が配線された基板、１３は電源電
池であつて、上記のようにレバー１１がON側へ
投入されると消磁回路は閉成し、消磁ヘツド８に
交番漸減磁界を生じてその前面に当接する磁気ヘ
ツド４の消磁が行われる。

１４，１４はケース主面に開設されたデツキ側
の回転軸１５，１５の挿入口であつて、該挿入口
１４，１４にはリール１６，１６が回転自在に装
着されている。１７は該リール１６，１６を連動
させる連動体であつて、この実施例では該リール
１６，１６に調帯された無端ベルトを示してい
る。該無端ベルト１７は軟質ゴムのような伸縮性
を有する素材から成つており、かつ該ベルト１７
には視認用着色部１８がまだら状に形成されてい
る。１９は視認用回転体であつてその上面には視
認用着色部２０が形成されており、下ケース３の
略中央に回転自在に立設された回転柱２１上に取
り付けられている。また回転体１９上方の上ケー
ス２主面には、無端ベルト１７の動作状態視認用
窓２２が設けられている。上記無端ベルト１７は
回転柱２１に摺接しており、デツキ側の回転軸１
５が回転してベルト１７が送行されると回転体１
９も同時に回転し、これを上記視認用窓２２を通
して外方から視認することにより、ベルト１７の
送行を確認することができる。

本装置は上記のような構成より成り、本体ケー
ス１をデツキに装着してプレイボタンを操作する
と、デツキ側の磁気ヘツド４は挿入口５から本体
ケース１内に進入し、消磁ヘツド８前面に当たつ
て該ヘツド８を後退させる。すると消磁回路が駆
動して消磁ヘツド８に交番漸減磁界を生じ、磁気
ヘツド４の帯磁は消去される。これと同時に駆動
側回転軸１５により駆動側リール１６は回転さ
れ、無端ベルト１７は送行されて回転体１９は回
転するから、視認用窓２２を通してこれを視認す
ることにより、消磁ヘツド８が駆動して磁気ヘツ
ド４の消磁が行われているのを確認することがで
きる。その際回転体１９や無端ベルト１７には着
色部１８，２０が形成されているので、その回転
や送行をきわめて視認しやすい利点がある。また
リール１６，１６を設け、かつ該リール１６，１
６に連動体として無端ベルト１７を調帯している
ので、両リール１６，１６は共に回転されるか
ら、駆動側回転軸と従動側回転軸がともに回転し
た場合にのみ磁気ヘツドが進入する形式のいわゆ
るオートストツプ機能付の録音再生装置の磁気ヘ
ツドの消磁にも適用できる利点がある。すなわち
録音再生装置には、テープの巻き込みを防止する
ために、テープの張力、すなわち各リールのトル
クを検知して磁気ヘツドの進入を行わせるものが
あり、この種装置にはリールや無端ベルトが配設
されていないカセツト式消磁装置は適用できない
ものであるが本装置は各リールの連動帯として無
端ベルト１７を両リール１６，１６に調帯するこ
とにより両リール１６，１６をともに回転させる
ようにしているので、この種録音再生装置の磁気
ヘツドの消磁にも適用することができる。

さらには、従来からあるテープ付カセツト式消
磁器のように消磁ヘツド８と磁気ヘツド４の間の
テープによる悪影響を及ぼすことなく各種録音再
生装置に使用することができる。

〔他の実施例〕

第４図および第５図は本考案の他の実施例を示
すものであつて、リール２３，２３は歯車状リー
ルであり、該リール２３，２３には連動体として
無端タイミングベルト２４が調帯されている点に
おいて、上記第一実施例のものと異なつている。
使用時には視認用窓２２からベルト２４の送行を
視認するが、ベルト２４は凹凸が形成されたタイ
ミングベルトであるから、各リール間のベルトの
張力をさほど強くしなくとも、各リールとベルト
間がスリツプすることなく確実に連動し、さらに
は連動体が凹凸形状であるので上記第一実施例の
ように着色部を形成せずとも簡単にその動作状態
を視認することができる。

第６図は本考案の更に他の実施例を示すもので
あつて、連動体としての無端ベルト２５は透明合
成樹脂などの透光性材料から成つており、かく所
定間隔にて着色部２６がまだら状に形成されてい
る。またその下方の基板１２上には発光素子２７
が配設されている。したがつて連動体２５が動作
されるときには、視認用窓２２を通してその動作
状態の表示が発光素子２７の点減と同様の表示効
果となり、より確実に視認することができる。

本考案は上記実施例のものに限定されるもので
はなく、さらに種々の設計変更が可能であつて、
例えば本体ケースはマイクロカセツト等の他の形
成のケースであつてもよく、要は本体ケース主面
に形成された視認用窓を通して、各リールを同一
方向に回転させる連動体の動作状態を簡単に視認
できるようにすればよい。

〔作用効果〕

以上説明したように本考案に係るカセツト式消
磁装置は、磁気ヘツド４に当接され、交番漸減磁
界を生じる消磁ヘツド８と消磁回路を収納して成
る本体ケース１の回転軸挿入口１４，１４にリー
ル１６，１６を回転自在に装着するとともに、該
リール１６，１６間の上記消磁ヘツド８の磁気ヘ
ツド４との当接面を除く位置に、上記リール１
６，１６を同一方向に回転可能とする連動体１７
を介設し、かつ上記本体ケース１の主面に該連動
体１７の動作状態視認用窓２２を設けて成るの
で、消磁ヘツド８が駆動して磁気ヘツド４の消磁
が行われているのを、外方から簡単に確認するこ
とができ、またオートストツプ機能付の録音再生
装置においても良好に使用できる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例を示すものであつて、第１
図はカセツト式消磁装置の斜視図、第２図は平面
図、第３図は斜視図、第４図および第５図は本考
案の他の実施例の平面図および部分斜視図、第６
図は本考案の更に他の実施例の部分断面図であ
り、第７図は従来例を示す平面図である。 １……本体ケース、４……磁気ヘツド、８……
消磁ヘツド、１４……回転軸挿入口、１６，２３
……リール、１７，２４，２５……連動体、２２
……視認用窓。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 磁気ヘツド４に当接され、交番漸減磁界を生じ
   る消磁ヘツド８と消磁回路を収納して成る本体ケ
   ース１の回転軸挿入口１４，１４にリール１６，
   １６を回転自在に装着するとともに、該リール１
   ６，１６間の上記消磁ヘツド８の磁気ヘツド４と
   の当接面を除く位置に、上記リール１６，１６を
   同一方向に回転可能とする連動体１７を介設し、
   かつ上記本体ケース１の主面に該連動体１７の動
   作状態視認用窓２２を設けて成るカセツト式消磁
   装置。