JPH0538169A - 振動モータ - Google Patents

振動モータ

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JPH0538169A
JPH0538169A JP3209812A JP20981291A JPH0538169A JP H0538169 A JPH0538169 A JP H0538169A JP 3209812 A JP3209812 A JP 3209812A JP 20981291 A JP20981291 A JP 20981291A JP H0538169 A JPH0538169 A JP H0538169A
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JP
Japan
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rotor
vibration
stator
voltage
motor
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Withdrawn
Application number
JP3209812A
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English (en)
Inventor
Masahiko Komoda
晶彦 菰田
Koji Saito
孝司 斉藤
Yoshitaka Takemura
芳孝 竹村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asmo Co Ltd
Original Assignee
Asmo Co Ltd
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  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 双方向への回転が可能であり、しかも構造が
簡単で、回転出力を効率よく発生できる振動モータを提
供すること。 【構成】 ステータ部とロータ部とを有する振動モータ
である。前記ステータ部は、圧電素子42,44と、電
極板46,48と、第1のブロック体50および第2の
ブロック体52とを含む。そして、ステータ部40の貫
通孔に結合ロッド54を挿通し、この先端をかしめるこ
とによりステータ部40を構成する各部材をその積層方
向に圧接固定している。そして、前記第2の電極板48
をアースした状態で、リング上に配置された分割電極版
46U,46V,46Wに、曲げ振動の共振周波数をも
つ3相交流電圧を印加する。これにより、金属ブロック
体50のロータ接触面60に、順方向および逆方向の楕
円振動に任意発生させ、ロータ部を正転および逆転駆動
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は振動モータ装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、ボルト締めランジュバン型の
超音波モータが周知であり、例えば特開昭61-49670号公
報に係る片持ち梁状捩り超音波振動子を用いた圧電モー
タや、特開昭63-217984 号公報に係る超音波モータ等が
知られている。
【0003】しかし、従来この種のモータは、いずれも
ロータを一方向にしか回転できず、しかも構造が複雑で
高価なものとなってしまうという問題があった。
【0004】図10には、従来のボルト締めランジュバ
ン型超音波モータの一例が示されている。この超音波モ
ータは、2個の圧電素子10,12の両端に長さの異な
る金属ブロック体14,16が配置され、両ブロック体
14,16は、その中心においてボルト18により圧電
素子10,12を締付けるように固定されている。
【0005】そして、この超音波モータは、交流電源2
0から圧電素子10,12に高周波交流電圧を印加する
と、圧電素子10,12の厚み方向への振動により縦振
動が生じるとともに、ボルト18の捩りにより捩り振動
が生じ、ブロック体14,16の端面には縦振動と捩り
振動を合成した楕円振動が発生することになり、この楕
円振動により回転駆動力を得ることができる。
【0006】前記ブロック体16の端面には、円板22
がバネ24によりブロック体16側へ付勢されて配設さ
れており、円板22の回転軸26が軸受28にて支持さ
れている。したがって、前記円板22をブロック体16
の端面に接触することにより、前記合成振動により得ら
れる回転力は円板22に伝達され、回転軸26から回転
出力を取り出すことができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来の超
音波モータでは、縦振動と捩り振動との共振点を合せな
ければ回転出力を効果的に発生できない。このため、一
方のブロック体14を短尺状に形成し、他方のブロック
体16を長尺状に形成して前記共振点を一致させる必要
があり、従ってモータ設計時における自由度が少いとい
う問題があった。
【0008】また、このように縦振動と捩り振動との合
成により楕円振動を発生させる超音波モータでは、ブロ
ック体16の端面に一方向の楕円振動しか発生できず、
回転軸26を正転および逆転の両方向駆動できないとい
う問題があった。
【0009】さらに、この超音波モータでは、ボルト1
8の両端に形成されたネジ部18a,18aを金属ブロ
ック体14,16に螺合することで、金属ブロック体1
4,16を締付けるように構成してるため、この金属ブ
ロック体14,16の締付圧力が不均一になりやすく、
圧電素子10,12に発生する振動を効率よくブロック
体14,16に伝え回転出力に変換できないという問題
があった。
【0010】しかも、この超音波モータでは、捩り振動
がボルト18のネジ部18a,18aで発生するので、
このネジ部18a,18aと金属ブロック体14,16
との接触状態によって捩じり振動の特性にばらつきが生
じやすく、この結果、超音波モータ自体の特性にもばら
つきが生じてしまうという問題があった。
【0011】本発明は、このような従来の課題に鑑みな
されたものであり、その目的は、双方向への回転が可能
であり、しかも構造が簡単で、高効率の回転出力を得る
ことができ、しかも特性のばらつきが少ない振動モータ
を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明は、ステータ部とロータ部とを有する振動モ
ータにおいて、前記ステータ部は、振動を発生させる圧
電素子と、前記圧電素子の表面をロータ部の回転方向に
少なくとも3分割し、各分割領域を異なる電圧印加領域
とする電極と、前記電極及び圧電素子の両側に配置され
た第1のブロック体および第2のブロック体と、を含
み、ロータ回転軸方向に向け形成された貫通孔に棒状の
結合体が挿通され、前記結合体の先端をかしめることに
より相互に圧接固定された積層体として形成され、前記
電極は、前記圧電素子の各電圧印加領域に3相以上の交
流電圧を印加するように形成され、しかもこの交流電圧
の相順を切り替えることにより、前記ブロック体のロー
タ接触面に順方向及び逆方向の楕円振動を発生させ、こ
のロータ接触面に接するロータ部を正転および逆転駆動
することを特徴とする。
【0013】
【作用】本発明では、圧電素子の表面をロータ部の回転
方向に沿って少くとも3分割し、各分割領域を異なる相
の電圧印加領域とするよう電極が形成されている。した
がって、前記電極を介して圧電素子の各電圧印加領域に
3相以上の高周波交流電圧を印加することにより、ブロ
ック体のロータ接触面に楕円振動を直接発生させ、ロー
タ部を回転駆動することができる。
【0014】このように本発明の振動モータでは、従来
のランジュバン型の超音波モータのように、ボルトによ
る捩り振動を用いることなく、圧電素子の振動から直接
楕円振動を発生させることができるため、回転出力を効
率よく得ることができ、しかも従来のように縦振動、捩
り振動の共振点を一致させるという設計上の制約がない
ため、モータ全体の構成が簡単かつ安価なものとなる。
【0015】さらに、本発明の振動モータでは、捩り振
動を必要としないため、従来のランジュバン型超音波モ
ータのように、ボルトと第1,第2のブロック体とを螺
合させることがモータの必須要件ではなくなる。従っ
て、本発明では、ステータ部に形成された貫通孔に棒状
の結合体を挿通し、この結合体の先端をかしめることに
よりステータ部をその積層方向に圧接固定している。こ
れにより、振動モータの構成を簡単にし、その組み立て
工程を簡略化できるとともに、ブロック体に均一な圧力
をかけ、圧電素子の振動を回転出力に効率よく変換する
ことができる。
【0016】さらに、捩り振動を用いていないことによ
り、従来のランジュバン型超音波モータの様に、ボルト
のネジ部と金属ブロック体との接触状態に起因するモー
タ特性のばらつきがない。
【0017】また、本発明によれば、前記各電圧印加領
域に印加する高周波交流電圧の相順を切替えることによ
り、ブロック体のロータ接触面に順方向の楕円振動およ
び逆方向の楕円振動を選択的に発生させ、ロータ部を正
転および逆転駆動することができる。
【0018】これに加えて、本発明では、前記3相以上
の交流電圧として、曲げ振動の共振周波数を持つ交流電
圧を用いることにより、入力される電圧を効率よく回転
出力に変換し、ロータ部を回転駆動することができる。
【0019】また、本発明者は、この振動モータの回転
原理についての検討を行った。この種のモータでは、発
生する振動の種類として、縦振動、捩り振動、曲げ振動
が知られている。従来のボルト締めランジュバン型超音
波モータでは、縦振動と捩り振動との合成により楕円振
動を発生させていたが、本発明の振動モータでは、曲げ
振動を用いて直接楕円振動を発生させているものと推定
される。すなわち、圧電素子の振動により、ブロック体
には曲げ振動が発生されるが、本発明では、圧電素子の
各電圧印加領域に3相以上の高周波交流電圧を印加する
ことにより、各相の曲げ振動の合成が直接楕円振動とな
って得られるものと推定される。
【0020】このように、本発明の振動モータは、従来
のランジュバン型超音波モータと異なる原理によって楕
円振動を得ているものと推定され、その結果、正逆転可
能な回転出力を効率よく発生させることができ、しかも
その構造が簡単でかつ安価なものとなる。
【0021】これに加えて、本発明の振動モータでは、
ステータ部に発生する曲げ振動の共振周波数と同じ周波
数をもつ交流電圧を印加している。このため、ブロック
体のロータ接触面には、曲げ振動の値が最も大きい腹部
が位置することとなるため、この面からも、入力電圧を
効率よく回転出力に変換し、ロータ部を回転駆動するこ
とができる。
【0022】図6には、ステータ部に発生する曲げ振動
の様子が概念的に示されている。同図(A)には、ステ
ータ部を1共振周波数の交流電圧で共振駆動した場合の
様子が示され、同図(B)にはステータ部を2次共振周
波数の交流電圧で駆動した場合の様子が示され、同図
(C)にはステータ部を、3次の共振周波数の交流電圧
で駆動した場合の様子が示されている。
【0023】同図に示すよう本発明の振動モータでは、
曲げ振動を用いてステータ部のロータ接触面60A,6
0Bに直接楕円振動を発生させることができる。そし
て、ステータ部を1次共振駆動した場合には、両ロータ
接触面60A,60Bには同方向の楕円振動が発生し、
ステータ部を2次共振駆動した場合には、両ロータ接触
面60A,60Bに逆方向の楕円振動が発生し、ステー
タ部を3次共振駆動した場合には、両ロータ接触面60
A,60Bに同方向の楕円振動を発生させることができ
る。
【0024】
【実施例】次に、本発明の好適な実施例を図面に基づい
て詳細に説明する。
【0025】図1には、本発明に係る振動モータの好適
な第1実施例が示されている。
【0026】実施例の振動モータは、ロータ部30と、
ステータ部40とを有する。
【0027】そして、ステータ部40の電極板46,4
8に、制御回路80から高周波交流電圧を印加すること
により、ステータ部40のロータ接触面60に楕円振動
を発生させ、これによりロータ接触面60に接するロー
タ部30を正転および逆転駆動するものである。
【0028】前記ロータ部30は、ロータ接触面60に
一定の圧力で接触する円板32と、この円板32の回転
中心に取り付けられた回転出力軸34とを含む。
【0029】また、前記ステータ部40は、例えばセラ
ミックス等の圧電体を用いてリング状に形成されかつ互
いに分極方向の異なる2個の圧電素子42,44と、圧
電素子44の両側に設けられた第1の電極板46及び第
2の電極板48と、圧電素子42,44の両側にそれぞ
れ配置された第1の金属ブロック体50及び第2の金属
ブロック体52と、両金属ブロック体50,52で圧電
素子42,44を締め付けるように圧接固定する導電性
の結合ロッド54とを含む。
【0030】なお、前記圧電素子42,44は、分極の
際に電極として用いた、例えば銀、ニッケル等の面を、
分極終了後に研磨して除去したものを用いる。
【0031】図2,図3には、前記ステータ部40が示
されている。
【0032】ここにおいて、図2はステータ部40を組
立てた状態を示し、図3はその分解斜視図を示してい
る。
【0033】前記第1,第2の金属ブロック体50,5
2の中心には段差部50b,52bを有する貫通孔50
a,52aが形成され、さらに圧電素子42,第1の電
極板46,圧電素子44,第2の電極板48の中心には
貫通孔42a,46a,44a,48aが設けられてい
る。ここで、前記圧電素子42,第1の電極板46,圧
電素子44,第2の電極板48の貫通孔42a,46
a,44a,48aには、絶縁性の筒型カラー56が嵌
挿されている。また、前記カラー56の内径は、前記結
合ロッド54の外径と同径になっている。
【0034】このようにして、実施例のステータ部40
の中心には、ロータ部30の回転出力軸34方向へ貫通
孔が形成されている。そして、この貫通孔に、結合ロッ
ド54を挿通し、その後、この結合ロッド54の先端を
その両側からかしめ、段差部50b,52bと圧着係合
するカシメ部54a,54bを形成する(図1参照)。
これにより、圧電素子42,44の両側に、第1の金属
ブロック体50及び第2の金属ブロック体52が、圧電
素子42,44を締め付けるように圧着固定されること
になる。なお、前記段差部50b,52bを設けない場
合には、結合ロッド54の先端をその両側からかしめ、
ロータ接触面60A,60Bと圧着係合するようカシメ
部54a,54bを形成すればよい。
【0035】なお、本実施例では、結合ロッド54の両
端をかしめることとしたが、図8(a)に示したよう
に、一端にフランジ部54cを有する結合ロッド54を
用いる場合には、他端側をかしめることでカシメ部54
aを形成すればよい。また、図8(b)に示すように、
一端に第2の金属ブロック体52と螺合するネジ部54
dを有する結合ロッド54を用いる場合にも,他端側を
かしめることでカシメ部54aを形成すればよい。
【0036】このように、本実施例では、結合ロッド5
4の先端をかしめることによって、圧電素子42,44
の両側に、第1の金属ブロック体50及び第2の金属ブ
ロック体52圧着固定する構成としたので、金属ブロッ
ク体50,52に均一な圧力をかけることができる。
【0037】なお、本実施例は、この連結固定に際し、
各部材の積層面の固定に接着剤を用いていないため、共
振周波数のモータ毎のばらつきや、Qの値の低下を防ぐ
ことができ、これにより振動モータの性能及び信頼性の
向上を図ることができる。
【0038】また、前記第1の電極板46は、円周方向
に3分割されるようにスリット部46cが設けられ、そ
の外周部が連結部46bにより互いに連結されている。
この第1の電極板46は、その直径が圧電素子42,4
4の直径よりも幾分大きめに形成され、ステータ部40
を組立てた際、その外周部及び連結部46bがステータ
外部へ突出するようになっている。これにより、ステー
タ部40の組立て終了後に、前記連結部46bを切断す
ることで、互いに電気的に絶縁された分割電極板46
U,46V,46Wを得ることができる。
【0039】特に、本実施例では、ステータ組立時に各
分割電極板46U,46V,46Wを1枚の電極板46
として取り扱うことができるため、その組立作業が容易
になるばかりでなく、各分割電極板46U,46V,4
6Wの位置決めも正確に行うことができる。
【0040】また、各分割電極板46U,46V,46
Wのステータ外部へ突出する部分は、図2に示すよう、
外部接続端子45U,45V,45Wを構成することに
なり、これに図1に示すよう引き出し線64U,64
V,64Wが接続されることになる。
【0041】さらに、前記第2の電極板48の外周に
は、ステータ部40の外部へ突出する外部接続端子49
が設けられ、これに、図1に示すよう、接地用の引き出
し線66が接続されることとなる。
【0042】また、本実施例の金属ブロック体50,5
2は、金属製の結合ロッド54により相互に連結固定さ
れている。このため、第2の電極板48をアースする
と、自動的に第2の金属ブロック体52,結合ロッド5
4,第1の金属ブロック体50がアース電位となる。し
たがって、第1の金属ブロック体50は、圧電素子42
の片面に対し、第2の電極板48と同様にアース電極と
して機能することになる。
【0043】なお、前記結合ロッド54は、絶縁性のカ
ラー56により圧電素子42,44及び第1の電極板4
6と電気的に絶縁されている。
【0044】このように構成された振動モータを用い
て、ロータ部30を正転駆動する場合には、第2の電極
板48をアースし、分割電極板46U,46V,46W
に図4に示すようA相,B相,C相の3相交流電圧を印
加する。これにより、各分割電極板46U,46V,4
6Wと接する圧電素子42,44の各電圧印加領域に
は、それぞれA相,B相,C相の高周波交流電圧に対応
した振動が発生し、ロータ接触面60には順方向の楕円
振動が発生する。この楕円振動は、A相,B相,C相の
各高周波交流電圧に対応して発生する曲げ振動の合成と
して得られると推定され、これによりロータ接触面60
と接するロータ部30は順方向に回転駆動されることに
なる。
【0045】また、各分割電極板64U,64V,64
Wの相順を切り替え、A相,C相,B相の順に3相交流
電圧を印加すると、ロータ接触面42には逆方向の楕円
振動が発生し、ロータ部30を逆方向に回転駆動するこ
とができる。
【0046】このように、本実施例によれば、各分割電
極板64U,64V,64Wに印加する3相交流電圧の
相順を切り替えることで、ロータ部30を正転及び逆転
駆動することができる。しかも捩り振動を必要とするこ
となく、ロータ接触面60に直接楕円振動を発生させる
ことができるため、モータの構成が簡単なものとなり、
しかも回転出力を効率よく発生させることができる。
【0047】ところで、本実施例の振動モータを、より
効率よく駆動するためには、前記交流電圧の周波数を、
ステータ部40が共振現象をおこすような値(共振周波
数)とすることが好ましい。
【0048】図5には、ステータ部40に発生する曲げ
振動の共振の様子が示されている。
【0049】同図から明らかなように、前記交流電圧の
周波数を、ステータ部40に発生する曲げ振動の共振周
波数、例えば1次共振周波数,2次共振周波数,3次共
振周波数などに設定することにより、ステータ部40の
両端面60A,60Bに、曲げ振動が最大となる振動の
腹部を位置させることができる。これにより、ステータ
部40の両端面60A,60Bに発生する楕円振動を最
大の値とすることができ、これにより回転出力効率を向
上させることができる。
【0050】なお、前記共振周波数は、何次の共振周波
数を用いてもよい。
【0051】図6には、前記交流電圧の周波数を1次共
振周波数,2次共振周波数,3次共振周波数に設定した
場合におけるステータ部40の共振モデルが示されてい
る。
【0052】このとき、ステータ部40の両端面60
A,60Bには、共振周波数を奇数モードに設定した場
合には同方向の楕円振動が現われ、共振周波数を偶数モ
ードに設定した場合には逆方向の楕円振動が発生するこ
とになる。
【0053】ここにおいて、これら各モデルにおける曲
げ振動の共振周波数fは、概略、次式によって求めるこ
とができる。
【0054】 f=λ2 {R/(2πL2 )}(E/ρ)1/2 λ;定数 (1次共振の時4.73、2次共振の時7.853 、3次共振の
時10.996) R;0.25×D (Dはステータ部40の外径) L;ステータ部40の全長 (E/ρ)1/2 ;音速 (Eはヤング率、ρは密度) したがって、例えばD,Lが次のような値で、ブロック
体50,52がアルミニウムの振動モデルを考えると、 D=35×10-3[m] L=60×10-3[m] (E/ρ)1/2 は約5800[m/s]となる。
【0055】したがって、この振動モデルでは、ステー
タ部40の1次共振周波数fの値は、約50kHz とな
る。
【0056】図7には、前記振動モータの動作を制御す
る制御回路80の具体的な構成が示されている。
【0057】この制御回路80は、A相,B相,C相の
3相交流電圧を出力する電源回路90と、この3相交流
出力を増幅し分割電極板46U,46V,46Wに印加
するアンプ92とを含む。
【0058】また、この制御回路80は、ON/OFF
スイッチ82,共振モード入力部84,回転方向入力部
86,回転速度入力部88を含む。
【0059】前記ON/OFFスイッチ82は、電源回
路90,アンプ92をオン・オフ制御するものである。
【0060】前記共振モード入力部84は、ステータ部
40の共振モードを選択設定するものであり、その出力
信号は電源回路90に入力される。そして、電源回路9
0は、この入力信号に基づき、3相交流出力電圧の周波
数を、設定された共振モードの共振周波数に切替え制御
し、これにより例えばステータ部40の曲げ振動を1次
共振,2次共振、あるいはそれ以上の次数の共振モード
に設定することができる。
【0061】前記回転方向入力部86は、ロータ部30
の回転方向を選択設定するものであり、その出力信号は
電源回路90に入力される。電源回路90は、この入力
信号に基づき、各分割電極板46U,46V,46Wに
印加する3相交流電圧の相順を切替え、ロータ部30の
回転方向を決定することができる。
【0062】また、前記回転速度入力部88は、アンプ
92の増幅率を制御することにより、ロータ部30の回
転速度を設定することができる。
【0063】したがって、前記各入力部84,86,8
8を用いて、ステータ部40の共振モード,ロータ部3
0の回転方向,回転速度の設定を行った後に、ON/O
FFスイッチ82をオンすると、電源回路90が設定に
応じた相順および周波数の高周波交流電圧を出力する。
これを、アンプ92で増幅して引き出し線64U,64
V,64Wに印加することにより、圧電素子42,44
に前述した3相交流電圧を印加し、ロータ部30を回転
駆動することができる。
【0064】このとき、圧電素子42,44に印加され
る3相交流電圧は、共振モード切替え操作部84にて設
定された共振モードに対応した共振周波数に制御されて
いるため、入力電圧を効率よく回転出力に変換し、ロー
タ部30を回転駆動することができる。
【0065】さらに、本実施例の振動モータによれば、
回転方向入力部86により、各引き出し線64U,64
V,64Wに印加する3相交流電圧の相順を切替えるこ
とで、ロータ部30の回転方向を選択的に決定すること
ができる。
【0066】さらに、実施例の振動モータでは、回転速
度入力部88を用いて交流電圧の電圧値を制御すること
により、ロータ部30の回転速度を任意の速度に制御す
ることができる。
【0067】さらに、実施例の振動モータでは、従来の
ランジュバン型超音波モータのように、楕円振動の発生
に捩り振動を必要としない。したがって、圧電素子4
4,42、第1、第2の電極板46,48および第1、
第2の金属ブロック体50,52を、それぞれ結合ロッ
ド54で締付けることによって、各構成部材の連結固定
を行いステータ部40を構成することができ、前記構成
部材の接合面に接着剤を塗布することが不要となる。し
たがって、接着剤を用いた場合のような、共振周波数の
モータごとのばらつきや、Qの値の低下を防ぐことがで
き、これにより振動モータの性能および信頼性を向上さ
せることができる。
【0068】さらに、本実施例では、楕円振動の発生に
曲げ振動という1種類の振動を使用するのみであり、従
来の超音波モータのように縦振動と捩り振動という2種
類の振動を必要としない。したがって、ステータ部40
の設計、特に金属ブロック体14,16の設計の自由度
がひろがり、モータの小型化を図ることが可能となる。
【0069】また、本実施例では、結合ロッド54の先
端をかしめることによって、圧電素子42,44の両側
に、第1の金属ブロック体50及び第2の金属ブロック
体52を圧着固定する構成としたので、金属ブロック体
50,52に均一な圧力をかけることができる。すなわ
ち、実施例の振動モータでは、ボルトによる捩り振動を
必要としないため、従来のランジュバン型超音波モータ
のように、ボルトと第1,第2のブロック体とを螺合さ
せることがモータの必須要件ではなくなる。従って、本
実施例では、ステータ部40に形成された貫通孔に結合
ロッド54を挿通し、この結合ロッド54の先端をかし
めることによりステータ部40をその積層方向に圧接固
定できる。これにより、振動モータの構成を簡単にし、
その組み立て工程を簡略化できるとともに、金属ブロッ
ク体50,52による締付圧力を均一にでき、圧電素子
42,44の振動を回転出力に効率よく変換できる。
【0070】さらに、捩り振動を用いていないことによ
り、従来のランジュバン型超音波モータの様に、ボルト
のネジ部と金属ブロック体との接触状態に起因するモー
タ特性のばらつきがない。
【0071】なお、本発明は前記実施例に限定されるも
のでなく本発明の要旨の範囲内で各種の変形実施が可能
である。
【0072】例えば、本実施例では、第1の電極板46
を3分割した場合を例にとり説明したが、本発明はこれ
に限らず、第1の電極板46を3以上の任意の数の分割
電極板に分割形成してもよい。
【0073】図9には、このような分割電極板の変形例
が示されている。
【0074】同図(A)は、前記実施例と同様に、第1
の電極板46を3分割した場合の具体例である。
【0075】同図(B)は、第1の電極板46を4分割
し、制御回路80からの90°位相の異なる4相の交流
電圧を印加する場合の具体例である。
【0076】同図(C),(D),(E)は、第1の電
極板46を6分割した場合の具体例である。ここにおい
て、同図(C),(D)は、6分割された各分割電極板
に、3相の交流電圧を印加する方法の具体例である。ま
た、同図(E)は、6分割された各分割電極板に、6相
の交流電圧を印加する場合の具体例である。
【0077】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
双方向への回転が可能であり、しかも構造が簡単で、回
転出力を効率よく発生できる振動モータを提供すること
ができる。
【0078】特に、本発明によれば、ロータ接触面での
楕円振動の発生に、ボルトによる捩り振動を必要としな
いため、従来のランジュバン型超音波モータのように、
ボルトと第1,第2のブロック体とを螺合させることが
モータの必須要件ではなくなる。従って、ステータ部に
形成された貫通孔に棒状の結合体を挿通し、この結合体
の先端をかしめることによりステータ部をその積層方向
に圧接固定できる。これにより、振動モータの構成を簡
単にし、その組み立て工程を簡略化できるとともに、第
1および第2のブロック体による締付圧力を均一にで
き、圧電素子の振動を回転出力に効率よく変換できる。
【0079】さらに、捩じり振動を用いていないことに
より、従来のランジュバン型超音波モータの様に、ボル
トのネジ部と金属ブロック体との接触状態に起因するモ
ータ特性のばらつきがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る振動モータの好適な第1実施例の
全体説明図である。
【図2】図1に示す振動モータのステータ部を示す概略
斜視説明図である。
【図3】図2に示すステータ部の分解斜視図である。
【図4】実施例の振動モータに印加する3相交流電圧の
説明図である。
【図5】ステータ部に発生する共振曲げ振動の説明図で
ある。
【図6】ステータ部の共振モデルを示す概念図である。
【図7】図1に示す振動モータに用いられる制御回路の
ブロック図である。
【図8】本発明に用いられる結合ロッドの他の実施例の
説明図である。
【図9】本実施例に用いられる分割電極板の他の実施例
の説明図である。
【図10】従来のボルト締めランジュバン型超音波モー
タの説明図である。
【符号の説明】
30 ロータ部 40 ステータ部 42 圧電素子 44 圧電素子 46 第1の電極板 46U,46V,46W 分割電極板 48 第2の電極板 50 第1の金属ブロック体 52 第2の金属ブロック体 54 結合ロッド 60 ロータ接触面

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステータ部とロータ部とを有する振動モ
    ータにおいて、 前記ステータ部は、 振動を発生させる圧電素子と、 前記圧電素子の表面をロータ部の回転方向に少なくとも
    3分割し、各分割領域を異なる電圧印加領域とする電極
    と、 前記電極及び圧電素子の両側に配置された第1のブロッ
    ク体および第2のブロック体と、 を含み、ロータ回転軸方向に向け形成された貫通孔に棒
    状の結合体が挿通され、前記結合体の先端をかしめるこ
    とにより相互に圧接固定された積層体として形成され、 前記電極は、前記圧電素子の各電圧印加領域に3相以上
    の交流電圧を印加するように形成され、しかもこの交流
    電圧の相順を切り替えることにより、前記ブロック体の
    ロータ接触面に順方向及び逆方向の楕円振動を発生さ
    せ、このロータ接触面に接するロータ部を正転および逆
    転駆動することを特徴とする振動モータ。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記電極板は、 前記圧電素子の表面を前記ロータ部の回転方向に少なく
    とも3分割するようリング状に配置された分割電極板
    と、 前記各分割電極板の外周を連結部を介して互いに連結固
    定し、ステータ部の組み立て終了後に、ステータ外部か
    ら切断される連結部と、 を含み、 前記分割電極板を介して圧電素子の各電圧印加領域に3
    相以上の交流電圧を印加するよう形成されたことを特徴
    とする振動モータ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009082904A (ja) * 2007-09-11 2009-04-23 Ngk Spark Plug Co Ltd 超音波振動子及びその製造方法

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Effective date: 19981008