JPH0537794Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、例えば椅子本体を基台に回転可能に
支持する支持金具に関する。

（従来技術） 従来この種の支持金具としては、例えば実開昭
60−60949号公報に示されているごとく、基台を
取付ける第１支持板と椅子本体を取付ける第２支
持板とを備え、前記第２支持板を前記第１支持板
にボールを介して回転自由に組付ける一方、前記
両支持板に相対向する環状溝を形成して、前記第
１支持板には前記環状溝内に突出する第１突起
を、また前記第２支持板には前記環状溝内の前記
第１突起と対称位置に突出する第２突起をそれぞ
れ設けると共に、前記環状溝内における前記両突
起間に一対のコイルスプリングを介装して、前記
両支持板の相対回転により前記コイルスプリング
を圧縮して、ばね反力を生じさせるように成すこ
とで、前記椅子本体を前記基台に対し角回転可能
で且つ前記椅子本体を前記基台に対し角回転させ
た段階から前記椅子本体を前記コイルスプリング
のばね反力で反転させて自動的に元の位置に復帰
させることが出来るようにした支持金具が開発さ
れている。

（考案が解決しようとする問題点） ところで以上の構造の支持金具では、前記第１
支持板を前記第２支持板に対し180度以上回転さ
せることは不可能であつて、従つて前記第１支持
板に組付ける前記椅子本体を前記基台に対し自由
に回転させることが出来ないと云う不具合があ
る。

本考案は以上の実情に鑑みて開発したものであ
つて、目的とするところは、極めて簡単且つコン
パクトな構成により、前記第１支持板を前記第２
支持板に対し自由に回転でき、それでいながら前
記第２支持板に対し所定角度相対回転させた前記
第１支持板を自動的に所定位置まで反転復帰させ
ることが出来る支持金具を提供するにある。

（問題点を解決するための手段） しかして本考案は、基台に取付ける第１支持板
１と回転体に取付ける第２支持板２とを備え、前
記第２支持板２を前記第１支持板１に回転自由に
支持する一方、長さ方向中央部を折り曲げた細長
状の板ばねから成り、該板ばねの長さ方向中央部
を、前記第１、第２支持板のいずれか一方に固定
する固定部５２とし、該板ばねの相対向する長さ
方向両側を対向片５２とする規制体５を形成し
て、該規制体５の固定部５２を、該第１、第２支
持板のいずれか一方に固定すると共に、他方の支
持板の回転中心には、前記両対向片５１間に介在
して、前記両支持板１，２の相対回転に伴い前記
両対向片５１を互いに離間する方向に弾性変形さ
せ、該対向片５１に前記両支持板の相対回転を解
消させるばね反力を生じさせるカム体６を設けて
いることを特徴とするものである。

（作用） 本考案によれば、前記第２支持板２は前記第１
支持板１に対し360度自由に回転し、また前記第
２支持板２を前記第１支持板１に対し例えば45度
回転させた状態から、前記第２支持板２をフリー
にすると、前記対向片５１に生じたばね反力の前
記カム体６への作用により前記第２支持板２は元
の位置まで反転するのである。

しかも本考案によれば、板ばねから一体成形さ
れた規制体５とカム体６とだけで、前記両支持板
の相対回転を解消するようにしていることから、
それだけ部品点数並びに組み立て工数の削減が図
れるし、しかも小型にすることが出来る。

（実施例） 以下本考案にかかる支持金具の一実施例を図面
に基づいて説明する。

図面に示す支持金具は、座部に背もたれ部をリ
クライニング可能に組付けてなる座椅子本体Ａを
基台Ｂに回転自由に支持するためのものであつ
て、基本的には、前記基台Ｂを取付ける第１支持
板１と、前記座椅子本体Ａの座部を取付ける第２
支持板２とから成る。

前記第１、第２支持板１，２はいずれも平面視
略正方形で、前記第１支持板１の中央には平面視
正方形の角孔１１を、また前記第２支持板２の中
央には円孔２１をそれぞれ形成すると共に、これ
ら両支持板１，２には、前記各孔１１，２１を半
径中心とする横断面半円形の環状溝１２，２２を
設けている。

そして前記第１、第２支持板１，２を、前記各
環状溝１２，２２の開口が対向するように重ね合
わせ、前記両環状溝１２，２２間に、リテーナ３
０により保持された複数のボール３を介装するよ
うにしている。

また螺子軸部４１の一端に前記角孔１１に嵌合
可能な角軸部４２を連設した連結ボルト４を形成
して、該連結ボルト４を前記第１支持板１の角孔
１１から前記第２支持板２の円孔２１に挿通し
て、前記角軸部４２を前記角孔１１に嵌合させる
と共に、前記螺子軸部４１の挿通端部に座金４３
を遊挿して更に球押さえ４４を螺着し、且つ該球
押さえ４４と前記座金４３との間にボール４５を
介装した上で、前記螺子軸部４１の先端部を径方
向外方に拡げることで、前記両支持板１，２を前
記連結ボルト４により連結している。

しかして以上の支持金具において、図に示す実
施例では、略Ｕ字状に折り曲げた細長状の板ばね
から成り、該板ばねの長さ方向中央部を固定部５
２とし、且つ該板ばねの相対向する長さ方向両側
を対向片５２とする規制体５を形成すると共に、
平面視略楕円形で、その短軸方向両側部に平滑面
６１を、また長軸方向両側部に湾曲状のカム面６
２をそれぞれ設けて成るカム体６を形成する一
方、前記第１支持板１と前記第２支持板２の対向
面間に、前記環状溝１２，２２で囲まれる隙間Ｓ
を設けて、この隙間Ｓ内に前記規制体５及びカム
体６を配置し、前記規制体５の固定部５２を前記
第２支持板２に、また前記カム体６を前記第１支
持板１にそれぞれ組付けている。

具体的には、前記第２支持板２を一部切り起こ
して、該第２支持板２における前記第１支持板１
との対向面側に、前記規制体５の固定部５２を係
止する３個の係止片２３を突設し、これら係止片
２３に前記規制体５の固定部５２を係止すること
で、該規制体５を前記第２支持板２に組付けると
共に、前記対向片５１，５１を前記ボルト４にお
ける角軸部４２の両側方に配置している。

また前記カム体６の中央に前記連結ボルト４の
角軸部４２が嵌合可能な角孔６３を形成し、該角
孔６３を介して前記角軸部４２に挿通支持するこ
とで、該カム体６を前記連結ボルト４を介して前
記第１支持板１側に固定すると共に前記規制体５
の対向片５１，５１間に介装し、前記第２支持板
２に組付ける前記座椅子本体Ａが、前記第１支持
板１に組付ける基台Ｂに対して所定位置に位置す
る時、第２図に示すごとく前記カム体６の平滑面
６１，６１が前記規制体５の対向片５１，５１に
面接触するように成している。

以上の支持金具は、前述のごとく例えば前記第
１支持板１の下面に基台Ｂを、前記第２支持板２
の上面に座椅子本体Ａの座部をそれぞれ固定して
用いるのである。

しかして前記第２支持板２が前記連結ボルト４
を中心として前記第１支持板１に対しボール３を
介して回転自由であるため、前記座椅子本体Ａは
前記基台Ｂに対し回転させることが出来るのであ
つて、前記座椅子本体Ａの前記基台Ｂに対する第
２図反時計方向への回転、換言すれば第２支持板
２の前記第１支持板１に対する第２図反時計方向
への回転に伴い、第３図において実線で示すごと
く前記規制体５の対向片５１，５１が、前記カム
体６のカム面６２と当接して該カム面６２により
両側外方に押し広げられてばね反力が発生するの
である。

そのため例えば座椅子本体Ａに着座していた使
用者が該座椅子本体Ａを基台Ｂに対して約50度回
転させ、第３図に示す位置から度をはずすと前記
規制体５に発生したばね反力により前記座椅子本
体Ａ、換言すれば前記第２支持板２が第３図時計
方向に反転して、第２図に示す状態に自動的に復
帰し、且つ第２図に示す復帰位置では前記規制体
５の対向片５１，５１が前記カム体６の平滑面６
１に面接触するので、前記第２支持板２は前記第
１支持板１に対し、換言すれば前記座椅子本体Ａ
は前記基台Ｂに対して所定位置で安定的に静止す
るのである。

従つて使用者はその都度回転させた前記座椅子
本体Ａを元の位置まで戻す手間が要らないのであ
る。

しかして以上の実施例では、前記座椅子本体Ａ
を前記基台Ｂに対し90度以内で回転させた場合、
前記座椅子本体Ａを前記基台Ｂに対し元の位置に
戻すことが出来、90度以上回転させた場合には、
前記座椅子本体Ａは前記基台Ｂに対し180度回転
した位置で停止することになる。

一方前記座椅子本体Ａは前記基台Ｂに対して
360度回転させることが出来るのであつて、即ち
前記カム体６の前記規制体５に対する相対回転に
伴い、前記カム体６のカム面６２により前記規制
体５の対向片５１，５１は外方に弾性変形して、
前記カム体６の回転を不能とすることはないの
で、前記第２支持板２は前記第１支持板１に対し
360度自由に回転させることが出来るのである。

以上の実施例では、座椅子の支持金具として用
いたが、これに限定されるものではなく、例えば
テーブルの天板や回転作業台などの各種回転体の
支持金具として用いることが出来る。

（考案の効果） 以上のごとく本考案は、基台に取付ける第１支
持板１と回転体に取付ける第２支持板２とを備
え、前記第２支持板２を前記第１支持板１に回転
自由に支持する一方、長さ方向中央部を折り曲げ
た細長状の板ばねから成り、該板ばねの長さ方向
中央部を、前記第１、第２支持板のいずれか一方
に固定する固定部５２とし、該板ばねの相対向す
る長さ方向両側を対向片５２とする規制体５を形
成して該規制体５の固定部５２を、該第１、第２
支持板のいずれか一方に固定すると共に、他方の
支持板の回転中心には、前記両対向片５１間に介
在して、前記両支持板１，２の相対回転に伴い前
記両対向片５１を互いに離間する方向に弾性変形
させ、該対向片５１に前記両支持板の相対回転を
解消させるばね反力を生じさせるカム体６を設け
たことにより、前記第２支持体２を前記第１支持
板１に対し360度自由に回転させることが出来な
がら、しかも前記第２支持板２を前記第１支持板
１に対し例えば45度回転させた状態から、前記第
２支持板２をフリーにすると、前記規制体５の対
向片５１に生じたばね反力の前記カム体６への作
用により前記第２支持板２を元の位置まで自動的
に反転させることが出来るのは勿論のこと、板ば
ねから一体成形された規制体５とカム体６とだけ
で、前記両支持板の相対回転を解消するようにし
ているので、それだけ部品点数並びに組み立て工
数の削減が図れるし、しかも金具を小型にするこ
とが出来る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案にかかる支持金具の一実施例を示
し、第１図はその断面図、第２図は一部省略平面
図、第３図は第２支持体を第１支持体に対し回転
させた状態を示す説明図である。 １……第１支持板、２……第２支持板、５……
規制体、５１……対向片、５２……固定部、６…
…カム体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 回転体を基台に回転可能に支持する支持金具で
   あつて、前記基台に取付ける第１支持板１と前記
   回転体に取付ける第２支持板２とを備え、前記第
   ２支持板２を前記第１支持板１に回転自由に支持
   する一方、長さ方向中央部を折り曲げた細長状の
   板ばねから成り、該板ばねの長さ方向中央部を、
   前記第１、第２支持板のいずれか一方に固定する
   固定部５２とし、該板ばねの相対向する長さ方向
   両側を対向片５２とする規制体５を形成して、該
   規制体５の固定部５２を、前記第１、第２支持板
   のいずれか一方に固定すると共に、他方の支持板
   の回転中心には、前記両対向片５１間に介在し
   て、前記両支持板１，２の相対回転に伴い前記両
   対向片５１を互いに離間する方向に弾性変形さ
   せ、該対向片５１に前記両支持板の相対回転を解
   消させるばね反力を生じさせるカム体６を設けて
   いることを特徴とする回転体用支持金具。